初コミックスだそうで、帯が気になり購入しました。
攻がアラサーの風俗店の店長、受の子が高校生という一見アブナイ年の差なのですが、読後はとても純粋で心が洗われたような気持ちにさせてくれる尊すぎるお話でした。
これからは作者さん買いすると思います!
以下感想とネタバレーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
高校生なのに、友人と遊びにもいかずに小学生や保育園の妹弟たちの面倒や家事をする主人公のニーチャ。
「俺はお兄ちゃんだから」と自分の気持ちを我慢して、家族に尽くす姿が本当に健気です。
ある日、預かっている家族1ヶ月分の食費をスられてしまい、途方にくれている所に再会したのが、風俗店店長の安達さん。
安達さんにとっては、ニーチャは最初「迷惑をかけられた奴」「邪魔な存在」なのですが、人出が足りないこともあり、裏方のバイトをしてもらうことに。
他のお客さんに見つからないように、ニーチャを抱き上げてカウンターに隠す安達さんがとにかくかっこいいです!!
バイトをはじめた後も安達さんから「信用してない」「もう来なくてもいい」「遊ぶ金欲しさ」と思われているのに、ニーチャは「借りたお金を返したい」「安達さんに名前を呼ばれたい」と健気に思っている所が泣かせます。
弟の一人が病気になった時に、気が動転していたニーチャを助けてくれた安達さん。ニーチャが高校生なのに妹や弟たちの面倒をみて、バイトもして…と大変な日々を理解してくれて、ニーチャが気弱になった時に
そっと肯定してあげる安達さん。
この二人の関係性がとにかく、お互いがお互いのために必要だなと感じてとても尊いのです。
とにかく読んでほしいのが、書きおろしのショートストーリーで、本編を読んだあとに読むと感動がひとしおです。
ずっと制服を着てくるなと言われていたニーチャが最後に制服を見せにいったのが安達さんで、
しかもそれを脱がしたのも安達さんで…!!
本人に気がつかれずに第二ボタンを取っていった安達さん。このページみた瞬間、萌え死ねると思いました。
本当に本当にせつに続編を願っています。
表題作の「朱夏のかげろう」は、ふつうの男子高生・山下と隣のクラスの優等生・田村、二人が夏の日に出会い、仲良くなって、惹かれて、でも自分の心に正直になれなくて…という葛藤が丁寧に描かれた作品でした。
美人で優等生なのに性格がひねくれてる田村がかわいいし、考えすぎてしまう田村には、山下くらい何も考えずに突進していくくらいの攻がちょうどいいんだろうな〜と本当に二人が結ばれてよかったね!というお話。夏の暑い部屋でのエッチシーンが、すごくエロいわけではないのにエッチで高校生って感じです。
「初恋タイムラグ」は、ニートでお金がなくなった大島が、はじめはすごいイヤな奴だな…と感じたのに本屋さんでバイトしていくうちに、どんどん働くことにも積極的になって、佐々木のことが好きになって…と
成長する様子がすごく見ていて応援したくなるお話でした。最後の大島から佐々木の告白シーンは、泣きそうになるくらい切なくて、一生懸命で…。この二人のエッチはないのかな?と続編期待しています!