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個人の解釈

1巻から引き続き、久世とあつむ中心の話です。

以下ネタバレ感想&解釈

久世とあつむの描写だけを見てみると、とても可愛くて大好きです。
色事に不慣れなあつむが久世にだけ心を許して、体を重ねるシーン。
とにかく甘く甘く、どこまでもあつむを甘やかす久世の愛(と呼んでいいのか?適切な表現が思い浮かばない)。それに溺れていくあつむ。2人の描写は可愛くて、
情事の体位や乱れる制服、表情、セリフ……全てがすごく可愛くていやらしい。
冒頭の情事は何回も読み返してしまうほど甘々で好きです。

………これがスクールカーストという狂ったコミュニティの中に所属する2人という事を忘れれば、ですが。


元ターゲットのあつむにジャックを渡した久世。
久世の真意が掴めません。あつむへ注ぐその気持ちにどんな目的があるのか………
と、いつ久世があつむの事を裏切ってしまうのかとドキドキ(いやな感じの)していて、2人の接触を楽しむ余裕がありませんでした。
もちろん、話自体は面白いのですが、手放しに楽しめる程雲行きが良くないのです。いろいろ勘ぐってしまいます。
天地のひっくり返る逆転ぷりを見せつけてきた狂乱のカーストゲーム。気づけば全ての事に対して疑心暗鬼になる程、世界観にドップリです。

今まで友達の居なかったあつむが世界を広げようと徐々に積極的になるシーンはは健気ですごく良かったです。地位を演じ仮面を被ることなく、ジャックという立場を後押しとし、少しずつ踏み出そうとする姿があつむらしくて好きでした。

「傷つけるくらいだったら自分が傷ついた方がいい」というあつむの台詞は今までスクールカーストの狂乱ぶりを見てきた私にとってあつむの優しさと強さに胸を打たれたとても印象に残るシーンでした。

ジャックを手に入れたあつむの暴かれた仮面の下の顔は淫乱では無く(もちろん、快楽に流されて悲鳴をあげちゃうあつむもすごく可愛かったですよ!!)
例えカーストゲームが無くとも、元々大人しく、人付き合いが得意でないあつむがずっと周りから貼られてきた「いじめられっこ」のレッテルの下にある、芯の強さじゃないかなぁ、なんて都合よく考えたりもしました。

ただ、久世に関してはまだ読み込みが足りず、全てを咀嚼できてはいません。
ですので、後半の久世絡みの描写は結構辛かったです。


先のあつむの所で述べたように、久世がどうしてあつむにここまで執着するのか。酷いやり方であつむを裏切るのではないか。そんな嫌な想像が頭を支配してなりませんでした。(払拭出来なかった理由としては、権田先生が久世とあつむの事をイケメンとおぼこい子が一緒にいる、と2人に違和感を覚えるシーンが挿入されていた事による。)

以下希望的推測における感想にはなりますが、
幼少期の久世が仲間から虐げられたうさぎを守ろうとして守れなかった事がトラウマになっていました。守れなかったという事に加え、久世を間違った方向性に導いた感情として、か弱いうさぎが自分だけに懐いてくれた事に嬉しいと感じていた事でしょうか。群れに馴染めることがうさぎにとって最も良い事ですが、久世は庇護して依存される。その関係性を気持ちいいと思ってしまったみたいです。

今度は同じ過ちを犯さぬよう、あつむを大切に大切に扱いますが、徐々に群れに馴染むー梓と友達になろうとするーあつむを見て、久世は失う恐怖を感じ自身をコントロール出来なります。
あつむが傷つけられる恐怖より、群れに帰って自分から離れていく。こんなにも君の事を可愛がっているのに、どうして離れていくの?という愛の形もまたぞっとする物がありますよね……。
あつむを大切にしたい気持ちの下からいつまでも自分の元で大切にしていたい独占欲、庇護欲が顔を覗かせます。ここもなかなかの狂気っぷりですが、それでもなんとか感情を沈めて「あつむに危害は加えないから」と言い肩で息をする余裕なさげな久世にはぐっときました。こ
その言葉、信じていいんだよね……?笑
ここまで来ても疑いまくりです。

というのが、希望的推測と感想でした。
しかし、この感情と「君がジャックだから従っているってことを忘れないでね」という台詞がイマイチ結びつかず………。うーん。難しいですね。
久世に関しては難しくて読みきれません。

スクールカーストという狂った世界の恐ろしさがゾクゾクと押し迫ってきた1巻でしたが、2巻ではスクールカーストという複雑な人間関係の中でもがきながら、変わらずに、自分の目で見つめ続ける登場人物たちの強さに胸が熱くなるシーンも多々あり……。

彼らにとってスクールカーストとは何か。そんな事を考えながら読んでました。

個人の解釈

暴力描写&攻めが挿入される(リバではない)シーン有り。
まず、この2つを受け入れられる方にオススメします。

バンドマンのヨルは様々な人を魅了します。容姿はもちろんステージ上で輝くヨルの歌声や色気……その人気は性別問わず、誰も彼も虜にします。
寡黙で何を考えてるか分からなそうな彼ですが、天然で周りとちょっとだけ話のテンポが違う姿も愛らしく、作中彼に虜になる皆と同様、ヨルにとても惹き付けられました。

そんなヨルが密かに想いを寄せる朝一。彼は女の子にモテたいという理由からバンドを始めた男の子。
ファンの女の子を物色したり、手が早かったり。
学生時代の回想からも調子者で見栄っ張りな所もあるのかな。

ライブ後に行われた乱行パーティーで誤って朝一がヨルを抱いたことにより、ヨルの気持ちが明らかになる訳ですが……。

過去にヨルを救ったのも、ヨルがバンドを始めたきっかけも朝一にあると言うことも彼の独白により明らかになりますが、私はお調子者で不純な理由でバンドをしてて、女の子とヤることしか考えてないような朝一のことが初めはあまり好きになれませんでした。

ただし、思わずクスッと笑ってしまうようなシーンや、勢いのあるライブシーン等は思わずページを捲ってしまう楽しさがあり、作品の世界にはどんどんのめり込んでいきました。

そして暴力シーン。暴力シーンが苦手なので私はさらっと読みましたが、その後に1人でうずくまり震える朝一、自尊心をもめちゃくちゃにされながらも、ヨルが自分と同じような目にあってたら嫌だと身体を震わす姿にはグッときました。

最後までヨルがその一途さを貫く所や、朝一が徐々にヨルへの気持ちと向き合っていく姿は(朝一に関しては多少のゲスさもありますが)健気で一生懸命で真っ直ぐで好きだなと思えました。

とりあえずハッピーエンドで終わります。
上にも述べたように、朝一の行動が結構ゲスかったり暴力シーンがあったりするのですが、バンドメンバーの愛のある茶化しや、時折くれる真剣なアドバイス、ファンの女の子がヨルの恋を応援する姿………メインの朝ヨル以外の登場人物達もとても濃厚で生き生きと、彼らの恋路を導いてくれるのが好きでした。

ハラダ先生の絵がとても素敵です。

ネタバレ&個人の解釈です。

カーストヘヴン3巻まで読み切りましたが、外側から見たら確実に狂っているカーストゲームで支配されたこのコミュニティの中で光を見いだせたのがこの3巻、巽でした。

それぞれのCPを部分的に切り取った萌えポイントは数えきれない程ありますが、カーストゲームにより「演じることを余儀なくされた世界」の元で彼らを見た時、どう受け入れてよいか分かりませんでした。そもそも役割を演じる彼らは、通常生きていたとしても元々の顔(本性)に多少周りの目を気にして、多少の仮面は被るでしょうに。それに厚塗りするかのように、階級を演じ。カーストにより本性を暴かれる者、カーストにより更に深く仮面を被る者。誰かに仮面を貼り付け、あたかも素顔のように思わせる者。
そんな世界でどの愛を、どんな愛の形を信じればよいよか、そんな疑心暗鬼の状態で読み進めていました。

だが、巽は違う。カーストゲームはただのお遊びで良かった。退屈な日常に光指す刺激でよかった。バッドボーイとして仙崎と愛し合うことになった巽は彼との交流を経て、敷かれたレールから逸脱出来ない自分を知り、どんなに願っても理想に手が届かない、最終的にレールから外れる選択が出来なかった自分を知ります。それでも尚、仙崎と運命を共にする叶わなかった未来を思い、矛盾だらけの自分を知ることになります。

カーストゲームという恐ろしい環境の中で自分を見つけ出してくれた巽。きっとハッピーエンドではなかったけれど、それでもこの世界の中でまっすぐ自分と向き合った巽を見れて救われました。

優等生から離れ、仙崎と愛し合ったあの時間は巽にとっては、一時の息抜きでも遊びでも汚点でもなく、ただ自らの顔面に張り付きすっかり皮膚と馴染んでしまった仮面を脱ぐことの出来た、生まれたての透明な姿だったのかな。と思えました。
この話を読めて良かったです。
常にどこかで誰かが虐げられる、そんな残酷な世界の中で巽のような人に出会えて私は良かったです。