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ただのオフィスラブかと思いきや

初めて読む作家さんでしたが読みやすい文章で、ハードな要素が多いもののうだうだした葛藤の描写もくどくなく、さらっと読めました。
おそらく目玉であろうと思われる、おむつプレイですが…さすがに受けが可哀想になりつつ笑、でも尿意を必至に我慢している受けがかわいかったです。
当初まったく普通の秘書×社長令息のリーマンものとして読んでいたのですが、中盤あたりで受けの兄が猟奇的な行動に走りはじめ、あれ?と思っているうちにお話は完全にサスペンスな流れに…ただのオフィスラブで、鬼畜なのはプレイだけであろうと踏んでいただけに予想外です。
主人公(受け)は母親に捨てられ父親にも顧みられず…という生い立ちのせいで頑なで利益主義な人間なのですが、攻めに教育されていくうちに、自分の考え方を改めていくことになります。
作中で攻めも言及していましたが、ツンツンしているように見えてかなり騙されやすく純情な子で、特に攻めに対する言動の端々に不器用さが垣間見えて、かわいらしいです。
そんな受けを飴とムチで立派な社長に育て上げていく攻め…ここまでで非常に私の好みだったのですが、後半の怒涛の展開に、事件の解決とともに、育ちつつあった二人の愛もまとめて一気に片づけられてしまったようで、少しさみしく感じました。

意外な甘さ

実は本シリーズの方より先に読んでしまったのですが、それほど理解に困ることはありませんでした。
おおまかに言えば、獣に変身する人間と、彼らの餌とされる人間の間で生まれた愛が切っ掛けで、獣たちのコミュニティが内部分裂していく…というお話。
ストーリーに関しては、もともと少年漫画的な、設定が突飛でバトルやアクション要素のある話が好きだったのでとても楽しんで読めました。
主人公の巴はいわゆる健気受けですが、海外育ちで日本語に慣れていないところや、常に敬語なところが素朴で可愛らしいです。相手の須王も、理性的で無理強いせず、巴への言動がいちいち甘く優しい。
殺伐とした背景においてこの二人の純愛っぷりがたまらないです。とくに一緒に住み始めて最初の方の、巴に外の世界のことを教えてあげたり、キスをするのにも躊躇ったり、といったやりとりが、穏やかで微笑ましく、ニヤニヤします。巴もただ受け身なだけでなく、自分の欲を正直に告げる所が意外でよかったです。
あと肝心の?エロ。行為自体は至ってノーマルなのですが、やはりどこかねちっこい笑。萌えました…流石夜光先生だと思いました。