Dom/Subユニバースとオメガバースが増えている中で、設定がごちゃごちゃになるものが有りますが、この作品もその1つの様に思いました。
Domである攻めの柴さんは、Domであるが故に完璧イケメン。
Subは、差別されていて、Subだと分かると干されるという設定をされております。
まず、この設定を見た時に、一言、何故?と思いました。Subが差別される理由ってなんだ?Domだから完璧イケメンってなんだ?
別にオメガバースでは無いので、発情期があって仕事に行けなくなる訳でもない。法律で平等にされなきゃいけないって?と引っかかりが取れませんでした。
また、Dom/Subユニバースでなくてはいけない理由は余り感じられませんでした。
サブスペースに入ったやコマンドを使うシーンが有りますが多くはなく普通の有名俳優×若手俳優でやってもいいんじゃないかなって思ってしまうような内容でした。
帯に「ろくでなしどもの愛」と有りますが、嘘偽りなく、本当にろくでなしどもの愛の形が沢山有りました。
宝とハルが、ろくでなしのクズなのは、タイトルから理解出来るんですが、出てくる登場人物が総じてだと、潔さが極まり、寧ろ2人はそんな事ないのでは?とさえ思えてしまいします。
そして、付き合った後も、「セフレ」という関係から「恋人」という関係に変わり2人の間で感情をオープンにする以外は何も変わらずセフレが居たり売りしてたりで変わらずじまい。ただ、そこが、人間は簡単には変われないねと言っている様で、好き嫌いあるとは思いますが私は好きです。
というより、宝が、ハルの父やコンビニ店員の女の子に嫉妬全開で、先生にはなんにも反応がないのが、初恋の人と女性には敵わないかもしれない。売りの客相手であればハルは絶対に戻ってくると思っているのではないかと思えるような描写で、凄くツボでした。
表題に指されているメインの2人は、凄く切なく、臆病になりながら互いを大切にして過去によって踏み出せないというのがあり凄くキュンキュンする尊いものでした。
ただ、受けのバイト先の子とその子を好きな院生が、ただただ見ていて、はぁ〜〜〜????と思ってしまうような内容でした。
空気をぶち壊す、嫉妬させる為に共闘し付き合ってるフリをしよう等と散々メインの2人を振り回して、それが理由でメインの2人の関係が壊れ攻めが受けを監禁したら、「助けにきた!あの人から逃げるの手伝うよ!」と仲良く手を差し伸べてくる。
いやいやいや、そうじゃないでしょ、君たちが彼らの関係を引っ掻き回したが為にこんな事になってるんだよ?としか思えない作品でした。
儚さと、SMの中に共依存があり、絵柄がそれを引き立ていたのに、そこが気になって読み終わった後に、何か凄く突っかかりがあります。
他の方も書いてますが、非常に、オーソドックスなAV男優✖️素人ノンケサラリーマンです。
話は、借金を背負い、親友にAVの仕事の雑用の仕事を紹介されて、そこでも失敗をしAV男優になれと言われ、出演していた男優に手ほどきを受けるうちにというものでした。
中盤と終盤に関しては、なんとなく、普通に読めましたが、借金を背負うまでの理由が腑に落ちず、ずっとモヤモヤしました。
フィクションであると言ってしまえばそれまでなのですが、主人公は不幸体質で、日頃から運が悪く今回も後輩のミスを被り、会社に損失を出します。
会社に100万の損失を出したことにより、その損失を実費で支払うか、会社を辞めるかの選択を与えられて、100万の借金ことになります。
100万の損失なんて、会社勤めをしていたら、恐らく人生で大きなミスで出して位しまう人は10人に1人くらい居ると思います。それを個人に背負わせることはないです。
その後のAVメーカーに200万の借金を背負わされているのは、恐らく体型などを気に入られてAV男優としてデビューさせようとするためにワザとなのかなと思いましたが、そこがすごく気になりました。
また不幸体質の部分は、そこでしか話が出ませんでした。
フィクションだから、起承転結の起がないとストーリーは始まらないのは分かりますが、せっかく絵も綺麗だし、中盤からはストーリーも良いのに、序盤が余りにも無理やりで浮いてしまっている気がしました。