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LOST II 電子 小説

二一  伊藤モネ 

最後の一番いいところで、なんでそうなっちゃうの

仲間を失い、後悔の念や喪失感の中でもがき続けてきた男の心の闇に迫る後半戦。素晴らしい読み応えでした。

このII巻は、I巻のネイサン視点とは変わってクレイ視点で話が進みます。
ヒュプノス島で戦死したとされるネイサンのことを想いながら、島の謎に迫っていくストーリー展開です。
あの島には何が隠されているのか、かつての仲間たちなはなぜ死ななければならなかったのか、そしてネイサンはクレイに何を伝えようとしていたのか……1つの小さな島に翻弄された男たちの戦いの物語。世界の国々の陰謀や思惑も絡み合い、ドンパチも肉弾戦も何でもござれのバトルシーンは臨場感がすごいものがありました。

混沌とした戦いの場面はもちろんのこと、人間模様や心情の掘り下げはクライマックスならではの見せ場感。世界を混乱に陥れないためのイデオロギーでもって島を侵入者たちから守る者たち側の背景も丁寧に描かれており、謎のベールに包まれていた島の全貌と島の資源を巡る対立構造が露わになっていきます。
仲間の死から始まったストーリーが、世界全土を巻き込む壮大なストーリーへと発展していくと、単なるBL枠では収まりきらないレベルにまで盛り上がりを見せていきます。

普通にアクションストーリーとしてのクオリティも高い作品だけど、BLを置き去りにしていないところは見事だなと思いました。
2人は恋人同士でもなんでもない、ウマの合わない元同僚……何度かセックスはしたけどセフレのような身体だけの関係でもありません。そんな状況の中、ネイサンは島へと任務に趣き、戻らぬままとなっていましたが、会えない時間にもネイサンはクレイを想い、クレイはネイサンを想い続ける双方向のやり場のない思いが切なくグッときます。
この島がなければネイサンは多くを失うことはなかった…確かにそう言えますが、クレイの温かさや肌の温もりは、失ったからこそ得たものだと思います。
引き取った子どものダスティとの時間もそう、不名誉な"英雄"のシンボルだけがネイサンが得たものではないし、死に急ぎヤロウの喪失願望に振り回される周囲の身にもなってみろってんだ。

屈強な男のくせにどこかヘタレなネイサンの逃げの姿勢にはモヤモヤしましたが、ダスティやクレイにボコられてちょっとスッキリ。血の気が多い軍人2人からの、愛あるお仕置きが激しくてちょっと笑ってしまいました^ ^


話の回収も見事でしたし、納得の終焉でした。
ただ……1点。
なぜ、最後にリバなのだ……
別にリバに抵抗があるわけじゃないけど、話の流れ的にリバである必要性を全く感じなかったです。クレイが攻めに回った理由も分からんでもないけど、にしてもリバはわたし的にはないなぁ…でした。
右手がないネイサンを下にして、クレイが跨ってケツ抱き。これっきゃないでしょ。
最後の一番いいところでっていうションボリ感もあり、中立にしました。読者によって好みが分かれるかもしれません。
リバじゃければ、神でした。ストーリーはハリウッドレベルの良作です。

LOST I 電子 小説

二一  伊藤モネ 

生き残り兵士のリアルな内面に迫る光と闇の物語

BLを純粋に楽しむというには背景が重めな内容だけど、こんなに読み応えのあるストーリーに出会える機会はそうそうないと思う。
BLを読んでいるのか、ヒューマンドラマを読んでるのか分からないほど、主人公2人の背景描写が緻密。敵との戦闘シーンは本格派そのもので、無傷で生還しないところや仲間が非業の死を遂げたところなど、凄惨な現場であったことが分かるシーン展開には身震いがしました。

とある島に、調査目的で上陸した特殊部隊員たち。人質解放の名目で乗り込む彼らの生死をかけた任務遂行のシーンはとにかく圧巻です。
映像化するなら、主役がブルース・ウィリスやシルベスタ・スタローンでもおかしくないくらいのストーリーの濃さには引き込まれて読み入ってしまったし、そうした情景描写だけじゃなく、心情描写のアプローチもリアルさがとにかくすごい。昔、ベトナム戦争の生き残り兵士たちがPTSDに悩まされている社会問題を取り扱った番組を観たときの記憶が、思わずこの作品とリンクしました。

仲間を失い、生き残ったネイサンの決して消えない心の傷は、この物語の核心です。自分のせいで亡くなった仲間がいて、深手を負った仲間もいる…それなのに自分は異例の昇進をし、英雄と讃えられるやり場のない気持ちが、ネイサンをますます追い詰めます。
世界はこのミステリアスな島がもたらすであろう莫大な資源利益に取り憑かれており、多くの潜入員の命を奪ってきたこともやるせない。多くの国が多くの人員を投入したいるのに未だこの島を奪還できないことが、一体どれだけの命を無駄にすればいいのかと怒りすら湧きます。

この島を奪われまいと抗戦する相手側は、仲間の命を奪ったいわば政敵ですが、相手方にも事情があり、どことなく憎めない感じが怒りの矛先を曖昧にしてしまうんですよね。実に複雑な感情が渦巻きます。
ネイサンはずっと暗闇の中にいてもがき続けています。
ケンカばかりしていた相手・クレイとの関係が、"あの日"を境に少し変わっていき、クレイへの情欲がいつしかネイサンの救いとなっていく展開は見逃せません。

共に生き残った軍人として同じ経験を共有できる相手というのもあるかもしれませんが、いけすかない相手だったクレイを見る目が変わっていくネイサンの気持ちの変化はこの作品におけるBLの土台でしょう。
荒れたネイサンを何も言わずに受け入れたりと、クレイが何を考えてるのかさっぱりなので、彼がネイサンを好きなのかどうかの判断はこの巻ではできません。次巻以降、その辺りが分かってくると良いのですが…

一体この島なんなん?!っていうのが、とにかくミステリー。
この小さな島によって狂わされていく国や人の行く末はどうなっていくのか、ネイサンはもがき苦しみ続ける暗闇から脱することができるのか、答えが早く知りたいです。もちろんクレイとの関係に進展があるのかどうかは一番の気になりどころです。
今のところネイサン視点で話が進んでいますが、後半のIIではクレイ視点もぜひ!

俺様攻めの素顔のギャップにオチました

電子書籍購入を予定されている多くの読者の方は、おそらく試し読みをしてから購入を決めると思います。ですが、この作品…
試し読みのボリュームだけではその面白さは伝わりません!!
……と私は勝手に思っています(笑)

2話以降がこのストーリーの面白さの真骨頂。1話と2話では、話がガラリと変わります。というのも、1話は受けの赤津視点、2話は攻めの宇多野視点と、ストーリーの見え方がまるで異なって見えるからです。
学生時代から入社に至るまでずっと同じルートを歩んできた2人。ずっと一位をキープしてきた宇多野に比べ、赤津は万年2位。それを宇多野にイジられて、2人は犬猿の仲兼好敵手な関係をずっと続けてきたことをベースに話が進みます。

それがひょんなことからルームシェアをすることになり、宇多野が、赤津が配信しているオナニー動画の熱心な視聴者であったことが判明。何だか話が一気にBLっぼくなってきたぞと思っていたところに、宇多野からオナニーお手伝いの申し出が。おおぅ……ますますBLっぽい(笑)
で、予想通りに宇多野にイカされて、ケンカップルの身体から始まるBLが幕を開けることになるのですが、宇多野とのエッチな戯れに赤津がハマっていく→好きになるパターンになるんだろうなって思ってました。

で、そこからの2話。
開始時点で宇多野視点に切り替わるのですが、この男のギャップたるや……!!
いや、もう最高です。というか、可愛い……めちゃくちゃピュアボーイです。
俺様かと思っていたのもガワだけで、中身は一途、しかも結構心の声は赤津への恋心がはっちゃけてます(笑)
赤津への好きをここまで拗らせてきた宇多野の純粋な心と、ルームシェアのチャンスを生かして好きな人とエロいことをしてしまった内心穏やかでない表と裏の顔のギャップが最っっ高でした。

赤津を意識しまくる宇多野の本音が至るところで感じられるのがとにかく楽しい♪
好きになったキッカケエピソードもそうだけど、宇多野がどれだけ赤津を好きなのかが分かる言動や心情に、感情移入せずにはいられません。赤津への恋心に溢れた男のひたむきな想いは胸アツでした。
もちろん、赤津の気持ちの動きにも注目です。
宇多野の気持ちと同じところまで想いが追いついていく過程をお見逃しなく^ ^
赤津のいいところは、宇多野の気持ちを弄ばないとトコ。ちゃんと前向きに考えてくれるし、変にややこしいことをしないところがグッジョブでした。
あと、告白のシーンね。
「恋人にしてくれますか?」のあのワンシーンには気持ちが全部持ってかれました。


エロありきなストーリーかと思ってましたが、内面の気持ちを追ってくれる丁寧な描写がとても素晴らしかったです。
宇多野の長年の片想いが報われる瞬間も、赤津が宇多野の気持ちを丸ごと受け止める瞬間も、展開の乗せ方や盛り上げ方が非常に上手く、最後まで読み入ってしまいました。
バカップルさが投影されたイチャあま後日談には、100イイネを押したいくらい面白かったです!視点の使い分けがとても巧みで、作者さんのファンになりました。

残響に溺れるキス 電子 コミック

幾がお 

攻めのミステリアスさが今後の鍵

攻めがめっちゃグイグイくるなーというのが第一印象。
それなのに、名前が不明(笑)何度も何度も読み返して確認したけど、名無しのゴンベ攻めでした。

覆面ボーカリストとして活動する配信者の路生(ロウ)の歌声に惚れ込み、自分の曲を歌って欲しいとロウの周りをウロチョロしまくる行動は大型犬のようで可愛いけど、君の名前はだから何?っていうのがずっと頭の中をぐるぐる……ロウもお前呼びで済ましちゃってるし、もしや彼の名前は今後に大きい影響を与えるのかしらと思ってます。
それで、その謎の作曲家くんは、ロウに運命だとか言ってその場で押し倒してディープキス。そんでもって好きだと告白までしちゃって、なんだか、色々とやることが唐突だし規格外な男で、ミステリアスだなぁと思うばかりでした。
芸術家ってこんなものかしら?( ̄▽ ̄;)

お互いの歌が共鳴し合い、それを運命と言っちゃう攻めの熱烈アプローチは以後続いていくと思われます。ロウもすっかり絆されまくってるし、ロウの声が興奮のトリガーとなっている攻めの暴走は、今後ロウの歌を聞くたびにギンギンなっちゃうのか心配(楽しみ 笑)だー…
ただ。
ロウの歌に興奮して好きとか言っちゃうの、早くね?って感じでした。
まだそんなロウのこと知らんっしょって感じだし、ロウの歌に運命を感じているのかロウ自身に運命を感じているのか曖昧でした。

理性より本能で感じて行動するタイプの攻めに、2巻以降も引き続き振り回されていきそう。ロウのバンド活動の行方も気になりますが、運命だなんだと誘うBL展開も気になります。
とにかく1話ではまだ何も分からず、ミステリアスの渦中にいたままです。
攻め側のことが早く知りたいな。2巻以期待しておきます^ ^

BLの入門書のような王道作品

少女マンガあるある。
学校の人気者のイケメンが平凡な女の子を好きになるっていうヤツがあるじゃないですか。

そのBL版って感じです。
見た目平凡な同級生彼氏を溺愛し倒すハイスペイケメンの存在が、かつて読んでいた少女マンガの理想のヒーロー像そのもの。イケメンで、性格も頭もよくて、人気者で、高校生ピアニストと活躍していて…って、一体何何投流のスパダリやねん…っていうのが本作品の攻め彼氏・御子柴です^ ^
夢の世界の住人のような彼氏にめちゃくちゃ愛されるツンデレくんのピュア恋のお話で、光属性の強い御子柴に身も心も翻弄されっぱなしな水無瀬のウブさが見どころとなっています。

学園ストーリーとしては、先にも言ったように少女マンガでお馴染み的な要素が強く、キュン枠の王道BLかなと思います。
舞台は学校、皆には秘密にしている内緒の交際が、ドキラブを更に盛り上げます。人目のないところでキスしたり、イチャイチャしたりと、学生時代にしか出来ない青春の1ページを密やかな恋愛で彩る2人が可愛かったです。
学校行事等の大きなイベントはなく、どちらかというと日常の一コマがメイン。しかしながら、恋愛で満たす時間は日常のようで特別なひと時です。
胸をドキつかせるのに、特別なシチュエーションはいりません、そこに好きな相手がいれば、その空間こそが特別な場所であり、特別な時間になってしまうというもの。高校2年の冬に育まれていく2人の愛をたっっっっぷりと堪能いたしました。

冒頭から既に付き合っている関係性なので、基本恋人同士のイチャつきがメインで進みます。すれ違いやケンカなどのシーンはないですが、嫉妬のシーンはそこそこあります。因みに、どっちもです(笑)
嫉妬は好きの証明チケットとでも言いますか…、それだけ恋人のことが好きなのねって分かるホンネ描写が良かったです。嫉妬シーンはあまり楽しい展開ではないけど、ホンネを炙り出す意味では有効ですし、嫉妬によってより恋人への好きを再確認し、愛情を強めていくシーン展開は胸アツの嵐でした!ヽ(´▽`)/


BLの初心に戻りたいなら、コレ!っていう、入門書みたいなBL感は多くの人に受け入れられやすい内容だと思います。ただ…何となく先の展開が読める安心感は、型にはまった定番感でもあり、良くも悪くも王道度の高い作品でした。
因みに、ベッドシーンは、電子書籍限定のみ。
2人の甘いイチャイチャに浸りたい方は、電子をオススメします^ ^

1話目の時点で既に期待値高し

1話しか読んでないけど、もうその時点で面白い…!!

12年越しの再会ラブがどう動くのかと思いながら読んでいましたが、まだそこまで大きな動きは出てないのに、攻め側の恋の疼きにドキドキとニヤニヤが止まんなかったです。
受けの高田は、妻と死別した子持ち男やもめ。一人娘は少々おしゃまさんですが、しっかり者で可愛い^ ^
父親としてしっかりと子育てをしている姿が好印象でした。

昔に空手を教えていた教え子とバッタリ出会い、以後親交を深めていくのだろうと思われるスタートライン。12年もの間に、教え子である櫻井がカッコよく、しかも高田より明らかに高身長に成長しきった男前さに、早くもBLの土台が整ってワクワクMAXです(笑)
最初の方は特に色恋の匂いはしませんが、中盤にあるシリアス展開から一気に恋が加速していきます。とはいっても、それは櫻井の方からの恋ビームであって、高田の方はこれからって感じ。櫻井の片想いがほのかに香るシーン展開だけでも、キュンの見せ場としては十分でした。
高田の手にキスをするなんていう爪痕残しが、以後どう2人の関係を進展させていくのかめちゃくちゃ楽しみです^ ^

私の萌えどころを刺激して止まない表紙のバックハグ構図がとっても素敵だなと思いました。
こんな風にバックハグをするような関係性に、2人が早く進むことを期待しています。

お部屋も過去の男もデトックス

プロポーズをしようとしていた彼氏にフラれ、汚部屋の住人となってしまった咲耶の身も心も救ってくれた大学生・陽日輝とのお掃除から始まるデトックスBL。ハウスキーパーとしてやってきた陽日輝との出会いをキッカケに、強く惹かれ合っていく両者の想いが胸に響くストーリーです。

過去を清算し、新しい恋に向かって歩み出す咲耶の気持ちが、嬉しさだったり諦めだったりに大きく揺れ動いていく心情描写が切なくて、もーたまらんでした。゚(゚´Д`゚)゚。
咲耶視点なこともあってか、どうしてもネガティブ思考になっていくのが切ないですね。元カレが咲耶に負わせた傷はそれほど大きいということでしょう、咲耶の臆病な心が、新しい恋に迷いを与えてしまうことが非常に歯がゆかったです。
つらい過去が新しい恋を邪魔してしまう悪循環は焦ったくて、2人の恋の歯車を狂わせていく展開にはハラハラし通しでした。

臆病な咲耶と不器用な陽日輝……そんな2人だからこそ、すんなりとはいかない恋の道ですが、陽日輝への好きを自覚していく一コマ一コマの描きがすごく丁寧に描かれており、また咲耶視点であっても強く伝わってくる陽日輝の咲耶への想いの存在感には、ドキドキが止まりません…!!\(//∇//)\
ほんのちょっとの誤解とすれ違いが、2人の間にある溝を広げていくのには心が痛みましたが、そんな展開があってこそストーリーが盛り上がるってもの。恋愛の土壌作りをしっかりと積み重ねてきた時間はちゃんと期待に応えてくれるので、2人の恋の行方を最後まで見届けて下さいね。


咲耶の荒んだ心を晴れやかに照らしてくれる陽日輝がまさにお日様のようでした。
その名のごとく、咲耶を暗闇から救い出していく存在として頼もしい限り。それに、ワンコのように咲耶を慕う姿は素直で健気で可愛いかったです^ ^
物語では、性的マイノリティに対する認識や向き合い方に関しても少し触れていて、ゲイである彼らの生き方にしてもどこか考えさせられるエッセンスを含むストーリーだったのも面白かったです。

セックスに関しては、咲耶のほうが主導権を握る経験値の差に思わず笑ってしまいました。…ですが、いつか陽日輝に主導権が移行されそうで、そんな日がくることを妄想してニヤけています^ ^
過去の男と汚い部屋がデトックスされた、清々しい爽快感をぜひ味わってみませんか。
スッキリとした読後感が最高でした!

旅行そのものを楽しむ2人の特別な時間を堪能できて幸せ

2巻の作者さんあとがきにて、2人の物語は一旦終了と言及されていたものですから、この番外編の配信はめちゃくちゃ嬉しい!

しかもしかも。2巻の後日談というではありませんか……!!ヽ(´▽`)/

夕の卒業後、2人で同棲という何とも喜ばしいハッピーエンドで終わったあの2巻のその後が拝めるとあっては購入しないわけにはいかないでしょう^ ^
タイトルにちょびっとネタバレありますが、2人だけの熱海旅行編。
予想するまでもなく、絶対にあまいひと時が描かれているであろう期待感に自然と笑顔がこぼれ落ちました。

本編の描き下ろし的な甘めの空気感は元より、夕と凪が醸し出すホンワカとした優しいオーラがすごく心地よくて、たっぷりと癒された番外編でした。
"ATAMI"を冠しているだけあって、熱海の街並みを十分に楽しみながら2人のストーリーに入れる物語構成が素敵すぎてムフフ…( ̄▽ ̄)
旅行エピソードっていうと、いつもと違う場所でのあまい時間を堪能しながらエッチに興じて身も心もリフレッシュ。…なんて展開が多いですが、この2人のはちゃんと観光として熱海での旅行を楽しむこともメインで、エッチだけじゃない時間の過ごし方が良かったなと思いました。

旅先での開放感からエッチに至るのではなくて、どこからともなくお互いにシたい気持ちが共鳴し合ってエッチへと進む流れに胸がギュンギュンしてしまいました。
お城も非日常の場所だし……良いと思う!(笑)

また色んな場所で特別な時間を作っていって欲しいですね。
素敵な旅行番外編をありがとうございました^ ^

私はなんて浅はかなんだろう

上巻からの流れを受け、小島と涼介を陥れたヤツらどもにギャフン制裁を…!!
なんて息巻いて物語を見守っていたのですが、こんな展開になるなんて想像すらできませんでした。

表紙の画的に、まぁ…2人がどんな関係になるのかは察するところですが、その中身にビックリ。小島の決断がトンでもなかったです。
それと同時に、この作品には誰1人として不幸な人が出なかったことが素晴らしいなと思いました。小島と涼介の関係をリークした澤がドン底に落ちてしまえばいいと思っていた私はなんて浅はかな思考だったのかと後悔……。゚(゚´Д`゚)゚。
そうか、こんな風に皆が幸せになれる道筋があるのかと、この物語の優しさや温かさに感動至極でした。

小島の出した決断や、5年後の景色の広がりはこの場でネタバレするよりも、実際に読んでもらいたいです。
これまで自分が積み上げてきたものを全て投げ打ってでも愛する者を守り抜く小島なりの愛し方には超絶シビれました。大きな決断にも関わらず、悩む時間がないにも関わらず、即断に至った決意からは、彼がどれだけ涼介を愛しているのかを推しはかる事ができると思います。
それに。
小島だけじゃなく、涼介もしっかり小島のために男を見せてくれるので、そんな2人のお互いを思う気持ちの重さにどっぷりと酔いしれたラストストーリーでした。

一方通行じゃない、双方向の想いの強さがとにかく胸アツです。
カッコいいところも、可愛いところも、切ないところも楽しいところも、色んな表情をたくさん見せてくれたストーリーの厚みに感無量…最高の余韻と素晴らしい読後感でした!

俳優としてのキャリアも、恋人としての絆の深さも、色々と試されていく予感

読み始めたら、あっという間に上巻が終わってしまった…

続編…しかも上下巻構成のボリュームにはウキウキしたけど、中身はヒヤヒヤ度120パーセントでした((((;゚Д゚)))))))
小島と涼介のラブは無敵状態とはいえ、今作の話は小島サイドの後継問題が絡んでくるので、かなり厄介な様相です。裕福な生まれでありながらも、古臭い体制のワケアリなお家事情が、小島と涼介をジワジワと追い詰めます。

せっかく涼介の額の傷も治りかけてきて、俳優としての成長も新しいステージへの挑戦もこれから…ってときに身内から邪魔が入るとは。小島の弱点である涼介にも狙いを定める汚いやり口に、小島も涼介もどう立ち向かっていくのか非常に気になるところでした。
小島側の複雑な跡目事情が、2人の恋人関係にどういった影響を与えるのかどうか、ココが今後の焦点となっていくと思われます。

2人して理不尽な強行にキッパリとNOを突きつけたものの、これで終わらないのがこの続編の面白いところでしょう。小島への嫌がらせが更に加速していく展開にはハラハラし通しでした。
揺るがない結束力と絆の深い2人ならどんな事があっても大丈夫、そう信じています。天下の小島雅人が愛する涼介をどんなカタチで守っていくのか最後まで見届けていきたいです。

ピンチで終わってしまったその先の答えは下巻にあり。
最高の景色、最高のエンディングを期待しています^ ^