1巻がとても素敵な神作品だったので、やはり期待しすぎてしまったのもあると思いますが…
1巻のちょうどよかったバランスが2巻で少し崩れた気がしました。
野末さんは確かに可愛い人です。
1巻ではさりげなく滲み出る大人の可愛さが堪らなかったのですが、
今作ではなぜか可愛さアピールをしているアイドルのように感じました。
野末さん可愛いよね!?って押し付けられてるようでした…そんなことやらなくても十分可愛いのに…!
周りの人たちも本当にいい人ばかりで、とても天国のような世界線で羨ましかったですが、
あまりにも名言やいいことを連発しすぎて、途中からは読んでるこっちが恥ずかしくなりました。
おそらくこれらの言葉は作者が生きていく中で、なにかについて思ったこと、気づいたことをまとめたものを作品にいかせたのではないかなと勝手に思ってますが、詰め込みすぎて作品としてのバランスが崩れてしまったように感じました。
でも言葉自体はすごく素敵でした。
普段からモヤモヤしてたけどうまくまとまらなかったことを、うまいことまとめた言葉がたくさんでした。
前作とは少し違う印象を受けてしまいましたが、野末さんの可愛さがチープになった分(ごめんなさい!)、外川がとても将来性のある頼りになるカッコいい人だと感じたので、萌で!
アンソロジーで読んだ時からずっとダンディが気になってました。
とても余韻が残る素敵な短編でしたが、
続きが読めて本当に幸せです!
カバーのダンディ、性癖のど真ん中です。
高級スーツを着て片足を掛けてらっしゃる…
靴下が見えるのがいい…
ビッチそうなおじさんってなんってエロいんでしょう。
指名させてくれえええええ!!
ダンディから奥田さんへのグラデーションもすごくよかったです。
社会で揉まれた人間なら誰でもある程度奥田さんの気持ちに共感できると思いました。
仕事では理想な自分を演じて、
人たらしで快感を得て、
人たらしを演じることに疲れても、
本性を出すことはもうできなくて…
そんな自分と重ねながら少しずつ伊部くんと奥田さんに救われていった気がします。
物語の中では「ダンディ」は奥田さんが本当に望んでいる自分の姿ではなかったかもしれませんが、
読者視点からは奥田さんもダンディも両方素敵で、
伊部くんが言ったようにダンディの優しさも実は奥田さんの中にもともとあるものだと、
それが伝わってくるところがすごく素敵だと思いました。
この作品を愛おしいと感じる最大の理由だと思いました。
またどこかで彼らと出会えれたらいいですね!
好きな人との記憶が消される、というのは死別と共通する辛さがありますよね。
別れるだけだったら少なくとも思い出は残るのに…
泣きまくりました。
それでも辛さだけじゃないと感じるのは、
二人とも、とても精神的に強い人間だと感じる瞬間があったからです。
克哉が背中の傷痕を「あの男に立ち向かい生き延びた証」だと言った瞬間も、
「私は被害者として大人しくおさまるつもりはありません。私はなにも変わっていません。」と言いながら篠原を誘う瞬間も、
この受けは一味違う…!絶品だ!!と思いました。
普段はヘラヘラチャラチャラの篠原も、誠実で包容力のある一面に加えとても芯のある男だったのがギャップがあって心を奪われました。
「先生の中から俺が消えたとしても、また最初から始められると信じてます。」と前向きな彼に少し救われた気がします。心の中では挫けそうになってるはずなのに…
それでも克哉とお別れした後のラストカットで
スーツを整え、目を閉じ、
再び開けた時には既に役に入ってましたね。
この振り向かないで前に進む潔さと強さに救われます。
また最初からだとしても、今まで以上に克哉をたっぷり愛してあげるんでしょうね。
二人のようにどんな苦境でも前向きで強く生きていきたいと思いました。
そういえば、克哉は一度も篠原に「愛してる」と伝えたことがないですよね。
ラストシーンでやっと言うのか?と思ったら、
「ありがとう、愛してくれて」と言いましたね…!
克哉らしい言葉でした。
もともとツンツンキャラってのもありますが、
最後に「愛してる」と言ってしまうと、
かえてこのあと篠原を苦しめることになると思ったのではないでしょうか…
全身で愛してると訴えていた克哉でしたがね!
咎井先生の絵は本当に素敵…
あとがきに実は篠原は殺される予定だったけど周りに説得されたと書いてました。
篠原無事でよかった…… 先生!本当にそういうのやめてください!!!
ナルキッソス先生のほかの作品も拝読してますが、
先生はとても容赦がない(笑
それも先生のいい味ですが…
篠原と克哉だけは絶対に絶対に幸せにしてあげてください!!!
土下座でお願いします…!!!
作者や物づくりをする人の作品に対してできれば否定的なことは言いたくない派ですが、
こういった芸能人やクリエイターを主人公とする作品でよく感じることですので書かせてください。
有名人としての深みを描けていないと思いました。
生まれ持った才能で、
いかにも簡単に群を抜いて、
あっという間に輝かしい場所に君臨する。
そういった「凡人」ではできない「天才」性に圧倒的なカリスマと魅力を感じるようになる、
このやり方自体は別にいいと思います。
しかし深みのあるキャラの描き方じゃないと、ただ「天才」に憧れている凡人が描いたファンタジーだなとしか思えません。
「天才」と言われている人たちの人間としての深みよりは、
一般人が見ている「天才」の表部分しか描けていない気がしてとても残念でした。
すごい練られたストーリーなわけでもなく、
心をすごい揺さぶられることもなく、
ありきたりとも言えますが、
つまらないというよりは、淡々と読む人の心に寄り添ってくれる優しい作品だなと感じました。
表紙とタイトルだけ見たときの印象とは違う…いい意味で!
Hシーンもなんか…いい!
擬音とか汁とかHに見せるための装飾がほとんどないのに、なんかエロいんです。
ないから逆にリアルに感じてるのかな…わからん!
アングルのチョイスやほどよくムチッとした体の描き方もじわじわとエロいです。
最後らへんで受けが自分を抱きしめたまま寝てる攻めを見つめるシーンあたりがすごく幸せでくすぐったいです。
丸くて可愛いのに泣ける作品でした。
幼いごろって、無力でもどかしいですね。
でも精一杯人を好きになれるピュアな心を持てるのがいい…失うと脱け殻になるくらい。
人間って進化の過程でなんで喪失感を感じることを覚えてたんでしょうね。
紬の部屋で1人でぼーっとしてる煌成を見てると心が痛みます。
マキネ先生もこのような感情を実際経験したのではないかな…とか思ったりしながら読んでました。
父親が用意した女のところに行く煌成にはすこし傷つきました。
紬を守るために従順でいただけなのは頭ではわかっていても、
男は心と体は別だという現実を受け入れなければいけない、というのが悲しかったです。