タイトルと黒背景の表紙イラストから、なんかこう獣人に可哀想な目に合わされるカワイ子ちゃん的な話かと思いきや、お互い一途なすれ違いラブストーリーでした。
タイトルにデリヘルて入ってるけど、受の千里は本番拒否の連続で店をクビになる直前の処女だし、買う方のロウもずっと好きだった同級生を助けたい一心でのこと。
最初はデリヘルなんだから色んな男に抱かれてると思ってたものの、実は処女だと知ると、途端に嬉しげに甘くなっちゃうロウがこれまた可愛いです。
好きなのに、あくまでデリヘルと客の関係なんだから…と自分に言い聞かせる千里と、どうやったら分かって貰えるのか悩みまくるロウ。
怪しげな先輩や、ロウの取引先の黒ヒョウなんかにちょっかいかけられつつ、やっぱロウじゃなきゃ嫌だ!!て事で、なんやかんやで両思い。
うんもう、買ったデリヘル孕ませる話じゃなくなってるよねww
えっちシーンもそんなに過激でもなく、モフモフに舐め回されてあんあん言ってる可愛い受が堪能できます。ぺろぺろプレイは正義だ!!
ペソ太郎先生は、ほんまにエモいアホエロ描かせたらBL界随一の方だと思います。
なんせもう、エモさとアホさとエロさのさじ加減がもう絶妙。
攻の伊織くんも、受の葵くんも、自分の旺盛すぎる性欲からパートナーにいつも逃げられます。
そんな二人が巡り合い、最初は成り行きでやっちゃった二人(しかも泥酔してた葵はセックスの内容を覚えてない)。
うっかり「女除けにいいので付き合いません?」と意地を張ってしまった伊織くんと、絶倫巨根だいしゅきいいいい!!と理由なんかどーでもよくお付き合いを初めてしまうアホの子葵くん。名前も知らないまま半同棲状態で毎日週10回の性生活を過ごし、そっからお互いに大好きになっていく。
とにかくもうコミックの7割はエロシーンで埋まってるような作品ですが、ちゃんとキャラが立っててお互いの心情の動きなんかもキッチリ描写してあるので、エロいだけじゃない。薄っぺらくないから読後感もすごくいい。
疲れてなにも考えたくないときに、幸せそうなイケメンカップルのイチャラブを眺めてニヤニヤして元気を取り戻す為の作品です。
櫛野獣人はサーベルタイガー、ユキヒョウ、龍、別シリーズの狼と概ね制覇しました。
どの話も共通で、攻は地位も名誉もあるクールな武人てのがお約束なのです。種族の違いこそあれ、最初は無口で不愛想だけど情には篤く、一度懐に入れたらとことん可愛がり溺愛します。
でも受は結構バリエーション豊富で、サーベルタイガーでは温室育ちの人間の王子様(おしとやかな美人)、龍では現代日本から異世界に飛ばされてきた高校生(やんちゃで元気)、狼では庶民出身の人間の男の子(大人しいけど芯は強い)と色々そろっているのですが、今回のユキヒョウに出てくるティタが最強に好みです。
まず、ティタはサーベルタイガー族の獣人なのに、獣人の姿になれません。ずっと人間の姿だけれど、年齢は獣人らしく100歳超えてます。
獣の姿になれないコンプレックスはありつつも、優しい両親や良い友達に恵まれて、ねじくれずに素直にスクスク育ちました。
魔法が苦手なサーベルタイガー族のみんなの役に立ちたいと、独り立ちしてからは薬草園を作って薬師の仕事をしています。
ある日、大好きな母親が病気になって、それを治すにはユキヒョウの国にある氷の花が必要で…ってことで、友人たちに母親の看病を任せて旅に出ます。
まー旅の途中で色々あって、今回のスパダリ、ジュストさまと巡り合い、妹のアリーシャと仲良くなり、なんやかんやでユキヒョウ族のお家騒動に巻き込まれたりしながら、二人は惹かれ合って行くのですが。
獣人姿になれないティタさん、寒いのでジュストさまに添い寝してもらう→ジュストさまのお腹の上でモフりながら、寝ぼけてジュストさまの尻尾をチュウチュウする→翌朝、尻尾がびしょ濡れになったジュストさまに、ユキヒョウ族は幼少期に親の尻尾をおしゃぶりにしながら寝るのだと笑われる。
このくだりがもう、エロ可愛すぎません!?無意識天然ちゃんのお寝ぼけ尻尾フェラってなにそれもう!!!
ジュストさまも、櫛野獣人の中では結構大人げないほうで、最初は「お前なぞ信用できるか」とツンツンしてるくせに、猫舌で熱いお茶が飲めないと態々人間姿に変化して「この姿なら飲める!」とムキになったり、自分が一番カッコイイと言わないと一緒に寝てやらん!と拗ねたり、なかなか可愛らしかったです。
ユキヒョウ族のお家騒動でも、可愛いだけじゃないティタくんは、眠り薬の煙玉で敵を制圧すると言う大働きをこなし、ユキヒョウの男性陣から「こいつ怒らせたらヤバイ」とこっそり恐れられるようになります。
なんやかんやでラストは勿論ハッピーエンドで、ティタママの病気も治り、ティタはユキヒョウの国に嫁いでゆきます。
それを見守るサーベルタイガー族長のディオルク夫妻。息子を嫁に出すみたいですごく心配していて、こちらも仲睦まじいようで何よりです。
タイトル通り、恋愛要素は全編に通じてありますが、氷の花を求めてのティタの旅や、ユキヒョウ族のお家騒動など冒険活劇としての要素もふんだんにあるので、エンダーテイメント性抜群のお話でした。
櫛野先生の獣人、大好きなのです…とにかく不器用なくせに一回ハマるととことん甘く、腕に乗せたり膝に乗せたりと絶対に嫁を放しません。
自国のお家騒動で命からがら生国を抜け出し、生き別れた兄を助ける為に獣人族の国を目指すルシュカ。
乳母日傘で大事大事に育てられたため、物価の相場や生きていく知恵など皆無だけども、なんとか獣人族の長、ディオルクのところまでたどり着きます。ゆーてもディオルクの方から協力を断るためにだいぶお迎えに来てくれていたのですが。
最初は「獣人族を人間のいざこざに巻き込むな」と突き放し、それでもかってについてく!!と譲らないルシュカを放置するディオルクですが、まあ色々あって懇ろになってからは溺愛して放しません。
ルシュカの方も、最初の性交は発情の夜に暴走したディオルクに手籠めにされてしまったので、怖がりながら混乱して泣いていたのに、思いが通じてからはすっかり身を任せて信頼しきって、それでも恥ずかしがると言う素晴らしく愛い姿になります。
なによりもう人間の姿にも一応なれるのに、ひたすらモフモフのままの舐めまわしプレイにニヤニヤが止まりませんでした。そっか…獣人の舌は奥の奥まで届くほど長いのか…ほほう…爪で傷つけたくないもんねえ、うん…。
名前だけは出てくるのに、出番は最後にチョロっとしか出てこないルシュカのお兄ちゃんもなかなかいい味だしてます。ブラコンで目に入れても痛くない!と公言していた弟が、獣人の男に娶られるなんて~!!と嘆きながらも、ディオルクとは親友なので「弟は任せたぞグスン」な感じです。
ただ、作中では触れられてないのですが、獣人てめっちゃ長生きでディオルクも若手ながら140歳。対するルシュカは人間だから今は17歳だけど、どんなに長生きしたってディオルクを置いていくことになり、相手はずっと若いままなのに自分はどんどん年老いていって…と考えると、かなり切ないですね。
今の流行りじゃないかもですが、オババが若いころは「逞しい雄×カワイ子ちゃん」が王道にして正義だったのですよ。
いや~久々に萌えの原点に返れてとても楽しかったです。
大好きな孝太郎兄ちゃんが、就職したら歩巳さんのところに行っちゃう!?
しかも兄ちゃんゲイだったの!?
そんな葛藤を抱えて、なんとか阻止しようと家事を頑張ってみたり、役に立とうと頑張る亜紀くん。
大人目線で見れば、頑張れば頑張るほど「俺がいなくてももう大丈夫だな!」につながるよな…とか、パパが死んでからこっち、高校受験や大学受験の大事な時期にも何にもしなかったくせに、今更何やっても同じだべさとツッコミを入れつつ、子供って自分を守ってくれる保護者はずっと元気で傍にいてくれるもんだって信じてるし、パパが死んでるのにそう思わせつづけてきた孝太郎すごいな!!と思ったり。
歩巳さんも「お前らの兄ちゃん取りゃしねえよ」と、弟たちが納得するまで待つ構えで大人の余裕でしたね。
すったもんだの末の「僕たち、こんなに大きくなったでしょ」って笑う三兄弟の笑顔に、不覚にもウルっときました。
さてさて、孝太郎君の就職した会社が九条さんとこの会社だそうで、これから色々と波乱の予感ですね。続きがとっても楽しみです。
蟷螂の檻から入ったので、ほの暗~い因美で耽美なお話の方かと思いきや、こちらは非常に明るく楽しくはっちゃけていて、とにかくニヤニヤしながら読みました。
無表情ながらワンコ系のロボくんと、風俗で色々開発されてるが故に男相手でも全然いけちゃった店長さんwww
「そこ弱いのよ~ぅ」と突然店長がオネエ言葉になっても「なんで女言葉?」と冷静に尋ねてしまうロボくんが素敵です。
とにかく好きになってほしくてベッドで頑張るロボくんと、体の相性の良さと健気さにハマって逃げられなくなっちゃった店長さん。
描きおろし含めて二人には末永く幸せになっていただきたい!!
同時収録の「くーさまと俺」は、ごめんちょっと好みじゃなかった。
同じく同時収録の「最後のひと」は、暗い方のでりこ先生でしたね。
ゲス男くんが美人上司を手籠めにして、おもらしプレイでいじめたりと酷い展開なのかと思いきや、中盤からひっくり返されてビックリ!!どっちも黒くてちょっと病んでる黄昏カップルでした。
元空軍パイロットで眼帯してて銀髪のイケオジ、アイザックさんが、年単位で自宅に帰ってみると、戦争で家族を失くし路頭に迷った挙句コソ泥になったレニーくんが空き巣に入って物色してる所でした、、、
まあ、そっから、町の警官につかまりかけたレニーくんを「その子は私の甥っ子だ」とバレバレの嘘をついて助け、メイドが見つかるまでの間、家政夫の仕事をしてくれと雇い、一緒に暮らしていくうちに懇ろになり…と言う、お話自体はすごくベタな展開で、特に変わった趣向もないのですが、その分安心して読めます。
正直濡れ場は物足りなかった。気持ちのいいことだけしようと言って、最後まではいたしてません。
それでもやはり、シルバーグレイのオジさまが、可愛いツンデレ坊主を可愛がる姿というものはいいものです。
サクっと軽いものが読みたい時にはいいと思いました。
今まで、プラトニックなお話やら朝チュンなお話やらが多かった毬田先生。
ご自身も後書きで描いてらっしゃいますが「エロいのも好きだけど描く機会が無かった!」そうで。
ピアスレーベルさんで思いっきりはっちゃけていらっしゃいますwww
でも、ピアスレーベルの中では結構おとなしめで「エロエロ」ではないかな。
設定が「下着デザイナー」×「女性モノ下着の着用に憧れるリーマン」なので、ほぼほぼ受がランジェリー着用でいたしておりますが、濡れ場もそんなに過激ではございません。
毬田先生らしい、両片思いからのすれ違いからのハピエンなので安心して読んでいただけます。
お話もそうですが、これは表紙のカラーイラストが素晴らしいですよね。ブルーのランジェリーに包まれたお尻ともっこりさんのコントラストが大好きです。
作者様曰く、初登場時は表題作ですらなく、続編でやっと独立した本になり、とうとう二巻まで出た、出世魚な作品。
売れっ子ホストのオレサマな翔くんと、ストーカー気質なキモカワ系ラノベ作家のさとしくんが、今回もなんかわちゃわちゃやってます。
「なんでこんなヤツに反応するんだ…」とウンザリしながらも、なんだかんだで二人暮らしを送ってる翔くん。もはや宅配の荷物を勝手に開封されたり、クローン携帯でメールやSNSを監視されるくらい「ちょwwwおまwww」で終了です。
うん、君も大概へんな人だよ翔くん。
翔くんが大好きで、作家業と主婦業とストーキング(?)をあれこれしつつ、夜になったら「もーむり!」と鳴かされまくり泣かされまくり、性欲には無縁だったハズが一人Hに挑戦するまでになり、おもちゃがお尻から抜けなくなって泣きだすハメになったさとしくん。
ギザギザの歯でメソメソしながらも、翔くんに甘く囁かれたらコロっとご機嫌が治る所なんかとっても可愛いです。
破れ鍋に綴蓋という言葉がとてもお似合いの、夫婦漫才なカップルが堪能できて、ちょっとメンタルが弱ってる時に読んだらとっても元気が出ます。
攻が徹頭徹尾オオカミさんなこのお話。夜だけ人型とか発情期だけオオカミになるとか、人と獣を行ったり来たりすることなく、最初から最後までモッフモフのまま!!素晴らしい!!
プライドが高いせいか朴念仁なのかどっかズレてんのか、態度ではちーちゃんへの愛があふれ出てるくせに、言葉では好きと言わないので、ちーに逃げられちゃうオオカミさん。
しかし、逃げた先を会社ごと買収してまで取り返しにくるオオカミさん。そんなめんどくさい力業使うならさっさと好きって言ったげればいいのに…と突っ込まずにはいられません。
そして、もうこのテのお話にはお約束の「どんだけアピールされてもピンとこないとことン鈍い受」なちーちゃん。自分がΩで発情したからそれを収めるために相手してくれてるんだと思い込み、恋人としてお付き合いしましょうと言われてOKするくせに、思くそ甘やかされてラブラブしてるくせに、愛されてる自覚がもひとつ持てずに逃げ出します。
よくある話っちゃそうなのですが、それでもやっぱり、筆力のある人が描くととっても素敵なお話になっています。
なんせ、ちーが可愛い。そして、オオカミさんがすごくカッコいい。んで、エロいww
個人的にはもう獣面のペロペロプレイ大好きなので、これだけでもう神評価なくらいです。
そーいやこの作品、運命の番の話なのに、首を噛んで番契約するって設定は無いんですよね。オメガバースにしては珍しい。
来年の夏には続編のコミカライズが決まってるらしいので、とても楽しみです。