Ωをβに変える能力を持つΔである壮一郎はΩと肉体関係を結ぶ度に次第にΩに近づいていってしまいます。自分だけが苦しむΩを救えると、自分を犠牲にしていく壮一郎の苦悩が胸に迫ります。
また、自分を犠牲にしてまで見ず知らずのΩの幸せのために身を削る壮一郎の優しさにも胸が熱くなります。
相手のために生きようとする壮一郎を一途に想う新もまた、バースを変えてでも壮一郎のそばにいようとします。
両思いでありながら、共に生きることはできないと新を拒絶する壮一郎の心を知るにつけ、胸が締め付けられるように痛くなりました。
そんな壮一郎や新を自分の利益のために利用しようとする新の義父や峰岸市議、マサが2人を翻弄します。
そして、その過程で新も壮一郎も葛藤し、懊悩しながら、頑なだった壮一郎の心も少しずつ解けていきます。
その過程も感動的なので、是非堪能してほしいです。
2人の物語はやまびこ園で始まり、やまびこ園で帰着する、というとても素敵な構成になっていて、心憎い展開にやられた!!と思ってしまいました。
エッチなシーンだけでなく、主役2人の心情を追って読むとより深く作品を楽しむことができます。
とても素敵な物語に出会えました。