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女性kaya。さん

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気付いてないのは二人だけ

気付いていないのは本人たちだけ。
そんな誰から見てもダダ漏れすぎる両想いに悶えっぱなし!

バーを経営する伊吹は身体中タトゥーだらけ。
それはタトゥーアーティストで片想い相手の
由良のモデルや練習台を務めているから。

由良が仕事以外でタトゥーを掘るのは自分にだけ、と
想いは伝えられなくても由良の“特別”であると感じていた伊吹ですが、
ある日、由良の弟子兼恋人志望の彰が現れて…。

首から腕、背中…とチラ見えする肌一面にタトゥーがびっしりで
パッと見の印象はいかつい伊吹ですが、
その実態は伝えられない恋心を秘め続ける健気受けでした。

対する由良もまた伊吹への片想いを拗らせていて…
とは言え、由良の方は伊吹への甘ったるい台詞からも
由良の伊吹への好意やら執着がダダ漏れなのですが、
それでも気付いてもらえず。

由良に彫って貰ったタトゥーを由良からもらった宝物と愛おしげにする伊吹。
一方で由良の気持ちを知ってしまえば、伊吹の身体中に刻まれたタトゥーも
由良の伊吹への執着の証にしか見えません。
自分の手で相手の身体に刻み込むってなかなかの愛の重みですよね。

ただ一言「好き」と言ってしまえば、間違いなく両想いであろうに
その一言が言えずに長々と“一番の幼馴染み”という特別ではあるのに
恋人ではない関係に留まってしまっている二人にじれもださせられました。

ただ、当て馬の彰からどれほどぐいぐい迫られても
眼中にないと言っていい程に揺らぐことのなかった由良には好感でした。
そんな由良の心中がわからない伊吹は由良を奪われたくない!と
ヤキモキしていたけれど、由良の鉄壁ぶりを見せてあげたかった…!

想いが通じ合った後はこれまで抑えてきた分を爆発させるくらいに
あまあまオーラを巻き散らかす二人にご褒美気分を堪能させていただきました♪

ジレジレ死寸前

なにこれ…切なさと甘さが交互にやってきて
落ちたり、悶絶したり…情緒がジェットコースター!!

高校時代からの友人・立山に密かに想いを寄せている
美容師アシスタントの島崎。

クールで人付き合いを好まない島崎と人気者の立山、
正反対のタイプの二人ですが、“甘いもの好き”という共通点を通じて
高校を卒業した今も友人関係は続いていました。

友人にしては甘やかで距離の近い立山にドキドキさせられ、
諦めようと思っても恋心を捨てきれない島崎でしたが、
立山とルームシェアすることになり…。

パッと見はクールですが、その内側はどこまでも一途で繊細で、
些細なことで心が揺れてしまう島崎が乙女で可愛かったです。
無自覚に甘やかしてくる立山にときめきながらも、
自己肯定感の低さから彼が自分に恋愛感情をもっているなんて
微塵も思わず、甘やかされる度に自分で自分を否定して傷ついている
島崎が切なかったです。

そんな島崎の葛藤も知らずに、無自覚にベッタベタに甘やかしてきて
思わせぶりな発言を繰り返す立山が罪深すぎました…。
てっきり立山の方も島崎への恋心は自覚済みかと思いきや、
まさかの全て無自覚での犯行だったとは…こんなのもう有罪確定です。

初恋の成就

子供の頃から幼なじみの翼に密かに片想い
している大学生の陽仁ですが、ある日、
バイト先の後輩から告白されたことを
翼に告げると突然キスされてしまい…。

この二人、距離バグ幼馴染なのですが、
見かけに反して気持ちは見事にすれ違いっぱなし
なのです。
周囲から見れば両想いがバレバレな分、
焦らされまくりでもどかしさも炸裂しておりました。

ただ、元々両想いなだけあって
いざ気持ちが伝わってしまえばそこまでこじれることもなく、
中盤からはひたすらあまあま尽くしで癒されっぱなしでした。

No Title

上巻から引き続き。

てっきり上下巻まるまる2冊をかけて
少しずつ焦らされながら両想いになってゆくのかと思っていたら、
下巻は序盤のみ二人の恋が成就するまで&初えちが描かれており、
残りは二人が恋人同士になった後のイチャ甘後日談でした♡

恋人編といっても過言ではないくらいの糖分過多っぷりで
最後の最後まであまあまでした。

最初こそ涼からの告白に戸惑っていた幹太でしたが、
この下巻ではもはやそんなことも感じさせないくらいに涼に夢中で、
抱かれるときには普段のイケメンっぷりはどこへやらな
ぐずとろ受けと化していてとてもエチでした///

年齢差もある二人なので大学生や社会人へと進路が進んでゆく中で
すれ違いなどもあったりするのかなぁと心配だったりもしましたが、
そこまで大きな障害もなく、最初から最後まであまあまなカプでした。
糖分をたくさん摂取したい!という方にぜひおすすめな二人です♡

No Title

本作スピンオフ作品とのことでしたが、
前作を読まずとも全く問題はありませんでした。

主人公は前作では当て馬ポジションだった大学生の幹太。
幼馴染みの最上にずっと密かに想いを寄せてきたのに
彼は自分ではなく他の男を選んでしまった。

そんな哀しみから立ち上がれずにいた幹太でしたが、
ある日、失恋相手の恋人の弟・涼から突然告白されて…。

年齢差も体格差もお構いなしにぐいぐい幹太に
迫ってくる涼のワンコっぷりに絆され不可避でした。

はじめはまともに取り合っていなかった幹太も
いつの間にか絆されていて
最後はまさかの涼から組み敷かれてしまうという
ポジション逆転まで見られてギャップ満載でした!

かっこいいお兄さんだった幹太が
涼を前にすると恥じらったり、エッチな表情になってしまい、
本人無自覚なうちに立派な受けに育てられてゆく過程に
ギュンとしてしまいました///

上巻ラストでは遂に涼と初Hに挑む…というところで終えており、
下巻へ続きます!

外見に反して純愛

まさにタイトルまんまの幸せそうな夫夫が描かれていました。

BL作品において人外ものなんてもうそう珍しいものでもない。

だけど、人外の相手役がまったくの“非人型”というのは
あまりないのではないだろうか。

本作の攻め・デネブについても見た目は毛がふさふさで
足元にはわらわら触手が生えていて、まさに魔人。
人型に変身することもない。
極めつけは性器の太さも長さもが人間相手のサイズ感ではないのだ。
どうあがいても受けとの性行為は無理!
なのだけど、最終的には二人の努力が実って身体も繋げる
特大純愛ラブでした♡

見た目はザ・人外でちょっと怖そうなデネブですが、
アルカドを大切にしてくれる紳士な一面や
寝室では溺愛が暴走しちゃうギャップがありました。
人型以外のBLもあり!という新たな扉を開いてしまったようでした。

そして、物語は繋がった

上巻から引き続き。

自分の恋愛対象が同性であることを自覚しながらも
彼女のために必死に耐え続ける寛太が息苦しい…。

にもかかわらず、いざ寛太に誘いを拒まれてしまうとあっさりと
寛太の友人に乗り換えた彼女と寛太よりも彼女をとってしまう友人たち、
周囲の薄情さに反吐が出た。

さらに清と一緒にいるところを見られた寛太は学内でゲイであると噂され、
父親からは“男らしく”あることを望まれ、寛太の置かれた境遇が
しんどすぎて胸が押しつぶされそうになりました。

そんな寛太にとって地元の誰よりも付き合いは短いのに寛太の気持ちを理解し、
同性愛者であることを打ち明けても持ち前の明るさと適当さで肯定してくれた
清の存在は唯一の救いでした。
だからこそ、家でも学校でもどんどん居場所がなくなってゆく寛太が
清に惹かれることは必然だったのだと思います。

後半では学校と家での重圧に耐えきれず、家を飛び出した寛太でしたが、
そんな寛太を庇って連れ出してくれた清が思わず男前でした。
今まで泥酔しては吐き散らかすばかりのダメな大人だったくせに、
このギャップはずるい…。

まだこの時点では恋人でもないし、(清側は)恋心も芽生えていないし、
だけど、寛太を連れ出してくれる清との初ドライブは愛の逃避行みたいで
ぐっときちゃいました。

そして、ラストで明かされた清の秘密。
冒頭を振り返って、ああ、そうだったんだ…と。
全てを知った上で寛太が清に懐いていたのだったら、
清が寛太を救ってくれたように、寛太もまた清を救っていたんだな、と。
「お前は全然間違ってないよ」と言ってありがとうと微笑む清に
なんだか涙腺がぶるぶるしてしまいそうでした。

「俺が清を幸せにしてやんないと」と恋に意気込む寛太に対して、
清が寛太に対しての恋心が芽生えるのはまだもう少し先のお話かな?

本編完結後は時系列的には後日談だけど、
本来のオリジナルともいえる
『ロング・ディスタンス・ロマンス』が収録されています。

元々はこの単話に一読み惚れして読み始めた過去編でしたが、
今回単行本に収録されたことで過去と未来の物語を
一つのストーリーとして読むことができてよかったです。

いつか『ロング・ディスタンス・ロマンス』後の二人のお話も読んでみたいなぁ。

出会い編

『ロング・ディスタンス・ロマンス』が好きで、
その前日譚にあたると聞いて迷わず手に取りました。

時間軸は上記の作品で登場する二人が出会った過去へと遡ります。
それぞれ寛太は中学生で、清は大学生。

港町で暮らす中学生・寛太はある日、海に落ちた大学生の清を助けます。
これが二人の出会いでした。

当時寛太には同級生の彼女がいましたが、
異性の恋人よりも同棲の先輩に惹かれている自分を自覚しつつありました。

そして、同性に対して抱いてしまうドキドキや欲望が“普通”とは違う
ということも既に知っていた寛太。

周囲の“普通”に馴染めず、息苦しさを感じていた寛太が
唯一素直になることができたのがよそ者の清でした。

清もまた恋愛対象は同性であり、
生きづらい“普通”の世界からはじき出された青年でした。

ずっと憧れてきた相手に失恋し、友人も居場所も失い、
港町にやってきた清。
そんな“自分と同じ”清の前でだけは本当の自分でいられる寛太。

今のところはまだ二人の間には恋愛感情ではなく、
年の離れた友情のようなものが芽生えつつあるに留まります。

なんだか寛太の彼女の周辺の空気が不穏で嫌な感じ。
一見大人しく見え、寛太に言わせると“優しい”彼女ではありますが、
周囲の目を気にして寛太との関係を強引に進めようとしていたり、
控えめな中に傲慢さが見えたり、本当に寛太自身のこと見えてる?
と疑問に思えてくる発言がちらほら。
こういうタイプがある意味、一番質が悪かったりするんだよなぁ…。

あと、間が空いたからなのか短編時に比べると少々画風が変わられていました。
ただ、中学生と大学生というまだ初々しい時期の二人を描いたお話と思えば、
可愛らしくなった現在の絵も逆にしっくりくるような気がしないでもないかも。

本当にヤバいのは…

エリート会社員の園山はある日偶然、元同級生・瀬田と再会を果たします。
家も職もないという瀬田を家政夫として雇い、同居を開始します。

最初のうちこそ甲斐甲斐しく家事に励んでいた瀬田でしたが、
次第に本来のクズさが露呈し始めます。

家事もせずにパチンコでお金を浪費するばかりの瀬田に注意する園山ですが、
ギャグ切れされた上に園山の性癖を知られてしまい…。

実は昔から同級生以上の感情を抱いていた園山。
「やっぱりオレのこと好きなんだ」と瀬田にも知られ、
翻弄されてしまうことに。

はじめのうちはどこか闇を抱えていそうな瀬田の内面に
ドキっとさせられていたけれど、
二人の過去や真実が少しずつ明かされてゆくと
瀬田なんかよりも園山の方が遥かにヤバいことが判明してきます。

大人とは思えないほどにまっすぐで、一途。
一途と言えば聞こえはいいけれど、
その想いを貫くためならば一片の揺らぎもないからこそ、ヤバいのだ。

著者の既刊の『夜明けのリトルマーメイド』に登場する攻めも
他人の感情を理解できない変わった人物像が描かれていましたが、
それとはまたちょっと違うヤバさ。
他人の気持ちに疎いという点では共通しているのだけれど、
そのヤバさを本人がヤバいと認識していないがために隠すこともなく
本来ならば他人に打ち明けてはいけないようなことも普通に打ち明けるし、
それを平気で相談しようとしてしまったりしているのだ。
相談された方は当然狼狽えるのだけれどそれすら気付いておらず、
きっと自分の周りにいたらちょっと怖いだろうな…。

だけど、そんな恐ろしき愛を厄介がりながらも
最終的には「どうしようもないね」と受け容れてしまう瀬田が猛者すぎました。
いや、受け容れたのか?あるいは受け流したのか?
果たしてそれは愛なのか、憐み?好奇心?
一度読んだだけではなんとも理解し難い結末でした。

恋に 堕ちてゆく

旧版の方が紙本でずっと欲しくて、だけど全然重版されなくて、
もはや紙本では手に入らないと半ばあきらめていただけに
今回の新装版刊行はめちゃくちゃ嬉しかったです…!

そして、旧版では未収録だった初期短編も併せて収録とのことで
ものすごい厚みでした。嬉しい。

本編は幼馴染の由一と千紘の物語。
高校生の由一はある日、千紘から告白されて…。

その部分だけあらすじを読むと、
子供の頃から幼馴染みに片想いしてきた二人のアオハルBLを
思い浮かべそうなものですが、どうやらそうでもないらしい。

千紘は精神を病んだ義母から日常的に暴力を受けている。
いつも生傷だらけでそれでも何てことないように笑う千紘を
由一はただ傍で見守っていることしかできないでいます。

そんな千紘からの突然の告白に驚く由一ですが、
不思議と嫌悪感はなく、千紘を意識するようになります。

母親から傷つけられたときと同じようにへらへらと
笑いながら気持ちを告げてきた千紘。

だけど、その根底には誰かの特別になりたいという
千紘の切実な想いがありました。
父親からは放置され、義母からは罵倒され、
誰からも愛されない日々に孤独を募らせてゆき…

そんな千紘にとっての救いは由一の存在でした。
優しい由一なら想いを告げても、どんな自分でも受け容れてくれるはず。
そうすれば、誰かの特別になることができる。
由一の愛を試すような、そんなどこか打算的で、縋る想いからの告白でした。
タイトルの「愛の実験」とはまさしくこれでは?

そして、実験の結果は…
戸惑いながらも千紘の想いを受け止めてくれた由一。

とはいえ、はじめは“恋”ではなかったのかもしれません。
恋情よりも先に無自覚な欲望先行のキスから始まり、
探り合うようなぎきこちないセックスで繋がり、
触れ合う度に愛情や執着が深まってゆく二人。
どちらが、ではなく、互いに溺れあってゆく、共依存愛。

一応他のモブ友人たちも登場はしているものの、
二人ともお互いがお互いのことしか見えていない
二人きりの世界なのです。

可愛らしい絵に似合わず、ほの暗い空気が漂う
ストーリーの結末が気になってページをめくる手が止まりませんでした。
最後の最後までのめり込むように読み入りました。