全体的にスリリングな演出の巻でした。ラストに、”続刊早く~”(って小説読んでるんだけど)っていう焦らしプレイがあり、前半は青依くんのスカウト問題でふたりの間にピリっとした空気が流れ、空気を読まない甥っ子の闖入があり~w。
しっかり丁寧にコミカライズされている作品なのでシリーズファンにとっては、とてもありがたいです。
というわけで、印南さんは相変わらずセクシーかっこよ!仕事もバリバリこなして恋人もバリバリ愛しての典型的なスパダリ、THE攻め様!安心安定なので自分が不安定なときは、こーゆータイプの攻め様BL読むと安定しますよね(あとスリーピースが好きすぎるっていう問題もクリア)。今回もタフネスでした。
濃厚なスケベのあとに、思春期真っ盛りの甥っ子が突然訪問してくるっていうのもハラハラどきどき!恋人にそっくりな生意気盛りの高校生に翻弄されながら、益々成長著しい青依くんの仕事と家庭に真摯に向き合う姿勢には、毎度BLってことを忘れて感心してしまうのでした。
期待以上の読み応えに圧倒されて「神」にしてしまいました!
とってもスケベでとっても優しい中高年のためのラブストーリーです。
不器用な大人の恋にひたひたに浸りたい方はぜひ。
作品を構成するすべての要素に隙が無いうえにタイトルが神懸ってますね。
アラフォーのおっさんがこんなに可愛いわけがないと思いながら、アラフォーが可愛いBLを好んで読んでしまう読者なんですけど、そ~ゆ~作品とはちょっと一線を画すような、ずっしりと人生背負ってるおじさま方の悲哀(と恋)にグッとこない大人いるんでしょうかw?(いるかもしれないけど…)
ふたりしてお仕事はストイックなのに、性欲と性癖に素直なのが可愛いすぎました。眼鏡に~!のアレは、初めて見たプレイではないと思うんですが、アキちゃんの切望する表情がいやらしすぎて、新たな扉が開きます。あまりに大人すぎて、実はとっくに恋に落ちていたのに、改めて”好き”と言う感情に照れてしまうっていうのも良すぎます。
なにより、責任世代wのふたりが、それぞれの事情(ローンとか転職とか…もう大変なんだからさ~)をさらっと受け止めて一緒に生活することをナチュラルに決める、穏やかで成熟した関係性(でもスケベは激しい)がとても素敵でした。後期高齢者になってもタクちゃんアキちゃん、仲良しでいてください!
というわけで、笠井先生の小説を読みたくなりましたw
華麗なるフェチの世界へようこそ!
っていう、執筆陣がゴージャスなアンソロです。こういう企画もの大好物です。一話一話は短いものの、内容が濃い~!!!ページ数を上回る読み応えに満足!!さすがのクオリティです。
全部よいのですが、特に五体投地レベルだったのが…
①南月ゆう先生の「舐めフェチ」!というか、普通に中世ファンタジーの主従もの。南月先生のファンタジー、時代物コスチュームって珍しくないですか~?もうそれだけで眼福なうえに、素晴らしい主従萌えでした。
もうなんつーか、前編後編で読みたいくらいなんですが(頼む!)
②暮田マキネ先生の「ほくろフェチ」。はいはいそうきましたかっ!っていう、性癖のなかでも、なかなか手が届かなかったところ(?)、いっやーーー目の付け所がさすがすぎます。そして、ピュアエロい。
もはや、一冊まるっとほくろフェチ特集号がなんでないんだろう?っていうくらいの世界観でした。
③麻生ミツ晃先生の「活字フェチ」は、ハンカチ必携です。どう書いてもネタバレになってしまいそうなんですけど、ネタバレなしをお勧めします。一級のストーリーテラーによる名作がここにまた誕生してますよ!
繊細で独特で切ないフェチは麻生先生にしか描けません。
というわけで、明日美子先生の「怪談」は個人的にホラーがあんまし…っていうとでベスト3に入らなかったんですけど(汗)、めちゃめちゃ”らしい”なぁ~って思いました。
こちらが気になって「アンヒンジ」をまず読んで、あまりハマらず…と思ったものの、最初に気になった直観を信じて読んでみたのですが、結論「こっちのが好き!」でした。面白かったです。
サイコパスとサイコメトラー、ふたりとも大学教授で一人は元FBIっていうIQ高い同士のちょっと変わった恋愛という設定が好みでした。しかも、リバあり!基本は固定のよう(?)ですが、途中そういう流れからの~という、リバファンにはご褒美のような展開がありました。同性だからこその設定、海外ゲイ事情描写は個人的に性癖ポイント高いです。一方は大富豪とはいえ、ふたりの立場、教養、体格wの同等さっていうのもストライクゾーンど真ん中でした。
頭脳明晰な恋愛童貞がどうすれば恋愛できるだろう?って凡人に教えを乞う、好きになってもらえるよう努力するプロセスが可笑し可愛い。そもそも他人の家に無断で侵入するという行為は嫌われるはずなのですが、レベルが高い彼らの場合、恋愛が始まってしまうという妙w。通報必須の不審者でシリアルキラーな同僚を、なんだか好もしいと受け入れる元FBI捜査官の犯罪心理学者もかなりクレイジーっていう、本当に割れ鍋に綴じ蓋カップルっぷりがよいです。それぞれ表面的には大人のテンションで溢れんばかりの下心を包んでいるところなんかは大人可愛いものがあります。包んでいないときのスケベ描写の官能みは翻訳者さんの功なのでしょうが、とても読み応えがありました。(でもちょっと長すぎるかも…と思わなくもなくもない…かな)
ふたりがやっつける”悪”、犯罪組織についての描写に物足りなさを感じてしまうのは前回と同じだったのですが(もう少し背景の説明が欲しいかも…、あまりにあっさりやられてしまうので…)、まぁロマンス部分はどういう着地点で落ち着くの?っていう危うさが感じられて一気読みに近い速度で読まされてwしまいました。きっとシリーズ続刊にも手を出してしまうでしょう。モル先生のイラストが内容を盛り上げていることも間違いないです。
デビュー作以来お久しぶりの作家様です。
yoco先生絵だと手が伸びてしまう…ってうのと、切なげな表紙の雰囲気、SF設定に興味をもって購入しました。
スケベ描写が上手い先生だなぁ~って思ったにも関わらず、攻め受けのキャラに萌えず…、特に受けさんのキャラはダメでした…。あと、すでに他のレビュアー様がコメントされてますが、攻めさんの口調がどうもイラストのイメージとミスマッチな印象でした。さらにどういうモードで読めばいいのか(コメディ系なのか切ない系なのか…)戸惑ってしまったことも敗因ですね。きっかけはラブコメっぽいんだけどなって思ったんですけど。
恋愛できないから自分好みのヒューマノイドを作ってしまえ~と作ったはいいが、愛情表現がそもそもプログラムでしかない(心がない)?自分ばっかり好きになっちゃうじゃん!と不安になる思考回路に人間のしょーもなさを感じずにはいられませんでしたw。そしてこのメインCPの恋愛の成り立ちと過程に矛盾を感じまくり…。所有者と所有物っていう、どこまでいってもイコールにならない立場はもはや切ないというよりしんどかったかも…。
とはいえ、主人公の友人の英治と冬馬の関係性にはそそられるものがありました!
作家様買いです。
いやぁ、難しかった……。なんかどう書いてもネタバレになりそうなんですけど、”書き下ろし”がないと「はてな?」で終わってました(雑誌掲載時に読んだときはそうでした…)ゆえに、絶対最後まで読んだほうがいいです!!(←アタリマエですけど)攻め視点→受け視点と変わることにより理解が深まります。
受けのあざとさにも色々仕掛けがありそうだな~と思ってたんですが、なるほど~の展開でした。受け視点が攻め視点でモヤモヤしている部分をスッキリさせてくれます。”分岐する”っていうタイムリープあるある?な設定が私には難しかったなーってゆーのと、攻め受けのキャラがそんなになーってゆーところでラブに関してはそれほど萌えはしなかったのですが、脇キャラが良すぎますw(←沙野先生あるある)
まず同級生の大洋。こっちと攻めのカップリングのが好みだったかもー…!途中、あれれ?もしかしてもしかすると律朗大洋で受け君が当て馬だったりする?って惑わされるくらいギリギリの展開だった気がしますw
次、森下!!ヤバいですね。斉季もだいぶヤバいですが、森下の執着には全人類敵わないかも…って思いました。後半の展開は軽く昭和の某文豪の名作(漢字三文字の)を彷彿とさせましたよね。あの2人のその後とか気になってる読者は私だけでしょうか…?
SF不得意科目なので設定に馴染むのに時間がかかりましたが、そんな日常読みの私は、起こった現実をそのまま受け止めることは大切!やり直しが効かないから時間は貴重なんだってしみじみ感じ入りました。やり直しが選べたら現実に留まれないですよね。
とゆーわけで、色んな意味で読む人を選ぶ作品かもしれませんが、最終的に全てのピースがハマるような計算された設定の読み応え、そしてハードコアなエロスw、沙野先生にしか描けない唯一無二な感じがしました。
”風呂キャンセル界隈”っていうより、めんどくさがり社畜リーマンの先輩後輩・再会ものっていう感じですかねー!ということで、最初から最後まで楽しくてキュートなラブコメでした。多忙な一人暮らしさんのリアリティ、あるあるじゃないでしょーか。仕事でくたくたに帰って、風呂沸かして入る?そらめんどくさいもんね。私も全自動俺洗い機欲しいですw(つまり介護…、いやあのふたりも最終的には…)
だらしなくてズボラ、でも美人でスケベとゆー個人的にとても好みの受けキャラでした。オンオフのギャップ萌えも加点。学生時代に可愛がっていた後輩と久々に再会したら、好みの男に仕上がってて軽く片想いの悶々って…好き!仕事優先で私生活を疎かにしがちなので自分の誕生日すら忘れて(どれだけやねん…)、攻めさんに一瞬家出されて大泣きする可愛さにキュンしてしまいました。リア充する気力も素質もないのに、ワンナイじゃなくてちゃんとしたパートナーが欲しいっていう切実な本音、都合のいいこと言ってるような印象がなくもないんですけどw、受けさんのキャラクターがよくわかるな~と思いました。
あと元カレが地味にいいキャラ。別れた経緯も納得~だし、それぞれの恋愛観の違いとか面白かったです。さらに、三上=ミカ、和葉=ずはっていう愛称がキュートだなと。攻めさんのDT設定が若干腑に落ちなかったんですがw、まぁこういう尽くす攻めと、尽くされるのが似合う受けっていう割れ鍋に綴じ蓋BLはなんぼあってもよいですよね。
いままでモノクロームロマンスを読んでハマったことがないんです…が、なぜ本作に手を出したのかとゆーと「サイコ」が気になりすぎたからです!書店で「サイコ」を見たときに、割と好きな設定かも~と作品情報検索したら、シリーズ第2弾なんだ!?と知り、1から読んだほうがよいみたいだったので素直に着手したのでした。
確かに!日本の商業BLではあまりない(たぶん)億万長者のサイコパス兄弟、第1弾は末っ子スーパーモデルの愛(メイビー)ということだったんですが、設定モリモリだからサスペンス多めなのかなの予想に反してスケベ多めでしたwサイコパス兄弟が法で裁かれない悪い奴らを成敗する(ちょっとこの表現古くてスミマセン…)、まぁダークヒーローものなわけで、この攻め受けが親の仇というシチュで出会って~っていう展開で、そこからペドの集団暗殺に至るまでなんですが、といってもそんなにペド描写がないのでペド嫌いなひとでも読むことか可能かと思いました。が、なんかこんなに事件の描写がふわっとしてていいんかい?っていう、サスペンスパートへの物足りなさを感じて感じて…まぁ、イカレタ(unhinged)やつらのラブかもしれないストーリーがメインなんだから正解なのかもしれないんですけど、なんかちょっと、ふたりを結び付けた事件の顛末が抽象的な気がして(汗)なんだかいまひとつしっくりこなかったのでした。。
とはいえ、こういう海外小説が翻訳されてこうして日本語で読めるっていう供給は素晴らしいんだよ!って思うわけで(価格も年々上がりますよね…コスト考えたらやむなしですよね…)その辺はありがたいという気持ちを加点してます。必要だと思うんですよ、こういう文化交流も。
というわけで、この世界観にあんまり乗れてなかったのにも関わらず!「サイコ」読みたいんだよな…(キャラ的にはそっちのほうがハマりそうな予感なんだけど)うむ…
本当に先生とキャラさんに感謝しかないおまとめ集でした。
評価しきれないほどのありがとうという気持ちしかないです。
頁をめくればそこに愛すべきディックやユウト、そのハンサムで愉快な仲間たち(←雑ですみません…)が幸せに暮らす人生があって、読み返すたびに心の中で彼らが実在するようです。繰り返し読んでいきたいと思います。
というわけで、やはり私もヨシュアと同じで推しカプがディックとユウトなので、このふたりがメインになってるエピが好きでした!ユウティ視点はあったらいいな~と思っていたので、「これこれ!」とにんまりしてしまいました。
一番笑ったのは(?)、「Don't ride his mortorcycle」です。ヨシュアが推しカプを語る暑苦しさに大爆笑でした。車が故障したので職場からキースのバイクに送られてくるユウト。動物好きなキースがユウティを見に立ち寄るってだけの話がなぜにこんなに笑えるのかとwもうね~MVPはヨシュアです。面白すぎます。いや、たぶんこの人本質的にはオタクですね!そして、ディックって実はとても恥ずかしいひとなのかもしれないと。イケメンだから許されてることが多すぎですwもう一つ笑ったのが、”タンデムは浮気!”の概念。確かに…大事なことなのでもう一度、はい”タンデムは浮気”です。
あと、「秘密が増えていく病」もちょっと(だいぶ?)三枚目のディックが面白かったです。キースのほうがハンサム指数が高いんじゃないかと心配になってしまいました。若い頃のキアヌ・リーヴス的なキースはBLっていうより少女漫画のイケメン的な印象があります。
最後「I wish」でニューヨークのクリスマスの雰囲気を味わうことができて、、本当にこのシリーズはラブストーリー周辺の情景・社会描写もとても丁寧に描き込まれているので読み応え、スケールの広がりを感じるなぁと思うのです。
息を吸うように作家様買いです。
穏やかな日常だからちょっとしたことで感情が波立つこともあったり、静かにすれ違ってしまう切なさがあったり、ささやかだけど理想的なふたりの世界という、生活のなかにあるラブストーリーは、とても安西先生らしいです。
生活BLこそ私にとって真のファンタジーなのです…
ディアプラス連載時に読んだときは、マイペースな攻めさんに対して受さんがあまりに甲斐甲斐しすぎる印象を受けて、う~ん…と思ったんですが、文庫化で攻め視点が書き下ろされて評価アップですw
そして、扉絵の羽純先生のイラストが素敵すぎます!!
とはいえ、私の点数が振り切れなかったのは、攻めさんのわかりにくいキャラと受けさんの自己肯定感の低さがあんまりな~って思ってしまったところなんですが…、出会いからそれぞれが弱点を意識して克服→プラスに変わっていくので結果オーライではありますが。攻めさんの気持ちや立場については、今回の書き下ろしでだいぶ理解できました。とはいえ、派手がいいとは限らないのに、地味をネガティブに捉える受けさんの気持ちには最後までちょっとモヤっとしたものがあったのですが…可愛いって自覚しろw!
恋愛童貞のモテ男が処女童貞との恋で更生(?)しちゃう、健康的な生活になっていくおまけSSが地味に?いや派手にツボでした。