予想もできない展開が続き、一冊の中で三組のカップルがしっかり幸せになっていたりして、ストーリーもキャラもめちゃくちゃ良かったです。ただ一つ、怖い!ホラーは苦手なので、事前に心構えをしてから読みたい内容でした。
ただの教師と生徒の関係だった二人がいきなりドン底に落ち、反社施設で再会するお話。この時点でぶっ飛んでますが、彼岸の様子もおかしくなっていき、人でないものが次々出てきて大忙し。怖さときゅんと切なさが入り乱れ、読んでるこちらも大変です。
先生の過去や狛犬たちの物語、怨霊になった姫の結末など、あちこちに感動が転がっててすごい。先生と彼岸は、特殊な環境による吊り橋効果もあったように思えたので、平和な日常に戻っても気持ちが続いてる様子を見られて良かったです。
お付き合いする二人は、ちょっとワガママで独占欲強めな年下彼氏と、それに振り回されるチョロい大人な雰囲気が可愛い。元生徒ってことで、先生は一生彼岸を甘やかしていくんだろうな、と思いました。キカ糸さんの独特の世界観、好きです。
精神的にきっついとこもあったけど、一巻でハピエンの安心感があったので、最後まで楽しく読めました。お金が無さ過ぎて不幸な大和と、お金がありすぎても不幸な悠星が、お金じゃない幸せを見つけたお話。
大和は誰もが同情するような酷い生い立ちで、お金への執着も仕方ないと納得です。でもちゃんと良心は残ってて、復讐に燃えてるわけでもないし、キレやすく流されやすくはあっても、わりと健全に育った印象でした。
悠星は大和ほど分かりやすく辛い背景がない分、心の欠けた部分を分かってもらうのが難しそうで、肩入れしたくなりました。貪欲に褒められたがる姿が切ない…。あとがきで受けのテーマが「殴っちゃいたい」とあってショックでした。
ピンチからの救済が後ろ盾の一声で、弱者は結局謝るしかないのか、と正直残念に思ったけど、あの場面は大和の中で謝罪の意味が変わった瞬間が描かれていたのかな。宗教に壊されヤクザに救われる大和の人生、波乱万丈すぎる。
お付き合いに食い気味な悠星が可愛くて好きでした。大和と付き合うことになって素直になった悠星は、もう虚言で気を引く必要が無くなったってことかな。二人ともお幸せに!
帯に「BL史上最も青くてアツい三角関係」とのアオリ文が入ってました。うむ、看板に偽りなし!って内容で、3巻目も最高でした。ラストはめっちゃくちゃ気になるところで終わってるので、続きが気になりすぎて大変です!
北斗とイイ感じの雰囲気出してる真琴。態度はしっかり北斗の方を向いてても、心はぐらぐら揺れてる気がします。北斗はまだ真琴の中で鷲介の存在が大きいと思ってて、鷲介は北斗の方が真琴に近いと思ってる、なんて切ない恋模様…。
鷲介は今までとことんタイミングが悪く、今回もある意味悪かったんだけど、初めて間に合いそうな光が見えてきて、これは応援せざるを得ないと思っちゃいました。真琴のことはいったん置いといて、野球はしっかり取り戻して欲しい。
ラストは鷲介が三角関係に完全参戦宣言したようなもの。ひえっ!って感じで飛び上がりました。絶対ここからさらに面白くなるやん。
真琴がふらついてるのもあるかもだけど、北斗も鷲介もどっちもイイ奴で切なさも抱えてるしで、どちらか一方に肩入れするなんてできなくなりました。もう三人とも大好きだから、みんなで青春して頑張れ!って気持ちで読みたいです。
お久しぶり~にこの二人のお話が読めて嬉しい!巻頭二編はラブラブな日常小話で幸せいっぱい。本編はあまりの一心同体ぶりにあてられてしまいました。お互い独占欲つよつよで最高!
今回はフリーライターにアンナが狙われるお話。たぶんアンナの背後組織に任せれば解決は簡単で、みつるもそれは分かってる。それでもアンナを守る行動に出るって愛だなあ。まあみつるがそういう性格ってのもあるだろうけど。
そしてアンナの愛も同じくすごい。みつるっていう相手第一主義でここまで本人が満たされてるなんて。みつるの愛が強くアンナの理解が深いからこそ出来上がる関係性で、萌える以外にどうしろと?って感じです。
今後もお互いに自分以上に相手の方が自分のことを分かってる二人になっていくんだろうな、と思いました。
ところで最後は…え!アレを渡す(渡し合う?)シーンは?二人の秘密ってこと!?と、特大の爆弾を落とされた気分なんですが。大人しく見守りたいので、またこの二人のお話が読めますように。
お気に入りは梅干し食べて“目ぇ覚めた!!”、“いーじゃんおはよう”の描き文字。幼なじみと熟年夫婦が混じり合ったかのような、リラックス状態の会話っぽくて妙にツボでした。
進路問題がずっと続いてて、ぐるぐる悩んでるとこにかき回すサブキャラが出てきて、目に見えて何かが進んだってことは無かった巻かも。でも善次も花岡も必死で真剣で、見てると泣いてしまいそう。頑張れ高校生!ってなりました。
ちょっと離れ離れになった二人は、花岡の連絡我慢宣言からすれ違い、善次がまたグラグラしちゃってます。邪魔したいケンちゃんや味方の宮崎の言葉も刺さったりしてるけど、何より善次自身の迷いが見えるのが切ないです。
一方で花岡は変わらず一直線。以前はそんな姿が安心材料になる気がしてたのに、今はうっすら不安を感じるのはなんでなんだろう。表に出す愛情表現だけを見ると、花岡の気持ちの方が圧倒的に重く見えてしまうからかな。
今後進む道について現実的な選択肢が見えてきて、花岡は野球人生としての最善を、善次はずっと先を見据えて決断しそうな雰囲気。その前提にお互いが在る相思相愛状態は揺るがないでしょうが、もう少し善次の自信の無さが消える展開が来て欲しいな~と思います。
一生懸命恋して一生懸命悩む二人がとても眩しかったです。
激しめのケンカップルでした。表紙がまずすごいですが、中身も同じ感じで、表情から見える感情がすっごく激しいです。こんなにキレ散らかしてるように見える二人がしっかりヤって恋人になっちゃうってのは、ちょっとした感動でした。
元同僚の楳沢と波瀬はどっちも素直じゃないな~って印象。楳沢は反発しちゃう方向に素直じゃなくて、波瀬はとにかく隠したくてミスってる。
楳沢の性格の悪さは清々しさを感じるほどに分かりやすくて、波瀬はよく好きになったな~と思わなくもないんですが、波瀬視点から楳沢を見るとすごく納得できます。その性格の悪さこそが魅力になってる不思議。
結局最後までケンカしながらくっついてくれて、とても良かったです。この二人にしか出せない独特の空気感が好き。これからもずっとケンカしつつ、ふいに甘々爆弾落としたりしながら仲良くやっていって欲しいと思います。
すっごく良かったねー!って思えるお話なんですが、15年募らせたはずの不毛な恋心に焦れる切なさ全開パートが短くて、あっさりすんなりくっついちゃうので、ちょっと物足りなかったかも。仕立て屋さんとか片思いとか、設定はめちゃくちゃ好みでした。
角南の仕立てたスーツを着て、10年付き合った彼女にプロポーズすると言う啓太。でも振られてしまい、さらっと忘れることにしたから、と。そこから即角南との付き合いを考えてみる、と笑顔で言うなんて、違和感が強いかも。
その後の流れもあっさりしすぎで、情緒が足りない気もするし、15年の重みをもう少し感じさせて欲しいと思っちゃいました。まあ、角南の方は十分に感じていたのかな。
描きおろしの二人がとても可愛かったです。
留学が決まった千晴と渉の約半年間の過ごし方。(物理距離的な)お別れ前夜って感じで、切なさがありつつ、最後は爽やか。このキラキラした清々しい読後感はクセになります。さすが!
相変わらずゆる~い雰囲気で、何でもない会話がいっぱい。そしてサブキャラたちもたくさん登場。彼らが二人だけでない世界で日々を生きてる実感がすごい。新キャラのダニエル親子はただの良い人たちなのかな。
寂しがる渉とか、ヤキモチ妬いちゃう千晴とか、表情だけで付き合ってるのがバレバレな二人とか、カップルの可愛さがあふれてます。そろそろ以心伝心までマスターしそうな勢いでしたが、ちゃんと言わなきゃってなってくれて良かったです。
半年間の留学期間は描かれるのかな。もう別れそうにない二人なので、安心して見ていられました。