小説やコミックだけでなく、CDも楽しまれる方なら特に共感していただけると思うけど、
読んでいて声が聞こえるキャラクターというのに出会うことがたまにある。
私にとってこの作品の黒川園長がまさにそういうキャラクター。
一旦とある声優さんの声が浮かんじゃって以降は、
読んでる間中、さらには後日読み返してみても
ずっとその方の声で脳内再生されちゃって。
まあ、声云々をおいておくとしても、
この黒川というのはBLの攻め役として好みのタイプではある。
おおらかで、したたかで、しなやかで
そして何より色気があって。
三木も、自称とはいえ結婚詐欺師で善良な人間ではないのだけど
その詐欺の内容の残念さとか
黒川に拾われてからの素直じゃない感じとか
29の男に対する評価としてどうかとは思うけど、
可愛く見えちゃって仕方ない。
三木が追われていた件に関しての始末の仕方は少々唐突な気もするけど
無難な終わらせ方となるとあの辺が落としどころなのかな。
極道スーツシリーズでも似たような片付け方をしたのがあったし。
ドラマCDが好きで、でも4枚しか出ていないので
先が気になって11冊まとめて買ってしまった好きシリーズ。
突っ込みどころはあると思う。
登場人物たちの言動やら立ち居振舞いやらだとか
ミトモと「三友」だとか。
けど、キャラクター達が楽しくて可愛くて
そんなことはまあいいか、と思えちゃう。
3組の中でも一番好きなのがこの高円寺×タローちゃん。
CDの影響もかなり大きいという自覚はあるけど。
一見がさつっぽいのに実は周りをよく見ている気配りの人で
懐の深い高円寺は実に男前だし
一見高慢で付き合い難そうなタローちゃんは
本当は不器用なだけの可愛い女王様だし。
読んでて思わずにやけてしまいそう。
1巻から6巻までまとめて読んだのでまとめて感想を。
切ないなぁ……。
特にこの6巻、エレベーターのシーン。
清芽の台詞が切なくてうっかり泣きそうになった。
ホラー要素もちゃんとあるから「怖い」もあるし、
中学生コンビが仕事を離れた部分では「可愛い」もある。
なんだけど、後半5・6巻にそういう展開が続くからか
6冊全部読んでの一番の印象は「切ない」になる。
凱斗が嘘をついていることは清芽にも読者にも分かりやすい形で示されるんだけど、
あれはどっちなんだろう。
無意識にしていた❨凱斗にとってあまりにも当たり前な、自然な❩ことだったのか、
明良と共にいることを選んだ清芽への言葉にできないメッセージだったのか。
どっちにしても切ない話だ……。
わりと気軽に読めた上巻と比べて
中巻では血腥さが増し、
さらに秀一自身が酷い目に遭うのがこの下巻。
あらすじにあるように、薬を使われ監禁され
おまけに……、という状況にあっても秀一が「らしさ」を失わないのが本当に好き。
裏切られた過去や今置かれている状況にうちひしがれ
ただ助けを待つのではなく。
例えば、敵を全て一人で倒して監禁場所から脱出してくるというような
「そんな無茶な」と突っ込みたくなる“スーパーヒーロー”化するわけではなく、
あくまでも今の自分にできることを冷静に見極めて実行するあたり
「秀一のこういうところが好きなのだ」と思う。
辰巳も私も。
監禁事件は秀一にとってはなかなかに壮絶な結末を迎えて
ある意味あの人の思惑通りではあるんだろうけど
秀一自身の強さや辰巳を筆頭とする周りの人たちのおかげで
余計な心配や不安の要らない終わり方で良かったかな。
ドラマCD →原作。
この作品の何が好きかと言うと、キャラクターが魅力的だということ。
特に好きなのは、なんたって秀一。
いわゆる「男前受け」と言えばこの人!
だと思っている。
言うこと・やることを見れば「可愛げ」とはかけ離れた辰巳も
こと秀一に関してだけは可愛く見えてくる。
メインカップルの二人だけでなく周囲の人たちも楽しいというのがまた良し。
メイン二人の肩書き・立場がああなだけに
物騒なことも描かれてはいるけれど、
登場人物のキャラクターのおかげか、
重すぎる、痛すぎるということもなく読めると思う。
「男前受け」が好きな方にはオススメしたいシリーズ。
人気シリーズだろうから、今さらオススメなんて不要かな。