淫魔に取り憑かれると言う設定は割合あるのだけれども、ノンケのくせに取り憑かれて、どうしても男とHしなきゃ死んじゃうかも!と言うのは、私的に初めての設定でした。何が面白いと言えば、ノンケで研究一筋のあと一歩で40男が、淫魔にたまたま取り憑かれた為に、大騒ぎになってしまうと言うところ。その淫魔は男専用で、男の性を吸収しなくては消滅(取り憑かれた人間諸共)してしまうと言うとんでも無く迷惑千万な妖怪(?)生出しして貰わなければダメなので1日で男を見つけなくてはならなかった主人公は、男前で女にモテモテの部下に「ゲイの友人を紹介しろ」と迫ります。
話としてはテンポが良いですね。そして主人公の苦悩ぶりがまたいい。そして攻めの健気さが拍車をかけて、主人公の色気の無い男っぽい態度も自然ですんなり頭に入ってきます。これはなかなかの秀逸作品と思ってしまいました。
しかも淫魔が「小さいおじさん」なので余計にコミカル。
「さっさと口説け!」と脳内で催促しまくり(笑)文句を垂れながらも淫魔の妖力で男が磁石に吸い寄せられるかのように主人公に迫り、それをなんとか阻止しようと攻めは必至で攻防してるのが可愛いです。
一言で言えば「面白かった」のですが、なんか釈然としないものが沸々と・・・。
まず、伯爵様が洋平を好きになった決定的なものがあまりにも希薄で、いきなりだなぁとおもったんです。しかも「花嫁」にしようとまで思っていたのですから、それまでの紆余曲折がもっとあってもおかしくはないかなと・・・。世界背景的に考えると、オランダはヨーロッパにおいてもかなり反日感情の高い国だと聞いていますし、もっと強いものが欲しかったかもと・・・。
しかし、洋平の「これは、何か違う」とあたふたとする心理描写はすんなりと頭に入ってきたので、そのあたりはスッキリとした解決は見られました。