王道の芸能界ものですが、定番の新人イビリやライバル登場、スキャンダルなどはなく共演者もいい人なので安心して読めました。二人の空気感も甘くてちょっと切なくて読んでて癒されます。その分ハラハラドキドキはないのでちょっと物足りなく感じる人はいそう。
作中ドラマの主人公と受けの気持ちがリンクしていくところの見せ方が上手で、繊細に描かれてます。その辺りのコマ割りとか表情の書き方とかほんとに好き。
ただせっかくの芸能界モノなのに、受けの攻めに対する気持ちの変化に仕事があまり絡んでこないんですよね。いや作中劇によって自分の気持ちを自覚して行く描写はすごく素敵なんだけど、なにかトラブルも起きてとか対応する中で芽生えるようなエピソードとか、一つの芝居を作り上げていってる情熱や熱量も感じなかったな。雰囲気重視でそういう暑苦しいエピソードをあえていれてないのかな?だからこその透明感のあるストーリーになってるのかもしれませんが、自分的にはベットの中、家の中以外でも心通わせるようなエピソードがもっとほしかった!
あと攻めははじめから受けのことを好きだったんだろうけど、それにしては再会するまでなにも行動しなかったのは何故だろう。受けもゲイだろうと気がついていたのならなおさら。気になる人ならこっそり舞台観に行くとか、自分の所属事務所紹介するとかでサポートしたり接近する機会つくらない?
今回の共演もほんとに偶然だったのでしょうか? ゲイバーで居合わせたのも偶然??
受けが売れない俳優にもかかわらず人気俳優の相手役に抜擢されたり、売れっ子俳優の攻めが普通のゲイバーに来て受けを見つけたり、その辺から攻めのストーカー的な執着愛を期待してしまったので、ちょっと肩透かしに終わりました。
的外れな感想だったらすみません。
お互い気持ちが通じ合ったところで終わったので、ぜひ続編だしてほしいです!