面白くって、萌えて、読んだ後は幸せな気分になれる、そんな本です。
爆笑しながら萌えるという芸当ができるのはいつきまこと先生ならではかな、と。
いつきまこと先生の本は全部読んで全部好きだなぁと思えるのですが、この作品は特に大好きです。
それぞれストーリーのパートごとに視点が隼人くん・育くん・各三つ子ちゃん達と替わり、いろんな勘違いや周囲の応援もあって恋が進んでゆく流れが可愛くって萌えました。
すぐ好きになってバカップルーよりも、お互い恋して片思いしてるドキドキを見る、それもさらに第三者視点で見るといのは面白いなと。
1冊でバランス良くストーリーが流れていて、確かに完結なのですが、もっとこの三つ子ちゃん&隼育のお話が読みたいなぁと思うくらい素敵な家族です。
絵も綺麗ながらデフォルメされたちっちゃい子たちやギャグの顔はメリハリが利いていて、書き込みもしっかりしているので読み応えがあります。
ギャグも洗練されていて、BL漫画でこれほどお腹をかかえて笑ったことはないというくらい笑かされます。
ベタなBLとか、殺伐としたBLに飽きた方にはオススメ!
薄っぺらな内容のBL漫画が多い中、えみ先生の書かれるストーリーには深みがあって、読んでいて感動して、幸せになって、読み終えた後には満足感で満たされます。
ただ男同士きゃっきゃしてるだけじゃなくて、お互い惹かれあっていく模様や、お互いのコンプレックス、おまえじゃなきゃダメなんだ、という恋愛がきっちりと描かれていて、ストーリー重視や内容の濃さを求める方にはオススメ。
目だったキャラを使うでもなく、特別反発しあうような描きやすいBLではないのに、最後までドキドキして読めて、何度も読み返してしまいました。
背景やパースもしっかりしていて、絵も抜群に上手いです。
目立たないかと思ったら実はダイヤモンドの原石のような真っ直ぐな太郎くん×イケメンでスマートに何でもこなせそうかと思ったら不器用でいろいろ考えちゃうタイプの志賀さん。
ストーリーに若干触れますが、社会人同士なのに絵柄や行動のせいか、可愛くて、2人もぐりぐりしたくなるタイプでした。
この方の商業でない薄い本の方を10年以上買っていますが、その頃からこんなに泣くほど感動させられて完成されたBLは無いな!と思って読んでいたので、こうしてオリジナルで才能発揮されているのを見ると嬉しいです。