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女性ポッチさん

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王道のストーリーではあるが

作家買い。
akabekoさんはハードでドシリアスな作品も多く描かれますが、甘々、切ない系も描かれる引き出しの多い作家さま。

今作品は新書館ということもあるのかな?
シリアスさはなりを潜めた、萌えと切なさがたっぷり詰まったそんな作品でした。




ジムトレーナーの本田は、良い人で人当たりが優しいことから「ポンタ」と呼ばれている好青年。イケメンで好青年だが、なぜか振られてしまうことが多く、脈がないと感じた人になればなるほど「良い人」でいてしまう、なかなか不憫な男性。

そんな彼はある日バーで好みドストライクの青年に出会う。スタッフとして働くその人物に心惹かれてしまうが、なんとその青年が本田の勤務するジムにお試し体験をしにやってくる。紺野と名乗るその青年と少しずつかかわっていく中で、

もしかしたら自分に好意を寄せてくれているのでは?

そんな淡い期待を抱く本田だったが、紺野には別に想いを寄せる人物がいて―。


初っ端から本田くん、失恋です。
しかも紺野くんの方も想い人とうまくいっておらず、なし崩し的に身体の関係を持っちゃって。

すれ違い、勘違い、という王道の両片想いのお話でした。

めちゃめちゃ王道のストーリーなのに、akabekoさんが描くとこうも萌え高まるストーリーになるんだなあ、と感心しきり。
もうね、可愛いの。
本田くんと紺野くんの2人が。
身体から入ってしまった二人、というお話だからか、濡れ場はそこそこあります。あるのですが、エロいというよりも、とにかく可愛い。二人とも相手の感情を慮って、自分のことよりも相手のことを優先して、じりじりと進む恋心がきちんと描かれています。

23歳と25歳という、それなりに経験値も高そうな年齢でありながら、この純朴さは反則級の可愛さ。二人のじりじり、ジレジレと進む恋の行方に悶絶しっぱなしでした。

んー

表紙と帯、そしてあらすじが素敵すぎて思わず購入。
ドロンドロンのドシリアス系?と思いつつ読み始めました。

ひなこさん作品て実はあまり読んだことがなくて、今作品も『何かいいの見つけた!』のスピンオフ作品のようですが、そちらは未読。未読ですが問題なく読めました。




中学生の陸は一人でいることを好む少年。
そんな陸を心配した一つ年上の姉は、時々彼女の友人の男の子を陸に引き合わせていた。年の近い同性の友人ができれば陸が相談もしやすいと思ったからだ。

その日も一人の友人を連れてきた。洋二という名のその男の子は、陸がどんなにそっけなくしてもすげなくしても、もろともせずに声をかけてきた。そんな洋二に少しずつ惹かれ、信頼し、そして身体の関係を持つに至る。が、ある日陸は見てしまう。洋二が、女の子と関係を持っているところを。

洋二は自分だけを好きなわけではなかった。

そう感じた陸は洋二との関係を一切断つことに。けれど、とある理由により、陸は洋二と同じ高校に進学。そこで洋二と再会するが―。

人に懐くことのなかった、まるで野良猫のような陸が、洋二に心を明け渡し、身体も開き、けれどクズ攻めにきっちり別れを告げた。うんうん、攻めザマア展開なのね?

そう思いつつ読み進めたのですが。

んー。
なんだろ、この萌えなささ。
陸が洋二と同じ高校に進学したのには理由はあります。ありますが、今一つしっくりこないっていうか…。

結局陸は洋二を忘れきれていないんですよね。
口では露悪的なセリフを洋二に投げつけ、避け、けれど陸の言動の端々に洋二への未練がたらたらなのが透けて見える。その二面性が、おそらく萌えどころなのだろうとは思うんです。思うんですけれど、個人的にはなんて言うんですかね、女々しいというか何というか…、そんな風に感じてしまった。

そこまで思われるほど、洋二という人物が魅力的には思えない、というのも大きいかも。彼は陸を可愛がってはいましたが、再会して以降、陸に拒否されるたびに「可愛くない」とか「イラつく」という言葉を吐くんですね。彼は従順な陸だけが好きなんだろうか…。

面倒くさい二人の、こんがらがった恋の行方、なんだと思います。
こういうお話が好きな方がいらっしゃるのも理解できます。
執着心露わに迫る攻めに、逃げたいと思いつつ惹かれてしまう受け。設定としては非常に魅力的ではあるのです。
が、個人的には今一つ萌えない。完全に好みの問題かと思います。

あとゲス男の洋二は、女性とのセックスシーンの描写があります。女性との絡みが苦手な方は注意が必要かもです。

『何かいいもの~』の登場人物なんだろうな、というキャラも少し登場していて、このちょびっとの描き方だけでそちらの作風が読み取れるのは凄いなあと思いました。『何かいいもの~』がお好きな方には堪らないんじゃないかと思います。

正直に言ってしまうと評価は「趣味じゃない」なのですが、まだ続きがあるので「中立」で。次巻以降、どうなっていくのか、追いかけたいと思います。

帰ってきた最上家。

作家買い。
『ぼくらのねがい』(全3巻)の続編、というか番外編?のような立ち位置にいる作品です。『ぼくらのねがい』が未読でもギリ読めないことはない気はしますが、でもやっぱり前作を読まれていた方がより面白く読めると思います。反対に言うと前作がドツボだった方には超お勧め。最上家の面々に加え、タケ、店長さん&大志も登場し、愛と笑いてんこ盛りの1冊でした。

皆さん登場していますが、メインなのはやっぱり長男・両と三男の隼人のお話。
大学生になった隼人。
両と無事恋人同士になれたけれど、目下の彼のお悩みはエッチが上手くいかないことで…?
自分ばっかり気持ちよくって、両は痛がるしあまり気持ちよくないんじゃないのかな?という、若者ならではのお悩みでした。

それを次男カップルや三男くん、そして店長さんたちも上手に話に絡ませてコミカルに進みます。みんな仲良しで、みんな公認で、家族全員で。エッチなんだけれど非常にハートフルなのがまた何とも言えず萌える。

まだ続くのかな?
今巻は長男×三男がメインでしたが、タケ×次男・健人のお話もまだ読みたいです。三男くんもいるしね。

あとがきで小鉄子さんが書かれていますが、『満開ダーリン』の店長さん、未だ人気なんだそう。ええ、わかります。私も大好きです。店長さんのお話もまだ読みたいなあ…。

小鉄子さんの描かれるイケメンさんたちがたくさん登場していて眼福でした!
続編を心よりお待ちしています。

バックボーン良し、キャラ良し、ストーリー良し。

初めてお見掛けする作家さまだなと思ったのですが、今作品がデビュー作なんですかね?佐々木さんの美麗表紙に釣られて購入しましたが、めちゃめちゃ面白かった…!あとがきで桐乃さんが書かれていますが、もともとweb小説だったそうで、思わず納得。web小説らしい(褒めてます)作品でした。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。






「オイ」と呼ばれる男の子が主人公。
オイは暗い地下で独りぼっちで暮らしている。時々、仮面をつけた謎の男(オイは彼をご主人さまと呼んでいる)がやってくるだけ。そこで彼はご主人様に言われたとおり、棘のついた枝から実を取り出し、それを献上している。身体を傷つけながら、食事も満足に与えられず。

そんな薄幸の生活の中で、オイが唯一心の拠り所にしているのは彼が時々見る夢。温かな、そして優しい声で「アーシェナ」と、「愛しいイルカヤンヤ」と呼ぶ声。それが何を意味するのかも分からず、けれどその夢を糧に今日もオイは生きている。

オイが住まう国は竜の王国・バーナドンヤ。
竜王は、伴侶となる王妃を自分で「創る」。
現竜王であるシシカラジビカは、丹精込めて、愛情をかけて、そして生まれてくるその日に、嵐がやってきて王妃・イルカヤンヤを連れ去ってしまった。竜王は血眼でイルカヤンヤを探すが見つからない。イルカヤンヤを喪って20年。竜王のもとに、一人の蜥蜴の姫が輿入れをするためにやってくるが―。

ファンタジーものですが、めちゃめちゃストーリーが壮大です。
バックボーンがてんこ盛り。オイ、の正体は読者には早々に見えてきますが、竜王がちっとも気づかない。はよ気づいて!と読者はハラハラするわけですが、なぜ気づかないかというと…、というその理由もきちんと存在するために話が上滑りしていない。

連れ去られてしまった王妃と、王妃を取り戻した竜王、のお話かと思いきや、なかなか奥が深くってですね、ストーリーが二転三転します。めちゃめちゃ読みごたえがあります。

面白いのは第三者視点の章があること。
一般的に攻めさんか受けさん視点で描かれていくものが多い気がしますが、今作品は従者だったり騎士だったり、そういう主要CPを取り巻く人物の視点からの描写があることでストーリーに奥行きが出ている気がしました。

今作品の萌えどころはずばりオイの存在。
読み始めたとき、「オイ」という名は呼ばれる時の呼称なんだと思ったんですよ。彼は名前さえ付けてもらえないのだと。けれど「オイ」という名はとんでもなく侮蔑を込めた名で、もう腹が立って仕方なかった。オイの健気さとか薄幸さがこれでもかと描かれていて、薄幸・健気受けちゃんがお好きな方にはドツボに突き刺さる受けちゃんかと思われます。

なぜイルカヤンヤは連れ去られてしまったのか。
イルカヤンヤはどこにいるのか。
そして、黒幕は誰なのか、その真相は?

という謎解きも加わり、1540円という若干お高めなお値段設定に加えやや厚さのある1冊なのですが、その分量に見合った濃いストーリーです。読みごたえがあります。

こういうストーリーの場合、攻めさんといえばスパダリが王道ですが、今作品の竜王はちょびっと迷走しているところもナイス。可愛いし、健気なんですよ。でも序盤若干ずれた感があるのが完璧すぎになっておらず、しかもそこには理由があるので、そこがまたツボでした。

イルカヤンヤを喪った竜王が蜥蜴の姫(彼女がクソ過ぎて胸糞です)とほんのちょっぴりですが身体の接触があります。受けさん以外の人物、しかも女性と、というシーンが苦手な方は少しだけ気を付けた方が良いかもです。

で、肝心の竜王とオイの濡れ場ですが。
ほぼありません。
それにはきちんと理由がありますが、身体の接触という描写はほぼないので、セックスシーンがなければBLではないと思われる方には若干不向きな作品かもしれません。が、それ以前に、この二人に濃厚な濡れ場は不要な気がしました。お互いを深く想う愛情が、きちんと描かれていますから。

あ、そして佐々木さんの挿絵は今回も素晴らしかった…。
この作品の持つ世界観にぴったり。こういう、ファンタジー要素や闘いを描いたBL作品の挿絵を描かせたら佐々木さんの右に出る方はいない気がします。

佐々木さんホイホイされましたが、非常に面白かった。独特な世界観に、ドツボに突き刺さる健気受けちゃん、二転三転するストーリー。

評価で悩みましたがちょっぴりおまけして神評価で。次回作も期待して待っていようと思います。

筋肉が美しすぎて

さとみちさんらしい綺麗な絵柄の表紙と「鮫×人間BL」の帯に惹かれて購入。

さとみちさんならではの筋肉美と濃厚な濡れ場が堪能できる1冊ですが、そこに特殊な設定も盛り込まれてなかなか独創的なストーリーでした。



主人公はアヴェル。
とある島で、他の部族との関わりを持たずに独自の文化を持つ部族の長の息子。
彼らは男性しかいない。
そして、成人を迎えるときに闘いをし、負けた方が「メス」となる―。

「メス」とは、まさにその名の通り。
子を産む。
アヴェルは強く逞しく正義感に溢れた青年で、父親が長ということもあって子どもの時から次期族長になるのだと周囲の人も、彼自身も、そう信じて疑わなかった。

が、その成人の儀式を迎える前に、彼はとあるアクシデントに見舞われ、鮫の血を引くミヤル族のトゥキリに抱かれてしまい―?

設定が斬新ですが、その特殊な設定はこれだけに非ず。
が、てんこ盛りのその斬新な設定がきちんと生きたストーリー展開になっていてグイグイとこの作品の持つ世界観に引きずり込まれてしまう。

ちょっとした仕草や表情、セリフ。
それらが少しずつ繋がっていく感じ。

アヴェルがとにかく男前なのも良い。褐色の肌にきちんとついた筋肉、そして美しいビジュアル。清廉な性格。トゥキリでなくても一目で彼に心奪われてしまう、そんな魅力あふれた青年です。

そして一方のトゥキリも。
鮫、というなかなか見かけない攻めさん設定ですが、普段は人型をしているので人外があまり得意でないという方でも手に取りやすいかと思います。
で、何が素晴らしいって、彼の身体の一部の形状です。

ほほう…。

と、思わず唸ってしまう素敵パーツです。
ナニがどうなっているのか、ぜひとも手に取って確認していただきたいです。

彼らは出会ってすぐに身体を重ねてしまうこともあって、恋心の成就、という部分にあまり重きは置かれてはいませんが、それでもそこから二人が心を通わせていくシーンは萌えが滾りました。

スピンオフを描こうと思えば描けるなあ、という素敵キャラも何人か登場しているので、ぜひとも続編、あるいはスピンオフを描いていただきたいと思いました。

設定良し、キャラ良し、絵柄良し。
読んでいて非常に目が楽しい、そんな1冊でした。

西野作品+複数攻め、=エロ満載。

作家買い。
西野さん×奈良さんのタッグ、ということで発売前から楽しみに待っていました。表紙からもわかるように今作品は複数攻めのお話。西野さん+複数攻め、ということでエロ度も非常に高い作品でした。







主人公は安岐。
24歳の成人男性だが、綺麗なビジュアルにそこはかとなく漂う色香を纏っている。そのことを彼は若干コンプレックスに感じている。自分は男なのに、と。が、それが理由なのか一人のストーカーに悩まされることに。

勤務先の移動を受け、ストーカーからも離れられると彼が移り住んだマンションは彼の叔母が残してくれたグレードの高いマンションだった。そこで彼は、かねてから憧れの人物だった人と再会する。人気漫画家の柏木だ。

イケメンでヒット作を多く持つ柏木は、絵本作家だった亡き叔母と親交があり、その縁で紹介を受けたことがあったが、同じマンションに住むということもあり引っ越しの日に挨拶にやってきてくれたのだった。そして柏木は、こちらも人気作家で安岐の憧れの人だった神原を伴いやってきて―。

というお話。

本人はいたって凡庸のつもり、けれど美人さんの安岐と、彼に執着するイケメンたち二人のエチエチな関わりを描いたストーリー。

ストーカーに付き纏われる安岐の恋人のふりをして、というまあ良くある展開、からの恋人になるまで、の過程が描かれていますが、西野さん作品ならではのタイプの異なる有能なイケメンたちに受けちゃんがドロドロに愛されるという1冊です。

柏木、そして神原というスパダリの2人が、なぜ安岐に惚れちゃったのか。
その恋の成就という部分はばっさり切り捨てられていて、とにかく「安岐が可愛いから」という一言でごり押しする展開なのでBL展開というよりは激しい濡れ場を楽しむが良き1冊かと思われます。

安岐の方もですね、彼は文学青年、という下地はありますが、なぜ柏木と神原に惹かれたのかという部分はあまり描かれてはいません。

ストーカーに襲われたりする部分はありますが(一応未遂ではあります)ベースとしてはシリアス過ぎず痛い展開になることはほぼほぼないので、痛い展開が苦手な方でも読みやすいかと思います。

「ストーカー」という存在が軸にあって、序盤から終盤までこの軸をブレさせずに描くストーリー展開は素晴らしい。三人の濡れ場も、少しずつ安岐が快楽で堕とされていく様はさすが西野さんというべき展開。あんなプレイや、こんなことまで!といった多岐にわたる濃厚な濡れ場は西野さんしか描けないんじゃないかと思わせる。

が、個人的には、恋の成就という部分が読みたいんだな。

萌えないわけではないのですが、終始エロに特化した感じで、読後はもうお腹いっぱい。そこに奈良さんの挿絵が加わることでもうエロいし綺麗だし最高ではありました。西野さんらしいエロを堪能したいときにはぴったりな1冊かと思われます。

切ない…

『オレとあたしと新世界』の4巻目。
前巻で古宇田先生が「4巻で完結」と書かれていたので、完結巻だと思って手に取ったのですが、うん。終わりませんでしたー!

いや、嬉しいですけどね。まだ続くのは。
3巻から3年という時を経ての4巻ということで、ちょっぴり待つ時間は長かったですが、でも4巻も最高でした。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。




9年と303日、寝たきりだったしのぶ。
そのしのぶを、献身的に見守ってきたマコちゃん。
目を覚ましたしのぶと、やっとマコちゃんは幸せになれる―。

そう思って手に取った前巻でしたが、今巻も前巻に引き続き不穏な空気感バリバリです。
しのぶの横でぐっすり眠れなくなってしまったマコト。
東條先生と連絡を取り続けているマコト。
そして、そんなマコトに気づいているしのぶ。

手を放すべきなのか、でも、手放したくない。
そんなしのぶの想いが怒涛の勢いで読者に伝わってきます。

眠っていた時間、自分が過ごすことがなかった時間。
それを周囲の人たちが少しずつ見せるようになっていく。それは、「しのぶ」を信じているからだと思うんですよね。その空白の時間を、しのぶは乗り越えていけるという信頼感だったり、仲間としての友情だったり。

けれど、マコトは?
彼はどうなんだろう。

1巻を読んだとき、こんな壮大なストーリーになるとは思いもしませんでした。
古宇田先生の描く美麗でガチムチな男たちを堪能しつつ、コミカルでそして切ない恋のお話なんだと。

いやー、深いなあ、としみじみ思います。
今巻も東條先生が登場しますが、えー、そうなの?という展開を見せます。てっきり、マコトと良い感じなのかな、と思っていたので。そして、そう思うのは私だけに非ず。しのぶもなんですね。マコトと東條先生の関係に気づき、けれどそれに蓋をしたしのぶでしたが、その時の彼の心情を思うとなんとも切ない…。だからこそ、東條先生に関する一報(ネタバレになってしまうのでここでは書きません。ぜひとも手に取って確認されてください)に喜んでしまうしのぶが可愛いのだけれど。

けれど、今度はマコトの転勤の話があって。
このはなれた時間と距離が、二人の関係にどう作用していくのか気になります。

んー、次巻で完結する?
どうかな。
このままずるずると続くのもどうかと思いますが、でもあと一巻で収まる気がしない。

今巻はしのぶがマコトを抱くシーンしか描かれていませんが、そのシーンの一つ一つが凄く切なかった。しのぶの切羽詰まった想いとか、マコトの複雑な感情がきちんと描かれているのはさすが古宇田さんといったところか。マコトの抱えるその想いは、贖罪なのか?同情なのか、単なる情なのか。

今から続きが待ちきれないです。

切なさと、温かさと、優しさのバランスが絶妙。

作家買い。
九重さんらしい、人外というかモフモフのお話です。


角やケモ耳、しっぽが生えている住人たちが住まう世界が舞台。
幼馴染で唯一無二の親友である滋と絆の2人。
母親を病で亡くし、以来医師である父と二人暮らしの絆と、母子家庭で金銭的に豊かではない暮らしをする滋は、環境こそ正反対ではあるもののうまが合い仲がいい。

そして、二人は恋人同士ではないけれどセックスをする関係で―。

序盤、ちょっぴり話に入り込めず、んん?となりつつ読み始めました。
が、そこからのストーリー展開が実に秀逸です。
視点が滋、絆とときどき入れ替わり、現在、過去が入り交じりながら、少しずつ見えてくる二人の過去や家庭環境。そして、二人の想い。一歩間違えるとストーリーがこんがらがってしまいそうな組み立て方なのに、ストンと読者の胸に「彼ら」が迫ってくる。素晴らしいです。

彼らに角やケモ耳、しっぽが生えている、その必要性も。
特殊な存在ではなく、今作品の世界では全員についているものなのですが、滋と絆の「ソレ」が、きちんと彼らの内面や二人を繋ぐツールになっているのも良い。

滋と絆はきちんと両想いなのですが、序盤、少し歯車が違ってしまったことでそこから溝が深くなっていく。BL展開としては、こんがらがってしまった二人の間の愛がきちんと成就するのか、という部分かと思われます。が、終始甘い空気感が漂っていることもあって、九重さん作品だと時々お目見えするドシリアス展開にはなりません。

そして彼らを取り巻く友人たちも素敵でした。
同級生、先輩、バイト先の仲間。みんなすごく優しくって温かくって。滋×絆の2人にもほっこりさせられましたがそういった周囲の人たちにも気持ちが温かくなりました。

今作品には「死」が常に横たわっています。
大切な人を亡くし、けれどその悲しみを乗り越えて生きていかなくてはならない。切ない部分も描かれていますが、そういった部分が描かれているからこそ、より人の優しさや愛情の大切さがくっきりと浮かび上がっていたような気がしました。

高校生らしい青さや若さも、そしてその明るい顔の裏に隠した孤独や悲しみも、きちんと描かれた良作。九重作品はほぼほぼ読んでいると思いますが、中でもとても好きな1冊になりました。評価で悩みましたが、神寄りの☆4つで。

眼福。

作家買い。
羽純さんの人気シリーズである「獣人オメガバース」シリーズの、その名もズバリ「Fan Book」。今までのシリーズの表紙とか、雑誌「Daria」の巻頭カラーのイラストとか、シリーズがお好きな方なら垂涎モノの美麗イラストがドーンと大きいサイズで堪能できます。

さらに嬉しかったのはファンブックの名を裏切らない、その内容の濃さ。

今までの既刊の特典や全サ、全プレなどがずらりと拝見できます。こういう特典て機会を逃すと手に入らないものなので、こうして収録していただけると嬉しいですね。びっくりなのはその数の多さ。羽純先生の、読者への想いが透けて見えるようで感激しました。

あとは羽純先生のインタビューとか、キャラクタープロフィール、相関図、などなど、「獣人オメガバース」シリーズの世界観がしっかり描かれていて、もしかしたらシリーズ未読の方でも理解できちゃうんじゃないのかな?と思ったりしました。

ファンブック、ではありますが、描きおろしの漫画も収録されています。

朝、なかなか起きてこないジュダを起こすダート、のシーンからスタート。
子どもたちをバロンに託し、準備に勤しむダートだが…?

現パロ、です。
普通のマンションに住む、若き夫婦のお話。
ジュダを起こし、準備したダートたちが向かう先は?

ジュダの両親も登場していますが、これ、『「レムナント(6) -獣人オメガバース-」「獣人オメガバース 5th Anniversary Fan Book -ユニーク-」アニメイト限定連動特典リーフレット』と話が繋がってるのかな?めちゃめちゃ可愛らしい、ほのぼのなストーリーでした。個人的にジュダを生んだジルがとっても好きなのですが、彼がまあ美人さんで眼福でした。

2640円(税込み)という、ややお高めのお値段ではありますが、そのお値段に見合ったナイスな1冊。今シリーズがお好きな方にはもちろん、まだ読んだことがないという方にも手に取って欲しいと思わせる、そんな作品でした。

色々切ない…

『口紅 美しき軍医の一生』の2巻目。
続きものなので1巻が未読だと理解できません。1巻未読の方はまずそちらから読まれることをお勧めします。

軍医の父を持つ彼は、当たり前のように医学生になり、現在は歩兵連隊で軍医になるべく特訓を受けていた。綺麗な見た目と白い肌、華奢な身体を持つ彼は仲間たちから色を含んだ目で見られることも多かったが、彼はそれに反発。仮に上官であったとしてもきっぱりと拒否を続けていた。

それは、淡い初恋の相手・吉良に対する忠義心の表れでもあった。

けれど人事で強いコネを持つ都築教官は朔に執着を見せ始める。
そしてそれは余興として朔に女装をさせたことではっきりと形を見せ―。

1巻の後半で、朔の過去の話が始まりましたが、2巻はその朔の過去の続きという形でスタートします。

男でありながら女性ものの服を着たい。
そして、男に愛されたい―。

朔は自身の性癖を抑え込むかのように、そして自分が触れてほしいのは吉良だけなのだと、そう相反する感情に悩まされていく。

今巻、というか、これからのストーリーのキーパーソンは、朔に執着する都築という男性かと思われます。男しかいない軍において、女性の代わりとなる男の子の存在はおそらくあったのだろうと思います。が、都築が朔に感じているのは性的欲求だけではないように、見える。朔自身を愛してしまったのかなあ…。最後のシーンがなんとも不穏な空気を覗かせていて次巻が待たれます。

そして、朔が恋焦がれている吉良。
彼は朔の近しい関係になります。ネタバレになってしまうので詳細は書きませんが、男同士という関係にあって、最も近く、そして最も遠い関係と言えるんじゃないかな。それでも、朔は吉良の傍にいるためにその関係を受け入れた。切ないです。

1巻は口紅を象徴するかのように真っ赤な色彩が施されていましたが、今巻は1巻とは対照的にダークな色彩です。彼の願いを封印したかのような、ダークな表紙がとても素敵だと思いました。

濡れ場はほとんどありません。
とある事情で都築×朔の描写がちょびっとあるだけ。
けれど、直接的な描写がないのにもかかわらず滲み出る色香がめちゃめちゃいい。

朔と吉良の恋の成就を願いつつ読んではいますが、1巻の出だしがああだったので、これからどうストーリーが動いていくのか非常に気になります。