文庫版のみしか読んでいないので比較はできませんが、Holy novels版も今度購入しようと思っています。
ずっと前から読みたかった「秘密」よく利用する電子書籍アプリでキャンペーン中だったので購入しました。
知ってたけど、木原作品は苦しくて痛くてどろどろしてるものが多い。これもそう。
でもそこまでハードルは高くないかと思います。比較的読みやすい方です。
まず設定から重い。ハンディを抱える攻めと殺人犯の受け。実際は受けの方は妄想で実際には殺していなかったわけではありますが。
でもね、受けの元彼がひどいんです。クズのDV野郎なんです。そりゃ殺してやりたくもなるよ。
そんな元彼を殺す妄想を日常的にするうちに現実と妄想の境がわからなくなってしまって本当に殺したんだと思い込んでいた受け。
最初は攻めの名前すら覚えていなかったのに気がついた時にはどっぷりとハマってしまっていた受け。好きだ好きだと言われるうちに体を重ねるうちにどうしようもないくらい好きになってしまっていた。
結果としてこの2人は「運命」だったんだと思います。
個人的に攻めのこのセリフがとても好きです。
「殺してしまいたいと思うんだから、僕も啓太と同じなんだよ」
受けのことが好きで、大好きでしょうがない攻めの、健気さ、一途さ、真っ直ぐさが伝わってくるセリフだと思いました。
欲を言えばもう少し2人のラブラブなところが読みたかった……!
いつの間にか4年経ってるて!苗字呼びから名前呼びに変わっとるやん!!
そこもう少し詳しく……!
でもま、物足りないくらいの甘さが木原作品っぽい気はしています。
暗くて痛くて重くて苦くてでも最後にはほんのりした甘さが胸を占める。
シリアスなミステリーでも読んでる気分でした。おかげで一気読みしてしまいました。
読了後に「ああ、いいものを読んだ!」という感想が最初に出てくるのでこれは私の中では間違いなく神作品です。
イラストが秀良子先生だったので表紙に惹かれて購入。
初めて読ませていただいた作家さんでした。
3Pものに今までも何度か手を出して挫折してきた腐女子です。
なんか違う……と途中で読むのを辞めてしまうこと数冊……初めて最後まで読みきることができたのがこの「やがて恋を知る」でした。
読了後、ああ、いいものを読んだ!と手放しで幸せな気分になれた。こういう物が読みたかった!
ずっと好きだった先輩と優しくしてくれた部下。受けは恋を知らないから戸惑う。
彼らはずっとこのままであって欲しい。
恋を知らない受けに恋を教えて愛して行って欲しい。
こちらを読んで思ったのですが、私は無自覚執着攻めが好きなようです。
先輩の自覚してからの好き!って態度にニヤニヤしてしまいました。
年下攻めが好きだから途中までは部下くんを応援しつつ読んでいたのですが、認めてからの先輩さんにはニヤニヤさせてもらいました。結果としてこういう結末になるというのもありですね。私は好きです。