オメガバース設定ですが、αΩどちらもガッチリ体型の男前なのが大変良い。
でも受けの持月の方はいう程ゴリラではないです。(戦闘力のことを言っているならゴリラかもしれない…笑)
腰細いし腹筋エロいし雄っぱい肌蹴すぎだし無意識に色気だだ漏れで石尾を煽るし…。
そのくせ料理が上手くて弟妹の世話をする家庭的な面もあります。
個人的にはこういうギャップに弱いのです…。
石尾の方も実は好きな子になかなか手を出せない奥手さんで、意外でした。
弱みを見つけたとばかりにぐいぐい来る持月に対して
真っ赤になってわたわたしてしまう所がとても可愛い。
帯にはケンカップルと書かれていたので、どんなものかと思っていたのですが
激しいのは序盤の方だけで、そこまで始終喧嘩しているわけではありません。
喧嘩というよりは石尾に構ってほしいとかΩは弱者だからと変に構えられるのが嫌だとか
そういう感情から、持月の方が積極的に絡みに行っているだけなように見えました。
そんな、表面上は強そうに見えて本当はΩ特有の悩みも抱えている持月の内情が
この物語の軸になっている印象です。
Ωに生まれたことで起こる様々な苦難に今まで必死に耐えてきた持月が
石尾から向けられる真っ直ぐな想いのおかげで、やっと報われた気持ちになる…
そんなラストシーンにはグッときました。
ポンコツだけれど、肝心な時にはやる男!な石尾に感謝です。
絵も綺麗で受け攻めの設定も好みだったので途中までは楽しめていたのですが
無理矢理番わされた受けのほうが、友人たちに誤解されて責められるという場面が
ちょっと受け入れられませんでした。
攻めの計算の内なのかなとは思うのですが、Ωという自分の性を利用して
周りの人間を味方につけるというやり方が女々しいというか…。
まぁそこまで意識してやったのかは、攻め側の事情が掘り下げられていないので
いまいち分からないのですけども。
個人的な印象としてはヤンデレというより
男を落としにかかってる悪い女みたいだなぁと(笑)
もしあずさの方が受けだったなら、そういうのも有りなのかもしれませんけども。
くっついた後も、友人たちの中の受けは「Ωに最低な事をしたやつ」
という評価のまま誤解が解けるわけでもなく。
友人からの信頼もそれ程なかったのかな…と少しモヤっとしたり。
友人の一人が攻めの闇を垣間見て何かを察した場面が僅かな救いでしょうか。
そんな風に一方的に悪者にされているのに
簡単に絆されてしまって良いのか楓よ!という気持ちです。
ラストのあずさの言葉じゃないですが、この人本当に甘いと思いました。
多分、母親の事もあって根本的にΩという存在に弱いんだろうな。