表紙の折り返しの作者コメントに
”「あの頃のあの感じ」が描きたくて描いた漫画です。”
という幸田みう先生の言葉がありました。
青春には爽やかだったり甘酸っぱかったり元気だったり…なんだか眩しいイメージがあるのですが、ふと自分の「あの頃」を思い出すと、決して綺麗なことばかりではなかったことが思い起こされます。
そういう決して綺麗ではなかった思春期のあれこれを、鮮明に描かれた漫画だったなと思います。
悲劇じゃないし、2人の未来はきっと明るい方に向かっていくだろうという希望も見えるのですが、ままならぬ2人の切実さが胸に迫ってじんわり涙が浮かんでしまいした。
未熟ゆえに簡単に踏み間違えそうな危うさ、未熟ゆえに大事なものを大事にする方法がわからない歯がゆさがじくじく突き刺さる。
中学生ですれ違ってしまった2人だけれど、高校生になって誤解が解けて、お互いがかけがえのない存在だと言葉でも行動でも実感できたことで、2人でいればきっと最高になる、という若さと明るさが見える終わり方だったので、読後感は爽やかでとってもいい気分になれました。
群青色の夜にスケボー蹴って駆け抜けたら、きっと気持ちいいんだろうなぁ、2人がずっと幸せだったら良いなぁと、思う今日このごろです。
ケモ耳にもふもふ癒やされるのは言わずもがな。
ストーリー展開的には基本大きな障壁はなく(もちろん色恋のもだもだはありますが)のほほんと癒やされながら読めるかわいい作品でした!
表紙の暦くん(受け)はリスさんなのですが、思っていたより尻尾が大きくてめちゃくちゃかわいい。もふもふ。
すごく健気で前向きな男の子なので、暦くんの雰囲気に作品も引っ張られて、嫌な気分になるシーンはなくちょっとおとぎ話っぽいような優しい空気感。
今回はオムニバス形式で睦月×暦(表紙の二人)と皐月×葉月の二組のお話が収録されていますが、どちらも幼少期からつながりが深いカップルで、幼少時代のエピソードが優しさと切なさと淡いときめきがつまっていてとっても素敵でした!
婚約者という関係性は、そこにどの程度お互いの気持ちがついてきているのかという部分が大事になると思いますが、(オムニバスという形式上)短くなってしまう話数の中にも絆がきちんと感じられるエピソードがあったのも読みやすかったです。
描き下ろしの睦月がすっごく可愛いので、クーデレ男前攻めが受けの前でだけ甘えた顔を見せるのが大好物のみなさん、ぜひお楽しみください^^♡
5巻は修学旅行イベントと矢野くんのお誕生日イベント!
4巻まででお互いの心の内を開示していくことに少しずつ慣れてきた二人は
今回も慈しみ合い、大切にし合う様子が見られてとても素敵でした^^
4巻では文化祭でちょーっとすれ違ったりもしたけど
その分を取り返すかのように5巻では常にやたらと距離の近い
二人を観測できて幸せです…
この二人は1m以上離れられない呪い(最高)とかにかかってるんか?
ってぐらいずっと寄り添ってますので…
修学旅行で一緒に寝られないけど、小田島が矢野くんの手握ると
スヤっ寝入っちゃうシーンとか、裸で抱き合ってあったかいな~って
小田島の体温に安心する矢野くんとかとかとか…
お互いの体温に安心して身を任せる描写が多くて
二人の絆の深まりをより感じられました!
そして5巻の最後では二人でとってもとっても大切な約束を。
どちらも気遣いの仕方が一緒で、大切に思うがあまり
「好きだからこそ出ちゃう執着、独占欲」を
後ろめたく思っているフシがあるけれど、この二人の夢があれば
ただ2人で手の届く距離でずっと一緒にいたいという
思いだけは疑わずに、ブレずに乗り越えていけるんじゃないかなと思います!
次巻は小田島のお家問題?や新キャラも登場するようですが
読者の立場としてはそんなに心配していなくて、
きっと二人で手を取り合って歩んでいく姿を見せてもらえるだろうと
とっても楽しみにしています^^
【シーモアデジタル特装版】
裸で抱き合って体温を感じ合うお話の掘り下げがあって
とーっても可愛かったです♡
相変わらず先生の絵がお綺麗で年上攻め好きなので今回も新作楽しみにしていました!!!!
ただ正直今回は設定にあまりのめり込めず。
どちらのキャラもすごく魅力的でときめくシーンも多かっただけに、終始「でもパパ活だしなぁ〜〜」という思いが影をさしてしまいました。
風営法に則って運営されてる風俗店に行く、のとはパパ活は全然違いますよね…いくら性交渉がないにしても…
攻めのキャラが大金持ちの自信家!みたいな性格ならファンタジーとして飲み込めたかもですが、普通の誠実で優しそうで天然キャラな攻めがパパ活してる感じがちょっと違和感で。
しかもパパ活だと弁えているわけでもなく「傷ついているのは見たくない」みたいなかっこいい発言がただの勘違い痛客にも見えてきたりして…
受けも結構最初から攻めに対してラブ度が高くてそこも気になってしまいました。あんなに手慣れた感じでパパ活やってる人は初対面で本名教えなさそうだし、ドキドキするにはまだ回数重ねてなくない?って感じでもあり。
これまでのパパ活の相手と攻めとで決定的に違う部分がなければ好きになるとかないよね?手慣れてる人ほどシビアじゃない?と妙に冷静に見てしまいました。
まあ攻めはめちゃくちゃカッコいいので好きになる気持ちもわかりますが!お金のためだけにやってるわけじゃなかったみたいだし。
だったらなおさらお金を通さずパパ活とは関係ない部分で関わっていけばよかったのにーー!とか思ってしまいました。
金銭を発生させるなら客として弁えた態度から始めてほしいし(すぐ告白とかせず)、恋愛的アプローチ初手からするなら受けがパパ活やっててもいいけど攻めはそこの客になってほしくなかった…
あと受けがフェ○するの初めてって言ってんのにパパ活でやってないよね?とか聞くの普通に最低だと思うのでやめてあげて…
2巻に続くみたいなので、2巻からは恋人になった2人として切り替えて楽しく読めるといいなー!と続編楽しみにしてます!
自分がケンカップル萌えそんなにしないタイプなばっかりに、1巻ではう〜〜〜んと思っていた部分がいくつかあったのですが、それが全部回収されてて2巻買ってよかったーーー!と思いました!
私が前回1番モヤついていたのは「お互いの本心全然分かり合えてなさそうだけどいいの!?」ってところで。特に鳥飼くんはずっとクソデカ感情抱えてたのにそこはあんまり伝わってなさそうじゃない??とか心配になっちゃったんですよね。
でも2巻では矢島自身が自分はどれだけ鳥飼にとっての特別な存在かをしっかり自覚してくれてよかったな〜〜!と。「ずっと前から好きだった」の真意がようやく伝わって私まで一安心。
あと矢島はなんとなく勢いだけで鳥飼との関係進めてきちゃってるような印象を1巻では受けてたんですが、2巻では恋人としても同僚としても漢気あふれる姿を見られてめちゃくちゃ好感度上がりました…勝手に矢島はノンデリなんだよなぁ!!!!とか思ってて本当にごめんね…
素直じゃない鳥飼に可愛い顔させられるのは矢島だけでしたね………最高にラブいシーンをたくさんありがとう…
恋人としての2人が見られて嬉しかったので、さらに絆を深めていく2人をもっと読みたいなと思いました!続編まだ続いてほしいな〜!
人狼×吸血鬼(ハーフ)という人外もの鉄板設定でまだこんなに面白い設定にできるんですね?!本当に大天才さすがすぎますよねぇ。
やっぱり特筆すべきは受けの吸血鬼様、見た目が美麗バージョンとキュートバージョン両方楽しめる点ですかね!
長年生きてきたことを感じさせる紳士な喋り口調もたまらないんですよ〜!ちょっと老齢な喋り方!伝わりますかねーー!
辛い思いもたくさんしただろうに純粋で健気…ボロボロ泣いちゃうシーンとかかわいそ可愛くてたまらないです…
そんな彼をどでか包容力で包み込む人狼の攻め様も最高です。大変たくましい身体で体格差も楽しめるしドドドイケメンだから絵面もいいし…
何より!『受けのお世話する攻め』のシーンが好きな人には絶対読んでほしいです〜〜!!受けの生命線握ってるのほんと最高。
美しい受け、可愛い受け、世話焼きな攻め、ガツガツ求める攻め………あらゆる萌えギャップと愛のスパイスを煮詰めたらこの一冊になります。
つた子先生、なんかますます絵がお上手なられててほんと、最高の食体験でした!
ピュアなワンコ攻めによる必死の頑張りと、結局絆される元ヤン美人受けが落ちていくまでのもだもだが楽しめる王道ストーリー!
こんなの大満足に決まってるーーー!!!
始まりは攻めが一目惚れするところからですけど、その展開にも耐えうる説得力のある絵力!!
この素晴らしい絵できゅんきゅんな恋愛ストーリーとえちえちなラブい展開両方楽しめるの本当にありがたいです………
攻めキャラ好きの私としては戸橋くんの健気な頑張りにズキュンと心を撃たれてしまいました…
"頼りない"って理由で振られて自信がなかった戸橋くんだけど、ぜんっぜんそんなことない!!!!!!!!
本気で好きな人を前にした戸橋くんが『この人を大事にするんだ』という決意と共に言葉、態度、行動全てで愛を示して男として成長していく姿を、どうかみなさん見てください………
このピュアワンコは決して独りよがりにならず、大事な人をよく見て、まっすぐ愛し抜くいい男ですので………!
お話も大ボリュームで満足度高めですが、一点だけ!
過去の男こと矢那岸さんのお話がサラッと解決しちゃったのでもっと彼のことも教えてくださいよぉ〜という欲望が消化不良でして…何卒…
また素晴らしい作家様に出会えて幸せです^^
ドムサブの何が好きかって、要求に応えたくて一生懸命頑張る健気なSub(今作ではSwitch)とそれをよく頑張った!と愛情深く包み込むDom…のこの流れですよね…
特に攻めキャラ好き&攻めのヨシヨシ大好き芸人としましては、今作も「ちょいキツめギリギリラインの要求をして支配欲を満たしながら、それに応えてくれる相手に最大限の愛と褒めを授ける」的プレイシーン満載で大変良かった!…んですが!
だからこそ細々と気になるところがあり…
1番大きかったのは、やはり本作の根幹となるSwitchという性別が結局どういうものなのかいまいち把握しきれなかった点。
かなり序盤で「支配されたい」という明確な欲求があったので、本当はSub性が強いけど学生時代のトラウマ?的なこともありどちらかの性別に偏りすぎないよう気をつけているのだと思って読み進めたのですが。
そしてSubになり切れないことへの葛藤も読み取れたので、その解釈であっているのかな〜と思いきやDom性を受け入れるみたいな話も出てきて…?
結局Domとしての支配欲も本能としてあるのか?そうであれば描き下ろしにあった「コマンドはなしでわがまま言いながらのセックス」をするだけでは解消されないのでは……!?とか思ってしまいまして。
Switchという性別の設定があるから無理やりDom感のあるシーンを入れました、的なノリに見えてしまったのが残念でした。
あと、これはほんっとに細かいとこで私が気になっただけなんですが、西條さんが東乃くんを「俺の玩具」と言う場面がありまして。
一夜買うだけの女性キャストにも気配りできる紳士なのに、好きな子を「玩具」呼ばわりするんだ…?!と結構びっくりしました。
執着が深いからこそ「玩具」とかあんまり言わなさそうなキャラだと私が勝手に思ってただけなんですけどね。
うーーーん!表紙で惹かれてあらすじも面白そうだったので期待値が高すぎたのかもしれません!
ギリギリまで追い詰めるプレイ(愛情あるのは前提として)が好きなので、プレイシーンはすごくよかったです!
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ちなみに女性キャラですが、東乃くんに壁ドンするさやちゃんにも相当ときめきました!あれでSubなのも大変良い。(ボーイズでラブなシーンの感想じゃなくてすみません)
絵柄も好きな作家さんだったので、また気になる作品が出れば読んでみようかなと思います!
ヨシト先輩、あんたって恋人はめちゃくちゃ甘やかすタイプなんだ…
そんなのって……最高すぎるんじゃないですかねぇ……!!!!!
恋愛という愛情も、姉弟愛という愛情も、友情も義理人情も…
なんかとにかく人間の欲と愛が入り乱れながらも青春の深刻さと爽やかさで一気に駆け抜けたこの物語に夢中になりました。
1話の試し読みを読んでアキオの頬を"ちょんっ"する先輩に、読者の私もしっかり「落とされ」つつ、しかし一方で『この男は厄介だぞ…!!!』とやや警戒気味に読み始めましたが。
蓋を開ければ、ヨシト先輩って意外と常識人というか。人の真剣なことや、抱えている問題を決して茶化さない。大変に失礼ながら、この人は人間の心がわかるタイプのクズだったかー!!!!と意表を突かれたような感じ。
そんな先輩はきっと本来の気質としてかなり愛情深い(執着も深い)タイプの人間だったけど、その有り余るデカい感情をぶつけてもいいんだ!!!と思える相手にこれまでは出会えてなかったんじゃないかなと。
アキオのわかりやすすぎる人間性、心根のピュアさを冬子お姉ちゃんは「浄化」と呼んでましたけど、まさに言いえて妙。
ここまで真っ直ぐな人間っぷりを見せつけられると、自分もちょっと馬鹿になれる感じすごくわかる。自分もこうやって素直になっていんだ、と安心する感じ。
アキオがこのピュアさを保ち続けてるの本当にすごくて、たしかにコンプレックスは抱えているけど「姉が優秀であることは姉の罪じゃない」ということを当たり前に受け入れられているのが、真に優しい人だな、となんか泣きそうになりました。
そんなアキオだから、ヨシト先輩も安心して「恋に落ちていってもいい」って思えるんじゃないかな。本当にこの2人が出会ってくれてよかった~~。
冬子&のぞみカップルも、アキオの脅し程度(失礼)で良心が痛んで協力してくれる椿先輩も、空気の読める映研メンバーも…サブキャラたちも含めてみんな愛おしくて唯一無二の最高の漫画でした!!!!!!
日高ショーコ先生の作品は腰を据えてじっくりと読み込むもののイメージがあり、電子で読んでいるはずなのにハ○ーポッターの単行本並に重くてぶ厚い本を持っている気分になるのですが。
今作品も世界観やお話の作り込みが緻密な作品でした!ただ、自分にとっては複雑すぎるな…というのが1番大きく残った読後感となってしまい…
タイムパラドックスとかパラレルワールドとかそう言った設定とオカルトが組み合わさるという非常におもしろいテーマですが、正直上下巻で説明しつつ物語を展開させるには駆け足感が否めないと思いました。
メインの蛍と晶がどういう人なのかを掴めそうで掴みきれず、2人のラブな展開も感情移入して大盛り上がりはしきれず(キャラを掴みきれない2人がずっとすれ違ってるので…)、そして初見でつますがずに設定を完全理解するのはかなり至難の業で…私は時系列を紙に書きました ; _ ; 笑
でもやっぱり日高先生の作品力でよくわからなくても続きが気になって先へ先へと読み進めたくなる物語展開で、最後の描き下ろしがそれぞれの世界線での2人の様子の違いが見えてすごく好きだなぁ〜〜と思いました!
お互いを生きていくために必要としあう姿は本当に素敵でたまらん関係性の2人ダ〜〜!となったからこそ5巻ぐらいかけて読みたかったとわがままな気持ちになりました…もっと焦らされて幼少期とか思春期の2人を堪能して大人になってようやくラブになった2人からカタルシス接種したかったです> <