朝丘戻にしか描けない空気感。
そこには愛しあうことの儚さと苦しさでも尊さがちりばめられている。
この作家以上にそれらを偽りなく赤裸々に愛情と誠意をこめて表現できる
作家はいないでしょう。
今作品はそのテーマを惜しげなく伝えきった渾身の、それこそ魂をこめた作品だと思います。
号泣きしました、なんて安い言葉でこの作品の感想は述べません。
お涙頂戴の辻褄あわせの物語も、綺麗事ばかりのよい話もきらいです。
泣きたいために人が死ぬ話を読むのはもっと嫌いです。
そして朝丘戻はそんな作品は描かない。
長年ずっとこの方の作品を読みつづけてきました。
一度も裏切られたことはありません。
この作品を読めて幸せでした。
幸せな気持ちと愛情がつまってます。
読んで後悔はありません。