カタカナが苦手で覚えられないので、レビュー上位にいるのは知っていながらも読むのを戸惑っていました。
しかし歳の差体格差が大好物なので読んでみたら、どハマりして夢中で3巻まで読んでしまいました。今は番外編を読んでいます。
フラットな文章で、視点が変わるところは改行があるので読んでいてわかりにくいことはありませんでした。また、カタカナ名前が苦手ですが、人物の簡単な説明は冒頭に説明ページがあるので、何度かそこを振り返りながら読み進めました。
家系の話が多く、誰々の従兄弟、又従兄弟、といった方も出てくるので人物相関図があればさらにわかりやすかったと思いますが、そのあたりはそれほど重要ではないので、あまり意識せずに読めます。
ほかの方もレビューしていますが、本作の主人公はいろいろ動くことで危険な目に遭う系の主人公です。
そういうタイプは実は得意ではないのですが、彼の心情が丁寧に描かれているので、そこまで気になりませんでした。
壮大な物語なので頭と心のメモリを使うのですが、出会って良かったと思える作品です。
一巻から一週間ほどで三巻まで読み終わりましたが、作者様の繊細で、緻密で、丁寧な文章にしっかり心を掴まれ、引き込まれました。
ものすごーくプロットを練られていたんだろうな、と思います。
ここからは本文の内容に触れますのでご注意ください。
読んでいて、なぜそこまでの無体を、と何度も思いました。例えばレオリーノが誘拐され、乱暴を受けた描写。爪を剥ぐなんて、必要だった?と。でも、そこまで力を込めて抵抗したこと、爪がないことで拷問を受けたのではと思わせること、爪が生えてきたと喜ぶ描写へと繋がっていました。
表現の選び方に無駄がなく、すべてが物語に収斂されていく文章に鳥肌が立ちました。
今は番外編を読んでいますが、これもまた一人一人の深掘りで読んでいて切なくなります。
作者様がプライベッターであげている物語も読んでしまったので、まだまだこの世界から抜け出せそうにありません。
読んでいて何度も涙がこぼれました。
互いに思いやる愛情が、本当に美しく、丁寧に描かれていました。
愛があるからなんでも許せる、受け入れられる、ということではなく、背景にある葛藤、苦悩が掘り下げられているので、奥深い人間性を感じさせてくれます。
非常に骨太な物語でした。
評価の高さから軽い気持ちです読みはじめましたが、素晴らしい本と出会えたと思います。
翻訳なので、日本では見慣れない表現や主語に少し戸惑う部分もありましたが、するすると読み進めることができました。
カップリングについて、ジェイムスが初っ端に攻めていますが、半分強はベンが攻める描写です。
エロの描写はわりとあっさりしていると感じましたが、互いに、命令口調で相手に奉仕させる描写もあり、リバならではでとてもドキドキしました。