あらすじを読み、受のカイが女奴隷にされるということで、いかように手ひどく扱われるのか楽しみにしていましたがいい意味で裏切られました。なんといっても攻のエルヴァンが紳士っぷりがまぶしいのなんの。
敵国の奴隷だからといって人権を無視するのでなく、きちんと人間として尊重してくれることにカイも読者の自分も戸惑いっぱなしでした。どういう意図なのか?何か裏があるのではないのか?あとでとんでもない仕打ちが待っているのではないのか?……などと考えてしまいました。
エルヴァン側にもいろいろワケアリなので、その辺りのストーリー性もしっかりと楽しめます。聡明な二人が少しずつ心を許していくさまは読んでいてたいへん微笑ましかったです。
とはいえ正体が明らかになった以上、二人が幸せになる道は駆け落ちのほかないのでは?と思いましたが上手く落とし込んでくださっているので納得できる締め方だったのではないかと思います。