とてもかんたんに言ってしまうと、
生活能力ゼロのショタジジィ作家と、その玉の輿に乗った世話焼き青年のお話です。
表紙の鬼っ子がショタジジィなのですが、めちゃくちゃ可愛い。めちゃくちゃ可愛い。けどジジィ。ちゃんとジジィ。
ラブ的な意味でのイチャイチャはとても少ない作品ですが、鬼っ子の可愛さとそれに振り回される人々の姿に「萌え」……。
tacocasi先生の前作「お守りくん」とは打って変わって、異界のキャラが盛りだくさんで、しかもみんな可愛い。それぞれに魅力があるので、もっとこのキャラクターたちの色んな話を読みたいです。
装丁や封入ペーパー(初回特典ですが)もすごく可愛いのでぜひ紙で買って読んでいただきたいです!
twitterとかでよく見かけていたので購入しました。
クチコミ、帯や煽り文ですごい読者の期待を高めてきて、ウキウキで帯のとおり真夜中に読んだのですが、んーー、他の方も仰ってましたがちょっと期待し過ぎたのかなー、という感想。
正直、「真夜中に読むと、叫び出しそうになる片思い」なんて帯に書かれてたので失恋エンドを期待しちゃってました。というか、その覚悟で読んだのであっさりくっついて拍子抜けしたというか。。。
これならこれで、もうちょっと違ったアプローチが必要だったのではないかなと感じます。
「叫び出しそうになる片思い」と銘打つほど片思いの苦悩は描かれてないんじゃないかなぁ。。。帯の文句に第一印象が引っ張られてしまったために期待はずれのような感じになっただけで、作品自体は絵柄も構成も無理なく綺麗で読みやすかったので、作者買いしたいなーとは思いました。次の作品楽しみです。
夢もなにもない高校生が、ひょんな事から商店街のお茶屋さんと出会い恋に落ちる。
「ひょんな事」の描きこみが少ないのと(これに関しては下の方に詳しく記述する)、主人公の高校生が人懐こいのか、人付き合いが苦手なのか、イマイチ定まらないキャラクターだったのであまり楽しめなかった。
受けのアラサー青年はガサツな感じと、ショックなことが起きた時の繊細さとを持ち合わせていて、人間らしいキャラクターだったのはつかめたし、好感も持てた。高校生が惚れるのも仕方ないな〜と思う程度には。ただいかんせん高校生が……わからない。つかめない。
「スローライフ・エブリデイ」というタイトルの意図は読めたが、キャラクターとストーリーにあまり魅力を感じられなかった。萌えが不足、というより不明。ただ「日常」というイメージを押し付けられた感じ。
絵柄は可愛らしく、人間らしい、読みやすいものだったのでエロシーンももっとみたい。次回作ではキャラクターの作り込みに期待したい。
【以下、「ひょんな事」(ストーリー冒頭)のネタバレあります】
「ひょんな事」というのは、
主人公は普段歩かない町を猛暑の中、図書館を探して歩き回る。その結果暑さにやられて倒れ、倒れた先がお茶屋さんの前だった、という出来事。
主人公は本が好きなのかな?と思ったが読んでいってもそんなことはなさそうだし、勉強しなきゃならないって感じでもなさそう。なんで図書館に行きたかったのか描かれないし、介抱したお茶屋の青年もそこに触れない。ただのきっかけとしてのみ、図書館というワードが出てきただけで、なんとも不完全燃焼……。そういった会話が無かったために、キャラクターを掴みきれなかったのかもしれない。結局高校生が青年に惚れたきっかけもよく分からなかったし。
御都合主義のエロ本だったなら気にならないが、ストーリーに重点を置いて2人の成長の日常を描く気なら、もっと詰めて欲しかったな、と思う。
今から「やたもも」を読み始めようかと思う方、
「やたもも」を3巻まで一気に買い揃えることができることがどれほど幸せか、3巻まで読んで痛感することになります。
「やたもも」は、はらだ先生作品では珍しく「読んでいて痛すぎないBL」として癒しを求めて読む作品でしたが、この3巻と同時発売の2巻の2冊によって、「やたもも」はやっぱり"はらだ節"の効いたはらだ先生作品なのだと再確認しました。とはいえ1巻の「痛さ具合」「キャラの明るさ」「テンポの良さ」「エロさ」は健在。
2巻3巻読んだ後に1巻をまた読みたくなる、1巻の内容がより深度を増す、素晴らしい作品です。今から3冊一気に読める方が羨ましい!