ボトムヘビーさんのマイページ

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女性ボトムヘビーさん

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不憫同士の幸せな結婚、読後感はややもやもや

最北端の辺境を舞台に、魔力を持たない不遇の花嫁と、強大すぎる魔力ゆえに忌避される王子という組み合わせは、どこか「アナと雪の女王」を思わせる構成。設定自体は王道で、序盤は期待感を持って読み進められました。

ただ中盤以降、物語を動かす理由づけに首を傾げる場面が多く、没入感が削がれてしまいました。魔力無しには魔法が効かないということが他国に知られると危険だという展開は、国家レベルの問題としては対策が甘く、物語の都合を感じてしまいます。

また、場面転換が急で、いつの間にかラブシーンに入っているなど、読者が置いていかれる感覚もありました。要所でもう少し状況説明があれば、印象はかなり違ったと思います。

終盤も、受けが攻めの暴走を止められる唯一の存在だからという理由で、あっさりと関係が承認され、積み重ねや葛藤が描き切れていない点が気になりました。国の危機管理において、本質的な解決への道筋が示されないままだった点が残念でした。

孤独な二人の激愛と、胸のすくような読後感

誰にも使われていない教会を住処とし、砂金を採ったり糸を紡いだりしながら、わずかな収入で一人で暮らす受け。一方、皇帝という立場にありながら、特殊な体質のため人に触れられず孤独を抱えている攻め。
受けは育ての親から「皇宮に近づくな」と言い聞かされて育ったにもかかわらず、視察に訪れていた皇帝に見つかってしまう。
孤独を抱えた二人が、互いの人柄に触れていくうちに急速に惹かれ合っていきます。クライマックスに向かっての緊張感ある展開は見事でした。

終盤、退位を考える攻めに対し、「山羊を飼って自分が養う」「立派な山羊飼いになれるよう教えてあげる」と告げる受けの姿が印象的です。男前でフェアなこの発言には好感度大です。
また、危機を通して露わになった国の課題をきちんと見直していく展開も描かれており、単なる激愛ものに留まらない構成は、胸のすくような読後感につながっています。
BLとして刺さる感情描写と、物語としての納得感を両立した一作です。

王道のオメガバで事故番。程よいじれじれの安定感のある作品

王道のオメガバで事故番という設定の作品。表紙の雰囲気と物語の方向性が合っており、攻めと受けの関係性も程よくじれじれして、安定感のある読み心地でした。
仁茂田作品のオメガバでは『Ω令息は〜』や『あなたの糧になりたい』が特に好みなのですが、それらと比べると本作はややライトな印象で、気負わず楽しめる作品だと感じました。

事故番という設定自体は、近年のオメガバにおける一つのトレンドだと思います。ただ、そこから生まれる葛藤が主に当人同士の心理に収まりやすく、個人的にはあまり強く惹かれない様式でもあります。もし出産などが絡めば、一気に社会課題的な物語へと様変わりするのでしょうが、そうなると今度はアイドルという設定そのものが成立しなくなってしまうでしょうし、そのバランス感覚も本作がライトに着地している理由なのだろうと思います。

どちらかというと、天羽くんのエピソードの方が私の萌え琴線に刺さりました。強くて、いいやつで、けなげな受けの天羽くんと、受けのピンチにとにかくダッシュで走ってくる攻めの清正が愚直で誠実で愛おしい。

地獄のハッピーライフを満喫しました

獄主の花嫁候補として地獄に送られてきた受けは、正義感が強く善良な人柄でありながら、自分が地獄に来た理由を受け入れている訳ありの人物。彼の人生や死に際についてははっきり語られないまま物語が進んでいき、興味を引き続けます。

最初は受けに腹を立てていた攻めが、朗らかに食事をする姿を見ているうちに次第に怒りが萎んでいく様子が可愛らしいです。「死んだはずのお師匠様~」でも感じたことですが、情景とともに登場人物の内面を丁寧に描写する作家さんだな、という印象です。攻めたちの愛情表現が豊かで、切なく温かい気持ちにさせてくれます。

地獄で起こる問題を解決しながら鬼たちを幸せにしていく展開は、読んでいて楽しく心地よいです。サイクロプスのくだりは、地獄という舞台ならではの美味しいエピソードでとても面白かったです。

物語後半では、受けの意外な出自が次第に明らかになっていきます。ボリュームのある作品で、攻め受けのジレジレした関係が長く続きますが、飽きることなく最後まで楽しく読了しました。

初めて手掛けた作品と思えない程、しっかりした構成と読みやすい文体で書かれており、丁寧な人物描写が印象的な、満足感のある一冊です。

作家買いしたけど、今回は合わなかった

前作・前々作と同じ作家さんとは思えないほど作風の違いを感じた。
ブルームーンノベルズでの「宮殿のような〜」がとても好みで作家買いしただけに、正直かなり戸惑った。

本作はハーレム設定で、乙女ゲームの文法をなぞっているのは分かるのだけれど、描写の多くがセクハラ寄りで、萌えやときめきよりもストレスの方が勝ってしまった。受けがそれをぼーっと受け入れてしまうおぼこさにもイライラするし、攻めたちは誰一人として魅力を感じられず、正直みんなキモいという印象しか残らなかった。ノリもどこか少年マンガ・青年マンガ的で、BLとしての色気や情緒が感じられない。

そもそも、美人で「姫」と呼ばれる存在でありながら、周囲から遠巻きにされて孤立しているという世界観自体にも理解ができず、物語に入り込めなかった。設定の都合を強く感じてしまう。男性が都合の良い「純朴そうな女の子像」を語る時のような気持ち悪さがあった。

世界観を受け入れられず、残り3割ほどを残して離脱。
セクハラ描写をギャグとして流せる人には向いているのかもしれないけれど、自分は最後まで付き合うのは厳しい一冊だった。

推理小説世界を聖地巡礼するような転生BL

受けは現代日本から19世紀ヨーロッパを思わせる小説世界に転生したモブ執事。身分制度のある社会の中でも、過去、民主主義国家に生きた矜持が受けの背骨を通っていて凛とした態度が心地よい。転生したのが推理小説の中で、自分きっかけで攻めが殺されてしまうかもしれないというスリリングな展開。展開に無駄が無くスピード感がある。淡々とミッションをこなすシゴデキの受けが、どのように溺愛されるのかワクワクが高まる。執事の好みを探ろうと、胸筋をチラ見せさせようとしたり攻めの試行錯誤がおもろい。巻末のSS、コンビものの推理小説定番のやり取りになっていて、くすりと笑える。前作、前々作のゲーム転生ものでも、ゲームの美味しさをしっかりトレースしていて楽しく拝読しましたが、今作では推理小説を聖地巡礼するような楽しさがありました。ニ三先生の作風はどれも好みなので、早く次回作を読みたいです。

傷痍軍人という設定を、恋のメルヘンとして受け取れず

受けは傷痍軍人という重い設定で、そののんびりした口調から語られる戦時中の体験は、かなりハードモード。焼夷軍人あるあるなのだろうが、死者からあの世に呼ばれる感覚、死への感覚が麻痺していく描写、死をちらつかせたジョークは、正直あまり笑えない。
自然の美しいものに飢えていた受けが、無意識に攻めを目で追ってしまう描写には説得力があるし、人物造形としては尊敬に足る存在だとは思う。

ただ、この二人の恋のあり方を心地よく受け取れなかった。受けと攻めの関係性が、どこか共依存的に見えてしまう。「世話されたい人」と「世話したい人」が過不足なく噛み合う構図が、健康的な関係には思えなかった。にもかかわらず、周囲がほぼ無条件にウェルカムで、物事がイージーモードに進んでいく点に、現実との乖離を感じてしまう。

戦争による喪失や心の傷を抱えた人物が、その救済をほぼ恋愛関係の中に集約していく構図も個人的には重い。受けの言動は、いわゆる「部屋とワイシャツと私」の世界観――依存や献身が美談として処理される構造を想起させ、この価値観が苦手な人にはかなり厳しい作品だと思う。19歳の恋人に「死んだら取り憑いていい?」と尋ねる場面には、恋愛よりも別の拠り所が必要なのでは、と感じてしまう。

さらに王宮に呼び出された際のエピソードがあまりに荒唐無稽で、物語として受け入れきれず、三割ほど読んだところで本格的にしんどくなり途中離脱した。
傷痍軍人という現実的で痛みを伴う存在を、恋のメルヘンとして消費する描き方には、どうしても違和感が拭えない。読んでいて心が痛む作品だった。

ミニドラゴンと暮らす、世界観に浸れるファンタジーBL

導入がやや冗長でもたついて感じたものの、物語が進むにつれスッキリ読めるように。セリフ回しや構成等、どこか英語圏の海外小説を思わせる雰囲気を感じます。
図書館を中心とした街の空気感や、ドラゴンにまつわる秘境の世界観等、キラキラと色づいていて読んでいてとても楽しかった。ミニサイズのドラゴン、わたしも飼いたい。山場ではドラゴンも大活躍していて美味しいポイントをしっかり押さえてくれてます。
終盤の展開がやや駆け足に感じられました。個人的には、この内容であれば最後の捕り物まで引っ張らなくてもよかったのでは、と思わなくもないです。
エチシーンはあっさりめですが、受けの出自ゆえに萌え萌えしく、とても素敵でした。
次回作がとても楽しみです。

RPG感覚で楽しめる、ギルド運営×転生BL

受けは人族、攻めは龍人族。攻めはしっかり龍の性質の特徴が出ててとても好ましいです。前世イラストレーターだった受けが描いた完璧なキャラが、3Dになって自分を見つめてくる様に萌えが止まらないギルマス面白い。受けへのアプローチは私好みのドーベルマンタイプ(龍ですけど)。受けは言い回しがやや昭和おじっぽいかな?という点は気になるものの、とても思いやりがあって温かく器の大きい魅力的な人柄。

ギルドに持ち込まれる依頼は、痴呆老人の捜索など生活感があったり、酒場の酒の名前や小ネタも含めてクスッと笑える要素が多い。のどかなオープニングから一転、緊張感ある展開へと緩急ついた展開運びが見事です。心情や状況を説明する時、例え話を用いながら角度を変えて丁寧に描かれるので、読者は置いていかれることがありません。だんだんと地図が広がっていく感じのワクワク感など、ゲーム転生モノならではの美味しさが詰まっています。

新たなエロプレイ、竜魔力流しw BLをたくさん読んでると、エチシーンがややルーティンに感じがちですが、こういう新たなアプローチがあると面白い。夜這い掛け声や、エロいユニコーンといい、ちょっとくだらない楽しさが満載です。

一点だけ、娼館に行った先輩が性病になったくだりの描写は、現代的な知識から見るとやや違和感を覚えました。現在では、無自覚なまま感染が広がるケースは、むしろ素人同士の関係で起きやすいと言われていますので、ファンタジー作品の中のエピソードとはいえ、少し昔の価値観を感じる表現だと感じました。

物語のボリュームについては好みが分かれるようですが、魔王の欠片を求めて複数の国を巡る構成は、RPG的なプレイ感覚で読むとむしろ妥当に感じます。ゲーム体感で楽しめるかどうかで、印象が変わる作品だと思います。

人間ドラマ重視のゲーム転生BL

上下巻通しての感想です。

登場人物紹介で、ゲームらしくちびキャラを描いてくれるのが嬉しく、もちゃろ先生のイラストが素敵で眼福でした。

BLゲームの主人公に転生した受けは、前世でチュートリアルだけこなしたという設定で、攻略法が分からない状態のままハラハラ感をもってストーリーが進んでいきます。ストーリー運びや設定は面白いのですが、私が期待していた「ゲーム転生もの」のワクワク感とはやや方向性が違い、根本的な部分で少し物足りなさを感じました。こんなに殺伐としたゲームをあまりやったことがなく、このゲームを実際にやってみたいかというと、正直微妙なところです。
一方で、氷結竜のエピソードはクエスト感・世界観ともに「これこれ!」と思える楽しさがありました。

攻めの恋情がゲームの強制力によるものかどうか、という葛藤は、他の作家さんも描かれることが多いですが、人間ドラマとしては理解できる一方で、ゲームものとしてはあまり魅力を感じない様式美の一つではあります。いつか遠い未来、人間がゲームの中で生活するようになったら、共感できる悩みになるのかもしれません。