私は、ホラーや鬱系の作品が大好きなので、BLでこういった作品が読めたこと、大変嬉しく思います。
重いストーリーなので、メッセージ性や深いテーマなんかを期待して読まれている方もおられるようですが、そこではないです。
大切なのは2人だけの完結された世界です。
2人の想い以外は、どうでも良い狂気の世界です。
だから私は、美しいホラー作品として読みました。
第三者視点ではなく、もっと純粋に2人に寄り添って読むと、結末の感じ方も変わるかと。
また、福太の狂っていく描写や、救いようのない現実と美しい思い出との対比がとても素敵です。
報われない、間違いだらけの選択、悲しくて美しくて愛おしい。
そんな作品でした。