2巻はお値段の高さに買おうかどうしようか躊躇していたのですが、2人がこの先どうなるのか気になったことと、レビュー評価の高さを考慮してポチる決心をしました。だいぶ悩んだけど(物価高だしね…)、私は購入して良かったと思っています!
ちょっとしたすれ違いを乗り越えて、見事に成就した2人の視界を遮るものは何もありません。友人、クラスメイト、部活仲間、姉、母親、みんなが彼らの交際を見守る応援隊です。
学校だろうが家だろうがイチャイチャしまくる2人は、もう無敵状態(笑)
あまあまビームでとんでもなく甘い…甘い…そこらへんのスイーツよりも激甘です。
あのすれ違いはなんだったのってくらい甘いので、1巻でもどかしい思いをした方はぜひ2巻を読むことをオススメします。
1巻の続きの答えはこんなにも愛に溢れた景色が広がっていますよ、安心して読んでOKですよということを強く推したい……!!( ´∀`)
本人たちのイチャあまを目の当たりにする周りの反応の方が笑っちゃうので、脇キャラにもぜひ注目しながら読んで下さいね。
コンドームを進める大晴母……素晴らしいご指摘です 笑
イチャイチャを覗き見してしまった千冬姉……羨ましい環境です 笑笑
2人の友人松代……犬猫置換フィルター能力最高です 笑笑笑
学園生活のわちゃわちゃシーンも楽しいですし、2人だけの時間を過ごすしっとりとしたシーンも全部良かったです。疲れた身体に沁みるパンチある甘み成分にたっぷりと癒されました〜
ハッキリと視認できるエチシーンはありませんが、限りなくそこの域まで進んでいるんだろうなというのが分かる描写はちらほら。コンドームの装着方法まで丁寧に説明書きされているので、致すのは目前…それかもう致し済みかもしれません^ ^
皆からも祝福され、全てがベストオブベストなエンディングです!
これ以上とないハッピーな着地点は最高の読後感でした♪(=´∀`)人(´∀`=)♪
自分の気持ちにバカ正直なアホっ子は大好き!
執着攻めといえばそうなんだけど、カラッとした底抜けの明るさと陽気で元気いっぱいのキャラクターが可愛いですね。大型ワンコの典型って感じで、千冬にじゃれつく人懐っこさとゴーイングマイウェイ求愛がホッコリ感をそそります。
最初こそ幼いときの約束を忘れていたというヘマをやらかしてますが、その後のリカバリーは拍手ものでした。
大晴は変な誤魔化しをしないから素直に見ていられる安心感が好印象でした。駆け引きとか、意地の張り合いとか、根が単純だからそういうのに慣れてなくて少々空回り気味なのも大晴の魅力にも繋がってますし、とことん自分の気持ちを伝えるガッツパワーがとにかくすんごい。「何千回もつたえるよ!」の意気込みは間違っていません(笑)
そんな大晴の態度とは逆に、千冬の方が大晴の求愛に応え切れなくて、ひよった気持ちになりっぱなしのすれ違いがちと切ない……。大好きな大晴から告白されているのに不安な感情がよぎって自分の気持ちに素直になれない千冬の心情がもどかしいです。
というか、早々に大晴に好きだと伝えているのは千冬の方だったはず。いざ大晴の気持ちが自分にあるとちゃんと自覚してもOK出せないって何だかややこしいなと思いました。
大晴に告白されてからの千冬はやたらと冷静で、小さい頃の結婚の約束を守ってきたロマンチストな千冬と同一人物には思えなかったです。
肝心なところで急にリアリストになっちゃって、大晴を振り回す千冬には少々共感性が持てなかったですが、最後に決心してくれたことは讃えたい。ただ、良いところで続くんですけどねー…( ̄▽ ̄;)
青春期の未熟さやアツさがふんだんに盛り込まれた恋模様は、青春BLのど真ん中って感じで終始ドキドキでした。
幼なじみで親友の関係から1歩も2歩も進むのか、次巻に期待しています♪
前作の「籠鳥」で不完全燃焼気味だったことが全部回収されてようやくスッキリ^ ^
テヲのお兄ちゃん・ジズが好きな人のために次期部族長のポジションを捨て、駆け落ち的にコミュニティを抜けた愛の逃避行の後処理を任された弟・テヲが、その後どう部族をまとめあげたのか気になっていました。
部族の悪しき慣習を変える改革について、ジズのターンでは道半ばに終わってたので何となく読後感はモヤッとしたままでしたが、テヲのターンで見事解決に導いてくれてホッとしました( ´∀`)
ジズも弟に後を託したのは良いけど、テヲって病弱設定だったのね。
あの好戦民族の中でそんなテヲがどんな扱いされるのか、後を託したとてテヲが肩身の狭い思いをすると分かっていただろうに、ちったあテヲのことを気にかけて欲しかったよ兄ちゃん……。
で、現にめちゃくちゃ苦労してるし、弱い身体に鞭打ちながら改革反対派のジジイたちの嫌がらせ攻撃に耐え、奴隷に貶められた者たちからは信頼を得られる状態でもなく、板挟みのようなテヲの状況が非常に苦しいです。
側近のロザアだけがテヲの救いとなっているわけですが、こっちの方がむしろ厄介。命令と称してロザアに抱いてもらっている情交が一方通行すぎて切なすぎる…。゚(゚´Д`゚)゚。
ロザアは裏で老害たちの命を受けてテヲを陥れようとするスパイの立場もあり、テヲにとっては好きな人がまさか裏切ってるとは思いもせずロザアを慕い続けているわけですから、テヲにとっちゃ一番あって欲しくない展開になっていくのは想像に難くありません。
テヲの恋心とロザアへの信頼が利用されているようなロザアの裏切り行為は許せませんが、ロザアにも事情があるのですよ。それも根深いやつ。
テヲをとるかジジイたちをとるかの葛藤の中、ロザアはいつものように命令に忠実になれるのか否か……テヲの命を脅かすところまできてしまった老害たちからの命令を、無感情で遂行できるのでしょうか。
命令というカタチでしか秘めた恋心をぶつけられないテオと、命令というカタチでしかテヲを受け入れることができないロザアとの、淡くて切ない想いが交錯するストーリーにぜひ浸ってみませんか?
ロザアがテヲによって救われていく心の解放の瞬間、そして2人の未来や部族の未来が明るい方向へと導かれる希望の瞬間を最後までお見届け下さい^ ^
なんだろ……ジズが村よりも家族よりもツァドを選んで想いが成就したのは良いけど、結局のところ村の伝統を変える動きはどうなったんだろう。
和平への道を開くのがこのストーリーの本丸だったハズでは?
好戦的な民族性の意識改革は諦めたってこと?弟に丸投げ?
BLの部分だけちゃっかりまとまって、その背景にあるものは中途半端に終わってしまった感じが拭えなかったです。あの父親のこともホントどうにかして欲しかったよ……
陵辱シーンが多いのは楽しくないので、薄目で流し読みしました。ジズとのラブはウェルカムですが、ツァドが村の男たちの慰み者になってるのがヤな感じー…
女性たちの影が確認できませんでしたし、男性しかいない世界観の設定とかではないんですよね、多分?部族の規模感もよく分からなく、設定がやや詰め切れていない粗さが少し気になりました。
弟は人格者っぽいのが救いですね。小さい子たちもツァドの味方が多かったですし、次世代には改革を期待できそう。ジズは腕、ツァドは脚と…身体にハンデを抱えて2人でどう生き延びていくんだろうかと先の未来がすごく心配でした。
弟のストーリーがスピンオフで発刊されたばかりなので、ジズとツァドも登場するかもと期待してぜひ読んでみたいなと思います!
王都編……すなわちアルヴィのモテモテ編でございます♪( ´▽`)
とは言っても親戚たち(未来の親戚も含む)にですけどね。だいぶ限定的な血筋にのみですが、アルヴィの素朴な見た目がモロタイプなクセつよな親戚たちが随分と多いものだなと。それかキャラ濃い人たちに好かれるタチか。
いつものようにステータスオープンの画面が要らん情報まで補足してくるもんだから、アルヴィくん…いや、アルティナちゃんか?…ずっとタジタジです(笑)
王都来訪の目的は古代遺跡の出資者を募るため。そんなわけでモコモコスキルは今巻はちょっとだけお休みです。
続刊は田舎ののんびりホッコリテイストではなく、洗練された王都の空気感を存分に味わっていく巻。当然人と人との関わりが多く、ミュラー男爵家を取り巻く相関関係に加え、レオンの華麗なる王族ファミリーまで登場し、縦も横の関係もかなり詰まってきました。要するにかなりワチャワチャハチャメチャな滞在模様です。
アクが強いキャラが増えれば増えるほど、アルヴィの毒が強くなるのはご愛嬌。若干11歳にして子どもらしからぬ聡明な受け答えをハキハキとするアルヴィに、皆が魅了されていくのは当然っちゃ当然です。
アルヴィの親族ですからね、ついでにいうとレオンの家族ですからね。すっかり皆のお気に入りとなったアルヴィの人タラシな一面にニヤニヤしまくりでした。関係者たちは変な人たちばっかだけど(ステータス的にも)、嫌なヤツがいないのがストーリーをめちゃくちゃ面白く仕上げています。見せ場も十分、エンタメ性も十分、キャラは言わずもがなですが、以前にも増した2人のイチャエロターンも申し分なしでした。
王都の騒がしさもあってか、アルヴィお得意のモコモコ魔法の出番がなくて寂しいなぁなんて思ったのも、ほんのちょっとだけです。それに、今巻のアルヴィは諸般の事情により、色んな姿を披露してくれるのでソッチの楽しみにずっかり意識が向いてました。
アルヴィクトール……11歳のミュラー家男子次男
アルティナちゃん……アルヴィの伯父の娘
アル……レオンの恋人
男の子も女の子も青年も、見事に三役を演じ分けるアルヴィにご注目下さいね。
女装のアルヴィこと…アルティナは多分王都編でしか見られないレアキャラだと思います。領地に帰ればほぼほぼアルヴィ…ときどきアルの二交代制なので、ここはしっかりアルティナ嬢の姿を目に焼き付けておきましょう。
出資者を募る目的以上に、人脈の幅を広げていくことが実は王都編の目的なのではと思いました。
強力な後ろ盾ゲット!お抱えの画家ゲット!頼もしい護衛2人の追加加入決定!
アルヴィの従兄弟のお兄ちゃんもお手伝いにくることになりましたし、アルヴィの周辺は賑やかになりました。味方や仲間が増え、より一層領地経営にも力が入りそうで次巻が待ち切れませんヽ(´▽`)/
アルヴィと愉快な仲間たち一行はこれからどんな動きを見せていくのでしょうか。
古代遺跡の収益にしても、特産物のことにしても、ミュラー家領地を魅力ある土地に開発していくアルヴィの手腕を引き続き期待しています。
その過程でレオンとの閨事も遂にファイナルまで進むかどうかも気になりますし、運命の相手として2人の絆が高まっていくといいな(*´︶`*)
大所帯となったアルヴィたちの田舎ライフが既に楽しみです。
仁茂田もに先生と末広マチ先生のタッグとか、どんだけ最高なんだっっっ!
御二方とも大好きな作家さんなので、それだけでもう嬉しくて堪らないのですが、ストーリーも絵も期待以上の絶品だったことに、ああ……感無量( ´∀`)
オメガバースならではの設定を生かした切ないすれ違いが、どうしてこうもやり切れなくなるのか。番同士なのに心は絶賛片想い進行中で、同じところにある2人の想いが絶妙に噛み合ってこなかった九年もの時間に胸が痛みました。
仁茂田もに先生の描くすれ違いものは、心臓がキューンと締め付けられるような切なさが沁みるんですよね。オメガバース設定と絡めばそれが一層助長され、今作でも前半部のページをめくる指どりはすごく重かったです。
月に一回会う関係の2人は、番の甘さ感は控えめで、ヒート中の触れ合いもどこか義務感でやってるよそよそしさが漂います。それもこれも、九年前に事故的に番ったという負い目がずっと心の中に燻っているからで、不本意に番になってしまった…させてしまったネガティブな感情が根っこにあるから。
番解消が頭をよぎったりや、他に好きな人がいるんじゃないかという不安感がよりストーリーをネガティブ方面に向かわせます。
ですが、これこそが仁茂田もに先生ワールドの真骨頂!
落として落として落としまくった悲しみの感情が回収され、ポジティブ感情に上書きされていく盛り上がりにご注目あれ。そして2人の想いが同じ方向に向かっていく答え合わせの瞬間から目を離さぬようお願いしますヽ(´▽`)/
カタチだけの番関係から脱した終盤の読み心地は格別の読後感でした。
何が良いって、あんだけ自分の気持ちを押し殺してきた真白が素直になって流星をメロメロにさせることですよ!九年の時間を取り戻すかのように、あまあまのひとときを過ごす2人のイチャつきようは見える視界がどれもこれも最高でした♪
九年前の事故のこと、九年間のすれ違っていた期間のこと。あとから、実はこうだった、こんな思いでいたということの種明かしのときは、もーーアンタたちはっっ!!とツッコミたくなるほど随分遠回りしたことに切なくなったけど、この九年にはちゃんと意味があったと思います。
うなじの噛み跡が流星と真白の本音の想いを繋ぎ止めてくれていたんだろうな^ ^
番という最高のパートナー関係にありながらも、心は遠い場所にあった2人のジレモダな両片想いに最後まで浸るストーリーでした。
でも、このお話はこれだけに止まりません。
もっと最高だったのは、別カプのお話がプチスピンオフ的に収録されていたこと。これには正直驚きましたし、めちゃくちゃ嬉しいプレゼントストーリーでした!
ああ…仁茂田もに先生、最高すぎるー…。゚(゚´Д`゚)゚。
スピンオフに登場する天羽は、流星と真白のすれ違いをあるべきカタチに正してくれた功労者です。彼の言葉や考え方に共感を受けた読者も多いと思います^ ^
彼のストーリーでまるまる一本書いて欲しいくらい素敵なお話でした。サラッと後ろの方で番外編的に収まっているレベルじゃない。もっとじっくり尺をとって読みたい気持ちもありましたが、短くても大満足な読後感には変わりありません。本当に素晴らしかったです。
電子単行本のみなのが、非常にもったいない作品だと思います。
書籍化されて然るべき神作。ぜひ紙書籍でも発刊してもらいたいです!
白豚伯爵というネーミングのディスり方よ……笑笑笑
悪意のある二つ名に失笑気味でしたが、うん。でもこれは蔑んでいいやつ。
白豚伯爵時代の主人公は、小児性愛者のクズ野郎。怠惰な生活のお陰で脂はギラギラ腹はたぶたぶのワガママボディを備え、義息子のミシェルに性的な視線を向けてはキモがられ、使用人たちにはキツく当たり、領地経営もロクにしないで食っちゃ寝食っちゃ寝の男には「白豚伯爵」の名前がピッタリです。
転生した時点ですっかりみんなの嫌われ者となっている状況は、ほぼほぼ詰んでますが、だからこその挽回劇がめちゃ楽しい!それまでの悪評が悪評だけにすぐには皆んなの態度が軟化するわけじゃないけど、少しずつグラースのことを認めていくようになっていく周囲の変化にワクワクしました。
小説の中ではモブキャラだった変態伯爵が、この作品の世界線では主人公となって義息子の断罪ルートの未来を変えようとする大奮闘の最初の一歩は見た目から。不潔感極まりない白豚が、可憐な白鳥へと姿を変えていくだけで周りの反応は結構変わります。やっぱ見た目って大事(笑)
転生前のグラースの悪行の尻拭いをしながら、新しいことを始めるのは大変だけど、元ボディガードの危険察知能力で周囲のピンチを救っていく手腕は見事でした。
そうして少しずつですがグラースのことを認める人が増えていくのは嬉しいですね。ゼロスタートどころかマイナス100くらいからのスタートが、10…20…50……とどんどん評価を上げていくと、ストーリーはどんどん楽しくなっていきます。
その過程で芽生え始めるミシェルの護衛であるジュストとのBL展開ももちろん見逃せません( ´∀`)
最初は態度があんまり良くなかったジュストが、ちょっとずつグラースに執着していく変わりようにはニヤニヤでした。
元ボディガードなだけに自分の護衛環境には少々無頓着なグラースを、守らせて下さいと食い下がる騎士の想いにはカーッ!健気さが激アツでした(//∇//)
グラース自身の危険を案じるだけなら、別に他の護衛騎士でも良いじゃんって話なんですよ。実際ジュスト以外の護衛をつけているから大丈夫なのに、ジュストは自分がグラースを守りたくて堪らないんですよね。
下心ありの不純な動機が入り混じりつつも、主人であるグラースの身を守ろうとするジュストの想いが直向きでカッコよかったです!ジュストはワンコみある可愛い一面も見せてくれるので、表情豊かなジュストの恋心をお楽しみ下さいね。
ジュストとの主従愛が成就していく一方、ショタロリ好きの性癖持ちを疑われているせいで、ミシェルとの親子のコミュニケーションが思うようにとれなかった2人の関係が徐々に好転していくのも見どころです。
父と息子の親子の情に迫るファミリーヒューマンドラマ的にも引き込まれた作品でした^ ^
インフルエンザに罹った宇迦野を、恋人として健気に看病するさちおを襲ったイキナリの発情期!!
さちおー!!ピ……ピンチ!((((;゚Д゚)))))))
かと思いきや、そうでもなくてですね。理性を失った宇迦野がさちおを抱き潰すという暴れる本能がスイッチオンすると、宇迦野の本音がダダ漏れに。さちおに激しく熱情を打ちつける宇迦野のケモノ感、めちゃくちゃゾクゾクしました!
本能を前にするとネズミがキツネに勝てるはずもなく、あれよあれよと本能エッチに突入するのですが、理性を失った宇迦野もそれはそれでイイのですよ。いつもの飄々とした感じではなく、本音剥き出しの熱い感情がめちゃくちゃグッとくる。
さちおとの子どもが欲しいと言いながら腰を打ちつける宇迦野を見て、さちおだけじゃなく私のハートも鷲掴みされちまいました……。はー…ヤバいヤバい(//∇//)
宇迦野ってホントにさちおのことが大好きなんだなと♪
理性を失っているからこそ見える本音の部分ですよね。
いつか2人の赤ちゃんが見れるといいな。早くその時が来ればいいなと願っています^ ^
ぱっと見、ポップでキャピキャピっとしたタイトルだけど、ストーリーは浮ついた感じもなくしっかりと描かれているのは、さすがとらのとら先生だなと思いました♪( ´▽`)
とらのとら先生は人と人との繋がりに焦点を当てた人間模様や、じっくりジワジワと気持ちが通い合っていく恋愛模様にアプローチするのが上手い作家さんの1人。作品の世界観にナチュラルに溶け込ませていく筆致や、物腰の柔らかい空気感の演出はとらのとら先生の色が強いですね。最後の最後まで引き込まれました。
恋愛に関しての波乱はあまりありません。でも仕事での波乱はそこそこにあります。
アイドル活動に暗雲が立ち込める展開が恋愛に影響を及ぼすかといえばそうではなく、恋愛の道のりは基本シンプルかなと思います。
隼人というキャラがあまりにも真っ直ぐで、亮の恋人になるという目的がハッキリしているせいか、恋愛の土台が全く揺らがないのが非常に頼もしい。初恋の相手・亮に恋ゴコロも推しゴコロも全振りしている安定感は、潔くて気持ちがいいです(笑)
亮への片想いをファンとも分かち合ってるし、進展具合を気にかけられてるし、一体どんなアイドルだよ?笑笑笑…とツッコミたくなるほどの隼人の愛。アイドルとしてのプロ意識はゼロだけど、そこにキャラの味わいがあるのが隼人の良さですね。
執着、独占欲ともに態度が分かりやすい隼人の動向は必見です!
一回り以上の歳の差はなかなかパンチが効いてますが、小学生のときからの出会いをずっと大事に恋心として育て、童貞を守り、人生を亮に捧げてきた激重執着の方がむしろインパクトとしては強いかもです。
ネットストーカー的に亮の行方を探しまくった熱意もすんごい。初恋は甘酸っぱいと形容する言葉もありますが、隼人の初恋は随分とこってりとしています(笑)
アイドルになったのは"夢を叶えるため"と言うものの、隼人にとってアイドルは目的ではなく手段。亮に会うため、亮と共に過ごすため、近付くため…といった明確な"夢"を叶えるべく、ファンそっちのけで亮に恋する隼人のブレない態度は見どころです( ´∀`)
主人公の2人だけでなく、隼人の相方である琉夏の飄々としたキャラクターや隼人の希少なファンである青ロリさんのクールな推し方もホント良かったです。物語を楽しませてくれる脇役たちの存在感感にもぜひ注目しながら読んで欲しいなと思います。
焦ったいし、もどかしいし、はー……ずっとモヤモヤしっぱなしでしたが、攻めの一誠がそれをカバーするほどカッコいいので、結果サイッッッコウでした!
人の気持ちにも自分の気持ちにも鈍感な主人公・榛名視点のストーリーだけど、それでも一誠の想いも漏れ出てます^ ^
榛名を好きなオーラがこんなにもプンプンと漂っているのに、おいおい何故気付かないのだ。
それは榛名のポリシーといいますか、友だちは恋愛対象外という鉄壁のマイルールのせいで、一誠のラブビームが全然効いてません。一誠ガックシ、私もガックシ……榛名はなかなか手強いです。
そんな榛名ですが、理想の相手像はあるけれどそんな人は見つからないという。でも、その理想の相手はすぐ隣にいる。なのに気付かない、もーバカバカバカ早よ気付けっっっっ!って何度ツッコんだか分かりません。
友だちは恋愛対象にならないと一定のラインを引いてるせいで、一誠のサインにも気付かないし、自分の奥底にある想いにも気付かない、まさにドン詰まり状態。一誠もね、決定的な言葉は言わないんですよ。付き合う?や、セフレの提案はするけど肝心の"好き"は引っ込めています。だから伝わらない。
ただの友だちにここまでのことをしないことくらい分かってくれ……
榛名の頑なな気持ちを少しずつ解して、本音を引き出していく一誠のアプローチに胸がキューンと熱くなりました。
中学のときから一途に想っている恋心というのはこんなにも尊いのかと。一誠を通して見えてくる執着と独占欲の健気さに切なくなりながらも、片想いの萌えみにグズグズに浸りました。
自分の気持ちに自覚することが第一歩。
相手の気持ちを知ることが第二歩。
お互いの想いを通わせ合うことが第三歩。
少しずつ少しずつスローペースで歩む2人の恋と恋愛を腰を据えてじっくりとお楽しみ下さい^ ^