読後に気になったことがありまして…結局、宝の浅見への気持ちは“恋愛感情”だったの?ってことです。
個人的には、恋愛感情というより、自分を溺愛してた【母親】が突然再婚相手を紹介してきて、その状況をうまく受け入れられない子どもの気持ちに似てるなと感じました。
当たり前のように、【母親:浅見】にとってずっと自分が最優先だったのに、【再婚相手:千晃】にそれを奪われた。
母親の恋する顔はイラつくし、見たくない。もう一度母の心を自分に惹き付けるために必死で、焦って、暴走してしまう。
浅見と宝は、離婚で【母親】が出て行くという似た境遇で幼馴染みとして育ちました。
共依存の関係で【母】のいない寂しさを互いで埋めてきましたが、もっと端的にいえば代わりの【母親】役と【子ども】役を演じてきたんだと思います。
浅見は『役立たずは要らない』という母親の言葉にずっと縛られていて、当時もっとも役に立ちたかった【母】の代わりに、宝に頼りにされることで満たされてきました。
宝もそれを知っていて、甘えてあげていました。
宝にとっても、わがままを言っても許してくれる【母】という存在を浅見に投影していました。
─最終話からの抜粋─
宝「アサも俺を置いていく」
浅見「俺、(宝に)甘やかされてる…」
この言葉からもわかるように、互いに甘え甘やかしてきた二人の関係性は【共依存親子】のようなものだったんだと伺えます。
共依存親子は、本人たちに共依存の『自覚』がないと言われています。
千晃の存在で初めて、浅見も共依存の自覚が芽生え、共依存から抜け出そうと思えました。宝は、今回の件で初めて共依存の自覚が芽生えるかもしれません。
共依存を自覚することで、宝は自分が浅見に抱いてる感情が何なのか、恋愛感情なのか、心の整理ができるでしょう。
ただ、宝はすでに浅見との関係性が今後変わってしまうことを受け入れているように見えます。
だから、仲直りのために宝が浅見に送ったメッセージが、いつもの『卵焼き』ではなく『煮ぼうとう 激辛』だったんだと思います。
「親離れ」「子離れ」から転じて、浅見いわく「宝離れ」は、まだまだ始まったばかり。
個人的には、たとえ共依存から抜け出し自立した関係になったとしても、二人が築き上げてきた信頼関係と特別な絆は失われてほしくないです。
皆さんがおっしゃる通り、
天授(攻)が沼すぎました。片足突っ込んだら、頭の先まで浸かってました。
天授の魅力は“二面性”にあると思います。
漢らしいのに⇔可愛い(方言で柔らかくて優しい印象に)
腕っぷしが強いのに⇔トリリンガルな頭脳派893
色気が凄いのに⇔下品じゃない
さっぱりした明るい性格だけど⇔生い立ちによる陰りがある
周りに頼りにされているのに⇔自分は誰にも頼ることができない
(聖高(受)にだけ甘えられる♡)
天授(攻) × 聖高(受) は正反対なキャラ
暗《借金で親を失くし親父に拾われ893になった》天授
×
明《エリート街道を生きてきて初めて挫折した元外科医》聖高
対極にいるふたりだからこそ、
違う世界で生きてきたふたりだからこそ、
男のプライドが邪魔せず、自分の弱みを見せられるし、甘えられるんだと思います。
寂しさを埋め合える、弱みを見せ合える唯一無二の存在、それが天授×聖高です。
ふたりの物語の続きをぜひ見てみたいです!