出会って20年、付き合って15年。
不変だと思っていた愛情も、その道のりの中で不満や心配や不信、疑心でもろくなる瞬間が確かにあって、そんな弱いところを切り抜いたこの作品。
男同士一生いっしょに生きる上で当然あるだろう色々な問題も、とてもリアルに感じられます。
主人公の藤島が迷って疲れて、諦めて、流されて、絆されて、でも愛情を確かなものに感じられず…とぐるぐるするのも、藤島が一心のひとことひとことに一喜一憂しているのも、感情移入してしまい、とても愛おしいです。
切なく涙にくれる展開ではありますが、何をどうしても「犬も食わない」ですから!
終盤には二度目の春で楽しませてくれます!そして最初は自由奔放で受け入れ難かった読者の一心への評価も、藤島が一心にほだされて愛情を再確認していくごとに「やっぱり良い男だった!」と変わってくること請け合いです。
自由でバカカワイイ年下攻めと真面目で堅物で可愛い年上受けの、また長い長い道のりに幸多かれと祈らずにはいられない、最高のお話でした!
おすすめです!