描写はキス止まりで、エロはなし。
特に本作においては、個人的には攻受は問わなくてもいいと思えました。
童話のオマージュ設定と、攻めの信章の淡々として感情が読めない点を不快に思わななければ、受けの心の健気な片思いの成就の過程が現代的な童話仕立てな作品でオススメです。
心は歌唱が好きでしたが変声期で声を周囲に指摘され、人前では歌わなくなります。これが、所謂声が出せなくなった人魚。
信章は心(人魚)の歌声に誘われて2人は出会いますが、途中寝てしまい、起きたら心は居なく自分1人に。見た目も相成り、これが、所謂王子。
作品では幼少期〜社会人まで、一貫して心視点で描かれています。
彼の感情は、涙や火照る顔など、分かりやすい一喜一憂で垣間見れます。
反して信章は、出会いのシーンは良かったものの、以降は感情がない取り繕った笑顔と人間関係にドライな一面が多く見られ、一体、心は彼の何処が良かったのかと個人的には疑問がありました。
逆に信章も、出会いのことはうる覚えなのに、映画を一緒に観た時の心の様子は頭から離れず、各ターニングポイントで別れても、就職後の再会では足繁く心の勤務先に伺う風になったのが、もっとそうなったきっかけがより知りたかったなと感じ、個人的に各々が想い合う情景をもう少し掘り下げて頂きたかったなと思いました。
心に重きを置いてといたこともあり、構成の展開的に難しかったのかと思いましたが、両思い後に、今後の展開を信章が心に委ねているのは正直信章に頑張って欲しかったなとも思いました。
ただ、最終話後のお話で、2人の愛の巣(同棲先)での会話で、心の親御さんに早く会いたい理由が、早く会えば心の悩みが減るという信章のスパダリ発言には人間的な成長性を感じて良かったなと思いました。