今までの綾ちはる作品の中で一番好きです。
最後まで読んで「なるほど」と思わせる納得の一冊でした。
翠(みどり)は幼い頃DVを受け、それがきっかけでもう一人の人格(スイ)が生まれます。
スイは翠を守るために生まれたので、スイは翠の時を含めた全ての出来事を記憶しているけれど、翠はスイであった時の行動を知りません。その為、スイは翠に驚かせないために手紙風の日記を幼い頃から書いています。
ひとつの体で全く別人のスイと翠ですが、一年ほど前から翠の人格が現れないというところから物語は始まります。
DVを受けていた家から養護施設を経て新しい家庭に引き取られたスイと翠が出会ったのが、隣に住む真優(まひろ)です。真優は翠が好きで、ずっと翠が戻ってくるのを待っています。
ネタバレを最小限にとどめてレビューをするのは非常に難しい作品ですが、
説得力があり泣けました。とても丁寧に話が綴られているなと感じました。300ページ近い厚めの文庫本ですが、全くダレるところもなく最後まで一気に読んでしまいました。
そして最後のページでやられてしまいました。
切ないです。
おススメです。
『愛に目覚めてこうなった』が良かったので過去作品も読もうと思い立って読んだのがレビューも良いこの作品です。
『愛に目覚めてこうなった』の方が文章的にはより洗練された印象を受けましたが、この作品も良かったです。名倉さんの作品はコメディタッチの作品が多いのでしょうか?今回も笑わせていただきました。
面白いのはやはり受の吉国ですね。真面目で部下に気軽に話しかけたりも出来ない不器用さんですが、白柳の前で酒を飲むと一変淫乱な可愛い受になってしまうという、舌たらずなところとか、ここまで変わる人はいないだろって感じですが、ギャップが良かったです。二人が会うシーンもマヌケですし、名倉さんっぽい感じは健在でした。
さらーっとあっという間に終わってしまった感じです。
ところで白柳の家事能力の高さと奉仕好きの心はいいですね。
是非ウチに来てもらいたいと思いましたw
世の中にひとりしかいない誰からも愛されない鵺と家族と離れ離れに暮らさなければいけない孤独な僧、寛慶の話です。
鵺は寂しくて寂しくて自分の仲間を探したくて毎日京の町で泣いていたら捕らえられ、殺されるところだったのに寛慶が助けてくれます。それから二人はお互い孤独である事を知り、二人で一緒にいる事を決めます。そうしている内に二人はお互いがなくてはならない存在になっていくお話。鵺の仲間が一人もいない孤独感、沢山人間がいるのに愛する人が誰もいない寛慶。二人は種族も環境も全く異なりますが、孤独が寂しいという気持ちは同じだったんですねぇ。切ない話でしたが、お互いがいてよかったなぁとしみじみ感じました。
気になるところは鵺の寿命と人間の寿命が異なるのではないか?という点。そうだとすると前代の鵺のようになってしまわないか、心配になってしまいました。
なんだか独り身が身にしみるお話でした。
あらすじは割愛で。
丸木さんの作品ですしタイトルもタイトルなのでヤンデレが出てくるのかな?と思ったら案の定でしたw 丸木さんの作品は個人的に読後感がもやっとするものが多い印象なのですが、この作品は爽やかとは言えないものの、納得できる感じで終わったところが良かったです。
タイトルから真治(受)が母親、祐紀(攻)が子供のような存在という事なのだと思いますが、それほど親子のような関係ではないと感じました。真治が祐紀の亡くなった実母に似ていると言っても祐紀は真治に母のような存在として求めていたのでしょうか?私は祐紀は真治に天使のような存在として求めていたのではないかなぁと思いました。外見の綺麗さはもちろんの事、内面の綺麗さを求めて。祐紀には今まで自分のステータスを利用しようとする人間しか周囲にいなかったし、親からも充分な愛情を受けて育っていない事から真治の存在を神聖化し、好きすぎて好きすぎてヤンデレになったパターンだと思いました。その執着の仕方が病んでる訳ですが、そのくらいの力技を使わなかったら真治を自分のものには出来ないと思ったのでしょう...
タイトルや帯で最初からレイプ犯が誰であるかは想像がつきました。分からない様に演出していたらもっと怖い感じが出たと思うのですが、BLとしてはあまりにホラーっぽくするのは良くないと思ったのでしょうか?個人的には分からない様にした方がおもしろかったかなー?と思います。
あとタイトルですが、mother よりは angel の方が合っていたかな?と思いました。
天使という言葉がキーワードになっている作品なので。イラストが門地さんですが、真治の天使のような美しさがもう少し前面に出ていた方が良かったかな?と思いました。
蛇足ですが、佐藤真治という名前が普通でBL的に珍しい!と思いました。見た目が外人っぽいのにいかにも日本人的な名前はギャップを狙ったのかな?と思いましたw
ミステリーとファンタジーとBLの融合という感じの作品。
辰彦は刑事で連続バラバラ殺人の捜査員の内の一人。でも事件は進展がなく、こう着状態にある。そんな中ある日辰彦がアパートに帰るとはかなげな幽霊がいて恵と名乗る。恵は自分が殺されたようだと言い、自分の死体を探してくれと辰彦に頼む。恵は特殊能力の持ち主で心が読めたり未来が見えたり幽体分離したりする能力を持っている。実は恵は捜査の協力のため警察に呼ばれた途中で行方不明になっていたらしく...
内容的にはシリアスですが恵があまり悲観していないので明るい雰囲気で話は進みます。また恵が憑依する物がクマのぬいぐるみなので話全体が可愛らしい感じです。でも辰彦が恵に惹かれていくと、近いうちに離れ離れになるだろうという予感から切ない感じに変わっていきます。その変化が自然で良かったです。事件的にはミステリーというほど謎解く感じではないですが(恵の能力が凄すぎるので)程よくいろいろな要素が入っていて楽しめました。二人の気持ちが優しいのでほんわかするお話でした。辰彦が刑事ですし、恵も協力できるから最強のコンビになると思います。検挙率がすごい事になりそうですw
シリーズ化出来そうですが、どうでしょうか?
西野作品だし、このタイトルなのでエロ満載なことはお約束なのですが、
見事に8割はエロだったと思います。
エロゲの話ということだったので、私はエロゲを作る工程のモデルを受がやる、という内容だと勘違いしていたのですが、実際はエロゲで作られたシーンを受で再現する、という内容でした。エロゲがどういう風に作られていくか興味があったので残念です。
さらにキャラクターに魅力がなかったのが残念でした。
泰河は顔はカッコ良いですが、魅力的!と思う部分がなかったです。正直世良が泰河のどこに惹かれたのか分からなかったです。
世良の方も顔は可愛いけど淫乱な子供という印象で惹かれる点はなかったです。
ある意味お似合いの二人でしょう。
すみません、かなり辛口評価になってしまいました。
夏目イサクさん、大好きです。
今回も裏切らないハイクオリティでした。
吉野可愛かったです。菅谷が悶える気持ち分かります。
あんな風に懐かれて大好きオーラを出されて可愛く口説かれ?たら好きになっちゃうに決まってます。そして誘う誘う。誘い受けっていうんでしょうか?モラル的なこともあるし、弟に釘刺されたし、二の足を踏む材料は沢山あるのに吉野に誘われまくってとうとう決壊しちゃった感じでしたww うーん子悪魔、...パネェ。
弟と保健医にもっと活躍して欲しかった。弟はきっともっと言いたい事があったんじゃないの?と思いました。ちょっと中途半端感があったかな?まぁそれでも夏目さんですから、面白い事に変わりありません。