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女性えすむらさん

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男前たちの饗宴

永遠に続くシリーズだと勝手に思っていたので「完結」の二文字を見たときに「え!」ってちょっと切なかったのですが、、、なるほどなるほど、、これはスピンオフきますよね!??

というわけで、”獣かく(けもかく)”シリーズ最終章にふさわしく、前作以上にハードボイルド&ワイルド&スケベ!男前×男前、ときどき変態、大好物の世界観でした。クセ強(でも眉目秀麗)な男たちがそれぞれにそれぞれの(倒錯した)想いと欲望と野望を抱えて全力疾走で生きる様にカタルシス~。登場人物全員男、男、男で怒濤の男臭さでしたw(よし!)

メインのふたり以外のキャラクターも全員主役級の個性派揃いで、推しを一人に絞れないな~と無駄に悩む最終巻でした。そして、最終巻で?!っていうところで、今まで思っていた矢印が結構違ってた!っていうのも面白かったです。桐山⇔糸魚の主従や煉条と遠野…と思いきや~!?の展開でした。枕営業っていうか枕捜査な刑事・鹿倉の今回のお仕置きは何なのかな…というところの裏テーマがダイナミックな4Pというご褒美。途中、も、もしや二〇挿ししちゃうのかしら?とドキドキしてしまったのですが、期待…じゃなく予想のめっちゃ斜め上のプレイに慄きました。本当に沙野先生って官能博士号もってますよね。

ゼロと鹿倉が、クールで格好いいバカップルという日常に降りてきてしまったので、Xデイを越えてもまだ日常とかけ離れた世界にいる神(李アズハル)と最狂戦士・煉条ぉのつづき(あると信じてますw)も読みたすぎる!と思っているのは私だけでしょうか。小山田先生の最高オブ最高イラスト(カラーで見たい…)とセットで「神」です!

家庭平和は世界平和!

え~~、終わっちゃうんですか~~っていう寂しさ(涙)と、
紋付き袴のふたりの尊さ(嬉)と、ちょっと複雑な心境の完結巻でした。
シリーズの初めの頃は誠志郎の事情が多かったけど、今回は尊の内面のターンでややトーン重めの印象を受けました。(ネガティブではないです!)

非凡なところから平凡なところに流れつくっていう展開が新鮮だなぁと5巻目にして感心してしまったのでした。
政治家の二世と有名俳優の二世という特殊な家庭環境に育ったふたりが、特殊な事情で結婚をして見出したのは、ドラマチックなラブストーリーではなくて、普通の積み重ねのなかにある幸せ、大人同士が愛し合っていれば変な結婚なんてないんだ~自分たちが幸せならOK!っていうシンプルなセオリーにシンプルに萌えました。

攻め受けだけじゃない、登場人物が多士済々でしたよね。ほぼ主役な玲央くんをはじめ、BLだけど手強い女性キャラが多いのですが、不思議と邪魔じゃない嫌じゃないんですよね~(特に今回は尊ママ!オールラウンダー”大”女優なんだな…あの舞台が気になりましたw)。

”愛の数だけ、いろんな形の幸せがある”って無敵ですよね。尊が気負いなく「結婚って楽しいよね」っていう場面が素敵だな~って思って、そこには、愛するひととの生活がある自分の”居場所”に対しての揺るぎない信頼感と安心が垣間見えて、まぁなんか…やっぱり人間にとって”居場所”って大切なんだよねって思えて仕方なかったです。
(ただしオチは「バカップル爆誕!」ですw)

ヤッてく?

1巻より断然2巻のが好きでした。
相変わらずややノンデリ気味な矢島に時々ハラハラしてしまうので、鳥飼の健気さに1000ファイヤーです。(ヤッてく?に爆笑してしまいましたw 鳥飼、殴っていいとこだヨ…)

嬉し恥ずかし合鍵の交換…いい大人の男が可愛すぎて、めちゃくちゃキュンしました!受け取った瞬間の彼らの表情たるや、なんともいえなかったです。なんつーか、地味な場面だと思うんですけど、読んでるこちらまで照れちゃうような、キュンの瞬間、とてもインパクトがありました。もうあの一コマで、相手のことが大好きなんだ~!って伝わってくるの素晴らしい…。どんなスケベより、スケベな感じがしますw

前半、まだお互いに遠慮があって、相手への態度に悩み悩みお付き合いしてる感じから、ちょっとした諍いを経て、自分の気持ちを素直に相手へ伝えるようになっていく後半という展開に、ふたりの関係性の成長がみられてよかったなぁと思いました。同じマッチョでも”柔”と”剛”な個性のバランスがなんともいえない、ライバルBLの名作!って断言できます。

虹のムコウに

先生買いのセンチネルバースに疎い読者です。
特殊設定苦手科目なので、初のバースものでドキドキだったんですけど、わりとスイスイ読めてよかったです。ということは、こちらの分野が大好物の方とかには、もしかして物足りない?のかななんて思ったり。ちょっと懐かしい”サイコメトラー”ってやつとイメージ重なりました。普通の世界線にいる特殊能力あるひと!っていう感じで入門編として(?)読みやすかったです。

で、高校の先輩後輩の警察官ふたりのラブ&連続放火事件の解明。事件のほうは、なんかそうだろうな〜ってうっすら予想できる落ち着く顛末でした。攻め受けのキャラにはそこまでハマらなかったんですけど、今回とても印象的だったのは、センチネルの人生ってとこでした(←ラブじゃないやんけw!)。自己犠牲は過ぎると毒なんだなっていう人生訓を得てしまったw 目的のために攻めさんを必要としていた受けさんが、センチネルであることに全振りだったアイデンティティを、熱い男・吉積によってもたらされる”日常”を通して中条蓮としての個の覚醒w、なんのためでもない、ただ誰かが好きだという恋愛感情の重さと尊み。虹の向こうってゾーン超えたら行ける世界なのかな(切ない)。

別に誰かの役に立つことだけが人生じゃないってゆー…(役立たずでもいいもんね!)しみじみしてしまったのでした。松基羊先生の絵がめちゃいいです。

No Title

待望の日高先生新刊!!
サスペンス・スリラー?という印象を受けたんですけど、もう本当に私の残念な読解力が設定を理解するのでいっぱいいっぱいで、萌える余裕があまりありませんでした…(とほほ)。とはいえ、上下巻一気読みは必須です。

主人公のふたりがいちゃこらするまでに焦らされるっていう意味では、めちゃくちゃ日高先生らしい作品だな~って思うんです。それぞれに特別な感情を抱えたまま、思春期を境に交流が途絶えたふたりが、10年かけて再会するっていうことは、萌えの王道っちゃ王道ですよね。うん。もう、どんな気持ちで離れていたんかーーい!!って考えたら、その切なさに爆萌えしてもおかしくない状況なのですが~。(「忘れられない」とか大好物ですしー)

パラレルワールドが苦手なんですよ。ごめんなさい。”たられば”なしの普通に連続する世界でいちゃこらするふたりが見たいだけの凡庸な読者なんです(と痛感)…でも日高先生が描くキャラは少年からおじさんまで眼福でした。

くらしのなかに愛がある

憧れの朝食とささやかな幸せについてのBLだと思います。
あとね、自分の身の丈を知ることの幸運についても。

アクチュアリーとクラフト作家とカップリングにニッチさを感じて、なんだかとても安西先生らしい(?)とニヤける設定。個人的にあんまり馴染みのある職業ではないのですが、攻め受けのキャラクターとその職業で生きていこうと決めた背景がとてもしっくりきていて、ラブ以外の部分でとても読み応えのあるパートだと思いました。特に、受けさんの作品、なにかモデルのあるのかしら?だとしたらめちゃくちゃ知りたい!っていうくらい魅力的に描かれていました。”小糸”という人物が創作する世界観としての説得力がすごくありました。

あと、物件の趣!こういうお家とても好き。実際住むのに工夫がいるんでしょうけど、不自由さをセンスでカバーしているのがとても素敵でした(憧れる…)。寒くて暑いだろうなwって思うんですけどね、、朝食の描写とか本当にワクワクしました。価値観というより、生活習慣とか些細な行動の前提が一緒の相手って本当に一緒にいて心地よいだろうなっていう気持ちを読者にさせるさり気なさ、そこから実は…っていう展開でどんどん引き込まれます。

ただ、個人的には攻め受けのキャラクターにそこまでハマれなかったというか、捻くれ者なので、攻めのお兄さんのキャラ(嫌な奴なんだけど悪い人ではないんですよ)には共感ではないけど、まぁ凡人として理解できる。。。っていうところが半端なかったです。すでに他のレビュアー様も書かれていますが、お兄さん(離婚前提なんだけどw)スピンオフ、面白いかなって思ってしまいました。

雑誌掲載時に生活描写ばっかり楽しくて、ラブはそこまで、、とか思ってたんですけど、今回攻め視点の描き下ろしがラブの解像度をぐっとあげていて、それがとてもよきでした!

忽滑谷ロス

ついに完結してしまいました…
めちゃくちゃ!めちゃくちゃ!いいラストだったよ~~!!
木原先生ありがとう。
ところどころに極北感はあったけれども(サイコパス・米倉の描写とか、周辺キャラのクセツヨ設定とか)、本当にハートウォーミング、当社比ほのぼのではなく、ちゃんと一般的なwほのぼのでした。暁のそばにアルがいてよかったなと、心の底から祝福したくなりました。ただ、やっぱり永遠に生きるってどうしても寂しいですよね。ここまで読んでしまうと、ついつい人間の命が尽きるときまで考えずにはいられなくて(どうしても別れはやってくる)、
切ない気持ちにはなりました。でも、それはそれでいいんですよね。出会わない一生よりは絶対いい。

同時収録の「大好きなお父さんと吸血鬼」は、ふたりの後日譚を彼らに愛情たっぷりで育てられた”息子”視点で語られるんですけど、泣きたくなるほどいいお話。負は連鎖しないんだっていう力強いメッセージも感じられて、本当にじーんとしちゃいました。にしても、「エンバーマーでも俳優でもなくて刑事」っていうオチにひっそり笑ってしまいました。

というわけで裏主役・忽滑谷刑事。米倉との場面はなんだかエロすぎて、むしろこっちで刑事とサイコパス的なBL読んでもいいくらいなんですが!とムズムズしちゃいましたが、コミコミさんの特典(忽滑谷ファンは必読!)で彼のその後の人生がさらっと描かれていて、益々大好きになってしまいました。
あ~、、忽滑谷ロスになりそうw

どんどん”好き”なっていく…

最新刊がでるごとに愛しさが募っていく作品です。
毎度描かれるそれぞれの事情や思いが、いい感じに生々しくて、うっかり共感を覚えてしまうせいか、読者に寄り添ってくれるような、読者を置いてきぼりにはしないような、懐の深さをしみじみ感じられるシリーズだなーと感動せずにはいられないんです、はい。

というわけで、想いが重い久慈のターン。リーマン時代のふたりは眼福でしかなくて、久慈→吾妻への予想を超えて湿度の高い感情に”ぐふふ…”でした。一度終わりにして別々に過ごしている数年があるということが、現在のふたりに効いているんですよね。どーしても受け入れざるを得ない状況とかタイミングっていうのがあって、だからこそプラスでもマイナスでもなく個々の人生が存在する、そういう背景が感じられる描写がこの美しいフィクションの世界にそこはかとない現実感を漂わせていて、どーしよーもなく魅力を感じるんですよね!

温泉ではしゃぐふたり(”年甲斐もなく”は”萌”ポイント3倍要素です)、嬉し恥ずかしお墓参りデートとか、、別に大げさな言葉にしなくても、一緒に生きて行くという密やかな覚悟を共有し自然に寄り添うふたり、、、尊すぎて死ぬかと思いました(完結まで生きるけど…)。気持ちは言葉にしなきゃ伝わらないはずなのに、こちらのふたりは気持ちをわざわざ言葉にしなくても、さり気ない日々の会話からぞれぞれの気持ちや状況をきちんと察しているところが理想的で日常BLベストパートナー賞を進呈したいです。

コミコミさんの小冊子エピ(”久慈の夢”、”聖地巡礼?”)が、めちゃくちゃ!めちゃくちゃ!よかったので、もし購入先迷われている方いましたらおすすめしたいです。

恋について

恋がわからない人、そして恋が遠い日の花火になった人、恋をしている人…即ちみんなに読んでほしいような、優しいキラキラなラブストーリーです。20周年を迎えて、さらにさらに、こんなに初々しくて瑞々しいBLを描いてしまう木下先生に敬意を表して…神。

たまたま電車で見かけたかっこいい人と同じ職場だったら…ってもう、それだけで運命感じちゃう気がするんだけど、奥手の望田くんは自分から「助けてましたよね!!」とか前のめりにならない育ちのいい男の子でした。いやもう、私なら面接の時点で「え!所長って!」って絶対言っちゃうもんね(そして不採用)。所長の一挙手一投足にドキドキしてる初心さにキュンキュンさせられ…。あぁ…こういう風に人は人を好きになっていくんだよね。関西弁が軽くあざとくて、くせっ毛のまるい頭と少年のようなスマイルを必殺技にもつ、無害に見えて結構有害な男に…w。(元カノの漫画はちょっとな…)

いや~、、望田くんってなんかチョロい気がして心配なのですが、ゆっくりゆっくり亀の歩みで恋が進んでいく様子に応援せずにはいられませんでした。そうだそうだ恋ってこうやって落ちるんだったかな…っていう気持ちで読むのも楽しいと思います。あの事務所の壁になりたいです。

自分に正直!がいちばん

「スイートハート・トリガー」の不憫な当て馬・ブラッドの待望のスピンオフ!ニャンニャ先生のアメリカを舞台にしたBLって、アメリカなだけに(?)、湿度が低くて、いい意味で情緒が過ぎなくて、サイコロジーな感じがして面白いです。

残念なスパダリのブラッドとファーリーなホームレス・ノア。人に合わせすぎるブラッドとマイペースなノア、どこをとっても対照的なふたりが、違うままで寄り添って、お互いの個性を尊重しつつ、一緒にいる時間を楽しむ、傍目には風変りだけど理想的な関係にみえました。ほんと、幸せってひとそれぞれでいいんだよなってしみじみしちゃいます。

ノアのキャラクターがめちゃくちゃいいな~と思いました!周りにどう思われようと自分の好きに正直で素直で、弱そうに見えて強くて、ちゃんと自分軸で生きているし、ハムスターをお友達にしてるせいか、弱い立場の人間に優しい、何気に一番男前でかっこいいかもしれないです。ノアの善良で正直な人間性によってブラッドの心に灯がともるような…ちょっと変化球だけど、じんわり沁みる再生の物語だなと思いました。

ファーリーものって初めて読んだんですけど、、そういう特殊設定以上にとても尊いメッセージ性のある作品です。本編のなかで一番ヤバかったケイレブのスピンオフも楽しみです。