愛の在り処をさがせ!のシモンの弟テオの話と、愛の本能に従え!の黄辺視点。
そして愛の罠にはまれ!の兜視点の3本立てでした。
この本だけでも読めますが、兜さんの性欲爆発なえっち事情は通常運転として、それ以外のお話は「え?ここで終わり!?」というところでおしまいです。そして、読後感はほろ苦いです。
特に2話目、黄辺視点の話がかなりえげつない。
他の方も仰っているように、久史の黄辺の扱いが読んでいて辛い。
久史は音信不通だった黄辺と6年ぶりに再会したというのに、彼をオナホ呼ばわりし、自分のいいように扱います。
百歩譲って、それが「昔馴染みの黄辺への無意識での甘え」だったとしても、10代の子供ならともかく、それなりの立場を持ち、人の親になった経験もある成人男性の行動と考えると、やっぱりみるに堪えません。どうしてこうなった…。
片思い、横恋慕、攻受以外との結婚、離婚、子供の存在に地雷がある方は要注意です。
私はこの本の発行をとても楽しみにしていたのですが、残念ながら現状ではちょっと読み返すのが辛いです。
ただ、今作に出演した兜さんちのあーちゃんのように、ムシシリーズでは、悪役ポジから華麗に主人公へ転身を果たしたキャラの実績があります。
もしも黄辺と久史との未来があるのだとしたら、久史が、現状からどう変異していくのか楽しみではあります。
この話の登場人物たちが、自分なりの幸せを掴める未来を信じて、評価は萌で。