下巻はとにかく切なさの連続でした。
次々に明かされる、どうやっても希望が見えないんじゃないかと思うほど信じがたい真実に胸が締め付けられそうでした。
ユキとジーン以外の人達も…何にも悪いことをしていないのにどうして、と気持ちのやり場がなかったです。
どんな道を選んでも、どうか救いと希望がありますようにと祈ることしかできませんでした。
でも、みんなちゃんと強かったです。強くなっていました。
ユキがどこまでも真っ直ぐで頼もしかったです。
ジーンも、流石だと思わせてくれる格好良さでした。
彼らが自分達の手で掴む未来が悲しいものであるはずがないと、今はそう思います。
苦しかったり、切なかったり、嬉しかったり、たくさん泣きながら読みました。
全てを読んでから見返すカバーイラストの美しさにまた涙が出ました。
この物語を読めて良かったです。
あと…コミコミスタジオ特典のリーフレットが最高に素敵なので併せて読んで欲しいです!
誰もが憧れるヘッドボーイのジーンと学年トップで孤高のユキ。
この表紙の美しい二人に興味を惹かれる人も多いんじゃないかなと思います。そういう方にはまずはとにかく読んで欲しいです。恋と学園ミステリー要素の両方のドキドキを味わいながら、上下巻でたっぷり物語の世界に浸れます。
一つまたひとつと落とされていく様々な秘密のかけらを拾いながら読み進めるのが楽しかったです。
そして上巻では特に、ジーンとユキの気持ちの近づき方にときめきました。ユキの表情や態度の変化に説得力があって一緒になってドキドキしていました。
ユキに限らず、キャラクターの言動に繋がりや含蓄があって、そこから生まれる物語の奥行きがとても好きです。
大きな出来事からの下巻への引きもすごかったです。一気に読みたいけど一呼吸欲しくなるような…もう完全に物語に引き込まれていました。