女装して出会った男に惚れられ、自分も惚れる。
でも男だと告白すると離れる相手。
追いつ追われつじれったい恋。
なんてリアルな物語なんでしょうか。
リアルBLという感じでしょうか。
実際いくら素敵な人で一目惚れしても同性だとわかれば離れるよね。
気持ち悪いし。
その点、寛末は正直者です。
どう考えても彼の反応は正しい。
でも、むかつくんですよね。
その正直さというか鈍感さにイライラします。
松岡が健気で一途な分、嫌な部分が際立ちますね。
嫌いなら嫌いってはっきり言えばいいのに言わない。
一途な松岡は一縷の望みがあるのかと勘違いしてしまう。
でこっぴどく振られる感じになる。
寛末みたいな男が嫌いなんですよね。
寡黙でも男らしい感じならいいけど、優柔不断ったらありゃしない。
でもそこはさすが木原先生。
最後まで引っ張ってくれます。
イライラしつつ最後まで一気に読みました。
上手くいった時はほっとしました。
二人のかわいい恋にちょっぴり泣けました。
「雨の日」と「なつやすみ」目当てで買いました。
以前本編は読んでたのですが、心が痛すぎて勇気が出ず、やっと買えました。
読後は号泣、そして神棚へ。
普段生きてて、たまに幸せってなにとは思っていました。
でもすぐに忘れて普通に暮らしてた。
さすが木原先生、がっつりもっていかれました。
心の中空っぽにされちゃいました。
「なつやすみ」が凄いです。
まさか喜多川の人生まるごと見せられるとは思いませんでした。
ゲイカップルの晩年ってこんな感じかなとちょっと思いました。
闇から光へ必死で歩いている人の物語だと思いました。
喜多川の人生が幸せであったのかどうか、評価は分かれると思います。
晩年は先生と呼ばれ良い伴侶に恵まれ幸せだったと思う。
だがいかんせん前半が悲惨すぎる。
生い立ちが不幸すぎて幸せになればなるほど何故か悲しい。
堂野に惚れ激愛し最期まで添い遂げられたのは幸せだったでしょう。
たった一人の人間を愛し抜くって凄いことだし。
本気で人を愛せないまま人生終わる人もいると思うし。
でもなんかね、声を大にして言いたいんです。
他に誰かおらんかったんかい、と。
喜多川の人生の登場人物少なすぎだろ、もっと誰か彼を愛してやれよ!
と、おせっかいにも思ってしまうんですね。
トータルで考えると彼の人生は幸せだったと思います。
そう思いたい。
堂野に出会えて良かった。
やはり人生を左右するものは愛の力なんだね。
と、つくづく思った作品でした。
いやまじで神棚に飾ろうかと思いました。
実際は神棚無いんで机の上の変な棚みたいな所に飾りました。
他の雑多なものをどかして大事にしているお守りの横に壁を背に立てて置きました。
約1週間程飾り、毎日見てニヤニヤしておりました。
まず何が凄いって矢代の人生が凄い。
辛くて、悲しい。
そりゃドMにもなるわ、と思う。
彼がドMにならずして誰がなるねん、と言うことですよ。
基本的に私は悲しい痛いお話が大好物の変態ですから今回大ヒットです。
こういう不幸な生い立ちが故の性的倒錯なキャラとか大好きなんです。
誰が矢代を幸せにしてくれるんだ、と。
彼を幸せにできなくて何が人類平和だと、まじで思うんですね。
あと百目鬼も良いですね。
ストイックさの塊みたいな彼が好きです。
淫乱な矢代といるとエロさ倍増なんですねこれが。
みんな幸せになりたいのに幸せになれない現実。
三角に「惚れた相手と寝たことがない」と暴露された矢代。
自覚が無いのが可愛く、そして辛い。
もう百目鬼早く幸せにしてやってくれよと。
思ってる矢先に事件ですよ。
なんか色々書きましたがとにかく神です。
続きが早く読みたいです。