オメガバースの作品を読んだのは始めてですが、主人公であるカノンと世界観を上手く結びつけていた様に思えます。
αとΩ。肉食と草食。カノンが属するのは両特性において被食者側であり、序盤は翻弄され虐げられていたが、一つの出会いを切っ掛けに変わって行く。
色々な人と出会い、見識を広げ、時には自らの行いに後悔しながらも、自身の信じられる信念を貫いて行く。そう言った繊細さと強かさを兼ね備えて行く彼の姿に惹かれました。
リオンもまたαでありながら、傲岸不遜とは程遠く。互いが互いを思い遣る心が、この世界に蔓延る偏見などを溶かして行く要素なのかとも思えました。
情事のシーンも序盤はインモラルな雰囲気から、徐々に情愛に溢れ、カノンの積極さも現れたりと。二人の関係性の変化が現れていたのもまた良かったです。
最後まで気持ち良く読めました! 肉食の国に入ると何事!? と思う位に凄い印象に残る方も居ました(笑)