藻とカレーさんのマイページ

神作品

女性藻とカレーさん

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ラスト3回声が出た

織田の表情が柔らかく笑顔が見られるようになり。殺害容器の真相がわかり、ふむふむやはりそうかと。
しばらくして水谷がセリフではなく素で話していて。
気づいたらBLということを忘れて、この先どうなるの〜と夢中で読んでいました。

ラストの場面で思わず、え〜?!と声が出て
……てことにしたんよな、と思いながら読んだのですが。

その後の美羽の衝撃の事実にまた、えーっ?!と声が出てしまいました。

ラスト、水谷が織田の首を絞めないだろう…と思って飲み込まずにいたので、何度か読み返しました。
その前の2人のセリフがあたかも殺人の再現のようでよく出来ているなと感心。
水谷の言葉と号泣していることからやはり執行したのだろうなと解釈せざるを得ない…なと。
その瞬間、及川が上に詰め寄るも
「わかるよ わかっているんだよ」「及川くん 我々は 無力だ」のセリフが効いているし。
モニターを見る同僚たちの声と表情、船越が必死に言葉を打つさまが緊迫感を増すのが上手いっと感じました。
その後の3ページもめちゃくちゃいい。
このラスト10ページほどが本当にすばらしい。
ここへくるまでのここまで、その後もいいです。

政治、法律、死刑制度、エンタメ消費、脚本家、執行人、愛する人の罪…いろんな立場、視点から描かれているすごい作品でした。

個人的には及川の「上へ行く」「ぶっ潰してやる」がめちゃくちゃかっこよかった。及川の顔も好き。
及川が日本を変える物語を見てみたくなりました。

救われた愛おしい者同士

下巻のレビューで書きましたが、進藤が聡夫に敬語なのは、親しくなりすぎないよう、一線を越えるような雰囲気にならないためかなと思いました。
聡夫の中身はまだ子どもみたいなもので、進藤は聡夫に対して「正しくあろうとした」。人として、大人として。
聡夫が元セクサロイドで進藤を好きと言っても、聡夫が人間として自分で性的行為をすると判断できるまで進藤は手を出さないと決めているのではないかと思ったんです。
作品としても、見た目が少年のままの聡夫と進藤のエロを描かないのが正解だと思いました(偉そうにすみません)
それよりも人としてお互いに救われた、一緒にいたい、幸せにしたい、うれしい、ありがとう、ちうしたい…そういう2人が愛おしい物語ですもんね。

聡夫はかわいらしく素直で健気で家事を丁寧に一生懸命やって、何より進藤のことが大好き。なんて理想的な子なの?!と。
たまには拗ねたり怒ったりケンカしないのかなと思ったりしたんですが、先生が描かれたいのはそこじゃないですもんね。

進藤に甘える聡夫がまあかわいい。
くっついてすりすりしたり、ちうをねだったり、ちうが止まらなくなったり。
これが続いたらヤバいと聡夫を引っぺがす進藤の気持ちわかります。

ちゅーの2人がめっちゃ萌えです。聡夫がかわいい上に進藤が色っぽいのがいい!!

聡夫が核心に迫るような、進藤が返答に困るようなことを言ってきた時、進藤が話をそらすのがうますぎると笑ってしまいました。お風呂多用なのもおもしろい。
聡夫の好奇心をくすぐるように持っていく進藤、聡夫のことをよくわかっている。

進藤と一緒にいられて幸せ、うれしいと言う聡夫がこれまたかわいい(表紙より、こういう聡夫の方がかわいい)
さすがの進藤もこれには反応して自分から聡夫を抱きしめたりキスをするのがめちゃくちゃよかった。

進藤が聡夫に言われるだけでなく、自分の気持ち言葉にしていくのがよくて。
聡夫に救われた、愛情をもらっていることがありがたくうれしいてことですもんね。

絵日記を見た2人がお互い大好きで大切でと言い合うシーンもめちゃくちゃよかった。
いつもより深めなキスで。
進藤が聡夫のお尻を抱いていた左手を腰に移動させたのが進藤の気持ちの表れかなと思ったり。
でもやさしく抱きしめてあげる両手に愛がある。

そこから後のキスが更に熱々恋人のそれで萌えでした。

ふみこんだかんけいになりたくて…たかのいさんと呼びたいと照れる聡夫がまたまたかわいい。
進藤が「かわいいなと思って……」と笑い泣きしたゃうのが感動でした。うれしさや愛おしさが伝わってきて。
ラストの
「これからもよろしくおねがいします…」
「こちらこそ これからもよろしくお願いします」
はプロポーズ成立ですね。

聡夫の体が成長しないままずっと生きられるのか…など気になることはありますが、ファンタジーBLとしてすばらしいのできっと大丈夫と思うことにします。

一緒にいたいということ

よかった。
進藤は覚悟して聡夫を引き取ったと思っていたので、その決意のほどを見せてもらい感動しました。

聡夫と遊ぶ女の子の母親が聡夫と進藤を不審に思う。
進藤はそういうことを想定していたものの目の当たりにすると癪にさわると言うところが珍しく感情が出ていいなと。
それで引越しをし、荷解きの中で聡夫が自分の過去の写真を見る。という流れが自然でよかったです。

聡夫が妹に会いに行った一瞬に、兄は死んだと聞いた偶然すぎるタイミングはご愛嬌w

車内で涙がこぼれる聡夫を思わず抱きしめる進藤のシーンでうるっときました。

聡夫が過去のことを知りたいと思うこと、妹に会いたいと思うこと、全て進藤は聡夫を尊重してきた。
でも聡夫を失いたくないとも思うようになっていた。
「幸せにしたい」
「一緒にいたい」
「それは同じ」
「それは あいしてる て ことですか」
のとこと、この後のシーンもめちゃくちゃよかった。
聡夫が離れることも覚悟していた進藤の本音が聞けたし、何より聡夫がうれしそうでかわいいし。感動しました。

聡夫の体は成長しなくて、このまま支障なく生きられるの?と心配したりもしちゃいますが、そこはまああれですね。ふんわりきっとうまくいくはず…と思えるお話でした。

設定の細かい疑問がわいても、そんなの気にならないくらい感動する話や萌えがあれば、それはそれでいいかなと思えます。作品の力ですもんね。

人として接すること

下巻めちゃくちゃよかったです。
上巻の胸クソ設定はこれを描くためなんだなと感じました。

意外にも進藤が聡夫をスムーズに引き取ることができてよかった。
叔父が聡夫はもう用済みなのでと承諾したのは納得できる理由です。
ただ、聡夫のことが世間にバレたらまずくないのかなとは思いましたが。
他、設定的にいろんな疑問がありますが、その辺りが気にならないくらいの萌えがありました。
(あの研究所はそのうち非人道的な行いが世間に知られ社会的制裁を受けるに違いないと勝手に想像しました)

進藤が「としおさん」とさん付けで呼び、敬語なのは、聡夫を1人の人間として尊重したいからだろうと感じました。
聡夫への同情や責任だけでなく愛情があるから引き取った。
でも聡夫はまだ幼い子どもくらいの知能なので、自立するくらいにはしてあげないといけない。
だから手を出さない。
それが進藤の「思うところ」「オレの問題」なのかなと思いました。
常に冷静な進藤だけど聡夫を引き取るには相当な覚悟をしたんだと思います。保護者ですもんね。
愛情より先に良識と責任感があるところがとてもいい。
あの研究所の闇になじまなかっただけのことはある。
あんな叔父のコネ入社で働き続けていたのは何か理由がありそうです。
聡夫が育っていくように進藤も情緒が戻ってきているようなところもよかった。

聡夫が雪かきの手伝いをほめられるより、進藤がうれしいと言ったことを喜ぶのが情操が育っているなと思いました。

進藤がさらっと「好きですよ」と言うのがいいし
それに驚く聡夫の「…くっついても い…?」と
くっつき方とあくまでも冷静な進藤がめっちゃ萌えでした。

ちうをぜんぶにねだる聡夫にでこちゅうをする進藤ときゅんとして「うれし しんどお」「すき あいがと」と言う聡夫がめちゃくちゃかわいい。
進藤の横顔がきれいだし、聡夫の瞳がピュアでかわいい。

聡夫が進藤の膝の上に乗ってちうをねだるのもめちゃくちゃかわいいし、ここまでされたらと拒まない進藤も萌え。
そして唇にキスをされ
「ほんとにしてくれると おもわなか、た」と進藤に抱きつく聡夫がかわゆすぎる。
進藤もしっかり聡夫の腰を抱いてあげるし。
レンコン料理をつくろうとしてくれる聡夫の気持ちと成長がうれしかったんですよね。

聡夫の部屋をつくり、聡夫がベッドの上から進藤をバックハグして
「ちうしたい」と進藤のほっぺを愛おしそうに抱き←ここめっちゃ好き
進藤の右手が聡夫の左手をとりちゅー
この流れめちゃくちゃ萌えです。
この頃には自然にちゅーしていたんだろうなと思われ。

もう一連の2人の好きが激萌えで、進藤が多くを語らずとも聡夫を愛おしく大切に思っているのがわかるし、聡夫は進藤が大好きでたまらなくて素直に表現するのがめっちゃ好みで、こういう場面を見たくてBL読んでるんです〜〜も叫びそうになりました。

「しんどおと い、しおだとうれしい」「すごくしあわせ」←しあわせという概念を覚えた
進藤にもそう思ってもらえるのが目標と言う聡夫に
「そんなん目標にしなくても…」「頑張らなくてもいいってば」は進藤も既に聡夫と一緒にいてしあわせだということですよね。とまた萌え〜でした。

聡夫のたどたどしい言葉遣いが、かわいいけど、胸クソな奴らの被害者である証なわけで複雑な気持ちになります。
でも2人はそれを乗り越えて一緒にしあわせに生きるんだというお話であると感じ、そこがとてもよかったです。

上巻のレビューでも書きましたが
進藤の叔父、研究所の人間、進藤の同僚が、聡夫を人間じゃないとモノ扱いするのは闇で胸クソです。
ただ、現実世界でも人間を人間扱いしない、モノとして見てしまうことって結構あるよなと改めて思いました。
本作は特殊な例だからより酷く感じますが、一般的にも人権を無視したり踏み躙ることはあるので、進藤の誠実な姿勢や聡夫の純粋さが刺さりました。

1つ気になったのは、進藤が立ち読みしていたのが「月刊お遍路さん」だったので、やっぱり過去に何か辛いことがあったのかなと勘繰ってしまいました。

エロかわと残酷さと純粋さと

久間先生作品初読みです。
聡夫のデザインが絶妙ですね。
かわいらしく、顔の線、後頭部の器具?、左腕、ケモ耳などが不気味で、エロさもある。
サイボーグで脳内をいじられたので、知能が低くなっているが学習能力はある。
感情、性欲、性感もある。
進藤の叔父とジジイの罪、研究所の闇がつくった存在としての聡夫がグロい。かわいらしくて無垢だけにグロさが際立つ。

そんな悪趣味な欲の対象としてつくられた聡夫だけど、進藤の倫理観がちゃんとしているので見ていられる。
背景に魚が飛んだり、夢に動物が出てきたりメルヘンチックなのが、悪趣味な世界の中の2人の無垢さを表しているのか、ミスマッチさが不気味さを増すのか…複雑な気持ちになります。
きっと2人の純粋さの表現ですよね。こんな境遇でも救いがあるように思える。

悪趣味な世界の中での、聡夫、進藤のキャラデザイン、2人のやりとりが、人間とは?尊厳とは?と考えさせられる作りになっているのがいいですね。
聡夫は人間じゃないとされていても感情があるのでそうは思えない。進藤に共感して読めるようになっている。
感情があるのに人間じゃないとモノ扱いするなんてこの研究所は非人道的極まりないですが、拡大解釈すれば現実世界でも人間を人間扱いしないことはざらにあるなと思ってしまいました。

進藤の違和感がこの先どうなるのか。
聡夫から手を引けと言われてどうするのか。
下巻が楽しみです。

時代設定がいつ頃なのか気になりました。
サイボーグ化する技術はあるのにペーパーレスではないんだな〜とか。そんなに未来ではない世界観なのでしょうか。

追記:下巻を途中まで読んで萌2から神へ変更しにきました。
進藤の叔父は極悪非道でマッドな殺人者と言えるほどで、聡夫は何の罪もない被害者で、その背景は闇でしかないんだけど。闇を描きたい作品ではないと思ったんです(たとえ先生の性癖だとしても)闇がメインの作品は苦手です。
そんな世界の中で進藤の(愛情より先にくる)良識、責任感があって、聡夫をあくまでも1人の人間として尊重する、情操を育てる手助けをする、そこから純粋な愛情を交わしていく←ここを描きたいための胸クソ設定だと私は感じました。
その下巻がとてもよかったので、そちらをメインに評価させて頂きました。