これ、ぜひ闇とか黄昏属性の方に読んで欲しい。。
地雷要素てんこ盛りな一冊だと思うんですが、個人的には救済の一冊でした。
攻め→幼い頃から搾取されて与えられる事よりも奪われる事が日常だったアダルトチルドレン。19歳って事もあって言動が幼くてすぐ吠えるタイプの犬攻めです。
(ご主人様は受けではないのがこの本の辛いところ…)
この子にとって世界はゴミ屑みたいな所なんだろうな。って想像できちゃうんですが、そんなゴミ屑の中でとってもキレイな物を見つけちゃうんですよね。
(変な例えですが、フランダースの犬のネロにとってのルーベンスの絵みたいな)
それが無機物だったら宝物になっただろうけど、女の子だったから神様みたいな存在になっちゃいますよね。
生きるヨスガで絶対で特別。出会ってしまえば、出会う前には戻れない。その存在を知らなかった頃にはとても戻れない。必死に頑張って恋人って場所を手に入れて、周りから見れば無茶苦茶でも本人にとっては唯一大切に出来る存在で。
受け→こちらも愛情を与えられずに育った結果、欲を手放すことで平穏を手に入れた青年。欲しいと思うから、与えられなくて苦しい。無欲でいれば苦しさから解放される。って事を知ってしまったので世界をモノクロでしか見ずに色を徹底的に封じ込めた生き方をしてます。
そんな二人が出会ってしまって、まず最初に攻めが気づいちゃうんですよね。
ジゴロをやってるから、観察眼とか鋭いんですよね。受け本人ですら自覚してない欲を相手の目から感じとって取り入っていく。
受けはずっと抑え込んでた世界の色を問答無用で流し込まれて感情をガンガンと揺さぶられる…けど、ずっと動かして無かったからそれがどういう事なのか分からないし気づきたくない。と目を背けて今だけを感じて過ごす攻めとの日々。。
欠けたモノがある二人の関係は共依存ではあるけど、でもだからこそお互いだけが絶対的に安心できる場所なんですよね。互いのかけた部分が綺麗に埋まるからどんな場所よりも互いの側が心地良いんだと思います。
でも攻めには神様がいる。神様と先に出会ってしまってたから、神様を失うなんて考えれないし神様以外選ばれない。神様を失うって事は自己を無くすって事と同義なんだと思うんです。
さあ、攻めは最後に何を選ぶのか…ってのが、最後までよめなくてドキドキしっぱなしでした‼︎
本編後に攻目線のショートがあるんですが、この心情が特に良かった!なんて勝手な奴なんだ‼︎って思われても当然な思考なんですか、この思考こそがアダルトチルドレンらしさ全開でグッとくるものがあるんですわ。。
受けが圧倒的に不憫なんですが、未成熟で幼い警戒心しか持たずにいた攻めがどうか安心を手に入れれる日がきますように。と願いながらの読了でした
良かったー。くっそ良かった。
難を言うなら、電子の書き下ろしがいらんかった。ってゆか、無い方がものすごく好みだった。でも、あれがあるかないかでめちゃくちゃ変わってくるのは分かります。
結局最後はハピエン。ってエンドにいつも肩透かしをくらってしまう癖を持っているのでこれは最後まで昂ったまま終わらせることができてもうとにかく幸せです。作者様ありがとう。
これは読んだことのないタイプの不憫受だな!って思うんですが、これを転生だと考えると前世の業を背負って生きてる。って事になるのかな。って。。
辛い。もう本当辛い。生きるのが辛い。
それでも楽になるのは許されないのですよね。
蛇足になるかもしれんけど、悪逆貴族の主である王視点の話が読みたいです。
二人の間にあったものが読みたい!