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女性ちろこさん

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リアルの恋は少女マンガのようにはいかないもの

恋に夢見る親友に恋するモテメンの苦悩が伝わってくる、焦ったいすれ違いが響くBLです。
なかなか虎晴に告白できないヘタレな龍雪と、少女漫画のような恋に憧れる虎晴との想いが交錯していく恋模様はなかなかうまくいきませんが、現実の恋は漫画のようには上手くいかないもどかしさに包まれて、悩みながらも龍雪への恋心に向き合っていく虎晴から目が離せませんでした。
虎晴の恋はあとになってから覚醒していくのに対して、龍雪の恋心は1話目からかなり飛ばしてます。
虎晴と女の子の関係が発展しないように裏で手を回していたとはね……イケモテメンの執着は楽しいけど、ヘタレなのがちょっと玉に瑕でした。

虎晴への恋にウジる龍雪は面白いけど、龍雪のやってることって、実はまあまあのクズ。虎晴の恋の芽潰し行動自体はいいけど、虎晴と女の子が成就しないように女の子たちを片っ端から食う必要まであるかいな。
好きで抱いてないとはいえ、しっかり勃つもんは勃ってるし、ヤれてるし、で簡単にポイするし。これが龍雪なりの牽制方法なのは分かりますが、ヤレないで回避できる術にシフトして欲しかったかな。実は初めてのとっておきは虎晴のためにとっといてて(少女漫画の一途なヒーロー像をそこでアピール)、女の子たちとは一切ヤらずに蹴散らしていたら星5個でした。

まぁ、そんなクズな龍雪を虎晴が叱ってくれて、虎晴は心意気がやっぱりカッコいい。女の子たちはホント見る目ないなと思います。
すれ違っていた気持ちが修正され、友だちから恋人へ昇格した2人にようやく春が訪れてホッとしました。
私としては、付き合ってからの甘々な様子…それこそ虎晴が龍雪にトゥンクしたりキュンとしたりする少女マンガのヒロインのような甘々恋人期をもっと楽しみたかったです^ ^

はじまりはSoundsGood 同人R18 コミック

小丸オイコ 

ベッドの主導権は大堂でも、心の主導権は……?

片やビッチ、片やヤリチン。
こんなにもエロいベッドプレイを惜しげもなく披露してるというのに、共にピュアな恋をしてるっちゅうギャップがすごい2人です(笑)

伊藤の方は結構ノーマルに攻めてるんですよね。大堂とちゃんと距離を詰めようとしてるのが伝わってきて、すぐにヤろうとしない姿勢は誠実で好ましい。
一方大堂の方は照れ隠しなのか、ホントにただ身体の熱を収めたいだけなのか、すぐに身体の懐柔に走っちゃう。好きな人とのまったりデートに慣れてないんだろうなというのが伺えました^ ^

伊藤からのトゥンク攻め、グッジョブでした。この調子で大堂の心を少しずつ絆しにかかって欲しいなと思います。

素敵な両視点が光るメロ作品

ドジっ子で不器用な主人公・輝を、優しくフォローするイケメン先輩に惹かれていくお話かと思っていたら、まさかの隠しネタが仕込まれていて驚きました。

この作品の面白さは両視点にあり!
やたらと輝を気にかけてフォローする紗々原は、ただの優男ではありませんでした。
もちろん優しいは優しいのですが、そこにはちゃんと下心があるのですよ^ ^
途中から展開される紗々原視点により、爽やかな先輩のバックボーンが露わになっていくと、彼がなぜ輝にだけ特別扱いをするのかの理由が分かります。
あ。ちなみに腹黒系とかそんなんじゃありませんのでご安心下さい^ ^
むしろ純粋な一途な愛が故のことで、それは紗々原にとって救いとも、憧れとも、また心の拠り所とも言えること。自分の推しそっくりな輝に興味を持ち、輝のドジな行動を見守っていくうちに支えたいと願うパワーが、今の紗々原を作り上げたのはすごいなと思いました。

ピュアでウブな輝の可愛い反応を前にしてに、欲求を抑えられない紗々原の"やっちまったー"のポーズ……何度見ても面白いです♪
やっちまったと落ち込みこそすれ、ちゃんと前向きだし、積極的にアプローチする紗々原の行動力はグッジョブ。ここでビビって引くようなことがあったらおそらく2人の恋のあゆみは牛歩並みの鈍スピードだったと思うけど、そうならずにちゃんとお互いがお互いの気持ちに向き合ってくれてホッとしました。

切ない過去の描写もトラウマも全部ひっくるめて、ちょっとしたモダつく姿すら自然と応援したくなる2人です。甘めのラブラブなエッチに至るときまでずっと可愛い2人でした(*´︶`*)
キャラも、ストーリーも、絵も全部が素敵で、まさにメロ作品!萌えとメロさをたっぷりと堪能して大満足の読後感です。

アラブの王子様はこうでなくちゃ

『アルファの渇愛』で、脇役ながら大きな存在感を放っていたターミルのターン。
ターミルは、前作の渇愛の方では"カーミディ"の名で度々登場し、レックスと瑠衣にチャチャを入れるよき見守り役だったのを覚えている方も多いのではないでしょうか^ ^

キングであるレックスの悪友であるアラブの王子さまは、キングのポジションにこそ就けなかったものの、そのカッコ良さはキングに匹敵するほど。皆から憧れられる容姿と体躯を有するターミルは、まさにザ・アルファです。
王族という出自の良さを始めとし、エドモンド校生としての品位、周囲を惹きつけるカリスマ性、冷静に物事を見極める知力、狡猾な根回し調整力……などなど、アルファとして申し分のないスパダリスペックです。
愛する運命のオメガ・佑真のことに関して言えば、求愛力もそこにプラスされますので、向かうところ敵なし。オメガバースにおける王道のドラマティックラブストーリーをたっぷりと堪能できるストーリーなのは間違いないでしょう。

佑真の仕える主人が、ターミルを敵対視するターミルの異母兄・ハムディということもあり、彼らの想いが報われるにはかなり困難な道のりです。
というのもですね、ターミルとハムディとの兄弟関係と、佑真とハムディとの主従関係が2人の恋愛成就を阻む最大のハードルで、これがなかなかに厄介だからです。もーーー…諸悪の根源のハムディが気持ちが良いほどのクズで、見てるだけで吐き気がしました。
ターミルの方では、兄弟関係の立場っていうものがあって、報復するのは簡単ではないし、また。佑真の方は親の事業を握られているもんだから強くは出られない。双方に繋がる複雑なパワー関係が、この2人の恋愛模様を焦ったくさせています。

佑真がハムディの策略にハマり、腹パンさせられたり、薬を盛られたり、怪しいショーで陵辱させられたり、水責めで溺死させられようとしたりと、まぁ嫌がらせが酷いもんです。
それをターミルが助けにくるので無傷っちゃ無傷で守ってくれるけど、ハムディの怒りの矛先が佑真に向けられているぶん、兄弟バトルというより弱い者イジメのように見える構図は何とも言えないやるせなさでした。
マジこいつ、早く詰んでくれよと何度願ったか。。。
やることが全部裏目に出るので後味は悪くはないけど、いつも佑真が割を喰らっているので、何か奴が仕掛ける度にため息が出ます……

でもそこはやはりアルファ。やられたら倍返しでやり返す、半沢の精神でズバッと断罪ルートへと落とし込むターミルの手腕はさすがでした。
自分で直接手を下すのではなく、周囲に裁かせるやり方は腹黒が見え隠れしていて、そんなところも良き^ ^ キング最有力候補になるだけのことはあるなと、ターミルの周りを固めていく手腕には惚れ惚れしました。


アラブの王子らしいターミルの一途でひたむきな愛は、砂漠の灼熱にも負けない情熱的なオーラを放っていました。
このシリーズ作品は、どれもアルファがアルファらしくて王道の良さを感じさせてくれるのがいいですね。しかもパブリックスクールという、独特な学園事情も余計にドキドキ感を煽られました。
あと、結構な割合で家族が恋愛に絡んでくるお家事情も各シリーズ作品それぞれで面白い。今作は兄弟でしたが、断罪されたクズな異母兄にも有り難いことに救済エンドが設けられているので、そこんところにも注目して読んで欲しいなと思います。

多少引っ掛かかるところはあるけれど…

生殖能力の高さを外交のカードにしているグルナ国の設定が妙に生々しくて、それってどうなの?って思うところが多々あり。

子どもが成せなかったら離縁だと……?
政略結婚なのでそこに愛がないのは仕方ないにしても、2年授からなかったらグルナ国に返されるって人道的にどうなんだろうか。離婚を申し出た他国の夫たち……2年の間にそこに夫夫としての情は育たなかったのか、すごく疑問です。
子どもができないので、ハイ離婚ね。で、別の王族寄越してね。って、そりゃあんまりだよ。
子を産む道具にしか見られていないグルナ国の王族たちは、人間性より妊孕能でしか判断されないなんて少々舐められ気味ではと思う。子どもができなければ用無しで、人としての価値もないみたいに扱われるとは、ただの物語の中の設定だけど、わたし的にはこの世界観にあまり没入できなかったです。

リュビのグルナ国も離縁を普通にそれを受け入れていて、それでまた別の国へとリュビを嫁がせるというルーティンもちょっと怖い。そこには家族の情もあまり感じられなかったし、グルナの王子王女に対する伴侶としての情も感じられないシステマティックなやりとりは、通販のモノのやりとりじゃないんだから…と思わなくもなかったです。

不妊でワケアリのレッテルを貼られたリュビの姿は痛々しかったし、クォーツとリュビのストーリーそのものより、背景設定の無情さの方に意識が向いてしまう始末でした。
その部分を気にしなければ、その他は良い流れの物語だったと思います。子どもありきじゃなく、クォーツとリュビが共に惹かれ合いながら愛し合うようになり、絆を深めていく過程はすごく読み応えがありました。クォーツ弟が絡むシリアス展開はまさかの理由に衝撃でしたが、エンディングへの盛り上がりはめちゃんこ面白かったです。

2人が心から愛し合った結果のその後のストーリーもちゃんと入っていて、最後は良き読後感でホッとしました^ ^

短さを感じさせない素晴らしい読み応え

趣きは現実世界の世界観ですが、ちょっとだけファンタジー要素入った物語です。
登場人物たちの名前から察するに、フランス(またはフランス語圏)が舞台と思わせる外国の芸術演劇の世界がモチーフとなっていて、劇団の人気トップスターと、天才戯曲家との夫夫関係のカタチから入っていくストーリーとなっています。

年下から熱烈にオファーされた囲い込み婚っていうのが、それだけでもう…ムフフ…色んなことが想像できちゃってワクワクが止まりませんでした^ ^
仮初の夫夫関係から2人がどのようにホンモノの夫夫になっていくのか、そしてどう恋愛の道筋を作っていくのか。攻めのギャスパルの方はヒューゴを好きなのがモロ分かりなのでそっちは置いといて、問題はヒューゴの方です。
結婚した時点ではヒューゴはギャスパルにゼロ感情なので、そこからどうやって100にまで押し上げていくのか、そこが一番の見どころでしょう。
恋愛にも人付き合いにも奥手なヒューゴがどうやって恋愛感情を抱くようになっていくのかと、彼が抱く不安を受け止めつつ見守りました。

アンソロジーの短編とはいえ、短い尺ながらすごくしっかりした作りの作品だなと思いました。2人が所属する劇団のことだったり、演目や配役のことだったり、背景が細やかに描かれているおかげで2人の恋愛の部分がすごく映えています。
物語が浮ついていないんですよね、ちゃんと設定がストーリーに根付いているというか、落ち着いているというか…安心して読んでいられる。だけど、重いというわけでもなく、サラッとストーリーが入ってくる口当たりの良さもあったりで、終始心地よい読みやすさに導かれて満足な読後感が得られました。

年下のアプローチ力に押されてどうなるかと思ったけど、自分の殼に閉じこもっていたトラウマを解放し、心を預けられる唯一無二の存在と心から結ばれることができた救済エンドにグッときました。
ただ。個人的には魔法の要素はなくても良いかな…と。ファンタジーじゃなくても十分成立する作品だと思います^ ^

2人のベッドシーンが思った以上に濃厚だったのには、驚きを通り越して歓喜…!
ヒューゴって、こんな官能的な一面があるのかとドキドキいっぱいでしたし、たっぷりめの甘いイチャイチャシーンにひたすら合掌でした(笑)

攻め界に革命が起きた衝撃作

一度見たら忘れられないほどの強烈なビジュアルの攻め。
毛むくじゃらのボディに、太いツノ。ずんぐりとした体型は、見た目的にはうーん…となる容姿です。

このビジュアルでいこうと決めた作者さん、すごいと思いました。イケメンが乱立するこのBL界で、このデネブのビジュアルはキワモノ中のキワモノで間違いありません。
スター◯ォーズ映画みたいな他ジャンルでは登場しそうな見た目は、萌え感的にはゼロですが、逆にこのビジュアルだからこそ際立つデネブの存在感はインパクトという意味ではピカイチではないでしょうか。

しかし……
見慣れてくると、この見た目もそんなに気にならなくなってくるんですよね(笑)
見た目はアレだけど、心がとっても穏やかで優しいデネブのキャラクター性に、あれあれれ?とてもイケメンに見えてくるぞと。
心と心で繋がり合う人種を超えた夫婦の在り方に、いつしか萌えキュンが止まらなくなってきます。

魔人の治める国と人間が治める国との和平のための政略結婚は、愛のないカタチだけの婚姻関係だったはずなのに、その実はお互いを想い愛し合う純愛の結晶だったとは誰が予想し得たでしょうか……!!
表紙だけでは絶対分からない幸せな夫婦愛の形があることをぜひ知って欲しいなと思います。

そんな2人の夜の生活はというと。。。
アルカドからのお誘いは積極的でエッチで、あまあまなベッドの営みにドッキドッキが止まりません……(//∇//)
ベッドシーンのときだけではなく、普段の日常でも2人がお互いの距離を測りかねていたり、気遣い合ったり、照れ合ったりする姿がいじらしくて可愛かったです。

ずっと気になっていた作品でしたが、これは面白い!
攻めはイケメンでなきゃならないという固定概念に革命を起こした衝撃作だと思います。
レビューや評価の高さを信じて購入して良かったです。
幸せの真髄はハートにあり。心温まるラブラブな2人にたくさん癒されました^ ^

彼らの運命が試される後半戦を読み逃すことなかれ

ひー…すごい読み応えではあったけど、アルトへの畳み掛ける試練が多くて、なんだか心落ち着かない気持ちに襲われまくりの下巻でした。

最大の敵は魔瘴でも魔獣でもスタンピードでもない、人間なんだと。
国の最大危機を救った英雄に対する暴挙には、はらわたが煮えくりかえって仕方がなかったです。


前巻いいところで終わったところから話は進み、王都を魔素の脅威から見事に救ったアルトとフェリクス。闇の女神から課された課題も見事にクリアし、スタンピードも抑え込んで国に平和をもたらした一連の流れには息を呑んで見守りました。
普通ならここでヤッターの幸せエンディングとなるとこ。だって、闇の女神にも2人の仲を認めてもらい、これ以上の後押しがあるかよっていう終幕でしたから、やっと落ち着いて2人の恋愛に集中できると安堵していたら、まさかのまさかで2人の関係に試練を与えるピンチが訪れます。

これはアルトがグローセベルクに流刑された諸事情と深く絡み合っていて、1人の権力者によって全てが仕組まれていたことが腹立たしい。王太子でもどうにもできない権力構造は暴走の一途を辿っており、魔獣や魔素よりも厄介なのは人間の醜い執着心なのかもしれないと思うところでした。

闇の神殿捜索までは完全にファンタジーの領域でしたが、アルトの命が執拗に狙われる後半戦は完全に政治的事情の非ファンタジー。しかも、1人の上級貴族の思惑でしかなく、更に言うとアルトの存在に過剰反応してるに過ぎない妄想ジジイの突っ走り行動が全ての元凶なのです。
一難去って、また一難……。
フェリクスと結ばれることにこんなに多くの問題が孕んでいたのかと思うと、正直ゲンナリ。味方は多いが、何しろラスボスが厄介な人物ということもあり、フェリクスが辺境伯になってアルトとこの国を支えていく未来がこんなにも大変だとは思いもしませんでした。
ここからは、貴族と貴族の駆け引きが主。あんなにファンタジー色が強かった展開から一気にリアルの世界へ突っ込んでいく後半戦は精神的な意味でシンドいです。

何度も言いますが、アルトは国を救った英雄なんですよ。
国に平和をもたらした功労者を亡き者にしようとは、傲慢が過ぎるぜクソ侯爵……

そんな複雑な事情が露わとなり、後半は恋愛の低迷期に入ります。
2人が一緒になる未来のためには仕方がないことなので、彼らの愛が下火になることはないのですが、アルトが死んだことにされ、常に暗殺者に狙われ、1人で住む場所を転々としなければならないのが可哀想でね……この問題が早く解決してくれよと願わんばかりで見守りました。

ただ。こうした試練の期間に、フェリクスがグッと大人になって頼もしく立派になったことだけはピンチの功名と言っていいのかも。グローセベルクの後継問題も、中枢での存在感も、アルトとの明るい未来を期待してのことだと思えば、納得のラストエンディングではないでしょうか♪( ´▽`)
アルトとフェリクスの結婚を認めないジーサンが最後の最後に登場したときは、もういい加減にしとくれと思いましたが、そうした色んな壁を乗り越えてこそ真の運命の2人。上下巻合わせての壮大なドラマが素晴らしかったです。

わたし的にはフェリクスの兄ルイスと隊長フィンとのその後も気になっています。
いつか彼らのスピンオフが読めたらいいなと期待しています^ ^

ゆっくりめだけど、ちゃんと前に進んでる

ゆるっとほわっとした高校生の日常の空気感に、そっと添えられるアオハルの色。
伊吹大好き嵐士と、クーデレ伊吹が奏でる恋愛ムーブメントがますます楽しい続刊です♪

嵐士が伊吹に唐突に告白して終わった1巻。
知りたいことがたくさんあります^ ^

告白の返事は?2人は付き合う付き合わない?告白後の2人の様子は?などなど…
同じクラスの同級生のポジションから、その先…恋人の関係に一歩進むかどうかが気になるところです。
嵐士とのお付き合いに真面目に向き合う伊吹の態度は、いつもながら何を考えているか分かりにくいクールな態度だけど、ヤレるシミュレーションのときに見せた赤面の表情が、伊吹の答えを物語っていたと感じたのは私だけでしょうか……(〃ω〃)

粗雑でぶっきらぼうな態度の伊吹ですが、嵐士の告白をナイことにもしないし適当にあしらったりもしない。嵐士の告白を真摯に受け止め、告った嵐士本人以上に恋人関係になることの意味をしっかりと考える姿からは、それだけ嵐士の想いに真剣に向き合っているんだなと感じました。

そういう点では、伊吹はすごく男前なんですよね。
好き好きアピールはするけど、肝心なところはヘタレになっちゃう嵐士とは真逆だなと。
念願叶って友だちの関係から進んだというのに、イマイチ友だちの域から抜け出せていないところもあって、まぁ…それが嵐士なりの優しさや気遣いなのも分かるんだけど、進路のことを言えなかったりだとかも含めて臆病になる嵐士にズバっとハッキリ伝える伊吹が超カッコよかったです!

恋人フィルターがかかって、伊吹のやることなすこと全てが可愛く見えてしまう嵐士のコミカルな動きも面白いですが、まだまだウブさが取れない2人の恋人としての成長を楽しみにしています。
次巻はどうなるのか既に期待でいっぱいです。これからも2人のことを温かく見守っていきたいと思います。

1冊で2冊分読み終えたような満足感に浸る絶品作

元々はアンソロジー収録の作品とのことで、私はそちらの方は未読です。
本作でハジメマシテの出会いでしたが、なるほど。反響の大きい人気作品だったことに納得できる楽しさでした♪( ´▽`)

政略結婚からの仮面夫婦…はたまた愛のないカタチだけの夫婦。そんな寂しいシチュエーションから始まるストーリーは、タイトルの物悲しいフレーズと相まって最初は読み心地があまり良くありません。

がしかし!というのがこの作品の面白いとこ。

密かに想いを寄せる夫から塩対応をされる一方通行の夫婦関係が、実は同じくらい……いや。それ以上の好意と欲情をシグルドからぶつけられていた裏事情が露わになると、シグルドの抑えていたリオルへの愛がスパーク……!!!
まぁ、侍女の証言やタレコミ、シグルド本人のちょっとした行動から判断しても、塩対応は誤解だろうなというのはモロ分かりでしたが、ボタンの掛け違えが修正されるとこんなにも甘々になるのかと。読み始めの1ページとの温度差にうっかり風邪をひきそうでした(笑)

シグルドは、家格のために。
リオルは、金銭援助のために。
そんな政略結婚の打診が、2人の純粋な恋心を曇らせていくキッカケとなったのは残念としか言いようがありません。ただ、夫夫となるチャンスをもらったのも、この政略結婚ではあるわけで、夫夫という関係から入ったこともあながち悪手とも言い切れないんですよね。
シグルドみたいな恋愛に不器用な男は特に…

やること全てが盛大に空回っていたり、真意が誤解されたりと、2人の夫夫生活は見ていて歯痒いもんですが、その歯痒さが積もり積もってようやく想いが伝わり合うシーンは、それだけに最高の眺めです。
元がアンソロジーというのもあってか、すれ違いの切ない描写が長々と続かないのも良かった。すっきりとまとまっていながらもしっかりと魅せるストーリーは満足の読後感でした。
また、本作品には書き下ろしの部分の後日談とスピンオフが収録されており、これが更にワをかけてめちゃくちゃ面白い。
特にスピンオフの方は、シグルドとリオルの長男・レイのお話となっていて、これは同時収録に甘んじるレベルではないです。これ単体で一冊の本になってもおかしくないくらいの傑作だと思います。

『おいてけぼりのオメガは偽りの夫に愛されたい』の両親編(番外編含む)と、スピンオフの『足手まといの算術士は報われない恋をする』の長男・レイ編との2篇から構成されているこの一冊は、フォーデンファミリーの2カップルの恋愛模様を余すことなく楽しめる豪華な仕様です。
βのレイと、幼馴染のルーファスとのバースを超えた主従愛は、両親とは全然違うアプローチだけどそこがまた面白く、レイの算術士としてのスキル値の高さで周りからの評価を得ていくサクセスストーリーな側面にワクワクが止まりませんでした。


シゴデキなレイの魅力はもちろんのこと、シグルドとリオルが親の立場からレイに寄り添う脇キャラとしての存在感の大きさも素敵でした。
1冊で2冊分読み終えたような満足感に浸る絶品作です。この作品の世界を余すことなく堪能して欲しいなと思います^ ^