52ヘルツに続く、早寝電灯先生のオメガバース。
今回もとても素敵な作品でした。
αとΩの関係は、やはりどうしても本能が関わってしまって、本能に抗えずに流されたり、抗って苦悩したり。
今作も勿論本能に振り回されますが、それでも最後まで理性的であろうと、きちんと話し合おうとする姿や、ちょっとした言葉に救われたりする姿がとても素敵で、染みる一作でした。
αとΩとしてもだけど、あくまでも一人の人間として、相手を思いやり、きちんと意思疎通を図ろうとする姿は、オメガバースでなくても、人間としてそうありたいと思うような誠実さです。
「運命だから仕方ない」ではなく「運命だからといって、何事も許されるわけではない」ときちんとわかっている二人は、この先もきっと色々なシーンで確認を取り合ったり、間違えたら謝ったり、言葉を重ねて相手を理解していくのだろうなと、清々しい気持ちになりました。
恋愛面ではモジモジな可愛い雀ちゃんですが、2巻では、大人としてちゃんとしてる、上司としても尊敬できるしごでき雀ちゃんがみられます!これが見たかったんですよ!年相応に、仕事もきちんとできて、頭の回転も早い。でも、慶司の事となるとティーンエイジャーみたいにウブになっちゃう雀ちゃんが。
描かれているのは日常風景(仕事だったりオフでデートする二人だったり)なのですが、どの光景も見たかった景色ばかりで、読む癒しでした。
雀ちゃんの過去の恋愛で、ちょっと胸がキュッとしましたが、これからはもうその心配はないよね、慶司くん!
慶司くんの涙の理由が可哀想やら可愛いやらで、でも多分体にあってないのでご無理なさらずですよ。
そして前回の台風の目こと田中くん……残念でした…けど、人間としては一回り大きくなったんじゃないでしょうか。
すず子秘話やご家族のお話も出てきたので、このままご家族に会いに行ったりするお話も読めたりするのかな?と期待をしつつ……素晴らしい2巻でした。
タイトル買いでしたが、読み始めたら思っていた感じと違うぞ?となり、途中何回も泣き、辛く苦しく、頑張れ頑張れと応援し続けながら読了しました。
ちょっと時間が前後したり、視点があちこち行ったり、あれ?今どの辺の時間軸?みたいになることがありましたが、トータルすると自分の好きな内容てんこ盛り作品でした。
可哀想な子供が寄り添い合って幸せを夢見ていたのに、ある日突然片方が離れてゆき(後に誤解と言うか表現の失敗だとわかりますが)それでもずっとずっと互いに互いを想いあい、トラウマとも対峙してゆく。
切なくて辛くて、でも強くて優しい作品でした。
幸せな子供じゃなかった方には、刺さる作品だと思います。
読み始めて数ページで、ティッシュを大量消費してしまいました。
自分の嫌いな部分を許せず、たとえ大切な人の為でも、できない事もある。それが人間ですよね。
でもそんな自分と向き合い、周りの人と話し合い、理解できなくても否定をせず、寄り添い合い、嫌いな自分を許し、相手を受け入れ、怖いことをちゃんと怖いと、嬉しい、寂しいと言い合える人達がいる事は、なんと幸せな事か。
神様だしオメガバースだし普通の人間の話ではないけれど、小さな普通の人間にとっても大切なことをたくさん教えてくれる、素敵な作品でした。
優しい世界にも嫌なことや辛い事はあるだろうけど、ルカやクロや仲間達が仲間でいられれば、泣いちゃうかもしれないけど大丈夫だと思うし、自分にもこんなコミュニティが欲しい(すごく大変でしょうが)
番外編、たのしみにしています。
あの可愛い子が活躍してくれるのかな?
普通に、ただ普通の人が選べる選択肢が欲しい志津香と、自分では普通に生きているはずなのに生きづらい柊星の相互救済の物語。
世代も何もかも違うので何の参考にもなりませんが、うちの父が中卒で、多分学歴にとてもコンプレックスをもっていて、作品読みながら、何も言わなかったけど、嫌な思いはしてきたんだろうな、と少しシンミリしてしまいました。
少し欠けたりはみ出している二人は、お互いがその欠けやはみ出しのお陰でパズルのピールみたいにカチッとはまって、お互い支え合える存在となったのではないでしょうか。
しんみりじんわり、素敵なお話でした。
さて、薫ちゃん。
あなたにはあなたの良さがあります!
志津香ちゃんにアタックするには、もっと真っ直ぐに打ち当たればよかったとは思いますが、でもそんな不器用なあなた(人によってはスマートに見えるかとも思いますが)を、チャーミングだなと思う人が絶対いますよ!
頑張れ!薫ちゃん!その捨てきれないプライドも可愛いよ!