精神的ダメージを負った上巻、いろんなことに悩まされた下巻、という印象でした。最終的にはめでたしめでたしですが、そこに至るまでだいぶ精神的に疲弊します。それがいいんですが。
個人的に上下巻の中で一番刺さったのは両と幸太郎の母の再会シーンで両が泣き崩れ土下座したことでした。
ここだけは間違いないのですが、悪いのは幸太郎の母で、養子として引き取った子供を金儲けだろうとそうでなかろうと倫理的に反することに巻き込んでいたのは良くないことで、そんな状況を打破したのは両の通報だったので世間的にみたら両の行動は勇気あるものとして称えられるものだと思います。
でも当時の両の好きな人を助けたいという気持ちによって振り下ろされた正義は、間違いなく幸太郎とその母の仲を強制的に引き裂き、母を犯罪者とし精神的に追い詰めたことは間違いなくて、正しい事だったとしても一人の人間を追い込んでしまったという事実はずっと引っ掛かってしまうのだろうなというのを見せられてすごくずしんときました。
ただただ2人が救われて幸せハッピー希望のある未来というまとめ方をせず、また同じような問題に直面する可能性も抱えている過去も見せた上での幸せなラストというのが沁みました。体力を消耗するので頻繁に読み返せる気はしないのですが、完結まで読むことができて幸せです。
緩い人気配信者×ツンデレ竜人族の種族を超えた癒しBL
人間を食べないと竜人として認めてもらえず人間を食べるために人間界で暮らしていたところ、配信者であるミヤマに竜人であることがバレ、興味を持たれてしまったところから始まるお話。
初心でチョロくてツンデレなキュースケとそんなキュースケがやること全部許しちゃうくらい甘やかしなミヤマのやり取りがひたすら可愛いです。
ふざけ合いながら寂しさを忘れられる関係性になった2人が食べる食べられるの問題にどういう答えを出すのかもハラハラしつつ、キュースケがちゃんと大事なものを自覚して答えを出したのがすごくよかったです。
弟くんがただただブラコンだったというオチも癒し…
あとしっぽお触りのえちがめちゃくちゃ可愛くてえちで大変良かったです!されるがままになっちゃうキュースケ可愛すぎる!!
最初から最後までニヤニヤが止まらない1冊でした。可愛い!
ずーっと幸せとかずっと甘いとかそんな優しい世界なわけではなく、でもお互いが大好きでお互いを思い遣る2人に最初から最後まで心が暖かくなる1冊でした。
周りからの反応とか寮の部屋がバラバラになっちゃうとか親への紹介やカミングアウトとか、立て続けに苦しい展開ばかりが襲いかかってくるのが前巻に引き続きのこの作品らしい苦さだなぁと思いながら読んでいましたが、前巻と違い確実にお互いが相手のことを好きというのだけはどかんと伝わってくるのがすごく幸せです。
思い込みが激しい2人だからこそすれ違うけど、一緒にいたいって思ってる2人だからこそ遠回りしてもちゃんと気持ちを通わせることができる。
一生懸命に恋するふたりに胸を打たれました。
かつての親友と6年ぶりに再会する2人のお話。
再会BLって昔の気持ちを再燃させ伝えられなかった思いを伝え恋人になるまでが王道かと思うのですが、今作は恋人になってからの齟齬やもどかしさまで描かれたすごくリアルで、でもすごく爽やかな読後感の1冊でした。
いやでもそうなんですよね、大人になって仕事して新しい友人もできた今を構成する要素って学生の頃とは全く違くて、再会して昔の好きという気持ちのままずっと仲良くできるかというとやっぱり難しいよなぁと。
才能のある友人への嫉妬や八つ当たり、口論まであまりにもリアルで読んでいて心がヒリヒリしました。
でもその昔と違う部分も受け入れて一緒にいたいと思うのはやっぱり昔からの好きの強さや気持ちを伝えずに離れてしまった後悔からくるものだと思うので、最後にはこうやって時々ぶつかり合いながらなんだかんだずっと一緒にいる2人なんだろうと安心出来るラストでした。
やはり繊細な感情の動きを描くのが上手な先生ですね、、すごくよかったです。
才色兼備なスパダリで人気者の受けは自分の前でしか泣けない。そんな設定で始まる再会BLです。
こんな自分だけの特別感、恋が始まらないわけもないですよね〜!!多くの人に憧れられている彼の弱った姿を独占できる優越感とか、自分だけが見られる綺麗で可愛い泣き顔とか、自分にだけ心を許してくれている雰囲気とか。攻めが受けに落ちてしまうには十分だなと。
対する受けも意地張ってなかなか素直にならないものの無自覚に攻めに心を許している発言をしてくるのがズルいです。そしてそんな意地っ張りな受けをとことん甘やかす攻め。良い。
受けが愛おしくてたまらないという目をした攻めと攻めの前では外面を保てない受け、どちらも可愛くてすごくよかったです!
一緒にいるのが当たり前、ずっと前から両片想いという幼なじみでは王道な設定ではあるものの、カプ2人があまりにも可愛くてずっときゅんきゅんしながら読める1冊でした!
女の子顔負けのかわいい顔をしているが故に可愛い子扱いを嫌がる伊純とそんな伊純のボディガード的な存在である楽。
ずっと伊純を好きだけど可愛いと思っていることがばれたら伊純を傷つける+嫌われると思い気持ちをひた隠しにする楽とそんなことは露知らず自分を幼馴染としか思っていない楽を振り向かせたくて一生懸命な伊純。
とにかく伊純が健気で一生懸命で可愛いのですが、これまた一生懸命に我慢している楽のことを煽りまくっていて楽が不憫だな~と面白くなってしまいます。視点が交互に入れ替わりながら話が進むのでどっちのもどかしさや好きがしっかり伝わってきて本当に2人とも応援したくなりました。
お泊りの時の攻防が最高に好きです!おすすめ~!!
ちるちるさんで鬱BLとして紹介されていたので興味をもち購読しました。
読後感としては決してハッピーではないけれどじめっとした鬱ではないなという印象です。「少年」に限って言えばどちらかというと爽やかな気さえしました。
結果として一番切なくやるせなかったのはヤクザだろうな…
イエンは心残りだった妹のことを「少年」が自分から逃げ助かったことで昇華し(むしろ昇華できたからこそ自殺したのではないかなと)、悲惨な目にあった少年はそこから更生しまたイエンの過去を知ることできっと良くも悪くも思い出として風化させていくのだと思います。
ただヤクザは何年もイエンに寄り添い、想いを寄せてきたのにイエンの最期を導くことも遺したものを受け取ることもできないままで、きっとこれからも忘れることはできないんだろうなあ、、と。シュシュを少年に渡すことができたヤクザはこの中で一番心優しい人なのだと思いました。どうか幸あれ…