1740さんのマイページ

レビューした作品

女性1740さん

レビュー数82

ポイント数906

今年度27位

通算--位

  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 小冊子
  • GOODS
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

モノクロ映画のような気だるさ

せきとう先生のこの作品、商業になる前から読んでいました。描き下ろしもあるとの事でコミックスを購入しました。

ヤクザの妾の子であるαの世継から逃げていたΩの人紀は3年ぶりにつかまります。瞬く間にヒートになり再び無理やり抱かれてしまいます。どんなに嫌がっても逃げても暴言を吐いても世継は人紀からの愛だけを求めています。

ふたりの出会いは小学生の時。人紀が世継のクラスに編入してから、ずっとふたりは親友同士でした。でも中学になったある夜、世継が人紀の名前を呼びながらトイレに籠っているのに遭遇してから世継が自分を見つめる目が怖くなります。そして同じ頃に自分がΩであることがわかります。
なんとか自分はβであると誤魔化しますが、αである世継がだんだんと怖くなっていきます。
ふたりが高校生になり、人紀に彼女ができると世継は彼女の前で人紀に薬を盛ってヒートにさせます。そして「世継とだけは番になりたくない」と言う人紀を無理やり犯し、項にたくさんの噛み痕を残します。
逃げたくても祖母に何かされたらと逃げられず囲われて暮らしていました。

そして冒頭の3年ぶりの再会。きっとおばあさんが亡くなってから逃げたんでしょうね。そしてその3年の内に世継は人紀を囲える力を手にするためにヤクザの跡取りの座を手に入れます。人紀は職場の清掃会社で頼れる人や運命の番にも出会いますが、世継は自分から人紀を手放すことが出来ず、組織のスパイから銃を持たされた人紀に自分を撃たせます。

意識のないまま入院し続ける世継を清掃会社で淡々と働く人紀はたびたび見舞いに行きます。罪悪感からなのか、番としての本能なのか、友情なのか、同情なのか、憎悪なのか、起きてほしいのか、ほしくないのか、自分の気持ちがわからないまま。
世継が目覚めるまでの3か月。人紀がただ自分の気持ちをじっくりと自分のペースで考え、納得するのにいい機会になったようです。
ハピエンでしょうね。

漫画だから白黒なのが当たり前なのですが、この物語はモノクロ映画を観ているように感じられます。まるで映画館のスクリーンの画面の奥に吸い込まれるような感じがします。ヒマワリと夏の気だるさが少し暗くて怖くて、でも最後まで目が離せない古いモノクロ映画のようです。
はっきりとしたハピエンでもないですし、ストーリーも絵のテイストも独特なので好みが分かれるかもしれません。でもすごく引き込まれる作品になっています。

惑星 小説

木原音瀬 

わからないことが幸せなのか

これは最初のページから辛い。お願いだからムラに平安をって願いながら読んでいく。
ムラは知能が低い故、自分を「宇宙人」だと思っている。だから「人間」のことがよくわからない。ただいい人と嫌な人がいる。それでも悪いことをしないように、怒られないように過ごしている。
曖昧な過去に理解できないことばかりで、騙されたり傷つけられたりしてきた。
カンと出会って一緒に暮らしていくうちに、やっと安心してすごして、このままふたりでゆったりとした中でやっていくのかと思っていたら、やっぱり木原先生。辛すぎる終わり方だった。

読んだほとんどの人にとってこの物語はバドエンであり、後味の悪いものだと思う。
でも、わからないから幸せなのか、わからないから不幸なのか。結末は想像することしかできない。きっとわかる側にいると思われるわたしには、ムラが物語で向かった先は不幸で死しかない。でもわからない側にいると思われるムラには、わからないままに身体が朽ちていく死はようやっと「ジブンの星」に帰れるから幸せなのかもしれない。


サイン会のお土産として「ジブンの星」という小冊子を頂いた。その中に書いてあるムラの想いは切ないけれどがんばっている。だから不幸じゃないといいなと泣きながら思った。
貧困・暴力・摂取・死。とても重くて辛いテーマでした。
木原先生、すごいな。

いつもとちょっと違う感じ

はなぶさ数字先生の作品が大好きなので発売日に購入。4,5年前に描かれた作品がこの度コミックス化したのだそうで、ちょっと絵柄と受けがいつもと違う感じがします。先生自身も「クセ強受け」と書かれていますが、わたしはそれほどクセ強いとは思いませんでした。アザラシが出てきそうなかわいい受けとは言えませんが、拗らせた様子はとてもかわいかったです。

帰ってこられない理由があった地元に帰ってきた攻めの薫。叔母のお店の弁当を配達した先で殴られて倒れている石清水を助けたら、いきなり「ちんぽ貸して」と言われます。クソビッチと言いながらも石清水が気になります。
それから薫に配達を頼みたいと叔母から頼まれ、通うことに。そこで石清水が作家であることや薫が地元に戻ってきた理由が描かれていきます。その後、石清水に口直しのキスを強請られて、薫は好みの顔に負けてキスをしてさらにセフレのような約束を結びます。
この辺りで石清水の違和感の理由がわかります。石清水は昔の薫を知っているようですが、その狙いがなんなのかはまだわかりません。
薫が地元に戻ってきたくなかった理由が明らかになって、石清水は薫を慰めてあげると言いふたりはセックスします。そこで薫も石清水になぜか懐かしさを感じます。
だんだん過去と現在が交差して感情が溢れていく薫。母親や今まで好きになった人たちと似ている石清水を好きになっていきます。でも石清水はのらりくらりと薫とは真剣に付き合おうとしません。

ふたりの関係がどう進んでいくのかな?と思っていると、変わるきっかけとして薫の同級生と再会します。当て馬とかではないので安心してください。
タイトルの「僕をこんなにしておいて」の意味がやっとわかります。なるほどね、こういうことね!と納得の回収。ふたりともかわいい拗らせになっています。
最後の描きおろしを含め、薫のピュアなところも石清水の素直なところも読めるハピエンになっていて、とても満足な終わり方になっていました。
やっぱりはなぶさ先生の受けはかわいいな!

KING IS DEAD コミック

芽玖いろは 

番外編の短編集

今作は1冊まるごと表題の内容かと思って購入しましたが、今まで発表されていた「赤くて甘い」「青くて苦い」「ウルフハウンド」ホストシリーズ3部作の番外編の短編集になっていました。
それぞれの物語の描かれたオムニバス作品になっていて3巻とも読んだことがあれば、あの後こうなったんだ、このシーン見たことあるなと楽しく読めますが、未読だとよくわからないです。

まず「ウルフハウンド」黒服の弥勒×元キングでクラブオーナー邑の過去。キングがホストを卒業する前後の日にあったお話。いろいろ終わった邑の切ない顔がとても色っぽかったです。
次に「青くて苦い」ホストのタマ×No. 1ホストのミヤの訳ありカプ。コロナ禍のステイホームでのソーシャルディスタンスのお話です。クスッと笑わせてくれます。
そして「赤くて甘い」ホストの有朋×赤面症歯科医の宏碧のその後。色恋営業をやめてお金のない有朋が邑のクラブでバイトする話です。そこで全員勢ぞろい!そして宏碧の過去や家族の話も出てきます。
最後の「Christmas from hell」は過去に同人誌であったものが収録されています。ミヤ×タマが付き合ってはじめてのクリスマスを高級ホテルで過ごす夜の話です。

3カプそれぞれのエッチもありますし、3カプ集合するお話もあるので、芽玖いろは先生10周年記念出版になっている感じでした。ホストシリーズが大好きなら満足いく1冊になっていると思います。
とても楽しく読めました!

同棲2年目からの変化

同棲2年目の矢野と志筑。1年目とかなりふたりの状況が変わっていきます。
まず、矢野の秘密が少しずつ志筑に伝えられます。そして志筑が働くバーのマスターが店を畳むことになり、志筑の将来の夢がはっきりと出てきます。
この先どんなことがあってもきっとふたりならやっていけるんだろうな、と安心できるのは5巻までふたりを見守ってきたからだと思います。6巻では志筑の夢に向かってどうふたりがやっていくのか読むのを楽しみにしています。

5巻では、ふたりが付き合うキッカケになった淳子ちゃんが楽団を卒業して、矢野にけじめの告白をします。東京では淳子ちゃんも矢野の姪の晶や梧桐と三好に出会ったりしてだんだんみんなが繋がっていきます。個人的に三好推しなので三好が出てくるとテンション上がります!
そして矢野と志筑は東京へ2泊3日の旅行に行きます。そこで改めて志筑の将来が固まっていきます。矢野が志筑のことを「好きなので」よく見ているというシーン、とてもよかったです。好きな人が楽しそうにしていることや夢に向かっていくのを見るのって楽しいですよね。

ゼニコ先生の商業にはエッチはほぼないのですが、それでも長く続くのはラブだけじゃない日常のおもしろさと主人公カプだけじゃなくふたりを取り巻く魅力的な登場人物がたくさんいるからだと思います。
攻めがかわいくて受けがかっこいい、時々見せるコメディセンス。ゼニコ先生ならではの物語、これからも楽しみです。

商業番外編の短編集

2022年3月から2024年6月までにツイッターに掲載されていた1ページから5ページほどのショートショートがまとまったものです。Web上でふたりの話をずっと読んでいて、絶対に紙本を手にしたいと思っていたので本にしてくださり感謝です。
「In the light」というタイトルの通りに光が溢れた中で、幸せそうな的井くんが中野さんといる様子が見られます。

中野さんと的井くんのちょっとした日常だったり、出会う前に実は会っていたという前日譚だったり、センスあるカジス先生のイラストを見ているだけで楽しくなる同人誌になっています。
特に的井くんの元セフレだった水谷くんの物語をちゃんと読みたかったので嬉しいです。
2巻と同時発売だったので、2巻を読んだ後に読むとまた読んだ余韻に浸れます。

大満足な完結編!

電子単話で発表されていた12話から16話が収録されていて話毎の扉絵などなく、一気に読めます。単話で発表したものに加筆修正がある程度だと思います。
3巻もギッチギチに描かれている印象です。描き下しは最後の1枚のみ。今までの単行本に描き下ろしはなかったと思うので1枚ですが、初だと思います。

薬学編の前後編である2巻と3巻の表紙を見比べてください。もうわかりますよね、この3人の状況の変化が。なんだかよくわからないことに巻き込まれて困惑していた陽介の顔や睨みを利かせている主任たちだった2巻から、めちゃくちゃ愛されちゃっている陽介!主任たちの執着ぶりが表紙からもうかがえます。

3巻は玉森主席に気に入られ過ぎて、執着され、愛されてしまった陽介が、東間主席にそのことがバレたらどうなるのか困惑するシーンからはじまります。
なんとか玉森主席に「愛人」のままでいてほしいと望むものの、すぐ玉森主席による囲い込みがはじまります。まだ不安定な玉森主席の愛情に対して「俺の愛が欲しいなら、あんたの愛を」と伝える陽介。計算しつつも玉森主席も東間主席も好きになっていると気づきます。
そして、そんなふたりの変化に東間主席が気づかないわけがなく…。なんとか甘やかせて気持ちいいことをさせて誤魔化そうとしているところに、玉森主席がやってきます。なんとかごまかせますが、後日、天木主席と春くんと4人で話している時にふたりの様子を見た天木主席に「恋人になったの?」と言われて、それを東間主席に聞かれてしまいます。

この回の東間主席の顔の歪みに屈折した愛情に行動力は素晴らしいです。それを完璧に形にできる頼長先生の画力に表現力は見事です!
東間主席に殺されたくないし、東間主席も好きになっている陽介は玉森主席に「俺を好きなら俺を助けて」と訴えます。陽介ずるい男!!!
3人で付き合うことを東間主席に納得させるために、玉森主席と陽介によって抱き落としていきます。陽介に身体でイかされ、玉森主席に支配されていきます。

あああああ!!頼長先生の描くえっちは最高ですよね!めちゃくちゃ好きです!はじめて出会ったBLが頼長先生だったのですが、まだ頼長先生以上のえっちはないですね。最高です。ありががとうございます!麗人Uno!の1話に1エロのお陰で毎回濃厚でいろんなパターンのえっちが堪能できてとても幸せです。
3巻の最後には待ちに待った3P!おもちゃ使いにサンドイッチ!
永遠にこのスリーサムを読んでいたいです!

シュガドラはセリフも多いしコマの中のイラストや情報が緻密です。独特な設定も1度読んだだけでは理解できないところもありますが、だからこそ何度も読んで新しい発見をしたり楽しめたりできる作品になっています。
頼長先生ワールドをぜひお楽しみください!

身体障碍とBL

今まで何作かの身体的に障碍のある人物が主人公のBLを読んできましたが、どれもBLファンタジーの中のキャラだなと感じていました。ところがこの作品ではそう感じることはありませんでした。とは言えわたし自身、リアルで知っているわけではないのですが、この物語を読んで今まで気になっていたところも気にならずに読んでいけました。

物語は、大学生時代からの恋人同士のサラリーマンの晃と若手小説家の晴人のふたりが同棲して約2年の日々が描かれています。
受けの晴人が数年前の事故以来、車椅子生活になっています。攻めの晃は暮らしていく中で少しずつ晴人の気持ちを尊重しながら、互いに助け合って生活していく様子が丁寧に描かれています。
セックスはできないんだと思います。それでもふれあっていたいというふたりを素敵だなと感じます。

そんなふたりの元に大学時代の友人、芝先輩が家にやってきます。真面目で堅物だった芝先輩は、まるで昔の晃のように自由気ままに写真を撮りながら旅をしています。ふたりが出会うキッカケをくれた芝先輩はずっとふたりを身近で見てきた理解者であり、苦言も呈します。一緒に生きていく意味を。

でも、誰よりも晃のことを想うからこそ、晴人には秘密がありました。それは事故に会うまでに自由に世界中を旅していた晃をサラリーマンとして縛り付けてしまったことについての罪悪感や、不自由な身体で生きていく辛さ、そして自分で死を選ぶという決断について。

そしてとうとう晴人が緊急入院することになりますが、晃は仕事で出張に行かなくては行けなくなります。一番側にいたいときにいられない辛さ、「家族」になれない苦しさ、誰にも言えない哀しさなどでいっぱいいっぱいになり、晴人もそんな晃を見ているのが辛くて別れを切り出してしまいます。

きれいごとではないふたりの気持ちの揺れ動き、そして芝先輩の助言。白野ほなみ先生は取材をしたり経験したりされたのか、よく描かれているなと感じられました。
晴人と晃は少し距離を置き、自分だけの時間を過ごしながら今だけでなく未来の自分、そしてふたりのことを考えていきます。
タイトルのように「もう少しだけ、そばにいて」と。どんな道でも「ふたりで行こう」と。


この物語には大きな事故による身体障碍、尊厳死、自死について描かれています。
BLはファンタジーであって明るいラブストーリーが好み、という人には向かないかもしれません。でも漫画だからこそ気軽に読めて、こう言ったあまり気軽に話せないテーマについて考えるいい機会になるのではないかとも思います。
とても素晴らしい作品に出会えました。

脳内奇声が大爆発

今まで切ない大人の物語を児島先生は多く描かれていましたが、今作は高校生の同級生で両片想い!かわいい男子の物語をとても楽しみにしていました。
「脳内チキンバースト!」脳内で弱気な想いが爆発しちゃうっとことかな?と思ったら、どうやら脳内奇声が大爆発しそう!ってことのようです。なんかかわいいですよね。
久文と充司の脳内の妄想がほんとにエロくてかわいくて、さすがDK!アオハルだ!とニヤニヤしながら読んでいました。

1話は充司のターン。仲の良い女子に久文に好きな人がいるか聞き出してきてとずっとせかされていますが、その答えを聞く=自分の不毛な片想いが終わることでなかなか聞けません。無自覚に自分に対して甘く優しく話しかけ、ボディタッチをしてくる久文にドキドキする充司ですが、女子に告白されている様子の久文を見かけてからなんとなかくさけるように。
その理由をごまかすために好きな人がいるか聞き出してみると、あっさりと肯定されます。そして自分も好きな人がいると伝えます。

そして2話は久文のターン。いきなり充司とのセックスを思い描きながらひとりエッチしています。こっちは爽やか王子様っぽいのですが、かなりの性欲が強めでがつがつしています。
修学旅行で楽しい思い出作りのために同じコースを周ろうと言われ、俺ってじゅじにとって一番なのかと喜びます。
そして帰り際に思わず充司の腕を掴み「大好きだよ」と言ってしまいます。その後すぐに「ってその人にぶちまけたい」と付け足す計算もあり。

そんな1,2話によって読者にはふたりが両片想いってわかっているんです。
そして物語は高校2年生のハイライト、修学旅行で京都へ行きます。日中はみんなで楽しく過ごして夜はふたりで話し込んでいると、なんだか流れでキスをしてしまうふたり。修学旅行マジック!
忘れて、忘れる、忘れない…、互いの気持ちははっきりしないまま修学旅行は終わります。

修学旅行が終われば、高校2年生は進学志望調査書を提出です。放課後ふたりで語り合っているところにトムさんがやってきます。友人としての注意勧告として「気をつけろよ」「付き合ってんだろ?」と言われます。
やっぱり友だちにも駄々洩れだったふたりの想い。そしてふたりは自分が好きな人を伝え合います。

両想いになってもまだ脳内が爆発していますが、そんなふたりがとてもかわいいです。もちろんエッチなシーンも盛りだくさんの後半。高校生活のアオハル、いいですね!
まだこの先のふたりも見ていたかったので、ぜひ続きを読みたいなと思いました。

あまりネタバレなしで読んで欲しい

前作では出会って好きになって付き合うまでのお話でキスのみでした。
今作はふたりの初エッチもありますが、それだけを期待していたということはなく、前作のような丁寧に描かれたふたりや職場、普段の生活などを読むのをとても楽しみにしていました。

前作のレビューでも書きましたが、カジス先生はとてもセンスのある作家さんで、洋服や小物なども含めて、ちょっとしたコマの絵柄も意味深で上手いなと感じます。先生ご自身もデザイン会社勤務なのでしょうか?絵もデッサンも上手なので、仕事の様子もリアルに感じられて興味深く読み進めて行けます。

無理にグイグイふたりの関係を進めることもなく、すぐにエッチに突入せず、する前にワンクッションあったり、初めてのことに戸惑いや躊躇したりするリアルな行動と心情が丁寧に描かれています。ゆったりと流れる物語の空気感は、物足りない感じも無駄な感じもなく上手にまとまっています。カジス先生独自のいい雰囲気です。

会社の先輩である中野さんと晴れて使用期間が終わって正社員になった的井くん。会社で「彼氏彼女がいる事を周りに話しますか?」というテーマが話題になります。
自分のことをオープンにしたくない的井くんに友人たちに恋人のことを話したい中野さんは少しギクシャクします。どちらがいいとかないですよね、特に同性との恋愛の場合は。だから互いに話し合いをしつつも尊重していると思い気や・・・中野さん、わりとポロっと言っちゃいます。
でも中野さんの友人にはふたりの雰囲気でバレていたのは読者にもわかっていたし、友だちに紹介されて的井くんもまんざらではない様子。ふたりにケンカって似合わないので、よかったです。

これまで出会ってきた恋人やこれまでしてきた恋愛と違がって戸惑いながらはじまったふたりの恋は愛になっていきます。

あまりネタバレなく、自分の感覚でゆっくりとゆったりと読んで欲しいなと思います。
2巻もとてもいい作品になっています。おすすめです。