ファーストレビューの久江羽さんも書かれているとおり、
「この二人の今後はどうなるのっ!?」という展開ではありません。
バーの耀子ママ目線で見守るように読むというのがいちばんですね。
この作品の読みどころは、きちんと描かれた旅行会社のお仕事内容。
花形と捉えられることの多いツアコンではなく、一般の利用客の目にはなかなか触れることのない企画部です。
仕事も恋もまだまだ初心者の工藤が鉄仮面と評されるデキる仁科に公私ともに鍛えられていくのです。
ただ、仁科と工藤は似たところがあるので長く続いてゆくにはお互いの努力が必要だろうな、とも思ったり。
夜の虹というロマンティックなモチーフもよかったですよ。
星降る夜にそんなコトを…というのが甘くてグッときます。
アラブの王子様に見初められた日本人の大学生(もうすぐ卒業。一流会社に入社予定)の男のコとのロマンスです。
大学生に対して男のコって表記はどうかとも思ったのですが、このお話のお姫様である龍人(リュウト)はその実年齢をぶっちぎるぐらいにカワイク描かれているので、つい。ツンデレなリュウトが小さい犬のようにキャンキャン言いながらイスファ王子に甘える姿は微笑ましくて、ニコニコしてしまいます。
話は身分違いの恋ということになりますが、重い内容は殆ど出てきません。単純に自分の尺度とはかけ離れたアラブの大富豪の生活に思いを馳せてウットリする…というのが正しい読み方ではないかと。
このあまーいカンジはまさにデザートですね。