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女性しろたんさん

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何年ぶりかの再読

買ってからずいぶん長くほっぽっていて、久しぶりに読みました。

放っていた理由は絵があまり好みではないからですが、そんなことは吹っ飛びました。

ええ話やないか〜(泣)

BLだな、ファンタジーだなと感じる展開もあるし、友だちなど周りの登場人物が理解ありすぎるし、学生時代の三春の奔放さの理由もまああるあるだし。

でも、男同士ということの難しさからは逃げなくて、といってそれでこじれるほどしつこくもなく、スパイス的に物語を引き締めている印象です。

全体的には「ありえない」「ご都合主義的」なのはいなめないですが、そのふわふわをベースにしつつも人物像はしっかり描かれていて、問題点も感じるけど主人公2人の気持ちもわかるー、親の気持ちもわかるー、でも考えが甘いわー、漫画の展開すぎるわー、さまざまな感想が浮かび、いろいろ考えさせられます。

考える余地がある、この物足りなさ含めて星5つです。

見るたび違う横顔なのは、まさに子どもから大人へ成長する平ちゃんそのものですから。

いい男、いい関係

梶さんていい男って設定じゃなかったっけ?? と戸惑う程度には顔がこう、簡単な線だったり顔芸していることも多いのですが(笑)、一途さや真面目さが全面に出てとてもいい男、になっている。

ふたりが別れる別れないになる行き違いなどは無理やり感も感じるのですが、逆にこれくらい無理やり話を進めないとこのふたりは勝手にラブラブしちゃうんだろうなと思ってしまうくらい、互いにどうしようもなく惹かれ合うのを感じます。

深見くんも淡々としているところと率直に情熱的な姿とのコントラストがいい。
互いに気持ちよくて幸せであることに素直に貪欲になっているように思います。頑張っています。

互いに価値観やこれまでが違いすぎて言葉が足りないと振り回されるわけですが、それでも離したようでぜんぜん硬くとりあった手はつながっている、そんな力強さすら覚えました。

言葉にする、大事

よかった……。

これだけでうっとりと終わりそうなくらいによかった。
読み終えたとき体を包む満ちたりた感すごかった。

いちおうレビュー。

恋愛や人間関係では、言わなくてもわかりあえるのが深いみたいなところあります。
阿吽の呼吸の尊さみたいな。

一方で、ちゃんと言葉にすることの大切さも重いわけで。

雀さんはたぶん、年齢や立場、もともとの性格も、本来は自分の思いを口に出すことは苦手または控えがちだと思います。

でも田中くんの前ではそれができる(少しずつだしものすごく勇気ふりしぼった感で真っ赤だったりしますが)。

そうできるのは、田中くんが言葉でも態度でも愛情表現を惜しまないから。

雀さんは彼氏の懐に安心してぜんぶ預けられるんですよね。

でも田中くんだってなにもかもあけっぴろげなわけでも無遠慮なわけでもなく。

控えがちなとこもある。

それは雀さんがちゃんと気づいている。

声にフォーカスしていたぶん言葉の大切さがとてもしみましたが、言葉で自分の思いを伝える真摯さと、黙っていてもわかりあえる絆の強さと、そのどちらもが無理なく成立していて素敵なふたりでした。

ところどころ、いくらなんでも人間の足じゃねえ! って長さだったり、指先どうなってんだ? って靴だったり、絵が気になるところはあるにはあったのですが、田中くんのかっこよさが際だっていたのでヨシ!

あとがきの作者がきている服のQRコードがちゃんと読めたのすごい(笑)

限りなく星5

じゃあ素直に満点つけとけよって感じなんですが。

まず、上下巻まとめての感想かつかなりラストのネタバレありということをお断りしておきます。

満点にしない理由も、満点に等しい満足感も、理由はリアリティです。

しつこいけどホントにネタバレします。

舞花ちゃんのお父さんが余命宣告された身だったこと、そしてその前に亡くなったこと。

これ、せめてどっちかにしてほしかった。
最期まで闘病しきるか、健康だったのに事故に遭うか。

中途半端にここで女性が絡んだのも、訪問医療を受ければよかっただけなのでちと納得いかない。
細かいこというと、がんといいつつズキンと胸を抑える描写も違う表現にしてほしかった。

反面、余命がわかっているから彼は伊吹くんにきちんと手続きを経て残せるものがあったし、残されたものがあっても心身ともに大変な介護の仕事をしている伊吹くんの不器用さ真面目さもより輪郭がはっきりします。
そこはわかっちゃいるけど。

また主人公2人が気持ちに正直になるきっかけは舞花ちゃんの事故未遂、そこには父親の事故死との重なりも大きかった。

必要な要素だったとは思うのですが、ちょっとだけこの物語の中では舞花ちゃんの父親だけが設定詰めこみの「漫画の要素としての存在」感を強く感じてしまいました。

そのリアリティ不足にすこしの不満です。

ただ、悪く言えば彼は主人公の過去の男でもあるので、やたらリアリティある存在感を発揮されても困るのもたしかで…。

佑真さんのお母さんも漫画的キャラですが、こちらは親子関係といい恋人関係といい、はっきりと関わってくるわけではなく、まして主人公たちに恋愛的からみはないために割りきれます。

とはいえ、舞花ちゃん父には不満で佑真さん母には納得なのもけっきょくは私個人の好みとしか言いようのないことですが、そこでどう感じどう星をつけるかは自由ということで。

一方で、身寄りがなく信頼できる他人に子どもの人生を預けてしまう、血のつながらない親子、こういうのはきっとわりとどこかではあることだろうなと妙にすっと入ったのは自分もマイノリティながらたいへん自由に生きているからかもしれません。

そして主人公ふたりが、気持ちが通じ合い互いに互いを守る存在と考え、子どもの舞花ちゃんもそれを望んでいながら同居はしなかった事実。

ここにこの物語のリアリティがあるとも感じました。

このあたりもくどくどと2人の選択の理由は語られません。

BLマンガだとストレートもゆるっと掘ったり掘られたり、あげく子どもがいようがさくっと同居もありがちなのですが、伊吹くんは年齢的には高校生で舞花ちゃんのパパ、これだけでも世間の目を考えるし、佑真さんとの年齢差、パパふたり、実は娘は他人、これだけ重なると別居は正解だったように思います。

ここで別居を選択できる冷静さは、そこまでケンカ親子や自由で行動力と理解のある子ども、泣き虫で寂しがりな主人公をさんざん描いてきたあとに際立っていました。

佑真さん親子も他人だったこと、2人が別居だったこと、ここは本当に極限まで無駄をそいだ表現で済まされてしまう。

そこに感動しつつ無粋なまでに長文を書いてしまいました。

この情熱で星4ってウソやろという気分です。

鳥飼がかわいい

かわいい、とにかくかわいい。
鳥飼かわいい。

………だけではなんなので。

ストーリー的にはそんなに珍しくない、予想のつく展開が続くのに、そこはかもめさんというものか、2人の表情、言葉の選びかたなどで伝わってくる感情の質と量が違う。

矢島と鳥飼どちらも、とても当たり前のことで悩んでいて、とても当たり前のように相手のことを思いやって行動して、互いに、関係をリードしているようでされているようでもあり、もうこの2人にしかないフィット感で成り立っているこの絶妙な唯一無二感。

一巻では言葉の足りなかった2人が、言葉にするようになって。

互いの思い、大切にしなきゃならないことを確かめ合い深めあった2巻でした。

それにしても鳥飼のかわいさはなんなの。
ちゃんとレスキュー隊のたくましさ頼もしさがありながらのあふれでるかわいさよ。

矢島にドシッと乗るとこやちびっ子時代の写真を素直に欲しがるとことかたまりませんでした。

たたみ方がもったいなかった

スケールの大きなお話、キレイな絵で読みごたえがありました。

前半だけなら☆4です。

でも後半がなー、なんとも駆け足で単純でもったいなかったです。

星を減らす理由は2つ。

ひとつは受けのリヨンがなんともふにゃふにゃしすぎ。

彼は幼少期にルカ(オリヴィエ)を救ったのが唯一にして最大の見せ場というほど、ほかは頼りないしむしろ迷惑。

賭け事にふけったり輩に絡まれたりしてはオリヴィエに助けられて迷惑をかけて、それはぜんぶ気持ちをはっきりさせないオリヴィエのせい…。

緊急事態に助けにきたオリヴィエを拒否した理由も、オリヴィエの気持ちがはっきりしないから。

恋愛脳すぎやろ、クーデター起きた国の軍人やで?

記憶がない中でたしかに寸止めオリヴィエに振り回されている部分はあるのですが、それでも、少し考えれば「国でクーデターが起きるとともに記憶をなくした自分、そして常に寄り添う存在」が互いにただの庶民の幼なじみなはずがないと思うんですよね。

幼少期には如才ないとまで言われていたのに、記憶喪失とともに性格も変わりましたか? という感じです。
リヨンには、なにかいいインパクトがほしかった。

また、後半はスルスルスルスルッと展開しすぎです。

厳重な警備があるはずの軟禁状態のリヨンの部屋に難なくたどり着くオリヴィエ(ただし恋愛脳全開リヨンに脱出を拒否られる)、立ち聞きでサクサクサクサクっと明かされるクーデター第二弾の計画、ガチャンと立ち聞きがバレるずさんさ、やはり厳重な警戒どこいったで颯爽とリヨンのピンチに現れるオリヴィエ。

BLマンガでどこまでリアリティや物語の厚みを求めるか、という個人の嗜好と商業的価値? みたいなとこもあるとは思うのですが、もう少しなんとかなったやろー(ジタバタ)と思えてなりません。

作家さんがご自身の好きなものを詰めこんだとのことなので後半の展開はさもありなんですが、後半の物足りなさは前半の期待度の裏返しでもあります。

悪いおとな コミック

鳥音子 

☆3寄りの4、でもママに星5つ!

基本的にはかなりキレイな絵なのに、ときどき主に体全体の場面などは気持ち悪いほどヘンになります。
あの不安定さはなんなんだろう…。

いくらトラウマがあるとはいえ先生の行い(校内で2人の生徒と関係、しかも1人は自分の都合であっさり捨てる)はクズすぎだし、先生の現恋人くんと捨てられた元セフレくんが仲良しなのもご都合主義的だし、つかヒロくんいい子すぎるし、部活のレギュラーが危ういからって攻めくんが受けた嫌がらせは陰湿すぎるし、それをいい話みたくあっさり解決しすぎだし先生の先生はほんまにムナクソ悪い……つまりわりと不満の多いストーリー展開ではありました。

率直にいって先生パートだけなら星2つ、捨てられたセフレのヒロくんと幼なじみのパートがわりと良くて星4つ、最後にいろいろさらっていったママに星5つで、平均して星4個としましたが、それがよいのか悪いのか。

もし星4の評価につられて読んだらしんどいかもなあと思いつつ、な感じです。

そして、ママの話を読んでから振り返ると……たしかに勝手に思いこんでいたけど「そう」な描写はないわ!(ちるちるのカップリングも間違っている……のか…?)となりました。

ママのパートナーがかなり懐深いわ(笑)

なんか惜しい感じ

お兄ちゃんの燈馬くんがとてもいいキャラなんです。

弟ラブがモンペ状態なのはおもしろいし、リーダー気質や正義感がかっこいいし、ちゃんと約束は守るし。

主役の2人がそれに比べると際立つ個性がないというか。

国立は一途さ、蒼馬は無邪気さなど魅力はあるにはあるんですが。

あと、国立と燈馬が付き合っているというのがフェイクなのはすごくわかりやすすぎる。
大事な点なのに。

国立のご飯まで燈馬たちのお母さんがめんどう見ているところなんてザ・説明セリフ(笑)

ちょっとこう、わかりやすく「まあ、イケメンで優秀な生徒会長の誰それ様よ」的な、モブに説明させてしまうところやフェイクのわかりやすさ母の説明セリフなどに拙さがもろに出ていて「もう少しがんばればもっとおもしろくなるのにぃ」という印象でした(ナニサマだ、すみません)。

いい、いいです!

基本はコメディタッチ。
そんなに深く考えることなくサラリと軽く読めばいい物語。
……なんだけど、けっこうせつなく胸を打つこともある。

そして「ただのキス」を2人が大事にしていてもうほんまたまらんくなる……(語彙力喪失)。

明るく前向きな気持ちになりたいとき。
シンプルに人を好きな気持ちとか思い出したいとき。
気持ちがすさんで優しさやあたたかさを感じたいとき。

そういうとき取り出す心の本棚に入る作品になって、正直、自分でも驚いています(笑)

おもしろい、イイ!

これはたいへんよいものに巡り会えた! と感動レベルです。

まず絵がきれい。描き込みしっかり系野性味があって、勇者が本当に男前。

キャラの名前や設定がおもしろい。

出てくる道具類もかわいくて実用的で雰囲気がとてもしっくり。

そんなに複雑ではないけどすこーしだけ伏線というかだまされる部分もあってそうきたかーと驚きもわく。

そしてとにかくうぶ同士がまじめ相手と向き合いながら戸惑いながら惹かれ合う様が本当に胸にくる。

簡単にいうとときめく。

おもしろくて(コミカル的な意味でも引き込まれる興味深さでも)、絵がきれいで、シャレがきいていて、土台の世界観がしっかりしている安心感があって、読み物としてしかけもある。

最高か!

ちなみに、局部の隠し方は花です。

花があっち向いたりこっち向いたりで絶妙に隠してきます(ごく一部のページだけなんですけど)。

声を出して笑ってしまいました。