大好きな作家様なのですけど、今回は攻め受け(特に攻め)のキャラにハマれなかったんですよね〜。でも楽しく読みました!
自然がゆたかで、ご近所づきあいが息づいている小さな田舎町のおだやかな情景とじんわりと恋愛がはじまるドキドキ感が活き活きと描かれています。月村先生の描く世界って、なんでもない日常がとても楽しそうで優しくて羨ましい…癒やされます。
というわけで、スランプで都会を離れた都会っ子の脚本家(怜久)と訳ありの便利屋さん(蔵乃介)。怜久が慣れない田舎暮らしにオロオロする姿が可愛かったです。ぶっちゃけ田舎暮らし向いてないでしょ!?って感じの怜久が頼もしい便利屋さんに出会って恋に落ちる様は「吊り橋効果」を感じずにはいられないんですけどw、自己肯定感が低いわりにはめげない愛されキャラは応援したくなります。
終始受け視点だったので、蔵乃介の感情の動きがわかりづらかったかなぁ…というところが私の敗因です。恋愛対象は同性でも異性でもなく「早坂さんです」っていう殺し文句はなんちゅー恋愛上級者!って感じなんですけど、ナチュラルにこういうことを言ってしまうっていうところと、スケベ時に”れっくん”呼びするところ、元教師っていうところ…がうまくその人物像として結びつかなかったのかもしれません。真面目なムッツリスケベなんだろうか。いや、やはり恋愛対象男でした、っていう落としどころがあったらもっと受け入れやすかったかな~なんて思ったり思わなかったり思ったり…。
とはいえ、この恋愛対象どっちやねん問題があったからこそ、元教え子の登場や陽気な編集者の存在に、ちょっとハラハラしちゃったりしながら、のどかな街でのどかなカップルが幸せに暮らすっていうハピエン保証と幸福度は満点でした。
ちょ〜〜っと、この物語の流れ的に必然なのかもしれないんだろうけど、つらい展開が多すぎました…。いにしえJUNE世代として、そういう描写は割と読んできた気がするんですけど、令和のPCに慣れきって油断してた感性には、覡への虐待がしんどかったです。あの記憶を受け継いだら、あーなるだろー…ミカちゃん(涙)っていう気持ちで胸いっぱいでした。
というわけで、本作を萌で評価すんのすんごく難しいな〜と思ってます。壮大な世界観、どこに流れ着くかわからないハラハラどきどきの展開、かっこよさ、かわいさ、ぜんぶひっくるめた漫画力、まぁ最終的にハリウッドで映画化されてもいいくらいのクオリティな気がするんですがw、、6巻購入して読もう!と思って「はて?これって…?」前回の展開をすっかり忘れている自分がいて、5巻から読み直しました(汗)1年1冊ペースはもどかしい…。そして、謎は新たな謎を残し謎のまま。アルトの両親のエピソードは意外と普通?というか、ちゃんとふたりの愛の証として生を受けてましたよね。でも、それ以上のなにかを持っているっていう??(一体全体なにものやねん?!)
なんといっても、この島は犠牲と悲しみが多すぎる。。これほどまでにダークなものの上に成立する幸せって…?軽くモヤるものがあるんですが、悲劇の連鎖を断ち切って浄化するような、アルトとエルヴァさまの幸せ爆萌えな日々が読める日を楽しみにしてます。
上下巻読んじゃったんで、上下巻の感想ということで…。
”萌”を基準に評価すんの難しいな〜、でも疑似家族もの漫画としてとてもおもしろかったと思います。めっちゃBLを期待して読んでBLを楽しむというより、複雑な感情の動きや、家族というものの役割やあり方を考える的な…、スト重の方におすすめです。あと、ちょっとずつ時間をおいて読んでしまったんですけど、あとから思えば上下巻一気読みしたほうが、物語の疾走感を感じられそうな気がします。
幼い娘を残して亡くなった女性の母親に招集されて集まった父親候補2名っていう、ちょっとざわつく導入。本当の父親はどっちだ?に関して、下巻読んで「なるほどー」ってなりました。この展開は上巻読んだだけではわからなかったです。んで”萌”度数は、当たり前かもしれませんが下巻のが圧倒的でした。
微妙に人物相関図がわかりにくかったかなっていうのと、ノンケ→ゲイの恋愛感情の着火点にそんなに説得力を感じられなかったような気がしたんですけど…、まぁ骨太なドラマを楽しむ上では些末なことですね。
緑が丘高校映画部シリーズは、菊地原仁が卒業しちゃっても続くシリーズでした。しかも、さらに続刊もあるんですね。アニメ化ってすごい…!卒業、引っ越し、温泉、遠距離恋愛って、エピソードが盛りだくさんすぎてやや消化不良だったかも(汗)
映画部の水と油が恋をするとこうなるっていう、個人的にはシリーズのなかで一番推し度が低いCPなんで萌えっつーより、ラブコメ!と思って読んでます。なんかこのふたりの組み合わせってキャラ的に一番個性的で面白いと思うんですよね。
菊地原仁(フルネーム呼びがしっくりくる)がついに卒業して大学生になって、高校生の義一と遠距離になるという、直接会えないもどかしさの募る新章でした。じゃのめ先生の描く繊細なコミュニケーションのエモさと言葉の鮮度がいいなと思いました。なんか行間がキラキラしてるんです。
校歌の伝説がすごくロマンチックで素敵でした。というわけで、それぞれが制作する映画については、エンタメ路線の菊地原組より岩井〇二路線な市川組の作品のほうが断然好きです!(いつか見てみたいものです…)
積読消化中です。
プラチナ文庫が休刊(廃刊?)と聞いて、とりあえず!と購入していた凪良先生の名作、やーーっと読みました。
一般文芸とBL、ジャンルが異なっても凪良先生が描きたいテーマ、作家性は不変だ!と感心したりして。個人的には、そこにはそれほど惹かれないので、文芸の作品に魅力を感じられないのですが、BLとして整えられている物語はとても好きでした。ちゃんと萌えるというか、私の好きな感じのスケベ表現wというか、上手いですよね(今更ですけど)。
太陽の光に対して強いアレルギーを持つニーナと、俳優の陽光。出会いの昏さが鮮烈で、このネガティブに負けない陽光のどMなところw、不憫な大型ワンコキャラがよかったです。それぞれの対照的な魅力、遠距離恋愛して、ときどき会うみたいな関係性が、太陽と月みたいなふたりだなと思ったのでした。
ニーナの対応が切ないくらいに塩で、もうちょっと優しくしてやれよ~って突っ込まずにはいられませんw ニーナのキャラクターは、デレのないツンすぎてちょっと好きにはなれなかったんですけど、”美しい彼”のふたりにちょっと通じるものを感じるCPだなと思ったのでした。受の境遇に対しては、色々考えさせられることが多すぎて重かったんですけど、最終的にはより良き方に恋人同士のふたりが歩み出すっていう安心安定の解が用意されていて、やっぱり読者としてはこういう救済に心地よさを感じてしまうので、”BL”はよい!と改めて実感してしまいました。
昨今話題になりがちなセクハラ的な表現がありますが、なんかこういうシチュはあるあるだったよね…とか、過去作の面白さだったりすると思うんですよね。
幻冬舎版も持ってるんですけど、円陣先生のイラストと同時収録番外は読んでなかったような気がして購入してしまいました。そして、数年ぶりで読み返し…
やっぱり凪良先生の作品のなかでは一番好きに変わりはないのですけど、以前と同じ熱量では読めなかったな~というか、イラストが期待してたより少なかったかもwなんて思ったり。もう入手困難なのかもしれないけど、幻冬舎版は当時購入してよかったなと(装丁や作りが丁寧で紙がいいwwそして帯の煽りも好きだった)思ったり思わなかったり思ったり。
旧版のレビューでも書いてたんですけど、長い年月を費やす痴話げんかっていう印象は変わらず…水野が阿久津を許せるのは、そもそも終わってはいなかったからなんじゃないかとか、ふたりとも互いへの想いを手離せないずるずるの”友人ごっこ”は読んでてヤキモキし、阿久津が結婚して離婚してっていう狡さは(親のためとはいえ)、相変わらずモヤっとしてしまいました。まぁでもこういう割り切れなさを描きつつ最終的にプラスマイナス+になる展開といい、神懸ったタイトルといい、もっと評価されてもいい名作であることは変わりないかなと思いました。
今回、阿久津の保険金の話がやたらぶっささりました(歳のせい?)。意外と阿久津のほうが長生きしちゃうかもしれないやんけ!と思いつつ、だとしても水野なしではダメダメ人間確定なので、ジジィの阿久津が水野を失ったら、すぐ死んじゃうんだろうなって不謹慎な妄想が広がりました。あと、何度読んでも清々しい阿久津捨て身の土下座はBL攻め史上でもかなり上位ランクの”ざまぁ”だと思うんですよね。
というわけで、こういう名作は四六判のが読み応えあるんだよなっていう個人的な趣向と、あとがきは素直にあとがきのが好きだなっていうところ、作品は変わってないけど一応旧版と比べた評価のポイントです。
え…困る、、ここにきてイケオジ投入なんて!!!
むしろマコ&ヒデのほうに萌えてしまいました…。
マコの成仏しない想いがなんだか切なくて、、、とはいえ、奥海さんと藍ちゃんのラブラブは無敵すぎて、こちらはこちらで可愛いし楽しいんだけど、どっちのCPがより個人的な性癖にささってくるかというと、、、マコ&ヒデなんですよねw困る!(2回目)こちらの切ない世界線は令和じゃないかもしれないけれど妄想だけで傑作だな…って思えました(完結)。恋敵がいい子すぎて意地悪できなくて、最終的には親友(?)の幸せを願うマコ…かっこよすぎるんですけど(涙)!
そして、なんという愛ある優しい世界なんだろ(こちらのほうが令和的)。嫌なひとがひとりもいないから、みんなが幸せになってほしいな~って祈るくらいの気持ちになっちゃうシリーズ6巻なのでした。
溺愛に上限はないのか!?ってくらい激甘なバカップルなんですけど、溺愛に甘えない藍ちゃんの男前っぷりは今回も健在でした。でろでろに甘いのに6巻になってもぜんぜん飽きのこない溺愛シリーズは、まだまだ続きが読みたいな~と思わせる魅力の尽きない作品です。
ちょっと「め〇ん一刻」を思い出してしまったんですけど、美人系世話焼き受けと爽やかイケメンだけどちょっとヘタレな年下攻めは美味しいに決まってる!ということでD+フェアのときに購入しました(木下先生のイラストも大好きなので)。
表紙のほのぼの感が作品の内容をよく表していますので、表紙にピン♪ときた方は読んだ方がよいと思います。ほのぼの日常系BLではあるんですけど、下宿してる外国人たちの個性が強くて、ラブよりそっちのほうが面白かったな~…なんて。フランスの腐女子やフィンランドの男の娘、エジプトの博愛主義者(?)、それぞれの国の事情、国際交流シェアハウスものとしての楽しさに結構満足してしまったのでした。大家さんが作るごはんも美味しそうだし、こんな楽しいシェアハウス住みたいぜ!という気持ちで読んでました。二人の恋の行方は、攻め受けの視点で交互に語られるので、安心安定の両片思いというところで、もうちょっとドキドキしてもよかったかもな~(どちらかの視点がわからないような構成で)とか思ったり思わなかったり…。というわけで、変わった設定が好き、CPの属性が好き、日常系が好き…様々な好みに対応できそうなストライクゾーン広めの作品だと思います。とにかく賑やかで楽しかったな~。
高校生活ってこんなに楽しいもんだったっけ?と人生やり直したくなりました。
というわけで、下巻なのですが、特別すぎる友情にそろそろ”恋”という一文字を意識してしまうのではないか~と思っていたのですが、いやもう、これは意識したと言ってもいいんではないでしょうか(ダメ?)
あとは、永遠にこのもどかしい二人を見ていたいなという気持ちになりました。大学生と専門学校生と、別々の道を歩みそうなふたり、そしてうっかり彼女とかができちゃうかもしれない(特に戸上)けれど、なんだかんだつかず離れずで続いて、30過ぎたあたりにくっつくっていう展開でもいいんじゃないでしょうか、いや高校卒業して一緒に暮らすとかでもいいんですけどね。(←誰?!)
彼らの周辺人物たちも皆優しいし、クラスが離れてますます箕野への保護欲を募らせる戸上にニヤケてしまうし、たーくんの幼馴染みの莉央ちゃんは腐女子だし、沖縄の蛇のぬいぐるみが可愛くて欲しい…胸がいっぱいになりました。ふたりの名前がタイトルなんだ!とここにきて気づいて、さらに感動してしまうのでした。
ちょっと泣きそうに優しい作品でした。
いたって平凡な高校生ふたりのいたって平凡な高校生活。永遠に繰り返されるかのような日常も高校の3年間という枠のなかに収めると、こんなにも非凡な輝きを放つものなのかしらと改めて気づかされてしまいました。中学3年、高校3年、大学4年…特別な時間のなかに彼らはいるんですね。
というわけで、しっかりものでちょっとオカン気質な戸上と天然系ラブリー箕野の高校生コンビ。正反対の個性に異なる家庭環境だけど、ごく当たり前に一緒にいる、ラブ未満の特別な仲良し、可愛すぎるんですけど!
高校生になったら自然と彼女ができると思っていたけど、その気配はなく…せっかくできても、意外と楽しくないことに気づきwやっぱり戸上or箕野と一緒にいるほうがいい!に戻る萌え。箕野母のためのオムライスの話や、浮き輪エピ、本屋のおしゃれ雑貨エピ、こんなに相手のことを想っちゃうのに恋愛じゃないって、どういう地獄なんですか!?wっていう、なんかもどかしいけど、それがむしろいい!っていう、恋愛という湿度は低いものの、日常を愛するみなさんに是非おススメしたい作品です。