初めて触れた明日美子さん作品でした。
表紙に一目ぼれして一巻を手に取ったところ、あっという間に引き込まれてしまいました。
BLなのか?という感想は至るところで目にしますが、確かにBLという枠で考えたら珍しい作風だと思います。キュンとくる場面もあるにはあるのですが(ポールのJに対する感情だとか)、やはり「同級生」「卒業生」とは違ってどこか重く、後ろ暗い思いが付きまとうような。幸せになって欲しいと思わず願ってしまう登場人物は数あるBL作品にも多々あれど、この作品に関しては読み進めるにつれて祈るような気持ちになってしまいました。純粋に男同士の恋愛というのではなく、“オカマ”という自覚がまた切なく。いや、恋愛そのものがメインかどうかもわからないです。まさしく「Jの総て」を描いた記録。メインはJなのかもしれない。
好き嫌いは分かれるところかもしれません。それでもちょっとでも興味を惹かれたという人には是非勧めたい作品です。個人的には、これがBLでもBLでなくても構わない、好きな漫画は?と聞かれた時に答えたくなるような大事な作品になってます。