内心描写が的確で、しかもそれを上手く言葉にしていたので、共感しすぎてついうるっとしました。
装丁も私好みで、小一時間見惚れました。
絵柄もどちらかというとかわいい系です。絵柄が可愛いというか、キャラの動きが可愛いと言った方が正しいかもしれません。
内容はちょっと暗めでとても切ないです。でも心が暖かくなる素敵なお話しでした。
踏み込んだ話を書きますと、楓の大好きだった兄が亡くなり悲しんでいたところに昔一夏を共に過ごした「お気に入り」の野呂が帰ってきたっていうのがお話しの始まりです。ここだけだと単なる青春の恋の話しかなっ思ったのですが、話しを読み続けて行くと青春は青春でも恋だけを指して言った青春ではないと気付きました。
正直語りつくせない程良かったです!
後ろの方にきちんと兄の話しも載っていますが、またそれを読んでは切なくなります。しかも楓のかけている眼鏡は兄のかたみなんですかね。
扱いにくいお話しをこんなに上手にまとめた作品を描ける雨隠さんは本当にすごいなと思いました。今後の作品にも期待大です。