正直な読後感を申しますと、まさかここで終わるのか?でした。
BL度としてはかなり低め。帯のあらすじにあるような複雑な三角関係を思わせる描写は終盤にほんのり匂わせる程度。
ごとう先生だから元々露骨なシーンは控えめですが、それでも少ない。
続きを期待させるような広がりのある締め方は先生らしいと言えばそうですが、この巻だけで評価するとかなり物足りない内容となっています。あくまで序章、という感じ。
しかしストーリーやからくりに関してはさすが、未成熟の青年たちに付随する不思議な出来事が上手いバランスで書かれています。
舞台は重代の日本家屋と洋館。本を寄りしろとする悪魔と付喪神、本の声を聴ける人間と運び屋…ぶっ飛びすぎないファンタジーとしては文句なし。
幼い頃から本に対してある能力を持つ主人公恍一と、これまた(ある意味?)特殊能力を持つ義弟の龍一、そして龍一の住む祖母の屋敷に使用人として働く仰倉が出会う事で物語は始まります。
龍一と仰倉は元々恋人同士、そこに両者それぞれにとって特別な存在となる恍一が介入し関係が大きく動き出す…のか?というところで終わるから先が気になってウズウズ…これで完結というなら思わず鬼!と言ってしまいたくなる程(笑)
主人公の恍一君がまた可愛らしいです、中身外身ともに。こんな兄がいるなんて龍一が羨ましいですね〜
個人的には三角関係、というか3P、大好きなので露骨な表現は皆無ですが所々でニヤニヤしながら楽しめました。
カップリングとしては、龍一→←仰倉→恍一←龍一 といったところでしょうか。
萌え?とは若干違いますが設定やストーリーがドツボだったので萌×2としました。
しかしこれ、表紙の帯を取ってよく見ると仰倉が大分絡み付いてるんですね…何にとは言いませんが、これを見るにも続きがある事に大いに期待したいです。