面白かったです。
あれもこれもいろいろ言いたいことがあるんですが、
とにかく出てくる言葉は、面白かった!につきます。
ノンケの湯上がどうやって朝比奈に惹かれていくのか…が個人的に
読みごたえの一つだと思います。受け視点で話は進んでいくんですが
読者には湯上が嫉妬しているなーと解ります。
そこでは思わずよっしゃと拳を握るほどきゅんきゅんしました。
それに登場する人がみんな素敵でヤな奴なんていないんですよ。
悪役がいないとストーリーが薄くなるんじゃと感じる方も
いらっしゃると思いますが、心配は無用です。主人公、朝比奈の背負った過去が、湯上たちの厚い友情(と湯上の愛情)に救われていく展開は本当にこっちまで切なくなります。
最後までとても面白くて、頭の中でドラマみたいにストーリーが展開していました。いい意味でみんなの未来が気になります。
続編でませんかね…ボソボソ
蛇足ですが攻めはTHE☆ロクデナシが好きだったんですよ。
しかし!この作品で初めてイイ男に惚れました。
湯上さん本当イイ男、あとリサちゃん漢前すぎっす笑
とにかく、泣けます
神学校に事情があって転入した主人公、ジョナサンが少々破天荒なところもあるナサニエルと出会い、ぶつかって、お互い惹かれあうけれど…というストーリーです。
トントン拍子に二人を上手くいかせてくれないのが、
さすが藤たまきさんでした。
二人はある事件を通して、自分たちの関係を深く
問いかけることになるのですが、ここでジョナサンがじれったい。
本当にかわいそうで、そりゃあ言えないよね、うんうん
と思うんですけど、二人がお互いをちゃんと思い合ってるのを
知ってるから切なくて涙が止まりませんでした。
そして、過去と向き合ったジョナサンのこころがどんどん澄んで
いくあたりからはもうラストまでページをめくる手が止まらなかったです。
読み終わってからしばらくは呆然としました。
本当にラストが!
全編を通してナサニエルとジョナサンの持つ静謐な雰囲気が
モノローグや二人のやり取りの中に散らばっていました。
他にも季節折々が描かれているのですが、
なかでも冬のシーンは読み手まで寒くなってしまうような
描写で本当に美しい画を描かれる方だなあ…とうっとり
します。