会社内に漂うカオスな空気感、ギスギスした人間模様……ヤバいです。会社の大大大ピンチです!
1人の新入社員の登場によって、リバースエッジが大きく飛躍を遂げるのか、はたまた大きく低迷していくのか。会社の底力が試されていく、実に興味深い3巻でした。
シリーズ3巻目ともなると、だいぶ会社の風通しも良くなってきました。
縦の繋がりと横の繋がりに柔軟性があるのも、ベンチャー企業ならではのフットワークの軽さも、これまでのストーリーを見ていれば一目瞭然です。
それなのにです。
有能な中途採用の青年が入社したことで、社内がピリピリモードに一気に突入。ものすごい才能の持ち主だけど、協調性0のゴーイングマイウェイ男子に翻弄されていくリバースエッジの社員たちの戸惑いと怒りが、あああ……ハラハラ感ハンパない。
社長の久瀬……しっかりしろし。
一時期の久瀬とも被る新入社員の難波は、何を言ってもどこ吹く風です。ミーティングは修羅場と化し、会社に成長と活気をもたらすであろう新入社員がまさかの地雷となろうとは、、、ある意味会社の危機とも言えるターン展開でした。
タイトルに「社長、新人教育してください!」とありますが、社長の久瀬は新人教育にノータッチです(笑)社内の雰囲気がおそろしく悪くなってから気付くくらいの鈍感くんなので、彼に教育は無理ゲーです。
じゃあ、新人教育問題は誰が?というと、そう。1人しかいません^ ^
ここからがこの3巻の大きな見せ場ともいえる、鳴沢式スパルタ教室の開講です。
マンツーマンのスパルタ電話応対指導……ああ言えばこう言うの難波が鳴沢にシゴかれまくって、ブブプッッッ…( ̄∀ ̄)なんとも小気味がよろしいことで。
基本鳴沢は優しいんだけど、内容は厳しい。普通の電話応対が、コミュ障な難波には苦行になっているのが面白すぎて笑ってしまいました。
難波が人が変わったようになっていくところにぜひご注目下さいね。
あんだけ噛みつきまくっていた狂犬が鳴沢シンパの忠犬へと変身していくメタモルフォーゼは最高にして最強の見どころです。久瀬が嫉妬するのも頷ける鳴沢への忠誠心には思わずニヤニヤでした。久瀬……ガンバだ^ ^
これだけ世の中はAIやデジタル、バーチャルが発展してきたとはいえ、人と人を繋げるのはやっぱり生身の人間でありハートなんだなと思いました。"ネットに書いてある"ことでも、それが必ずしも全員にとっての正解とは限りません。
会話と会話から生まれる発見や気付きというのもあるし、何気ない雑談の中に新たな取り組みのヒントが隠されている可能性だってある。効率を重視して周りとのコミュニケーションを排除するのは、効率的なようで実は非効率的なのかも知れませんね。
会社とは。個人とは。チームとは。
個と集団の関係を考える上で、心に刺さるストーリーの深さに感動すら覚えました。
今巻、社内運営にはあまり関わっていない久瀬の存在感は少々薄めでしたが、彼は彼の別のフィールドで頑張っていて、ワンチームとしての会社の成長を見届けられたのは嬉しかったです。
今のところ4巻目があるかは分かりませんが、彼らの今後の更なる飛躍を切に願っています^ ^
私も絶賛子育て真っ最中の身。
1人で甥の朋を育てながら、仕事をこなす幸紘のバイタリティはスゴイと思ったし、誰にも頼らず愚痴も言わず、愛情をたっぷりと与える姿には感動すら覚えました。
"独身サラリーマンの一人子育て"的なドキュメンタリーを見てるようで、結構細かいところの子育てあるあるにも言及してるのが、ああ…作者さんは子育てが分かってらっしゃるなと思ったりもしました(笑)
自分自身の子育て経験と照らし合わせながら読むのも楽しかったです。
子育てBLはよく読みますし、好きなジャンルでもありますが、ただ何と言いますか……子育て描写が濃密すぎるのが長所であり短所かなと感じました。
BLというよりは子育てがメインになってる気がして、BLポイントに関してはちょっと物足りない。朋と仲良くしているお友だちの卓哉の叔父であることが判明した部長の貴紀とのロマンスは、そんな子育てに追われていく中で育まれていく展開で、まぁ…仕事もプライベートもガッツリ絡んでいくところはBLらしさがあって話が分かりやすくて読みやすいと思います。
恋愛面での転機は貴紀からのアプローチによって盛り上がりを見せていくことになりますが、先にも言ったように子育てが中心になっちゃってるので、BLでのドキドキは何となく抑えめな感じかな。恋愛面でのドキドキやキュンが、子育てのドタドタにかき消されていってる印象は拭えませんでした。
あと。気になったのが、幸紘の言葉遣いです。
いくらプライベートとはいえ、上司に対してラフすぎません?
"〜っす"、とか"強ぇんすよ"とか、"食います"とか。幸紘のキャラとこの言葉遣いがあまりしっくりこず、気になりすぎてストーリーに入り込めない時間もちょいちょいありました。
家の悩み。仕事の悩み。子育ての悩み。恋愛の悩み。
色んな悩みや壁にぶつかりながら、色んなシーン展開や心情描写に働きかけるストーリーは読み応えがありましたし、個人的には楽しく拝見しました。
トータル的にはBLの萌えみをモアプリーズ。もう少しラブラブな感じも欲しかったです。
事件性の強い事象と抱き合わせになってるストーリーなだけに、謎めきのウエイトが大きく、また夜泉が抱える背景にも向き合っていくとなれば、話がだいーぶ複雑めです。
登場人物たちにもだいぶ彩りが出てきて、いわゆる仲間と呼べる者、敵と認識する者、この物語の世界の核心に少しずつ迫りつつあります。
夜泉の心の傷やトラウマに迫るところが、この2巻の見どころなのかなって感じではありますが、夜泉の兄の死に噛んでるらしいヒール役との対峙、またまた悪霊喰らいの"黒兜"と呼ばれる精霊が派手に登場するなど、静と動の振り幅がすんごいなーって印象でした。
核心に迫ってはいても、まだまだ話はこれからって感じでしょうか。
一体夜泉を取り巻く状況はどうなってんのっていう疑問だらけが、少しずつだけど明らかになってきました。陽名の探偵業で追ってる事件とも絡んでますし、コナン的要素もそれなりにあって各方面で見せ場が満載です。
後輩くんとのまさかの繋がりに、この死神コミュニティに広がりができていくワクワク感はハンパなかったです♪( ´▽`)
1番の注目点である2人の恋愛はというと、あんだけ濃厚なベッドシーンを見せつけられちゃったらもうね……ムッフフフ…堪んないよ( ̄▽ ̄)
言葉なき相愛とでも言いましょうか、お互いに身体の熱だけで想いを酌み交わす肌の重ね合いがアツかったです。
普段クールな夜泉ですが、夜泉視点だとかなり陽名を意識しまくってるドキドキ感が伝わってきて、そんなクール&デレがすこぶる楽しかったです♪
2人の恋愛は前進も見られて、とりあえずホッ。
背景にある話が複雑なだけに、展開はゆっくりめかなと思っていたけど、割とサクサクと進んでくれるのは有り難い。締めるところは締めて、緩めるところは緩めてのシリアス&ダークと、クスッとしてしまうコミカルのバランスもとても良かったです。
事件面の派手さに負けず、恋愛面でもしっかりと存在感を残すストーリーが今巻も素晴らしかったです。
表紙のカプとは別に他2カプのストーリーが収録されているオムニバス作品。
どのカプも同じ美大生に通う学生という共通点があり、専攻は違うけど横の繋がりがあることによって話の広がりを楽しめるのも味な一冊でした。
表紙を飾っていた天野と彩輝のお話は1話、高木とミハイル、兼弘と大竹の話は2話ずつで構成されています。
彼らが学ぶ美術大学が舞台背景というのが実に面白いですね。出会いも違えば恋の始まり方も違う、色んなストーリーへの導きに酔いしれました。
芸術分野に秀でた彼らだからこその、理屈ではないビビビッときた感覚もちゃんと恋愛感情に落とし込まれていて、理屈というよりも本能でもって惹かれていく恋愛模様にドキドキが最高潮でした。
それに。
恋愛とは違うベクトルの部分も物語への引き込みに重要で、彼らの制作意欲だったり、作品への愛情のかけ方だったりの創作活動に対するアオハル感も恋愛ムーブをグッと盛り上げていたように感じました。
この一冊に3カプのお話というのは、なんだか勿体無いと感じてしまうくらいどのお話も素敵なものばかり。サラッと読めてしまう手軽さはいいけど、もっと掘り下げて読み込みたい物足りなさを同時に感じるところでした。
出会いから恋愛へと発展、恋人へとステップアップしていく流れとしては3ストーリーとも少々集約しすぎな印象だったかな。特に天野・彩輝は1話の短編ボリュームなので、最後の結びに行き着くまで展開が早かったように思いました。
実は前から気になってましたよの描写だけでは少々心許ないかなと思いましたし、これだけ魅力的なストーリーとキャラと舞台が揃っているのですから、あまりせかせかせずにじっくりと2人のストーリーに浸りたかったです。
美大出身ではない私には、この作品の世界観自体がすごく異世界のことのように思えてならなかったです。もちろん羨ましい意味で^ ^
作者さんは美大出身なのでしょうか。でなければ、取材力の賜物でしょうか。
実際の美大の現場を私は知らないですが、臨場感と躍動感、それに情熱がすごいなぁと興奮しきりで最後まで読み惚れました。
続編となる今作の表紙は高木とミハイルだーい♪
前作の天野と彩輝の表紙のタッチとは違う瑞々しいカラーリングがとても映えてますね!裏表紙には、天野と彩輝、大地と大竹のお馴染みの面々もしっかりと幸せオーラを出していて、なんとも素敵なエモ表紙でした。
前作は美大生としての学内恋愛が主軸でしたが、今作は各々が卒業後に活躍するフィールドでのお話です。
芸術家として大成する者、自分の可能性にチャレンジする者、大学に残る者、新たなステージに向き合っていく者、昔からの夢を叶える者……皆の進路は様々です。
環境が変われば、パートナーや恋人に対する向き合い方も多少なりとも変わるもの。一緒にいられる時間が減ってはすれ違ってしまったり、自分の今後を模索してはくすぶったり……創作者や表現者としての悩みが悩みなら、拗れた感情を解く作業もそれなりです。
行き違ってしまったシーンには、思わず涙がホロッ……
続編にはよくあるすれ違いのシーンですが、順風満帆でないところも合わせてそれぞれの恋愛模様の奥深さに何度も読み惚れました。
芸術の分野に長けた彼らは、相手に伝える手段は言葉だけじゃない。パフォーマンスで自身の気持ちを伝えられるのは彼らならではですね。理性より感覚で動く彼らの難しい心情描写をこんなにも丁寧に描ききる作者さんがすごいなと思いました。
前作と同じカップルたちの続編オムニバスだけど、ボリューミーなページ数も相まってか、1カプあたりのストーリーに短さを感じない厚みのある物語展開が素晴らしかったです。ぶっちゃけ、3冊分の作品を読んだ満足感すらあります。ものすごい読み応え×3でした^ ^
3カプとも横の繋がりがあるぶん、縦にも横にも斜めにも広がるストーリーが圧巻。ミクロにもマクロにも話が及ぶ、全方位で楽しめる濃密さに引き込まれっぱなしでした。
とあるカップルは、恋人のその先のステージアップした景色を見ることができましたし、他のカップルもみなそれぞれに思いを抱いて進む未来は希望と可能性の塊です。
前作で見せてくれたカラーとは違う、また新たな色に染まりゆく彼らの愛のカラーバリエーションに多幸感でいっぱいになりました(*´︶`*)
カッコ良かったり、ダサかったり、キューンときたり、何やってんだよ…だったり。恋や恋愛の狭間で巻き起こっていく色んな感情の盛り上げ方が秀逸で、立場違いの2人が織りなすもみくちゃな恋愛模様がめちゃくちゃ面白かったです!( ´∀`)
恋の始まりからお付き合いに発展していく中での好意の導かれ方は良かったし、恋人期の恋愛お花畑のウキウキモードや、交際に不安になるジメジメモードのコントラストも良かった。杉浦のポジティブなところ、辻のネガティブなところ…高校生と会社員という立場互いな側面が恋愛への向き合い方に及んでいく物語展開はこの作品の大きな見せ場だと思います。
恋愛の駆け引き、心理描写といったところのアプローチもコミカルタッチながら、少ししんみりとするようなシーンもあって、ストーリーに奥行きが出ていたと思います。自分勝手な考えで杉浦をフッた辻へのザマァと、お仕置きツンは非常に痛快でした!
辻は自分のことを凡庸だと評価していたけど、無自覚にセーブしていただけで本来デキる男なのでは?現に、仕事ではかなり頼りにされているし、抑えてそうなんだったら、本気を出せば更に社内評価も高まりそう。
完璧な杉浦に気押されるのではなく、好きなんだったら手放すんじゃなくて、自分が釣り合うように動けよと思いました。グチグチ言ってるのは確かにダサかったけど、これもまた好きな感情の故のことだと思うとどこか憎めない(笑)
恋をするとカッコ悪くなるのも、また恋の良さなのかもしれません^ ^
2人の恋愛とは別に、弟との兄弟愛も垣間見えて、別のベクトルでジーンときちゃいました。兄に悪態ついてても、兄のことを毎日よく見てる弟の観察力と、兄のために交際相手に話をしにいく行動力はあっぱれでした。
こうなったら、杉浦の卒業後の大学生編も読んでみたい!
制約のないラブラブっぷりをモアプリーズ。2人のリターン希望です^ ^
思わずクスッとなっちゃうラブコメエッセンスと、トゥンクを沸き立たせるピュア恋のマリアージュ、いやはやお見事でした。
日常に潜むストーリーに、こんなにも爽やかな色合いを出せるなんてさすがは木下けい子先生です。
アオハルのテーマを掲げているだけに、高校生の一途で直向きな恋に火傷しそう(笑)若くて純粋で、好きな人のためなら無敵になれるアツいハートにビリビリきました。
若さゆえの恐れのなさ、くぅ〜〜…!!眩しいぜ( ´∀`)
18歳の若者の恋愛マインドと、アラサー男の恋愛マインドは天と地ほどもあって、未熟さや経験値の低さはどうしても補えないものがあるけど、ハートの重さや情熱の沸点は高く、恋に勉強にがむしゃらに打ち込める宗悟のスピリットがめちゃくちゃカッコ良すぎました。
三成を好きになったことで進学先の進路変更からの猛勉強……動機が不順な勉学への取り組みだけど、好きな人のために東大文一を目指す荒業がめちゃくちゃスゲェ。それを三成に頼まれたわけでもなく、強制されたわけでもなく、自分自身の意思でやってのけようとしてるところに、宗悟の強い意思を感じました。
やっぱ、学生っていうところのアオハル感が、めちゃくちゃキュンときますね!
カッコいいのに、可愛いし、しつこいけどワンコみあるし。恋愛の勝負事を勉強で結果出そうとするなんて、やり方が健全すぎてドキドキがスパークしそうでした(笑)
10代の若者の勢いあるストレートな感情がブッ刺さって堪らない、そんな素敵なアオハルストーリーです。
さて。これからこのアオハルはどんな景色を見せてくれるのでしょうか。
特に1巻の表記はないですが、あらすじに「凸凹ラブコメディ開幕」とあるので多分続くのではと思っています。
木下先生の描くほんわかしたストーリーも好きですが、健気なキャラが本当にもー大好き!!胸にジンと響くアツいストーリーの余韻にいつまでも浸っています(*´︶`*)
悠久のときを経て、再び出会うことになった人間と吸血鬼の種族を超えた一途な恋。……めちゃくちゃ感動!そんでもって面白かったです!!
まず、話の作り込みがすごい。
読み始めから、何のこと言ってるんだろうと思う節があって、「あの人」とか「同族にして」とか、話の意味をちゃんと理解しないままただ何となく読み進めていったのですが、読み進めていくうちにどんどん情報が出揃っていくと、それまでぼやけていた話の輪郭がクリアになっていき、そして、そのクリアになった輪郭に中身が埋まっていくと、このストーリーの壮大な恋の絵巻物としての素晴らしさに鳥肌がたちました。
一読しても面白い。二度読みするともっと面白い。
あの場面って、そういうことだったのか。そんな意味が隠されていたのかと、読み返すことでもっとこのストーリーに浸ることができると思います。あの行動やあのセリフ、あのシーン全てはあのドラマチックな結末に集約されて繋がっていて、伏線の張り巡らしとその回収にはある意味感動すら覚えました。
運命的に惹かれあった2人が織りなす千年を超えた再会劇はまさにロマン。織姫と彦星伝説の神秘性にも似た、一途でブレのない愛のカタチにただただ酔いしれるばかりでした。
会社トップと秘書の主従愛。はたまた人間と吸血鬼の人外ファンタジー愛。そんな側面を持つ作品ではありますが、そんな設定に甘え切っていないストーリーが本当に素晴らしかったです。読む前からは想像も出来ない世界の広さと奥行きの深さに読み入ってしまいました。
このストーリーの核となる最大の見どころについてですが、先に言及した"千年を超えた再会劇"にヒントがちょこっと。物語の最初の段階では、再会劇を予感させる匂いが全くしないので、そこから紐解かれていく彼らの強い縁の強さをぜひ味わいながら読んで欲しいなと思います。
素直になれない要様にはやれやれでしたが、年下ワンコの独占欲と執着心が丁度よく混ざっていいバランスでした。晴人の前でだけフニャッとする要のギャップも良かったです。
この2人のお話をもっと先も読んでみたいな♪圧倒的な読後感いっぱいの神作品でした。
なんて健気で切ないの。
病弱ながらに長に就任したテオの部族内体制改革への取り組みが素晴らしいのに対し、既存のあり方を死守しようとする勢力がマジむかつくー。"力こそが全て"みたいなイデオロギーに虫唾が走るし、まずもって何なのよあの老害たちは。
弱者は奴隷に、余所者は慰み者に堕とすこの部族の支配体制にウヘェとなりました。そりゃ、次期族長だった兄がトンズラするのも分かるわ。…っていっても、病弱な弟に後を託すのもどうかと思いましたが。弟がどんな扱いをされるか分かっていただろうに、兄ちゃん無責任すぎるよ。
今後兄がリターンする可能性もなきにしもあらずなので、注視していきたいと思います。
テオの頑張りが涙ぐましい一方で、ロザアへの片想いは不憫な境遇とも相まってすごく慎ましやかに映りました。
かといって"抱いて"となかなか積極的なことを言っちゃうテオですが、テオ的にはロザアしか心を預けられる人がいないってところの気持ちの拠り所が、"抱いて"の3文字によく表れていています。
族長としての重圧と、一人の恋する男として願望が交錯し、好きな人に抱かれているのにロザアの熱のない感情がもー涙出る。ロザアもテオのこと好きなんじゃないかと思っていたけど、違う?いやいや、そう見せかけといて好き?…いや、もう分からない。
それに加えて、あの最後のシーン。
マジかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ…!!でした((((;゚Д゚)))))))
これにも何か裏があって欲しい。というか確実にあってくれ。
1話にして、もうこんなに感情がアップダウン激しくてハァハァ息切れしそうです。
ロザアの真意が読めないうちは安心できません。でもこの展開はめちゃくちゃ面白いです。
部族改革も、恋愛もどうなるのか今のところ分かりませんが、今後の展開がすごく楽しみです。
痛いの苦手。ダークはとりあえず避ける。基本幸せハピエンじゃなきゃ読みたくない。
そんな私がですよ、読むやいなやストーリーに一気に引き込まれてしまって驚いています。
身体的加虐は痛々しいし、汰桜の気持ちお構いなしで手荒く抱き潰すシーンからは幸せオーラは読み取れません。攻めの世那は鬼畜の匂いがプンプンしますが、汰桜に対する気持ちには、病んだ愛情が強く感じられてゾクリとしました。
まだ1話目…というか、prologueなので物語としてはほんのさわり。ストーリーとしてはこれからが本番でしょうけど、序章にしてはだいぶ濃い内容なだけに今後の展開から目が離せません。
序章部分から得られる情報が少ないのも妙に気になってしまう要因の1つかもですね。
2人の関係、そもそもの出会い、世那のバックボーンに、汰桜のバックボーン。仕事なのか裏稼業なのか何かを隠してる世那の反応も、突然汰桜のピアスを引きちぎった世那の心理も、突然の3年後も……一体何がどうなってるんだ状態です。
与えられている情報が少ないぶん、かなり想像が膨らむと言えるでしょう。想像の広がりはストーリーの広がりを生み、二十数ページの中に詰まった限定的な世界は結果的に物語の可能性をも広げていきます。
突然汰桜のピアスを噛みちぎった理由は何なのか。その噛みちぎり跡からは、永遠に刻み込まれた世那からのマーキングのように見てとれますし、世那への普通じゃない執着心をありありと感じるところでした。
プロローグのあと、どんなふうに話が進んでいくのか怖いもの見たさでめちゃくちゃ気になります。ビビりな私のハートを捉えて離さない、楽しみな作品との出会いに興奮が止みません。