中華風陰陽師のようなストーリーの壮大なファンタジー性と、ちょっとやそっとでは語り尽くせぬ中身の濃さは、既に名作の予感すらしています。
ただ。タイトルからだけでは、ストーリーの中身が見えてきませんし、タイトルの意味を読みながらストーリーの流れを考えているところですが、サッパリ分かりません(笑)
この1巻で、この物語全体の実に3分の1。つまり全3巻構成のストーリーということになります。
まだ物語の折り返し地点にも到達しておらず、一体どうなっていくんだろう…というのが不安でしかありません。耀国と延国の間に巻き起こる呪い合戦が幕を開けていくのかと思いますが、延国の呪術師であるソラの不安定な立ち位置……延王からスパイ的な任を受けながら、耀国に肩入れしつつある現状が、この2国の未来を左右していくキーパーソンになるのではないか、不安と期待が入り混じります。
延国があまりいい国じゃないのが分かるぶん、この先のストーリーを容易に想像しやすいのですが、要はその経緯。耀国と延国の対立展開と、その中で巻き起こっていく耀王・シゲンとのBLがどう深まっていくのかに注目です。
事件パート的には、どっちが勝利するかということと、延国の呪術師としてソラがどう動くのかということ。
BL的には、シゲンが前世で思いを交わし合っていたと思われる相手のことを未だに忘れていないということと、シゲンはソラをどう思っているのかということ。(←ココが一番大事)
あとは、シゲンの呪いが完全に解かれるのかとか、そもそも誰が呪ったのかとか、ロウゼンとユウシンはうまくいくのかとか、細かい気になり事を挙げればキリがありません。
シゲンとソラとのBLだけに集中すればいいだけのストーリーじゃなく、その背景にある事柄や事象1つ1つにもアンテナを張って見守る必要があってか、全てを解明するには1巻では到底足りない足りない。
3巻編成ときいて、納得の数字だと思いました。
まだ全貌が分かっていないので、物語の全体像について良い悪いを評価する段階にもありませんが、これから耀国にとって大事な局面に入ろうとしている前段階としての惹きつけ方は見事。呪術師と呪いの関係についての言及がとても丁寧で、物語の世界に十分入り込むことができました。
呪術師、呪い、忌人…このトライアングルによって、ガチガチに固められた呪いの連鎖を今後断ち切ることができるのでしょうか。国の未来や人の未来を左右していく呪いの系譜が物語をどう動かしていくのか楽しみです。
BL的にもうちょっと進展すると良いな。
過去の恋人をソラに重ねてる感じなので、純粋にソラとの恋愛が進んで欲しいなと思います^ ^
ちっこいまれちゃん、反則的に可愛すぎるぜよ……( ´∀`)
小さいときのまんまで大きいまれちゃんになった感じですね。
つまり、精神年齢は変わってないということ……?(笑)
後頭部の髪の毛に米粒つくの、わかりますわかります!
ちっちゃい子って、髪の毛が細くてふわふわだからか、ゴミやら食べ物の欠片がつきやすいんですよね。あるある視点のツッコミ、akabeko先生最高です^ ^
おもらしの処理のプロには更に大爆笑でした!!(トイトレ中のお世話の適任者)
そんなまれちゃんとは対照的な、思春期貴宏くんも可愛さでは負けてません。
思春期特有の、性に対する恥じらいに胸の奥が、こう…くすぐられました(笑)
あの貴宏にもこんな時期があったんだなと思うと、自然と顔がニヤけてしまいますね。
ぷっくり乳首は未来のお前が作ったと言われた日にゃあ……貴宏くんのその日の夜のパンツの中は大変かも知れません( ̄▽ ̄;)
ちびっこ・まれちゃんとキッズ貴宏、どっちもめちゃくちゃ可愛かったです。
いつもの「蜜果」の世界観とは違う視点の置き方が面白すぎて、何度も読み返しています♪
夫婦として馴染んできた千景と百貴。3巻でも相変わらず仲良しです^ ^
エッチいっぱいして甘い時間もたくさんあるけど、意見が合わなくて意地になって拗れたりなんていう時間もあったりで、夫婦だからこそ直面する"夫婦あるある"を2人はどう乗り越えていくのか楽しませてもらいました。
地元に帰省するタイミングで意見が食い違ってしまい、ケンカをしたままお互いに離れてしまう…というのが今巻の見どころです。
千景と百貴の間に生じたわだかまりにはヒリリとしちゃうものの、夫婦仲の酸いも甘いも存分に味わうことができる物語は、夫婦愛再確認の軌跡といえるでしょう。
離れている時間はいい意味での冷却期間になったと思うし、側にいないからこそ相手への想いを強く感じてしまう肌寂しさは、夫(嫁)のことをどれだけ好きかの証明に繋がったと思います。
その証拠に、百貴のエロさ大爆発な野外エッチ……ナニゴトかと思いました。面積の少ない下着を着用した魅惑のバックショットは、超絶エッッッッロイ( ̄∇ ̄)
浴衣にしたのはまさかこの瞬間のためでしょうか。祭りだから浴衣にしたんじゃなくて、あのエロい下着を着る口実をつくるために浴衣をチョイスした……?
百貴のナカが準備万端なことも考えると、後者説が大。一体百貴はどんな顔をしてあの浴衣を買ったというのか、そのシーンを妄想するだけでニヤけてしまいました。
何だかんだで千景を甘やしてくれるフォローアップ術は、さすが嫁(笑)
やっぱり2人はいちゃ甘エロに邁進していって欲しいなと思いました^ ^
2人のすれ違いにはハラヒヤしたけど、今巻で一番びっくりしたのが、田端のお相手が登場したこと。百貴に失恋した田端にも春がくるなんてと非常にワクワクしました。
田端の春ストーリーは新章にて語られるとのこと。おおお……新章のスタートがめちゃくちゃ楽しみです♪
絶対この2人何かあるな…との匂わせには、本来の千景と百貴のストーリー以上に全集中していました。最後のバレ展開をあんな風に見せられてしまっては、新章も読むしかありません(笑)
千景と百貴の結婚から始まったストーリーも、どんどん広がりを見せていきますね。
サブキャラたちも個性的で楽しいし、クスッと笑わせるツボ掴みも最高!
新章も大いに楽しみです^ ^
小冊子マンガは、エロ度やプレイ、設定・トーンを登録できないため、どんな内容なんだろうと思う方も多いハズ。
フッフッフ……そこはあまあまの魔術師・依子先生。抜かりなく、期待通りの糖度100パーセントの世界に仕上げてくれています( ̄∀ ̄)
郎のモテっぷりに陽向がヤキモチを妬くという、なんとも可愛くていじらしい陽向が炸裂しちゃうストーリー。本編後のお話なので、2人のその後が気になっている方には嬉しい小冊子だと思います。(電子配信めちゃくちゃ嬉しい♪)
陽向のヤキモチにキューンとなる郎、そしてその後はあまーい雰囲気に。そんでもって、エッチに突入、トロ顔をたくさん見せてくれるベッドシーンは必見です!
途中、陽向の身体を気遣ってエッチを止めようとした郎に、もっとシていい、もっとシたい気分…と言っちゃうもんだから、あーあ…どうなっても知らないよ(笑)
あのヤキモチには、陽向をこんなにも魅惑的にさせてしまう効果があったのか……郎を甘やかす陽向はサイッッッコウにキュートでした!
ヤキモチとはいっても、郎が陽向以外に目移りするわきゃないのにね。
陽向の独占欲が郎にだけ向く世界一かわいいヤキモチをニヤニヤ楽しんで下さいヽ(´▽`)/
火・水・木・金・土、の自然哲学である五行思想をモチーフにしたファンタジー作品。蔓沢つた子先生のゴージャス可愛いイラストが目を引く一冊です♪
世界観としては中華系かな、中国発祥の思想ですし。でも、あんまり中華中華していなくて、言われてみればそうかーくらい(笑)
…なので、この作品オリジナルの世界観として楽しめますし、五行思想と言っても、この異世界の統治形態にだけ作用するものなので、難しさを感じずに読み終えることができると思います。
そうした五行思想をベースに、異世界転生が加わり、獣人が住まう舞台背景が加わり、なにやら色んな設定がてんこ盛り。タイトルにある"社畜"も物語の大事なキーワードの1つで、ブラックな企業にブラックな就業形態、ブラックな上司と同僚に、ブラックな生活習慣……見事に真っっっっ黒な世界で身を粉にして働いている人物がこの物語の主人公です。
更にこのお話の面白いところは、攻めのグンロンも異世界において社畜…いや、天畜となっているということ。社畜と社(天)畜のBLなんて見たことありません(笑)
グンロンの激務は土の神が不在なことによってもたらされたものなので、そこを解決できればこの忙しさから解放されます。…じゃあ土の神はどこにいるのかって感じですが、そこがこの物語の核心部分。
誰が土の神となるのか、ぜひ予想しながら読んでみて下さいね。……ヒントは"モグラ"です^ ^
伏線が色々と散りばめられているので、最初の方で分かる方もいるかもです。
呼ばれるべくして呼ばれた運命の召喚はドラマチックで、何ともあっぱれな素敵エンドに拍手喝采でしたヽ(´▽`)/
やっぱり伊達きよ先生の作品の受けキャラは、ハズレがありませんね。
前向きだし、読んでるこちらも元気が出ます。頑張り屋さんで卑屈にならないポジティブ思考はつい応援したくなっちゃうし、何よりも可愛い……^ ^ ほわほわとした空気感には癒されっぱなしでした。
思わぬ収穫だったのは、この作品で私の中のモグラ評価が爆上がりだったこと。
これまでの私の人生において、"もぐら"について考えたことなんてそうありませんでしたが、今すっごくモグラの生態が気になってたまりません(笑)
土と相性のいい金の神・グンロンとの同居生活で、心身ともに潤っていくのどかな土いじりにはホッコリ。畑で野菜を作って、お裾分けして、美味しい料理を作って、美味しいと言ってくれる言葉が励みになってまた土を耕してと…、こうした牧歌的なサイクルの中で育まれていくグンロンと巴の惹かれ合う恋心がとっても素敵です。
2人を見守る他の三神も個性クセ強で、良き存在感でした。
終わりを迎えたとて、彼らの未来はまだまだこれから。
夢か現実か分からないけど、2人が迎えるであろう未来の姿のビジョンがチラッと見えたときにはワクワクしました!
疲れた身体に2人の愛が沁み入る……そんな癒しのストーリーです。
日々に忙殺され、気持ちにゆとりを失いかけた人たちにぜひ。
恋愛模様とは別に、この作品の面白さはお仕事の描写にあり!
2人の出会いでもあり、仲を深めていく背景描写の一つですが、すごく深いところを攻めるてくるんですよね。私、めちゃくちゃその気持ちに共感しまして、ウルッときてしまいました。
人の良さにつけこんで好き勝手に言って自分の意見を押し付けるヤツ、社会に出ればそんなヤツらゴロゴロいますよね。従うしかない状況に腹が立ったとしても、何も出来ない自分にもイラつくというか……怒りたいのに怒れないジレンマと、また同じことの繰り返しにどうしようもなくなって落ち込むなんてこと、経験ありませんか?
そんな気持ちを抱えた世の中の人たちにぜひ読んでもらいたい一冊です。
作中、慶一が理不尽なことを言う上司たちにブチ切れて闘うシーンがあるのですが、これがすごいんです。めちゃくちゃスカッとします!
慶一が直面する理不尽な状況に共感できる方なら、この展開はスタンディングオーベーションものでしょう。これまで潰されてきた小さな声の所有者たちの反旗ともいえる心の叫びが胸アツです。
ジワっと嫌な感情をほじくり出すシーン描写はさすがの海野先生。BL以外のところの見せ場がたくさんあって、終始目が離せませんでした。
もちろんBLとしての見どころもいっぱいですし、なんといっても16の歳の差は注目ポイントでしょう。
深見の精神年齢が高いせいか違和感は皆無。むしろしっくりくる雰囲気でした。
深見と慶一が共に過ごす時間や豆腐談義に花を咲かせる穏やかな時間にホッコリ^ ^
"オジサンだろうがなんだろうが可愛ものは可愛い"。なんてったって、可愛いはボーダレスですから!
歳の差カップルだけど、そのせいですれ違ったりもしたけど、ジェネレーションギャップとか関係なくお似合いな2人でした。色んな方におすすめしたい素敵作品です。
忠弘のブラコン兄・忠晴のスピンオフ、まさか一冊まるまるで読めるなんて。
ハチャメチャ最高です!!( ˃̶͈̀∀˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
「エンサークルメントラブ」の3巻で、同僚の赤瀬川と忠晴のワンナイト匂わせなシーンがありましたが、大人リーマンカップルのストーリーを掘り下げてくれて作者さんには感謝しかありません。(合掌)
そんなバックグラウンドがあっての本作品への流れですので、オリジナルの方…特に3巻はひと読みしておいた方が、この2人の話に入り込みやすいかも。
ついでに言っちゃうと、2巻でお祭りのシーンがあるのですが、赤瀬川が人混みに迷った忠弘を誘い出そうとして失敗に終わる…なんていう一コマもあったりで、赤瀬川は何気に忠晴ブラザーズと絡んでいます。
2巻の登場はモブ的にサラッとなので、そういう出会いがあったんだーくらいの認識でOK。今思うと、赤瀬川と忠晴の伏線エピソードとなっていることが驚きですが、赤瀬川がこの作品にとって欠かせないキャラだということが分かります。
最初はモブナンパ野郎、お次は酔った忠晴をベッドに誘う腹黒同僚…と、次第に存在感を出してきた赤瀬川。本作のスピンオフでは、忠晴に振り回されながらも、忠晴の意外な一面に惚れ込み次第に本気になっていく軽薄男として、ブラコンお兄ちゃんとの恋愛を最大限に盛り上げてくれましたヽ(´▽`)/
忠晴の方が赤瀬川に翻弄されるのかなと思いきや、赤瀬川の方が忠晴に翻弄されていくところが2人の恋愛模様のミソ。これまでたくさん遊んできたであろう赤瀬川が、忠晴に一途に執着していくのがめちゃくちゃ楽しいです!
ハッキリ自分の気持ちを伝えるなど、赤瀬川の向き合い方は誠実だなと思いましたし、途中登場した昔遊んだ相手と思われるビッチ系の男との扱いの差を見て、忠晴への本気はホンモノだと実感できると思います。
2人の気持ちが同じ方向に向いていく道すじを見届けるのも、想いが通い合って結ばれるエンディングも、とっっっっても良かった!!!当て馬がいないせいか、2人の気持ちの部分に重きを置いたストーリーに一極集中できたのもナイスです。
にしても、あの忠晴があんなにエロいとは……夜中から興奮しました(//∇//)
高校生組との絡みも適度にあって、最後まで楽しめたスピンオフです。
次は高校生組ターンかな?
大人組も含めてこの作品の世界をいつまでも堪能していたいです^ ^
この5巻を最後に、もう北南カップルが見納めとなるのですね……
うぉぉぉ〜…。゚(゚´Д`゚)゚。 2人の掛け合い、大好きだったので寂しいです。
南谷の"サーセン"や"ッス"が聞けなくなっちゃうなんて、モーレツにロスりそうですが、卒業という名の旅立ちを心から応援して送り出してあげなければ。2人の恋愛を見守ってきたファンとして、笑顔で最後を見送りました^ ^
最終巻は、社会人と学生という立場の違いによってすれ違いが多くなってしまった2人だったけど、素直に話し合い、ちゃんと本音で話し合える関係性が築くことができてホッとしました。多くの周囲の人たちを振り回してしまったけど、それもこの2人らしくてイイ。……すれ違ってるバカップル、かなり笑えます^ ^
すれ違いの誤解が解けて安心したと同時に、もうこの2人ならこれから先何があっても大丈夫との安心感が。それは2人の物語の終わりが近づいているということの表れなのだなと、嬉しさ半分、寂しさ半分の複雑な思いが交錯して止みませんでした。
ずーーーっとイチャついてるバカップルたちにこれまで何度も笑わされ、癒され、ホッコリもニヤニヤも楽しませてもらった作品です。
私にとってはビタミン剤のような元気の拠り所となっている北山と南谷のカップル。BL界からの卒業は寂しいけど、いつまでも元気に仲良く、イチャイチャラブラブしていて欲しいと願っています。
そんでもって。
スピンオフ連載が始動とは………!!(´⊙ω⊙`)
しかも西湖のターン…これにはテンション上がりました〜
掴みどころのない彼がどんな恋愛をするのがめちゃくちゃ気になりますし、ミステリアスだけど、意外と面倒見のいいオニーサンな西湖のホンネの姿が暴かれていくことにワクワク。楽しみがまた1つ増えました♪
いつもはスパダリオーラがムンムンな犀川も、嫉妬と独占欲が絡めばただの男だということか分かり、何だかホッとしました ´∀`
犀川の人間くささが露わになった6巻。
虎谷にモーションかける鳥野に対する嫉妬がすんごいすんごい。メラッメラです。
不安と焦りに押しつぶされる犀川の弱さや脆さが浮き彫りとなり、あの犀川にこんなにも苦々しい表情や動揺を与えるのは後にも先にもきっと虎谷だけでしょう。
忙しい中、なかなか2人での時間を作ることができず、そこに加えての当て馬案件。有能な犀川も、この件に関してはなかなか処理が難しいようで、モヤモヤしまくる彼の心の中に不穏さが増していく心情描写が切なかったです。
虎谷を思って一人でスる犀川……めっっっっっちゃエロい!
そして、超絶色っぽい。美形はナニしても美形なんだなと納得のワンシーンでした(〃ω〃)
同じ会社なのにすれ違っているのは相当にツラく、忙しさと嫉妬のダブルパンチは犀川には相当堪えている模様…。そんな余裕のない犀川も、別の一面を覗かせたという意味では新たな発見でしたし、犀川も恋愛をすると防御力ゼロになるんだなぁと思うと、ちょっとだけ可愛いく見えてしまいました^ ^
犀川の負の感情がよく分かるシーン展開は切なさが滲むものの、嫉妬の大きさは犀川が虎谷をどれほど愛しているかの証明の1つ。虎谷のことで嬉しくなったり苦しくなったりと、頭の中は恋人のことでいっぱいな犀川の素の姿は萌えの塊でした。
そもそも…。
虎谷が鳥野になびくはずがないっていうのに、すごい心配性だなと(笑)
犀川が激重執着溺愛彼氏だということを世の中に知らしめた6巻でした。
白の美形(犀川)と黒の美形(鳥野)の2人から愛される虎谷が羨ましくて堪りませんなぁ…( ̄▽ ̄)
嫉妬から解放された2人のラブイチャはサイッコウでした!
ヤンチャの象徴の刺青も、人によっては救済と導きのシンボルにもなるということか……ううむ、なかなか奥が深いですね。
逆もまた然りで、永遠に身体に残るそのシンボルが禍根を残す負の遺産となることだってある。例えば、忘れたいのに忘れさせてくれずにずっと引きずってしまったりとかね。
表紙のこっち見てるカレ・愛助の切ない過去が、尚紀との出会いで上書きされていく恋愛模様が見どころな作品です。刺青1つで光にも闇にも振り切ってしまう複雑な感情がよく描かれていたと思いました。
受けの尚紀視点の話ではあるのですが、愛助のための物語のように感じました。表紙のイラストだって愛助のソロですし、あれっ?という印象は否めない。
もちろん尚紀の想いには感情移入できるのですが、それと同時に愛助の感情にも同じだけ入れ込んでしまう視界の捉え方が面白いです。
だからなのか、愛助の元カレの刺青の師匠に関してはもう少し掘り下げて過去を追求する必要があったと思うんですよね。尚紀視点がメインなら、そこまで深追いしなくてもいいかもですが、愛助の救済の物語の側面もあるので、元カレとの過去語りの必要性を感じるところでした。
愛助の元カレは何気に存在感のあるビジュアルとキャラ像でしたし、愛助が過去の囚われから解放されるためのキーパーソン。ひどい別れ方をしたようですが、あまりそんな風には見えなかったので、愛助の苦悩がそれほど伝わってこなかったのが少々残念でした。
最後に言っていた、「アイツに怒られる」とはどういう意味なんでしょ。それに、"to be continued …?"の意図するところとは何だろう……。あとがきには続きものの言及は特になかったので1巻完結かなと思っているのですが、もし続刊が今後出てきても面白そうです^ ^
結局尚紀の身体に刺青を入れることはなかったけど、身体に刻まなくとも、しっかりと心に大事なものが刻まれたことには変わりなかったと思います。
過去を断ち切り、心が通い合って結ばれた2人の幸せな姿がめちゃんこ素敵でした♪( ´▽`)
それにしても…
尚紀の元妻?元カノ?の面の皮の厚さは最悪でしたね。自分は尚紀に選ばれる側だと思ってる図々しさには辟易…別れて正解でした。