「生理」というテーマで描かれるBLに初めは全く予想することもできませんでしたが、途中からは何度も泣きながら読み進めていました。
大事なところは他の方が先に書かれていると思うので、私が気になったところだけ書きます。ネタバレ含みます。
ファミレスで柏瀬とお父さんが話す場面。
店員さんがソーダフロートを柏瀬に、ホットコーヒーをお父さんへと自然に置き、それを二人がまた自然に置き換えるところが印象的でした。
店員さんという第三者から見れば当然柏瀬は子供でお父さんは大人なわけですが、
体が大人になりきる前に心の方が先に成長してしまった息子と、
精神が成熟せずに大人として生きている父親という二人の関係がここで上手く描かれていました。
マリアボーイでもそうですが、木村ヒデサト先生は食を通しての描写の技術が高い作家さんだと思いました。
あとは柏瀬の両親は柏瀬と星谷の2人との対比に使われているのかなと思いました。
酷いことをしても何度も結婚できる親と、お互いに好きでも結婚できない二人。
生まれた子供を迷惑そうな眼差しで見る親と、どんなに望んでも子をなすことのできない二人。
それでも、結婚して子供が出来ても永遠を手に入れられなかった親と違って、柏瀬と星谷にはこの先何年経っても一緒に居て欲しいです。
発売の3年後ですが素敵な作品に出会えて良かったです。