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互いに "Reflect"(反射)"する気持ち...最高オブ最高の続編

はー...これは最高の続編...!!✨
アニメイトにて紙本をお迎えしました。
(メイトさん特典小冊子情報は、レビュー最後に記載します☺︎)

攻め・マキ先生のお兄さん登場!
そして二人の同棲・婚約話が持ち上がり!? という2点が大きなテーマでしょうか。

本編読後、先生のあとがきに書かれた、
タイトルの”"Reflection”に込められた思いを読んで胸いっぱいに。

まずはマキ先生から返ってくる気持ち、”恋情”のreflection。

思えば最初は、純多(受け)の片想いから始まった恋なんですよね...
この続編では、最初片想い状態だったなんて本当!?と疑っちゃうぐらいに
双方向の愛が溢れてました(*´◒`*)

そして「恋情」とは異なり、朱音(純多)が
「返したい」と思えるようになる想い。
これ、最高に胸に響くものだったー...

マキ先生が涙を流しながら語る
”純多が幸せであってほしい”という想い、
それ故の悩み苦しみ。

10歳年上であろうと、マキ先生だって不安なんだー
と気付いた純多が告げる言葉、そこに込められた想いが
ストレートに胸を打つ、クライマックスシーンでした。

10歳年上であっても、なんでもこなせる”完璧彼氏”であっても、
マキ先生はずっとずっと不安だったんですよね。。
野外学習で不在の間起こった純多の重いヒートにより、
その不安が顕在化してしまう。

そんなマキさんに返した純多の言葉、涙ぐみながら
噛みしめました。

マキ先生がβで養護教諭になれたから二人は出会えて、
純多が好きになったのは、
無理をしてα用の抑制剤を飲んでまで生徒のために仕事を頑張るマキ先生で。

αとΩの「番」と同等、いやそれ以上とも言える
深い精神的な繋がりを再確認できたこと。
そして、(αの持つブロック能力とは違っていても)
物理的にαを牽制できる方法が見つかったこと。

この二つが後半の二人の光となり、
大きな感動を呼び起こしてくれるエンディングとなっていました。

で!!! 個人的に大っっ好きキャラだった、お兄ちゃん!!!!
結晶がオニキスのような「漆黒」だなんて、
なんかちょっと怖い人なのー!?

とすっかり騙されたっ!(*´艸`)

もーブラコンな翔(カケル)兄ちゃん、
最高に良きお兄ちゃん・良きキャラでした!!
お兄ちゃんの恋のお話も読みたいぞ...!?と思うぐらい好きなキャラ。

1巻、マキ先生の幼少期回想シーンで出てきた
あの”ぞうさん”のお話が、こんなふうにお兄ちゃん視点で見られるなんて!

1巻とは別角度・別視点で兄弟それぞれの思いと
軌跡を知ることができる構成、素晴らしかった...

結晶が眩しく、サングラスをかけないと
街を歩けない純多にとって一番安心な色を持つ人。(マキ先生の透明以外で!)
これだけでもグッと好感度が上がりますが、
マキ先生不在時の純多のヒートの時のエピソードで、
「好き!」が加速しました(*´∀`*)

ちょっと天然入ってるかな?と思えるところも好き。笑
(初登場シーン、ケーキのやりとりに笑った〜w)


そんな、クスッと笑えるポイントあり、
グッと深く心に入り込む二人の言葉と想いの数々という感動あり、の
この続刊。

控えめに言って最高すぎた...!

序盤の自分の萌えMAX!!だった部分は、
噛みグセの抜けないマキ先生です。
(これがちゃんとラストへの伏線になっているのも最高に良い)
もっと噛んでいいよ!状態の愛深き純多も可愛い(*´艸`)

もーーとにかく、一言で”最高の読後感”の一冊でした✨


あ。カバー下のミニキャライラストもきゅん!と萌えツボに刺さる
可愛らしさです。
ぺらっと最後にカバーをめくって、「わ!」となりました(*´∀`*)

特に裏表紙側、純多(受け)が牧瀬の洗濯物(白衣!)を
干しながらニッコニコしてるのが癒しすぎる。
ちっちゃいハート、飛んでます❤︎


★修正:tn白抜き(紙本)
無印(1巻)は電子(BookLive)ではライトセーバーだったので、
白抜きでもちょっと嬉しい気持ちが!
濡れ場は攻めに白衣を着せて...の「白衣エッチ」あります(๑•̀ㅂ•́)و✧

★アニメイト有償12P小冊子(漫画8P)
本編から1年ちょっと後、純多の髪色についてのお話。
自分には絶対似合わないから、アッシュブロンドの純多の髪色が
「憧れ」なんだ...
とマキ先生に言われて喜ぶ純多。

そしてそんな純多を見て、”憧れてるところは他にもいっぱいあるよ”ー
と内心つぶやく牧瀬。
季節は冬、寒い中コート姿で歩く二人だけれど、
暖かさを感じる優しいお話でした(*´˘`*)

No Title

続編発売を機に、ちょっと久しぶりに読み返しました。
こちらは以前電子で購入、続編はアニメイト特典が読みたくて紙本で購入です☺︎

朔ヒロ先生による変則オメガバース、β×Ωで教師(養護教諭)×生徒。
番になれない二人、「運命に抗う」設定が好きな自分には
萌え要素しかない...!
(×年の差要素も、萌えを加速させてくれます)

そして。

...やっぱり、結晶の作画が本っっ当に美しいです✨
ページをめくるのを止めて、見入ってしまった。。

二人の想いがやっと重なり、純多(受け)の赤い結晶と
牧瀬(攻め)の青い結晶が溶け合うような色になるシーン、素敵でした・:*+.

両視点で描かれる構成で、受けだけでなく
攻めの想いがダイレクトに伝わってくるところも、グッとくるポイントでした。

中学時代、牧瀬に救われていた純多。
けれど実は彼が牧瀬にとっての”救い”にもなっていたー

や、もうこれって、「運命」といってもいい出会い、
そして再会じゃないかな?とたまらなく甘酸っぱい気持ちになります。

元教え子に対し、簡単に流され手を出してしまうような展開ではなく、
じっくりと関係性の変化を感じられるところも良かった...

牧瀬のフェロモンの結晶の色が透明なこと、そしてその理由が
彼の生い立ちと抱えるトラウマ・悩みを象徴していて、
ページが進むごとに気になるところが明かされていく展開にときめきました。
(再読でも...♡)

あと、「首輪」の持つ意味が一般的なオメガバースの物語とは
異なるのが、なんだか自分的に最高の萌えポイントだったー...!

”誰の番にもならないで”という意味を込めて、
β→Ωに贈られる首輪。
最高の愛(と執着( ̄▽ ̄))の形だなあ...

この1巻(巻数は振られていませんが)まだまだ
恋人として初々しい二人。

続編では、更なる愛の深化が見られるのでしょうか(*´◒`*)
ドキドキ、わくわくしながら続編へと進みます◎


★修正:tnライトセーバー(電子BookLive)

瑛人がドンピシャ!萌えと解像度がグッと高まる

原作既読、大好きな作品の音声化!!
絶対聴きたい、聴かなきゃ!と今月の発売を楽しみにしていました。

レビュータイトルどおり、坂田さんの瑛人(攻め)がドンピシャ。
原作コミックスを読んで自分が想像していた像と完全一致です。
クール男子の低体温ボイスと、それが甘さをはらむ時のギャップが
刺さりに刺さりました...

視聴環境はポケドラです。原作片手に楽しみました。

原作が300P近いということもあり、
音声の方もボリューム・聞き応えたっぷりです。

(恋人のことは)「大事にするし」「甘やかす」と語る瑛人、
この「甘やかす」という決め台詞に滲む、声の甘さ!

絶妙な配分のスイートさを持って発せられた言葉に、
ハートを鷲掴みにされました。

有償特典のキャストトークの中でも語られていましたが、
尖った瑛人が徐々に見せる雪解けの様子が最高。

後半にかけ、徐々に甘さと熱を増していく瑛人の変化に
グッ!ときたー...(๑•̀ㅂ•́)و✧

島崎さん演じる受け・正孝については、やや声高め...?というのが
初視聴時期になったところ。
(↑高めボイスが自分の萌えツボとはちょっとズレているため。。)


とはいえ!正孝らしい”ゆるクズ具合”、
しっっかりお声で表現されてます。

ちゃらんぽらんな印象の前半〜中盤と、
終盤、発表会への登壇を決意するシーンでは
見事に声のトーンが違っていた...!演じ分けが素晴らしかったです。

初エッチで尻を洗われ、焦りまくり逃げようとする様子。
その後見事、とろっとろにされちゃうギャップも良かったー...

一点「ああ...!」と思った点を挙げるとすれば。

作中のあるキスシーン、音声だけでは
”正孝から仕掛けたキス”とは分からないかな?と思われた点です。
リップ音だけなので...

「正孝から」というところが個人的な萌えどころだったので、
音声だけだと、その点に気付かないかも...と思いました;

とはいえ。
お二人の演技によって、原作の内容の深み、面白さ、萌えが
より加速したことは間違いなし!

クールな瑛人の見せる雪解けの甘さと、
ちゃらんぽらんな正孝が覗かせる脆い部分・終盤の覚悟という
それぞれのキャラのギャップの表現、最っっ高でした✨


※以下はアニメイト特典について☺︎
=======

◆無償特典 ミニドラマCD「となりのモブ山くん」
(単行本・アニメイト有償小冊子の内容)

瑛人の隣の部屋に住んでいる社会人・モブ山視点のお話。
時折聞こえてくる喘ぎ声を瑛人のものだと思い込み、
「お年頃なんだなあ〜」と微笑ましく思っていたところ、
ひょんなことからお相手が「男」であることを察し...というお話。

そんな思いに耽るモブ山くんが最後に独りごちた本音、
そのオチにクスッと笑えるコミカルなお話でした❤︎

<激アツ全回転セット!特典>(有償)

★act1.「正孝の看病編」(5’17)
(単行本・コミコミ有償小冊子の内容)

風邪をひいた瑛人を正孝が看病→その中で歯磨き大サービス♡をするイチャ甘話。
歯ブラシでしゃこしゃこされながら喋る瑛人。
そして弱って甘えるワンコなレア瑛人が可愛い(*´◒`*)

———
★act2.「瑛人の見た悪夢編」(4’06)
(単行本・とらのあな有償小冊子の内容)

ある日瑛人が見た悪夢。
”若者たちを堕落させた罪”として正孝が投獄されてしまい、
助けに来た瑛人に、「俺は逃げない」と告げて毒杯をー

普段超絶クールな瑛人が焦り、
本気で必死になる姿(声だけど)にゾクゾクするお話でした。

———
★act3.「ともだちのはなし編」(1’50)

瑛人の友人・むろちん視点のお話。
特定の相手を作らない奴だと思っていた正孝に恋人ができたらしく、
驚くむろちん。

どんな子かは知らないが、瑛人とは長く続かないだろう、
可哀想に…なんて思っていたのですが。

スロット大好調の中、むろちんの誘いを断り、
恋人が呼んでいるからー

という理由で帰って行った正孝を見、
「本気なんだ…!」と驚くというオチでした(*´艸`)
———
★act4.「丹瑛人、はじめての」(9’10)

お土産チョコを口にくわえ、
「イチャイチャしようぜー」と正孝が甘えてみると...?

「後で構ってあげますから、おとなしくしてて下さい」と、
もぐもぐしながら言う瑛人、可愛いなあ。

と、実は濃い目のお酒入りだったそのチョコ、
食べた直後、瑛人の様子が急変しー!?

というお話。

チョコ一つで酔ってしまい、そこからあっまあまの長尺キス、
そしてエッチ…言葉責めする酔っ払い瑛人の意地悪、たっっまんないです。

突然ワンコあまあま・甘えスイッチが入るところ、
クールな普段の態度とのギャップに陥落。

一生、お酒禁止な〜!!!と叫ぶ正孝の声に
ニヤつき止まらぬお話でした〜
———
★キャストトーク(16’02)

お二人が「二人の会話に知性を感じる」と話していたのが印象的。
自分も”うんうんうん!そうだよね”と頷きながら聴き入りました。

攻め役・坂田さんの「大学行ってみてーな」と思った、という言葉。
そして「こんな一癖も二癖もある人たちと交流してみたかった」という言葉も、
分かる気がする。

で、坂田さんが「印象に残ったシーン」として挙げられていた
「お尻を洗うシーン」!
”なかなか見たことないから印象に残ってる”とのこと。

…や、腐りきってる私は”洗う”シーンに驚いたりはしなかったので、
聴きながらひとり、自らの腐り具合にかあっ//となった部分でしたw

「哲学」が大きなテーマとなっている本作。
受け役・島崎さんは”芝居の役作りにも「答えのない問いをし続ける」という
哲学的な部分がある」と、芝居と哲学の親和性について語られていました。

ツンツン尖った瑛人がだんだん雪解けしていくのが楽しかった、
という言葉にも完全同意。

内容やキャラの内面、演技について掘り下げた聞き応えのあるトーク、
大大大満足です◎

アニマ・ヴィータ 電子 コミック

琢磨 

怖い怖い怖い!!! 琢磨先生作、短くも戦慄の走るホラー

ネタバレ「あり」のレビューを書いていて恐縮ですが、
ぜひぜひネタバレなしで読んでいただきたい。
(↓以下、オチには触れませんがネタバレありの感想・レビューとなります)

『東京戦慄奇譚 vol.3』に収録されていたという本作。(東京戦慄〜は未読です)
全25P、短いお話の中に「これでもか!」というほどのホラー、
そしてあっと驚く結末があり、びっくりし過ぎて読後3周、読み返しました。



まずタイトルの「アニマ・ヴィータ」とは...?と思い、
調べてみたところ…

アニマ=生命や魂
ヴィータ=ラテン語とイタリア語で命、人生、生活を表すとのこと。

もちろんですが、このタイトルがちゃんとお話の内容を表している...
「ヴィータ=生活?」と思いましたが、読後振り返ってみれば
その訳も納得、でした。



高校からの仲良し三人組、羽紘・結翔・朔望(サク)。
ある日、サクの死をきっかけに関係が変わり始めます。
サクのことが好きだった結翔(ユイ)。そんなユイのことを好きだった羽紘(ハク)。

サクの死を受け入れられないユイは、
「死者を蘇らせる儀式」を見つけ、サクを取り戻そうとしてー

と続きます。


やーーーーー驚愕のオチ!!!!!

よくよく振り返り、読み返してみれば。
あれ...?と思う部分・ヒントになる部分がちらほらと出てきてる...!

まず表紙の結翔(ユイ・受け)の目が
妖しく赤く光ってるところからして意味深。

そしてハクの家の、カーテンの閉め切られた部屋...そういうこと....!!

琢磨先生といえば、切なさもありの「ラブコメ」というイメージが
見事にひっくり返った一作でした......本当に怖い。恐ろしい((((;゚Д゚)))))))

蘇った(と言えるのかな...)サクの体、その表情はまさに
「この世のものとは思えぬ」異形の姿で震えます。

叶わなかったトライアングル片想いの夢...
果たして、”次回”はどうなるのか。

色々と思いを馳せる余地のある、恐怖のBL短編でした。
やーーーー...すごかった。。(ああ語彙力ー...!)

100Pとお手頃価格でしたが、物語の深みと満足感は
お値段以上。
怖いのが大丈夫な方、お好きな方に、強くプッシュしたい一作です...!



★修正:描写なし(初めに二人が致そうとする場面がありますが、未遂)
電子シーモア

三人で描く、幸せの◯

切なさに途中涙がほろりと流れた、沁み入るお話でした。。
レビュータイトルは書き下ろしのタイトル「幸せの◯」から拝借。
その意味が分かったとき、胸がじん...と幸福感で痺れました。

渡海奈穂先生の新刊は、タイトルどおり7年越しの愛の成就、
再会もの。

執着スパダリ攻め、健気不憫受けと健気な連れ子(高校生)、
再会、復縁、夜明けのストーリー...
そういったワードにセンサーが反応する方に、
ぜひぜひプッシュしたい物語です

二人が復縁してからの”あまあま”の部分をもっともっと
見たかった気もするけれど、救いのあるエンディングには大満足、
文句なし!の「神」評価です。


同じ会社の同期同士(攻めは社長の息子)、
格差はあれど幸せな交際を続けていた荻嶋(おぎじま)×有城(うじょう)。

しかし有城はある事情から姿を消し、荻嶋と一切の連絡を絶つことに。
…それから7年、女性と再婚(契約結婚のようなもの)→離婚し
漫画家となり切りの息子・琉斗と二人暮らしをしていた有城。

ある日、編集者との打ち合わせをしていたカフェで
偶然荻嶋と再会、付き合っていた頃には見たことのない険しい顔で詰め寄られ、
家を特定され、押しかけられて「もう離さない」と言われー

と続きます。


もうまず、受け・有城(うじょう)の境遇が悲惨で心抉られました。
彼の曲がった小指は幼い頃、兄姉たちに試された
「どこまで曲げたら骨が折れるか」というゲーム(!?)によるもの。
機嫌の悪い時には親に殴られ、働き始めてからの給料は全て親に吸い取られ...

と、肉体的・精神的虐待を受けていた描写がリアルで( ; ; )

33歳となった現在も、母親から金をせびるLINEが流れてくる場面。
その口調の豹変ぶりが本当に恐ろしく、怯える有城の気持ちがダイレクトに
伝わってきて震えました。

と、こんなふうに書くと
”家族から逃れられない、ただただ弱いキャラ”のようになってしまうのですが、
決してそんなことはなく!

自分の両親、家庭はおかしいと感じ、
必死に努力して家を出て、バイト掛け持ちで学費を稼ぎ、
自分でも驚くほどの「良い会社」に就職し懸命に働いてー

と、どん底の環境からなんとか這いあがろうと
努力に努力を重ねてきたことが分かるだけに、
より共感し応援する気持ちで物語に引き込まれていきました。

で!

そんな有城の事情、境遇のことは全く知らず(有城が必死に隠していたから)、
なぜだか理由も分からぬまま、大好きな恋人に姿を消された荻嶋(攻め)。

まさにここが萌えどころ!とグッときてしまったのが、
そんな彼が見せる執着です。
実は最初、再会自体も何か荻嶋が仕組んだものだったでは..?なんて
疑っていたのですが;そんなことはなく。
(そういう仄暗い演出のない再会、というところがまた
個人的な萌えどころでした◎)

再会後の「できるものなら紐で括って連れ帰る」的発言、
書き下ろしでの琉斗との会話の中の
「もしまた有城が姿を消そうとしたら監禁する」という、迷いのない発言。

そして琉斗を懐柔し(でも決して、嫌な気分になるやり方ではないのです)、
躊躇い戸惑う有城を置いて外堀から埋めていくやり方。

...執着攻め大好きな自分にとっては、たまらなくゾクゾクする...!

そして、そんな発言をする彼が
有城に触れる時の手つきや視線は、どこまでも優しく甘いー

スパダリだけど、囲い込んで離さない...という執着を香らせる
その振り幅、最高です。。

再会後も、なかなか「別れた本当の理由」を
言い出せなかった有城。

やっとの思いで初めて吐き出せた時、
「大変だったね」と言うことも、軽蔑の目を向けることももちろんなく、
ただただ受け止め、「当時力になれなかったことが悔しい」と語る姿に
胸がいっぱいになり、涙がこぼれました。

有城がね...7年前、荻嶋との初デートの時の思い出で
一番愕然とした、と語るのが、ファミレスでの何気ない注文の一言なんです。

そこに、立ちはだかる高い高い「格差」という壁を感じてしまう。

常に金がなく、注文するのは一番安いアメリカンコーヒー、
一緒に入った店では「興味がわく商品がなかった」ふりをして
何も買わずに出て...

そんな自分の本当の姿、境遇を知られたら
きっと軽蔑される、と恐れる有城だけれど、
本当はそんな自分を嫌だと思い見下し軽蔑しているのは、
誰であろう自分自身なんですよね...


そんな彼の境遇を踏まえると、個人的には
有城の母親にはもっともっと「ざまぁ」展開が
あっても良かったとは思うけれど、、

荻嶋、それに琉斗からもナイスアドバイスを受け、
やっとやっと長い呪縛から解放される姿にほっ...と息をつきました。

そして。
二人の関係を語るのに欠かせないのが、義理の息子・琉斗!

荻嶋との復縁を迷う有城に彼がかけた言葉に、
たまらなくグッときてしまいました。
もし自分が同じ立場だったら、果たして同じ言葉が言えるだろうか...

「自分はどこの円の中にも入っていない」、と自分自身のことを
淡々と語っていた彼が、くっついて並べられた3つのマグカップを見た時、
何を思ったか。

もはやサブキャラではなく、立派な主人公のひとりとなっていた
琉斗にとっても明るい救いの見えるラストに、幸せを噛みしめました。

三人での同居生活が始まり、遠慮して接触できない有城が
荻嶋と二日間の「外デート」を楽しむ終盤のお話が
あまあまで嬉しかったー...(*´◒`*)

心震える、現代×再会×復縁ラブストーリーでした✨

眠ること、書くこと、愛すること。その先に必ずあるもの

静かに、深く心に染み入るお話でした...とても良かった...・:*+

こちら、アニメイトブックストアの電子書籍で拝読。
紙版の小冊子も電子で読めるのが嬉しい!(小冊子+電子特典もついています)
(レビュー最後に小冊子の内容にも少し触れます☺︎)

実はろじ先生の作品、今まで何作品か拝読してきて
初読でズドン!と来るよりは、時間をおいて何度も読み返すうち、
はっ!!と気付くものがありズブズブにはまっていくー

ということが多く(あくまでも自分の場合)、
今回はどうかなあ、先生の届けたかったものをちゃんと自分が
掴みきれるかな...とドキドキしながら読み始めました。

が!

見事にそんな心配は裏切られ、気付けばお話の世界に没入。。

「糸」にたとえた人との関わり、
小説家である恵人(受け)が言葉をとても大事にするところ、
飄々として見えた侑真(攻め)が最後の最後に見せた弱さ。

そんな一つ一つがたまらなく愛おしく、じんと胸打たれる物語でした。

攻め受け二人とも互いに本心を見せないところがもどかしく、
ストレートに”分かりやすい”お話とは言えない気がするので、
そこは好みの分かれるところ...かも;

ただ自分にとっては心を鷲掴みにされる表現やセリフが
いくつもあり、何度も噛み締めて読み返したい作品の一つになりました・:*+.

自他共に認める要領の良さを持つ、タレ目年下リーマン(好きなやつー!!)×
恋にトラウマを持つ意地っ張り小説家、というカプ。
攻めの「添い寝」提案から始まる恋のお話です。

こう、二人の出会いが今どきのマチアプ等ではなく、
”喫茶店”きっかけというところから、萌え心に火がついてしまうー...!

受けが小説家ということで、”言葉”への情熱、こだわりが
随所に感じられるところも好きです。

「泣かないで」
「泣いてません」

「泣きそうじゃないですか」
「泣きそうと泣いてるは違う…!」

ヨリを戻そうとする大事な場面でも、
矜持を捨てられない(捨てない)恵人、意地っ張りなところが愛おしい(ˊ˘ˋ* )

互いに本心を見せずに探り合い、
どこかピリついた雰囲気の漂う前半から一転、
後半一気に「恋」も恵人の抱える悩みも動き出す展開も見事だったー...!
サスペンスものではないけれど、息もつかせぬ展開で没頭して読み耽りました。

「書くこと」とは”相手に合わせたマーケティング”ではなく、
それを読ませたい・聞かせたい相手を見つめ、その人のことを考えること。

姪っ子・莉里ちゃんにねだられ、
恵人自身が作ったお話を語り聞かせるうちに
気付いた大切な一点に、読んでいる私もハッとさせられました。

(余談ですが...あんなにツンツンしてる恵人が見せる莉里ちゃんへの笑顔の
一撃にやられたーーー!!

莉里を艶々の髪のお姫様にたとえてお話を作り、
語ってあげる恵人の普段の毒舌ぶりとのギャップは、かなりの萌えどころでした◎)

添い寝したい、と思うことも
小説を書くことも、愛するということも、
その先にいる大切な誰かを思うということに繋がる。

自分の気持ちを口に出して言うのが不得手な恵人が、
侑真に想いを伝えるためにとった手段も素敵でした。
まさに恵人ならでは、彼だから使える最高の手段だー...

と、ここまで受け・恵人への共感が大きく、
攻めについてあまり語れませんでしたが;

侑真については、物語途中で過去の思い出が明かされ
解像度がグッ⤴︎と上がることで、イメージがガラリと変わる!と思います

なんとなーく、胡散臭い笑顔(ごめんなさい!)を振りまいている
彼のことがそこまで信用できないというか、
好きになれなかったのですが...

抱えていたトラウマを知ったこと、
また後半、駆け引きのないストレートな言葉と
そこに込められた想いに触れることで
恵人と共に、読んでいるこちらの心も溶かされていく気がしました。
(絆され、とも言う?)

そんな二人の分かりやすい”濡れ場”はないけれど(キス描写はあり)、
描き下ろしの攻め→受けへの分かりやすい「嫉妬」だけで
自分は萌え悶えましたー...!

元カレが書いた本を読ませたくない!と思う侑真、
かっわいいなあー...(*´◒`*)

恋の駆け引きで見せる「上級者」然とした姿ではなく、
ちょっと年下感のあるそんな姿にきゅん、でした。
(恵人がことあるごとに「かっ(わいい)...」と呟いてしまう
気持ち、理解!!

”睡眠不足が続いた脳の働きは、飲酒した状態と同じ”と
侑真が語った内容に「ええっ!」と驚いたり、
二人の痺れる駆け引きにハラハラしたり、
恵人の気付きにじんわり心が温かくなったり...

心地よく感情が揺さぶられ、染み入るお話。
何度も読み返す度に、お気に入りの言葉やシーンが増えていく予感がします(*´˘`*)


★修正:なし(修正のいらない描かれ方)(電子アニメイトブックストア)

★アニメイト有償12P小冊子
馴染みの喫茶店にて、マスターに「ずいぶん仲良くなったね」と
声をかけられたのをきっかけに、初対面での印象について
語り合う二人。
そしてその後、場面はベッドの上に切り替わり、押し倒される侑真(!!)。
”その先”を予感させるあまーーーいキスで終わる、素敵なお話でした✨

后と河 2 コミック

山中ヒコ 

私の心の臓も跳ねる…!!

ああーーー....!! 最高に痺れた...✨
以下、気持ちが昂り荒ぶったまま書き連ねたレビューとなります;

紙本の到着が待ちきれず、Renta!さん先行配信で拝読したこちら。
(他電子ストアは10/16〜配信開始とのことです☺︎)

河川工事×皇帝との恋、二本立てのテーマがそれぞれ
大きく動き始めます。

紙で購入した1巻を再読、おさらいした上で読み始めましたが
復習してよかった...!
天然で人の心の機微には疎く、河川のことしか見えていなかった、
あの王佳(受け)が!!!

こんなにも皇帝への想いを募らせ、思い悩むようになるなんて...

その成長っぷり(&恋だと気付かぬニブニブっぷり)に驚き、
萌えが振り切って頬がだらーーんと緩みました。。

自死しようと飛び込んだ河から王佳に助け出され、
その手の温かさが忘れられなかった皇帝。

王佳を手元に置きたい一心で、王佳妹の「身代わり」として
彼を後宮へと呼び寄せ、河川工事の仕事も任せることにし...
(ここまでちょっと1巻の復習です)

どうにも、皇帝>>>>>>>>王佳と気持ちの大きさにズレの見えた二人。。
けれど1巻終盤でも変わりつつあった王佳の気持ちが、
この2巻でははっきりと「恋」と認識される!
そして気持ちを伝える(伝え合う)ところまで進み、感無量..です・:*+.

そのロマンチックな描かれ方、皇帝の殺し文句がまた!!!!
「だから...お前の心も私にくれ」

この一言で時が止まり、私の心の臓も跳ねました


実は物語序盤は、甘い空気から一点、すれ違いの生まれる
切ないシーンから始まります。

「陛下の臣下ですからお役に立ちたい」
と閨で王佳がこぼした一言にショックを受け、
立ち去ってしまう皇帝。

この時の王佳はまだ、自分の中にある気持ちが「恋」であることに
気付いていない...!
陛下を思う心を彼なりに心を尽くして言葉にしたつもりが、
逆に二人の間に距離を生んでしまう展開が切ない( ; ; )

そして場面は、光河の視察へと旅立った面々へと移ります。
旅の途中で王悟に気持ちを吐き出し、やっとやっと「恋」だと
自覚する王佳。ついにー...!

もう、読みながら「雛を見守る親鳥」の気持ちです。笑

で、この褐色肌のいい男・王悟が王佳のことを...?というところも
なんだかとても気になるところではあるのですが、
物語の主軸は皇帝×王佳なのでそちらへ話を戻して...

離れている間に皇帝がこっそりと王佳へ送った文、
その内容が美しい和歌や漢詩のようでため息が出ました

皇帝が河に浸した手。

この手の温もりが、やがて愛おしい人へと伝わるだろうー
光河の水を通して、私とお前は繋がっている。

皇帝の狂おしいほどの愛が伝わる文章に
目も心も震えます。


そしてまた王都へ帰還後の再会も、萌えどころがありすぎて
ちょっと心の臓がもたない!!!

陛下、出仕しなかった王佳が「病」と聞き
たまらず駆け出し後宮へ。

で、王佳が実は病などではなく、
出仕しなかったのには”いじらしい理由”があったと知る。
(王佳贔屓の私はここでもMAXきゅんです)

で!

更にそこからの、”やり直し”とも言える陛下への告白。
そして王佳を押し倒し、最大限の愛の言葉を囁く陛下。
これが眼福でなくてなんと言おう...

主従を超えた”愛”、想いを言葉で伝え合う二人が美しくて麗しくて尊くて、
ずっとずっとページを見ていられます。

そんな二人の恋愛面だけでも大いに昂ったのですが、
歴史もの大好きな自分はさらに、もう一本のお話の柱・
河川工事の方でもうおおおおっ!!!と最高に気分が盛り上がりました

なんと河が二手に分かれていたという新事実が発見され、
堤防を造ることを諦めざるを得ない状況に...

そんな大ピンチを救い大きなヒントをくれたのは、
皇帝がしたためた”あの文”を届けた小舟、というところにも
萌えがMAX。

模型を使った王佳の丁寧な説明、じっくり読んで
思わず「なるほど...」と声が出てしまいました。

河川工事も皇帝との恋も、最高の進展を見せてくれた2巻。

描き下ろしの”皇帝の嫉妬(対王悟)に、萌えとニヤニヤが
更に加速すること間違いなしです(。-∀-)/

あっ。この2巻を読んで、「そうだったの!?」と驚いたことが1点ありまして..

それは、二人がまだ”体を繋げてはいなかった”こと!
復習のため1巻を読み返したのに、すっかり「初夜」はあったものだと
思い込んでいました;

たしかに決定的な場面は1巻では描かれていなかった。。
「尻は大丈夫か」と皇帝が気遣うセリフがあったため、
すっかり二人は”致した”ものと思い込んでいたのですが、勘違いだったようです;
自分の読解力、、

次巻、3巻ではいよいよ身も心も一つになるところが見られるかー
そんなところにも大いに期待しつつ、正座待機です(๑•̀ㅂ•́)و✧

◆追記で萌えたところ...
・まさかの真単×端正があり得る!?という序盤の展開w
・王佳の徐々・小梅が相変わらず可愛すぎてきゅん、でした(出番は1巻に比べて少なめ)

仔パンダのホンホンが今回は出てこなかった。。のは残念;


★修正(電子Renta!):tn白抜き
出てくる場面も少ないため、個人的には白抜きでもそんなに気にならず。

1巻の紙本は白短冊修正だったので、2巻も多分同じかな...?
紙本お迎え次第、情報追記します☺︎

自分の一番の味方は、自分自身であって欲しい

「自分の一番の味方は自分自身であって欲しいと
願いを込めて描きました。」

先生のあとがきにあったそんな一文が、
読後の今、強く心に響いています。

評価の★の数を見ると、ちょっと好みの分かれる作品...
なのかもしれない。
(※作中一部、攻め・陽介が女性を抱こうとするシーンがあります(未遂)。
苦手な方、ご注意ください)

でも自分は、最高に完成度が高く、
先生のメッセージがダイレクトに伝わってくる
素晴らしい物語だと思いました。

表紙の絵柄(上下巻)や短いタイトルが、
物語を象徴するものとなっているのことにも、読後気付いてハッとした...
(こちらについては、レビュー後半に書きたいと思います)

これから読もうかな?どうしようかな?と迷っている方の背中を
少しでも押せれば...という気持ちでレビューを残したいと思います。
(+もちろん、先生への感謝を伝えるために!)


本心を隠し、周りに合わせて生きている美大生・陽介×
美大の美術解剖学教師・月衣(るい)というカップリングのお話。

先生生徒という当たり障りない関係だった二人が
偶然同じマンションに住んでいることが分かり、
そこから思わぬ交流が始まってー

と物語が進む上巻。


自分が先生のことを”好き”になっていることに気付き、
恐れを抱く陽介。
ある日自然にキスをしようと体が動くも、直前でハッと我に返り、
先生を突き飛ばしてしまいー

という上巻ラストでした。

で、下巻!
やーーーこれはびっくり!という、よりシリアス度・切なさの増す展開です。

”世間の大多数”に属さない者の生き辛さ、葛藤を抉り出してくる物語。
胸を刺す痛みに苦しくなりましたが、ちゃんとラストに光があります。


なぜ、陽介は必要以上に”周囲に合わせよう”と振る舞うのか。
先生を好きになりかけている自分に恐怖を抱いている様子なのは
なぜなのか。

同性を好きになることで戸惑う気持ちには共感できつつも、
何か必要以上に”怯えた様子”だったところが、上巻で気になっていたんですね。

そして下巻で明かされる陽介の過去、
大好きだった兄との切ない別れと家族から”見捨てられた”兄の記憶。。

これが上記の疑問への答えとなっていました。


兄のように自分を貫いて家を出る勇気はなく、
両親の求める”普通”の息子にならなければ、というプレッシャーに押し潰され...

そんなふうにして形成されたのが、
”いつでもニコニコ・人当たりの良い陽介くん”だったんですね...


友人たちの、先生への心ない憶測の言葉や、
何気なく投げかけられた質問に激昂してしまう陽介。

好きな人に対する酷い言葉を咄嗟に吐いてしまい、
自己嫌悪からトイレで戻す描写が本当に痛々しい...( ; ; )

で!

ここからの、二人のすれ違いターンか...と覚悟したところでの、
月衣からかけられた”あの言葉”。
月衣の圧倒的包容力に、心が震えてしかたなかった...

「たとえ本心だとしても 君が私を嫌いなことと
私が君を好きなことは関係ない」

「そんなに簡単に君のことを嫌いになれないよ」


どうしても”男を好きな自分”を好きになれず否定し続けてきた陽介に、
差した光...

自分をまるごと受け止めてくれる月衣という存在を得て初めて、
陽介自身もまた、自分自身を認められるようになっていくー

月が太陽の光を反射して光るように、人もまた
自分を肯定してくれる人の存在を得てこそ力を得、
自分自身を受け入れられるようになるのかな...と、そんな思いに耽ったシーンでした。

その後衝撃的な事件を経て、意図せずゲイバレしてしまう展開は
なかなかショッキングです。

ありのままの自分を受け入れ、吹っ切れたとしても、
周りからの陰口や”見る目”に感じる息苦しさには、変わりがない。

そんな残酷にも思える現実がある中で言われた、
友人からの謝罪の言葉。

やはり、到底理解なんてしてもらえないんだーと
陽介自身も読んでいる自分も諦めかけていたところに、
ふっと明るい光が見える描写が救いでした


自分と向き合い、受け入れ、愛するということ。

トラウマから臆病になっていた主人公が、
大切な人との出会いを経て、そんな勇気を持てるようになるまでの軌跡。
上下巻を通して丁寧に紡がれる描写に、心打たれる物語でした。

ちなみに...
タイトルの「月とピエタ」について。

月=受け・月衣(るい)の名前にちなんだものだと思われますが、
この”月”が物語の重要なシーンで度々登場しています
そんな描き方も、本当に素敵...

自分が一番印象に残ったのは、入院先でキスした二人の
背景、夜空に輝く月のシーン。ただただ、美しかった...・:*+

また、「ピエタ」=主にキリスト教美術における題材として、
聖母子像のうち「死んで十字架から降ろされたキリストを抱く母マリア
(聖母マリア)」を表すとのことです。

上巻では、そんな”ピエタ”をある画家が描いた一枚、
聖母マリアが、愛する息子を殺されたことへの”怒り”の感情を
露わにした印象的な一枚が紹介されていました。

また下巻では、陽介の家族が敬虔なクリスチャン一家だったことが
分かる描写があります。

怒りを隠さず表したピエタの一枚と、
自分の「ありのままの姿」を受け入れられるようになった陽介。

タイトルの「ピエタ」には、そんなふうに主人公を重ねる意味が
あるのかな、と思います

タイトルやストーリー、月の描写や二人のセリフに
いろんな思いが交錯し、じっと考えさせられる物語。
上下巻2冊を通して描かれるお話に没頭し、
胸いっぱいになりました...(ああ、語彙力...!!)


★修正:なし(行為の描写なし)

※上巻おまけに出てきて、とってもキュートだった
月衣(るい)の飼い亀(って言うのかな?)・ミミ子が
下巻シーモア限定おまけにも登場しています

相変わらず陽介に嫉妬してる様子なのが可愛い(*´艸`)
シリアスなお話の中の癒しでした✧

165185 3 コミック

野良おばけ 

見せ合って分かり合って、共に過ごしていく。読めば身体中に染み渡る幸福感

165センチ×185センチの逆体格差カップルシリーズ、
第3巻です!
大好きなシリーズの新刊も、控えめに言って
最高オブ最高だったー...✨



今までの僕らは、お互いを尊重し合って
相手のために「変わっていった」。

けれどこれからは、互いの「変わらないところ」を、わかり合ってゆくー

そんな序盤の誠の独白が刺さって刺さって仕方ない、
第3巻でした。

本当に優しくじんわり沁みる言葉ばかり出てきて、
毎巻ハートを鷲掴みにされてしまう。

そして巻末には「4巻へ続く」との嬉しい言葉が☺︎
(4巻はいよいよ、二人の同棲編〜!期待膨らみます✨)


いわゆる「綺麗」系とは少し違い、
個性の光る絵柄のこちらの作品。

もし、絵柄で躊躇されている方がいたら…

本当に心に響く、素敵な言葉が散りばめられているので
ぜひぜひ1巻をお試ししてみて...!とお伝えしたいです。
(今なら10/16まで1巻・2巻半額です! ※シーモア)


と、ついつい宣伝してしまいましたが;
以下レビューを。


札幌旅行の帰り、聖からの

「じゃあ一緒に住まん?」

の一言で終わり、ひとり興奮の渦だった2巻ラスト。

てっきり一緒にはしゃいでくれると思った誠が、
いやに冷静で...?

と、なんと自分の予想とは反対に、切ないすれ違いモードで
始まる4巻でした。

が!!

この二人の大好きなところは、もやもやを決して”そのまま”に
しないこと。

互いに悶々としている時、どちらも動き出せる勇気を持っているのが
最高にカッコ良い!!!(๑•̀ㅂ•́)و✧

今回頑張ったのは誠。
その心の内が語られる独白、萌え転がりました。

決して同棲を躊躇っていたわけではなく、
至極冷静だったわけではなく。
心の中は、喜びでいっぱいだったんだなあー...!

恥ずかしくて情けなくて、
相手を怒らせたりするかもしれない...と躊躇する気持ちがあったとしても。

それでも、勇気を持って「譲れないところ」、
自分の世界を見せ合うんだ、

と一歩を踏み出し聖を追いかける誠、
やっっぱり最高の彼氏だーーー!!!

そして、対する聖の可愛さたるや。

怒りではなく、拗ねて怒鳴って感情をぶつける大柄な姿が
可愛くて愛おしくてもう、たまらなかったです。

「俺のこと好きなら嬉しいって言えよ!!!」
「俺は一緒にはしゃぎたかったんだよ〜〜」

...(*´◒`*)いや、可愛らしすぎて言葉を失ってしまう...


そして大きな山場、聖宅へのご挨拶&同棲許可願い。

SDGsな同棲生活って何!?と、
誠の作った資料と説明を聞きながら(読みながら)
思わずツッコミ入れそうになったけど...笑

二人の関係と同棲話を聞いても変な動揺はせず、
おおらかに(けれど質問は厳しく!)聞いてくれた聖のご両親、
最高だなあ...

実際にはきっと、そううまくはいかないのでしょうし、
理想的すぎるとも言えるかもしれません。

でも、このシリーズの世界観にはぴったりのご両親の姿だったと
思います。
息子を思うのと同時に、「誠くんはそれで幸せなのかい?」と
問いかけてくれるお父さんの心の温かさよ。。涙が出そうになった( ; ; )

そして脇キャラ・聖の親友二人が、
この3巻にも「楽しさ」と「萌え」のスパイスを加え、
良い味を出してくれていました(ˊ˘ˋ* )

聖の家に集まり、わいわいカードゲームに興じる姿は
ザ・大学生!という感じ。
わちゃわちゃ感が見ているだけで楽しい♪

そして「お帰り!聖くん」と、
見下ろす先にある誠の笑顔で締められるエンディング。

二人の冒険はまさに今、始まったばかり!
一緒に旅する人が君で良かったー

と思える幸せ、壁として見守る私も存分に噛み締めさせてもらいました。


読み終えてから表紙を眺めると、より幸せが
身体に染み込む気がします。

一枚のコートをシェアしてかぶり、急な雨の中駆けてゆく二人の
幸せそうな顔!特に誠の笑顔がキラッキラ・:*+

身長も、体格も、性格も正反対のふたりの、
重なる一つの想い。
最高に輝いている3巻、文句なし!の「神」評価ですヾ(*´∀`*)ノ


★修正:なし(濡れ場なし)電子シーモア
舌の絡まないキスシーンがあります☺︎

あなたの前でだけ、心から笑える

とても、とても良かったー...

表紙とタイトルからではちょっと内容が想像しにくく、
手に取るのを躊躇う方もいるのではないかな?と思いますが、
すごく良かったのでぜひ読んでみていただきたい...!

以下、上巻のみ読み終えた時点での感想・レビューです

主人公は人当たりよく、他人からのお願い事を断るのが苦手な美大生・茨木。
そのせいでストーカー被害に遭い手に傷を負い、
引っ越したばかりという人物です。

そんな彼と、”変人”と噂の美術解剖学の30代教師とのお話。

各電子ストアの試し読みより、
ちるちるさんの試し読みの方がボリュームがあります。
内容もより分かると思うので、少しでも気になった方は、ぜひそちらから...!

背が高くて、地毛は金髪で(彼はダブル)、
瞳の色はその名(月衣:るい)のとおり輝く月の色。

”目立ちたくない”と髪を黒く染め、
人付き合いの苦手な百合川教授とのひょんなことから始まる交流、
深夜の散歩にトクトク、心ときめきました。

嫌なことをどうしても嫌と言えず、
当たり障りない笑顔と言葉で受け入れてしまう茨木。
自分でもそんな自分が「嘘くさい」と思うし、
嫌でたまらないのに...

そんな彼のストレスが、百合川にかけられた思わぬ言葉により
爆発するシーン。
一気にピリつく雰囲気に、グッとのめり込んで続きを読んでいくと…

辛辣に思えた百合川の言葉が、実は無理をする茨木のことを
気遣うものだったー

と分かり、読んでいる自分も茨木と同様、
百合川の不器用な温かさに惹きつけられていきます。

大人なのに、何度も鍵をなくしてしまったり
教室に入る時ドアに頭をぶつけたり、
茨木が差し出したおにぎりに無防備にかぶりついてきたり。
(米粒が口の端に付いちゃってるの、可愛い・:*+)

子どものようなピュアなところと、しっかり「人」を見ていて
背中をそっと押す言葉をかけてくれるところ。

そんなギャップに、いつの間にか絆されてしまう気持ちも分かります。

だんだんと百合川にだけは「素」の自分を見せるようになり、
方言で話すようになる茨木の、目に見える変化にニヤリとしてしまいました(。-∀-)


作中、二人が偶然出会った美術展での”ピエタ”のお話も印象的。
磔にされ息絶えたキリストを胸に抱くマリアの、
あんな表情を描いた絵があるなんて...!知りませんでした。

画家自身の境遇とも重なる、聖母マリアの”怒り”の表情。
その表情から新しい気付きを得る茨木と、
そのことで百合川との距離がまた一歩近づく描写、うまいなあ...

そのまますんなり二人は唇を重ねー

とはならず、ギクシャクした関係となり下巻へ続く構成も
とても良かった。

男性相手、しかも年の差のある相手に自分は何を...!
と戸惑い葛藤する茨木の姿がしっかり描かれており、
感情移入して読むことができました

無意識に仕掛けたキス(未遂)によって、
すれ違いが生じてしまった二人。

下巻でどのように展開し二人が幸せを見つけていくのか、
読む前からドキドキしています...!読むぞ...!


★修正:なし(描写なし)電子シーモア