散々色んな所のレビューに脅され覚悟して読んだんですが、個人的にはすごく甘々でした。
確かにレ○プも暴力もNTRもあります。脇には死亡EDも。
ですが攻めは一貫して受けのことが好きですし最低限の倫理観が働いています。
囚人のトップでもあるので普段はその権力により、刑務所の悲惨な実態から受けは読者ごと遠ざけられ、受け本人も大変たくましい性格をしているので、話の雰囲気は暗くなりません。
ヘイトコントロールめっちゃうまいです。
ストーリー上も子供を殺したり、無罪の人間がひどい目にあうようなことはないので読んでいて後味が悪くなることはありません。悲惨なだけの作品とは違い、余計なこと考えず世界を楽しめるようにときちんと配慮されています。
キャラ造形も一級品でしょう。
まずブレません。それぞれの考えに従って生き生きと動き、行動原理を理解出来ないキャラなんて一人もいません。愛もまたどのカップリングにあっても至上のもの。
だからこそエンディングへ向かい始める時、逆らえない流れの中で胸にぐっと来るものがあります。
それぞれの終わり方は9,80年代BLものによくあるものと言えばそれまでですが、決して納得できない終わりでも投げっぱなしでも逃げでもありません。
ぜひ他の方にもこの満たされるような読了感を味わって欲しいと思います。
物語をどう転がしていきたいのかよくわからない話でした。
愛され系のできの良い双子の弟にコンプレックスを持つ可哀想な主人公が、弟の方と付き合いたかったヤリチンの攻めに身代わり扱いされてぐだぐだするんですが、とにかくいろんなものが唐突で、登場人物の印象が無駄に二転三転して理解が追いつきません
キャラの心情を丁寧に追ったというより、やりたい展開ぶち込んだって感じ
特に攻めのキャラがよくわからなかったのと心変わりの理由に全く共感できなかったのが致命的。受けも誰でも良かったのかも?と思わないでもないですが
設定と物語から受ける印象が一致しないことも問題じゃないかと思います
受けの生い立ちはたしかに可哀想なんですが、自分の希望を言わない、本人が無自覚にモテる、真剣に心配してくれる友人ポジがいる、弟は兄思い、実は物分りの良い祖母って設定のせいで、独りよがりにこじらせたように見えてマイナスに感じます
更に否定的なことを申せばすごくストーリーに既視感を覚えます。パクリとかいいたいのではなく、たまに見るわってニュアンスですが。親族に兄弟差別されて可哀想な主人公がビッチ化、攻めに人格はほとんどなくただの救済要員。恋人に愛されただけで特に何もなく十数年のコンプレックス昇華。問題の親族はストーリー進行に合わせ、これも特に心情の変化が描かれることなく速攻の手のひら返し。
悪くはないけどもう少し何かひねりが欲しい感じです。
絵柄は可愛いんですが、白黒で見ると雑さが目立ちますね。
とりあえず攻めともうひとりの黒髪キャラの見分けがつきにくい。第一話と最終話の間にもう絵柄が少し変化していて、見分けのつかなさに拍車をかけています。
ストーリーも雰囲気止まり。生き別れの兄を探して、ということですが、目先の恋愛で簡単に放棄しすぎ。謎を掘り下げていく作業もなく、身に危険が迫るわけでもなく、あっさり真相を攻めが教えてくれて終わり。父子間の確執もえらい簡単に流され…兄への情も思い込みで済まされ、全体的にう~ん?何がしたかったのかなって感じです。これならもう少し主人公の内面を掘り下げておくか、父親と兄の確執をもう少し軽くするべきだったのではないでしょうか。
やりたいことはわかりますがパーツが不揃いで演出が未熟のように感じました。
他のレビューの方が書いてあるように、どうにも感情移入出来ないキャラが多すぎます。
受けは恋愛脳ですし、それが周りを侵食していって気持ちが悪い。好きな人に他に好きな人がいても気持ちは抑えようがないってなら理解も出来ますが、泥棒猫していても友人なら責めるなって、浮気をテーマにした話の回答としては最悪の部類だと思います。作家なんだからもうちょっと言い繕いましょうよ。
攻めはただただ嫌悪感が湧きます。悪人じゃなく、ただの自己中ってところが救いようがない。いい年して屑で豆腐メンタルではとても魅力的には見えません。
和解の時も酷いです。嫉妬は愛情表現ですが、やらかした後にされると受けを愛しているんだ!と思うよりも、反省してねーなこいつという気しかしないですよ。
最後に後書き見て思いましたが、病院関連だけ話から浮いている気がします。
そういうリアルで感じた真面目なものをBLで表現するべきではないのでは?
男性向けで実際の犯罪を元にした作品がありましたが批判が殺到してましたね。
絶対にやるなとは言いませんが、話の主軸にもおかず、浮気だのセフレだのという単語が飛び交う中になぜ混ぜたのか理解に苦しみます。病気のこどもは作者のネタの供給源でもおもちゃでもありませんよ。
BLにリアリティなんて求めませんが、現代モノである以上背景に多少なりとも説得力がほしいところです。少なくとも読み終わるまでは。
話の都合上だとか必要性だとか細かい設定の矛盾などを安易にルエノア王国に押し付けているがために、すごく王国の人たちが薄っぺらくてバカっぽい仕様になっております。
受けと攻めの2つの国を取り囲んでいる周りの国もそうです
まだファンタジーっぽくふわっとすれば可愛げがあるものを、半端に設定を作りこんだせいで突っ込みどころが生まれている。
話を展開させるための狂言回しや必要性からくる舞台設定なのでしょうか、どちらにしてももう少し厚みが欲しかったです
シュチュエーションやキャラ造形は狂おしく好きなんですが、話そのものは脚本の作り込みが甘い気がします
作中の結局どういうことなの?という疑問に明確な答えはなくモヤモヤと消化不良
父親の真実、攻めの過去、二人との関係、事件と裁判の行方、その全てに深く踏み込まずに済ませているので、話の輪郭だけを舐めているような、そんな上滑りする感覚が残りました。BLなので事件関係を掘り下げろとは言いませんが、それならキャラの過去や現在の心の動きなんかをもっと詳しく知りたいと思います
ページが足りないと言うなら、いっそ要らない設定を切って焦点を絞ったほうが良かったのではないでしょうか
移ろいやすい周囲の評価に傷つけられた過去を持つ受けと攻め。
共感し合う二人が初めての恋愛を通して、確固たるものを見つける話。
いい意味で青春モノでした。今思えば古き良き2000年代の明るい高校生作品群のひとつ。BLの読者層が上がったのか、最近はこういうのめっきり減りましたけど、自分は好きです。もっと増えて!w
受けの性別を変えてエロさえ抜けば、少女漫画で連載できそうなリアリティのなさなんですが、物語なんですから逆にこのぐらいのファンタジーで良いと思います。最近のBlはリアリティばかり追求して物語性置き去りなので、再読して新鮮に感じました。
テーマは一貫していますし、脚本もしっかりしています。一般作品から見れば物足りないかもしれませんが、明るい恋愛話ならこのぐらいでいいのではないでしょうか。