木原さんの作品はどれも好きなのですが、今回はちょっと……苦手でした。
勿論、ガツンと来ることは間違いないんですが。
こちらでグロいと書かれていましたし、私自身グロい系は苦手ではないので、別段平気だと思っていたのですが、さすがに読み終わった後気持ち悪くなってしまいました。
人肉食の食べ方とか、やたらリアルで……
話自体、『漂流教室』のような感じなんですが、やっぱりこういう世界の終わりを描くような作品に、答えはあまりないんですよね。
何故こうなったのか、この後どうなるのか。
BLではない分野なら、「えー?」となるところも、BL小説として見てしまえばそこまで、その答えにこだわりは持ちませんでした。
ただ、この世界はもう終わるしかないんだろうなというのは、ひしひしと伝わってくるので、やり切れなかったです。
『HOPE』の方でも、結局亮介はしのぶを受け入れきれず……というのも悲しかったです。
でもああいう状況ならば、不審になるのかなぁとか、とにかく読み終わった後心がモヤモヤに包まれました。
一つも救いの光が見えないまま終わりますが、そういう末期の世界の心理描写はやはりさすがだなと思います。
ある意味これも凄く、面白いのだと思います。
でも、ハッピーエンド好きとしては、今作はちょっと趣味じゃなかったです……。