カタにはまらない、唯一無二のキャラクターたちが生き生きとしていて、漫画だけど物語の本を読んでいるような感覚になるほど入り込みました。
それでいて文字での説明がくどいわけではなく、心理描写や性格、場面が絵や構成でしっかり表現されているため、知らない間に引き込まれていく感じでした。
ここからネタバレです!
練がふたりきりの窯のなかで溢れてしまうところ、あれは心が痛かったです。
でも涙はガラス玉のように美しくて、練の清らかな内面を表しているよう。
すごいなーと思ったのは、感情を得て戸惑ったり、不安になったりという描写がいままで少なかったこと。
なのに、本人すら知らぬ間にいっぱいいっぱいになっていて、事実かのようにポロッと零した言葉とともに溢れてくる、という構成が違和感なく納得できて、味がしみてくるような、キャラに寄り添えるような感覚でした。
檻から出たい、出なきゃいけないけど、その向こうには未知の生物、化け物みたいな生物がいる。
この比喩表現は鳥肌が立ちました。
そして、絵がだいすき。
とってもおすすめです。
また作者さんの世界にお会いしたいです。